「道」ブログリレー01: 三宅への思い/小平一誠

『三宅』への思い

あっという間に5月も終盤。鼓童ワンアースツアー「道」の国内ツアーが始まりました。

昔からの演目もあり、新曲もあり。まさにこれからの鼓童が歩んでいく道のりを感じて頂ける作品ではないかと思います。是非各劇場へ足をお運び下さいませ。

Photo: Takashi Okamoto

私は今回昨年に続き、鼓童がずっと打ってきた演目『三宅』のソロを務めさせて頂いております。

昨年も、そして今年も沢山の思いが巡りました。

昨年は、技術や体力などの差を先輩方に追いつくために、とにかく打ちまくりました。

Photo: Erika Ueda

先輩方からの厳しさの中に自分を叩き上げてやるという思いがこもった叱咤激励や御指導を頂きながら、とにかく打ち、時には泣きながら打つ事もあり…『三宅』、そして自分と嫌という程向き合うまたとない経験をしました。

Photo: Erika Ueda

それから1年経ち、今年も『三宅』を務めさせて頂く事になり、今回は若手メンバーで構成されたフレッシュな顔ぶれでの演奏です。

ソロを務める上で、どのような『三宅』を打ちたいか、そのためにはどんな稽古をするか。

自分もまだまだ未熟な立場ですがみんなをまとめることになり、昨年のただ打つだけだった頃とは全然違う角度で向き合いました。

演奏メンバーと話したり、先輩からの指摘を頂きながら進めて行く中で1番痛感したことは、信頼関係です。

「俺らはいくらでもやる。だから一誠は俺たちに気を遣わなくていいから遠慮なく言ってくれ」

稽古中、先輩からそう言われた時自分は周りを信頼しきれてなかったんだと、自分1人でしか打ててなかったんだと、気づきました。

Photo: Takashi Okamoto

ソロは地打ちがないと打てないし、どんなにきつくなっても、後ろが地打ちで支えてくれている。

声を出してくれている。

そんな太鼓の音や私たちの魂が1つになって鼓童の三宅の音が出来ていくんだと感じました。

Photo: Erika Ueda

今回のメンバーでしか出来ない、出すことができない『三宅』の音を、そして『三宅』という演目を通して見える私達一人一人の「道」を皆様にお届けできるように精一杯打ち込んで参ります。

Photo: Takashi Okamoto

私が鼓童を初めて観たのは2009年。大阪厚生年金会館での「十二月公演」でした。

幕開けから約2時間、鱗模様の衣装にはちまきをキリリと締めたメンバーの全力でひたむきに打つ姿に、そして心をぐっと掴んで離さない舞台にとても感動したのを鮮明に覚えています。

あれから10年。あの時の気持ちを胸に込めながら、今度は私も衣装を身に纏い、全力で務めさせて頂きます。

鼓童「道」幕開けです。

Photo: Takashi Okamoto

 

次回の道ブログリレーは
『実はアドリブ!/三浦康暉』
お楽しみに!

 

Photo: Takashi Okamoto

 

公演詳細:

https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/16691

スケジュール

「道」劇場でお待ちしております!/船橋裕一郎

早いもので新年度がスタートいたしました。新たな環境のもと4月を迎えられた方も多いのではと思います。

私たちは北米「Evolution」ツアー、交流公演を充実の内容のもとに終え、春からのツアー、さらにその先の作品に向けての準備に取り掛かかっております。

さて、先日お知らせいたしました通り、”ワン・アース・ツアー2019″は、1年を通して「道」を全国各地にてお届けいたします。

Photo: Takashi Okamoto

『モノクローム』、『三宅』、『大太鼓』から『屋台囃子』といった定番の演目をはじめ、私の大好きな『The Hunted』や『HITOTSU』など懐かしの名曲、そして新たに生み出した曲も交えた”血沸き肉躍る”2時間!

