鼓童文化財団 研修所 41期 二年次スタートしました/赤澤京

7人でのスタートをきった41期新2年生。
今年も「冬期間」と呼ばれる時期がやって来ました。

鼓童メンバーと稽古スケジュールを確認

研修所がある柿野浦の山は雪がうっすら積もり、寒い日々が続いています。
その中でも寒さに負けじと稽古場では研修生の熱い稽古が行われています。

とにかく打ち込んで自分の限界を超えていく

4月に新一年生を迎えるまで、そして12月の最終発表会に向けて自分たちはどこまで伸びていけるだろうか?

気持ちを高め、お互いにぶつかり合い、励まし合いながら前に進んで行きます。

時には投げ出したくなることもあるかも知れません。
だけど今はぐっと堪えてひたすら自分自身、同期、太鼓と向き合うのみ。

今は目に見えない根っこの部分をしっかり太くする時。
いつか綺麗な花が咲くと信じて…

春の訪れを楽しみにしながら一歩一歩踏みしめて参ります。

研修所講師ご紹介 〜ボディワーク 京矢彩希 先生〜『自分の体へこだわりを持って…』/ 赤澤 京

ボディトレーナー 京矢彩希 先生 

2019年より研修所講師。

〈プロフィール〉
北海道出身。

18歳の時昭和音楽大学短期大学部に入学、卒業後は芝居のみを学び直すために、UPSアカデミーに入学。

その後は日本舞踊の舞踊団に約10年所属しながら、ミュージカル、ストレートプレイの舞台に立つ。

ヴォイストレーナー野上結美先生のご紹介で、研修生や鼓童メンバーへの指導を行う。

 

「自身の怪我をきっかけにピラティスの資格を取り、身体のトレーニングを学び指導者としても活動しています。」

 

『研修生への指導の内容は?』

 

ピラティスやグランドムーヴメントで身体の使えていないところや感覚のないところ、歪み、左右差などを本人たちに気づかせながら、それらをトレーニングを通して自分の力で整えていくトレーニングを組み立てています。

そこから最後は腰をしっかり落とせる強い下半身を作るためスクワット、ジャンプトレーニングまで!!

骨盤の位置をトレーニングによって正しい位置に矯正中

 

『最初に指導に来られた時の印象や記憶に残っていることはありますか?』

 

過酷な環境だなと思いました。

日々便利になっていく都会の生活に逆行するかのような生活を送る研修生を見て、私には到底真似できないと思いました。

足を地面に押し返して、揺れない下半身を作るためのジャンプトレーニング

 

『研修生へ指導を通して思うこと、伝えたいことは?』

 

太鼓を打つにも、民族舞踊を踊るにも、歌を歌うにも、まずは自分の体のベースの土台が育っていないと、いつか技術を身につけていく途中で行き詰まりが必ず出ます。

そして怪我をして悔しい思いをします。

そんな時、体の使い方の根本を見直し立て直すトレーニングが必要となります。

今の若いうちから自分の体へこだわりを持ってしっかり自分の体と向き合ってください。

それが長く好きな太鼓を打ち続けていけるカギとなります。

 

また、舞台でお客様を感動させられるプロとしての身体を仕上げてください。

骨や筋肉の位置や動きを意識しながら、芯のある身体づくりを目指します

ここまで3名の研修所外部講師の方々をご紹介して参りました。

鼓童研修所では太鼓のみならず芸能や舞台で必要なスキルを養うためのカリキュラムがあります。
詳細はこちらをご覧ください。

〈研修所カリキュラム紹介ページ〉

研修所のカリキュラム(研修内容)

新研修生実地面接/赤澤 京

2023年度の研修生募集を開始しました!

今年は10月と翌年1月の2回、実施致します。
どちらかご都合のよい日程を選んでご応募ください。
(どちらの面接に参加いただいても、研修は2023年の4月から始まります。)

また、応募方法は鼓童サイト内からフォームで送信していただく形になります。

 

さて…「実地面接」って、どんなことをやるんだろう?と気になる方もいらっしゃると思います。
今回は、2021年11月6日〜7日に1泊2日で行った今年の面接の様子をご紹介します。

 

初日

夕方頃佐渡に着く船に乗り、集合場所である両津港から研修所へ向かい、まずは簡単なオリエンテーションから始まります。

その後は、研修所に関わる鼓童メンバーやスタッフが見ている中、ウォーミングアップ、太鼓、踊りと、1つひとつ研修所講師がリードしながら進んでいきます。

太鼓は、簡単なリズムをゲーム的にたたいたり、地打ちのリズムにのって、一人ずつ順番にソロの手をたたいたりしてもらいます。

踊りは、メンバーが見本となって立ち座りなどの所作を通して、身体のくせを見ることもします。

 

研修所講師は、もちろん鼓童のメンバーや名誉団員です。
始めは緊張していた面接参加者も、やっていく中で少しずつ気持ちがほぐれ、笑顔が見えるようになっていきます。

 

食事作りの担当になった研修生は、自分たちが作ったお米や野菜を使って美味いご飯でおもてなしができるように腕を振るいます。
夕食は、面接参加者、研修生、鼓童メンバー、スタッフが入り混じって座り、一緒に食事をとりました。メンバーにとっても、面接参加者と直接話ができる大事な時間です。

(写真は2019年に撮影したものです)

 

夕食後は唄の時間。

その場で民謡の掛け声の声出しや、自分の歌いたい曲を自由曲として歌ってもらいます。
一人ひとりが持っている「声」に耳を澄ませます。

 

面接参加者をサポートするのは現役の研修生。
ウォーミングアップでは見本として先頭に立ち、太鼓の準備など、メンバーやスタッフの指示のもときびきびと動きます。

実技が終わった後は研修生が稽古をする様子を見てもらう時間もあります。

 