Photo: Takashi Okamoto

内容は昨年から洗練され、旅の中でさらに練り込まれてまいります。

Photo: Takashi Okamoto

是非、劇場に足を運んで頂き、ベテランから新人まで各世代の演奏者が奏でる音、身体の躍動を味わって頂けたら幸いです。

Photo: Erika Ueda

鼓童ワン・アース・ツアー2019「道」全国ツアー

スケジュール

研修生1年生/小松崎正吾

鼓童塾*に関わるのは研修生2年生。鼓童塾期間中、1年生は別の場所で合宿稽古を行います。

普段のカリキュラムよりもさらに“打ち込む”事に特化した3泊4日。(在島しているメンバーも顔を出してくれました)

多くは語らずひたすらに打ち込み、自分と同期と太鼓と向き合います。

Photo: Shogo Komatsuzaki

入所して3ヶ月が経った彼らが、ハードなスケジュールの中で思う事は沢山あると思います。

辛い事や、目を背け逃げたくなる事、体力的に苦しい事や精神的に追い込まれる事。
不甲斐なさ、悔しさ、寂しさ、焦り、怒り。

そんなものも全部懐に放り込んで打ち込めるか。

ここに来ようと決めて海を渡って来た時の気持ち。育て、送り出して下さった皆さんの想い。夢を力に打ち込めるか。

Photo: Shogo Komatsuzaki

憧れたあの背中には程遠い。心打たれたあの音には程遠い。
かも知れないけど打ち込むんだと腹を決めてぶつかっていきます。

合宿最終日の彼らの背中と心音は素敵な輝きを放っていました…

真っ直ぐがむしゃらに出す彼らの音も、
いわゆる『鼓童の音』に通じているのだろうと感じておりました。

この勢いを大切に、アツいアツい夏へと向かっていきます。

※鼓童塾とは…
研修生の暮らす柿野浦の研修所にて、齊藤栄一が塾長を務める体験型ワークショップ。
研修生の1日のスケジュールを体験して頂きながら、『熱き思ひ』をテーマに栄一塾長とひたすら太鼓に向かう非日常の3泊4日。
[詳細]https://www.kodo.or.jp/about_ws/juku_eiichi

鼓童文化財団研修所
https://www.kodo.or.jp/apr

紡ぎ続ける未来を/山脇千栄

鼓童は、
早春の交流公演ツアーへと繰り出しています。

3月12日、舞台は淡路島の三原志知小学校でした。

ツアー出発前に、
スタッフより、
「これを見て欲しい」と
鼓童メンバーにある映像を見せました。

そこに映っていたのは、

鼓童そっくりのウロコ模様のミニ半纏を纏い、
元気一杯に『彩』を演奏する子どもたち。
胸元には「志童」と書かれてあります。

 

 

笛、担ぎ桶の両面打ち、大太鼓ソロ…
一人ひとりがしっかりとパートをこなし、
子どもたちのみで『彩』が完璧に演奏されていく様子に
メンバー一同ビックリ。

私は密かに感動して涙ぐんでしまいました。

「鼓童さんと彩をコラボレーションしたい」
子どもたちから頂いたメッセージを受け取って、
私たちは胸を弾ませて淡路島へと渡りました。

到着したら、体育館は鼓童一色。
歓迎のイラストと名前が体育館に散りばめられています。
小さな太鼓がずらりと並んでいて、
ここで一生懸命練習してるんだろうなあ…と想像しながら、
交流公演の準備を進めます。

鼓童リハーサルが終わった後、
志童の子どもたちの全校児童51人が
可愛らしいバチ袋を持って、
コラボレーションの練習に来てくれました。

 

 

まずお互いが『彩』を演奏し、音の挨拶です。
そして、鼓童が演奏で大切にしていることを伝えながら
コラボレーションの『彩』を何度か一緒に練習し、準備は万端。

本番は、近隣の幼稚園や小学校の子どもたち、保護者の方々、
三原志知小学校のみんなは、あのミニ半纏を着て体育館に集まってくれました。

 

半纏を着ている私たちの目の前に
全く同じ衣装を着た子供達が座って、
鼓童の交流公演がスタートします。

なんだか不思議な光景です。

体でリズムをとったり、真剣な眼差しで演奏を見るのはもちろん、
大きな音も平気な様子に、
さすが和太鼓が身近にある小学校だなぁと感じました。

 

 

全ての鼓童の演奏が終わった後、
志童の皆さんからお礼の演奏を2曲聞かせて頂き、
最後は、志童と鼓童のエネルギッシュな
彩の演奏が体育館いっぱいに響き渡り、
観て頂いていた方々から、大きな拍手をいただきました。

本当に素敵な時間でした。

 

 

笑顔で太鼓を叩いている
子どもたちを見て、こんな気持ちが溢れて来ました。

この子たちの未来に、
また鼓童が登場することがあるかもしれない。

それは鼓童メンバーになることかもしれないし、
お客さんとして鼓童を観に来ることかもしれない。
はたまた、頭の中の片隅のちっぽけな思い出かもしれない。

それでも今日一緒に演奏できた経験や、
楽しかったという記憶は、
きっと未来と繋がってくれるはず。

太鼓の力で、一人でも多くの子どもたちが
笑顔になれるのならば、

 

鼓童は、未来を紡ぎ続けること。
未来を紡いでいく明るいエネルギーを
出会った皆さんにこれからも絶やさず届けていくこと。

そして何より、
鼓童が在り続けること。

これがどれだけ重大なことか。

阪神淡路大震災から24年、
東日本大震災から8年。
明日が来ることが当たり前じゃない。

そんな言葉が、胸に刻まれている中で

子どもたちがずっとこの笑顔を絶やさないでいられるように。
明るい未来がずっとあり続けるように。
そして、純粋に太鼓が楽しめるこの環境がいつまでも
あり続けるように…。

と、グッと背筋が伸びるのでした。

 

 

私も同じように小学生の時に鼓童の舞台を見ました。
そして、あの時から今まで、先輩方が鼓童を紡いで来てくれて、
今、鼓童の一人としての自分が在ります。

楽しくて太鼓を叩いていると、
ここにたどり着きました。

太鼓が過去と現在と未来を繋いでくれています。

私たちは、今回これぞ「未来に繋がるミニ鼓童」に出会えました。

この奇跡がいつまでも循環していくことを
熱く願うばかりです。

 

山脇千栄

思い出の地「シカゴ」/住吉佑太

皆さん、お元気でいらっしゃいますか?

こちらはマイナス10度を下回る日があるほど
寒い日々ではございますが、皆元気にやっております!

Photo: Yuki Hirata

今回で4度目のシカゴ。
シカゴにはたくさんの思い出があります。

Photo: Eri Uchida

初アメリカツアーのときに
「Blue Chicago」で聴いたブルースの衝撃にはじまり、

Photo: Yuki Hirata

3年前には、ソロとしてもシカゴに数日滞在して、

こちらの太鼓コミュニティの皆さんとワークショップや小公演などで交流し

大変お世話になった思い出もあります。

そのときのメンバーが、終演後に駆けつけてくれました。

Photo: Koji Miyagi

こういったツアー先での再会は、とても嬉しいものです。

年々、各地での繋がりが増えていくのも、とても嬉しいことですし
皆さんに会う度に、長いツアーを乗り越える元気を頂いています。

Photo: Takashi Okamoto

今回のシカゴ公演も
始まる前から
「今日、超楽しみにしてるよ!」
「佑太の曲やるの!?」
などと、たくさんのメッセージを頂いて

これもまた、「よし!頑張るぞ!」という気持ちにさせてくれます。

Photo: Takashi Okamoto

だいたいそういう日は、力みすぎる傾向にあるんですが…笑

長いツアーも折り返し。

また各地での皆との再会を心待ちにしながら
怪我なく元気に、ツアーをまわります!

Photo: Takashi Okamoto

Thank you, everyone!!

Photo: Ami

 

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド

2019.03.08(金) 〜2019.03.09(土) アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド Quick Center at Fairfield University

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)