2日目

研修所のいつものスケジュールに従って拍子木の音で起床。

 

体操、掃除。そして研修生と一緒にトレー二ング。
運が良ければ海沿いを走るときに日本海に昇る朝日を見ることができます。

体力に自信がある人も、さすがに研修所の坂は厳しく、ラストの坂道ダッシュ5本では最後の力を振り絞ります。

朝食後は、皆が注目している「アピールタイム」。
3分間の中で自分がアピールしたい特技などを見せる時間です。

今回も、絵を描いたり自分についての話をしたり、古典フラや創作の舞踊などと様々。

太鼓、唄、踊りの時間だけでは出てこない、その人自身の感性が現れたり、可能性を感じられる、興味深い時間です。

アピールタイムが終わった後は、研修生の稽古発表。
研修生一人ひとりの思いを太鼓の音で、自分の言葉で面接参加者に伝える時間でもあります。

 

その後、緊張と正座に耐えながらのグループ面接。自分の意思を言葉にして伝え、その場にいる鼓童メンバーに聞きたいことがあれば質問もできます。

最後には面接参加者同士も打ち解け、皆と校庭で記念撮影。
また春、この地に帰って来ることができるように…そんな思いを抱いて柿野浦からバスに乗って帰っていきました。

 

皆さんも自分の夢に挑戦してみませんか?経験の有無は問いません。
大切なのは「太鼓が好き」という気持ちです。
ご応募お待ちしております!

 

 

研修生への応募を迷っている方へ、鼓童メンバーからのメッセージ

鼓童に、研修所に入れば、一歩ずつ、着実に太鼓の技術は向上します。
その環境は整っています。

しかし、その為に必要なのは「強い意志・体力・思いやり」
なぜ太鼓打ちを目指したいのか、なぜ鼓童なのか、を考え、覚悟を貫く「強い意志」

ハードな研修生活を送る為、そしてその先の舞台に立つ為に不可欠な「体力」
集団生活において、そして舞台上の意志疎通の為、人の立場に立って考える事ができる「思いやりの心」

そう私は考えて、面接試験に来てくれた皆さんと向き合っています。

鼓童は、そして研修所は、自分はここまでできるのか!と可能性を最大に広げてくれる場所です。
自分と、人と、太鼓と、集中してどっぷり向き合うことで、本当の自分が見えてきます。

 

研修所所長より

2年間の研修を経て、一番変わるのは表情です。

時に迷い、もがきながらも、自分の中に確かに信じられるものをつかむ。そのことが内から表情を変えてくれるのだと思います。

表情からは、資格も何も得られませんが、そこには「一生を生きていく力」が宿っています。

あふれるモノの世界から、一度少し離れてみる。シンプルに暮らし、物事の本質を見つめる。自然と人に囲まれ、太鼓にとことん向かい合う中で、鼓童の舞台を目指す2年間。

共に鼓童の音を紡ぎ、未来へ繋いでいく若い力をお待ちしています!

 

 

 

※なお、実地面接については、今回行ったものとはスケジュールや内容が少し変わるかもしれません。あらかじめご了承ください。

 

鼓童文化財団 研修所 40期 二年次スタートしました/赤澤京

3人でのスタートをきった40期新2年生。
自分や周りの同期と向き合い、じっくりと根を伸ばす期間がやって来ました。

Photo: Misato

研修生日誌より:

今日から2年生です。
心も体もまだ2年生になれていない気がします。
まずはこの1週間が勝負だと思います。
どれだけ自分を追い込むか、自分に甘えないかが勝負。
甘えたらその分上達しないし、追い込んだらその分ちゃんとした自分になって行く。
頑張るんだ。
3人ってやっぱり大変だし、仕事もやることも多いけど協力しあって研修所を40期の色にする。

Photo: Akiko

凍てつく寒さも忘れるほどただひたすらに太鼓を打ち込む毎日。

ぐっと堪えて向き合い続けることで、心身共に昨年の自分より逞しくなって行くはず。
この期間で一人一人の目の色が変わると思うと今から楽しみで仕方がない。
春の訪れに心が躍るのと同じように…

Photo: Misato

鼓童の提供楽曲

こんにちは、鼓童です。

鼓童では2019年から「鼓童の提供楽曲」という企画をスタートさせました。「いつでも、どこでも、だれとでも もっと自由に」をコンセプトに、鼓童がつくった曲をたくさんの皆さんに演奏して楽しんでいただけるよう、権利関係をできるだけシンプルにわかりやすく、演奏映像や楽譜のダウンロード※1を無料でお届けしています。皆様が発信した演奏動画は鼓童のオフィシャルサイトでシェアさせていただき、ひとつの曲をもとに音や人とのつながりが無限にひろがっていくことを一緒に楽しみたいと願っています。
※1 ダウンロード実績:日本、ブラジル、シンガポール、ニュージーランド、イギリス、アメリカ、インドネシア、中国、ハンガリー、スペイン、オーストラリア、ドイツ、アルゼンチン、ベルギー、イタリア

鼓童の活動の継続には皆さまのご支援が大きな支えとなっています。

皆様のご期待にお応えできますよう、太鼓を通して私たちができることにこれからも取り組んでまいります。引き続きご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

◆◆◆

ひとつの地球をめざし、様々な舞台を携えて旅をする、鼓童の公演活動を応援してくださる「ワン・アース・ツアー支援」。

人材の育成、国際交流、太鼓の力を社会の力につなげる鼓童文化財団の活動を応援してくださる「一般寄付」。

鼓童の舞台を夢みて、太鼓と自分に向き合う研修生を応援してくださる「研修生育成支援」。

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鼓童の提供楽曲についてはこちら。
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