モノクローム、モノプリズム 50年ものがたり|第3回(7)〜(9)
鼓童の代表曲の一つ「モノクローム」と、オーケストラ版の「モノプリズム」。
この2つの楽曲の2026年の初演50周年を記念して、鼓童のインスタグラムで連載投稿を行っています。
本ブログでもその内容に新たに写真を追加して再掲載。
楽曲にまつわる各時代のエピソードを通じて鼓童の45周年の足跡をご紹介します。

前身の「佐渡の國 鬼太鼓座」の「モノクローム」(1970年代)/照明を仕込む原田進平さん(写真:迫水正一)
(7)7本のスポットライト
「佐渡の國 鬼太鼓座」の舞台は、1977年に照明家・原田進平さんと出逢うことで洗練され、スタイリッシュで情感に満ちたものになりました。当時はまだ「太鼓を劇場で観る」ということに、馴染みのない時代でした。
| 「石井眞木さんの曲は、ビジュアルにもかっこ良さがあります。『入破(じゅは)』もそうですし。だから自分が演出するときも、どうやったら綺麗に見えるかというのをすごく考えています。 『モノクローム』の曲の始まりにスポットライトを7本それぞれ演奏者に当てる演出は、鬼太鼓座時代以来のもので、現在はあまりやっていないのですが、今見るとすごい綺麗ですよね。ああいう曲だけど、一人一人がしっかり打たないと成立しないっていうのを表していると僕は思います。」(船橋裕一郎) |




[写真]
・1枚目:「鼓童十二月公演」の照明仕込み(1991年新宿・シアターアプル/写真:迫水正一)
・2枚目:リハーサルで照明を確認(1991年/写真:迫水正一)
・3枚目:「鼓童特別公演2015 道」(写真:岡本隆史)
・4枚目:「鼓童十二月公演」(2005年文京シビックホール/写真:田中文太郎)

2008年12月、「鼓童十二月公演」スペシャル 鼓童+新日本フィル。
すみだトリフォニーで新日本フィルハーモニー交響楽団、下野竜也さんと共演。
((8)「モノプリズム」ー オーケストラで、音が色づく
「モノクローム」と同時期に作曲されたオーケストラとの共演曲「モノプリズム」。オーケストラによる約14分の「序」の後、ピアニッシシモで締太鼓の演奏が始まります。
| 「『モノクローム』は鼓童の太鼓だけなので、この日本的な単色感が音でもすごく表れているというか、濃淡だけで表現するみたいな。 『モノプリズム』ではオーケストラが入ることで、音にいろんな色がついてくるんですね、「音群」のパート一つとっても、僕たちは締め太鼓だけの音群ですが、いろんな要素の音が出てくるので、同じリズムを叩いても全く違う表現になってきたり。逆に両者がせめぎ合う部分もすごく面白いです。」(船橋裕一郎) |
齊藤栄一と船橋裕一郎が、作曲家の原田敬子さんに「モノプリズム」についてお話を伺いました。
曲の誕生の背景や、聴きどころなど、知られざる楽曲の魅力を動画でご紹介します。
鼓童YouTubeチャンネルで公開しています。公演の前にぜひご覧ください。





写真
1)2016年8月、鼓童創立35周年記念コンサート「出逢い」。サントリーホールで新日本フィルハーモニー交響楽団、下野竜也さんと共演。(撮影:岡本隆史)
2)2021年10月、鼓童創立40周年、鼓童×東京交響楽団「いのち」。ミューザ川崎シンフォニーホールにて。指揮:下野竜也。(撮影:岡本隆史)
3)2008年4月佐渡、下野竜也さんを迎えての稽古風景。
4)2026年4月佐渡、下野竜也さんを迎えての稽古風景。

「LUMINANCE」舞台稽古(2025年3月21日)
(9)「モノクローム」は、生ものだ ~2026年
1976年の初演以来、「モノクローム」と「モノプリズム」は、鼓童と作曲家の石井眞木さんとの稽古を通じて進化を続けてきました。2曲とも出版された楽譜がありますが、そこには書き込まれていない微妙な間合いとニュアンスの蓄積はメンバーの間で代々伝えられ、楽曲に鼓童独特の深みを生み出すに至りました。
その一方で、2000年代に入って石井眞木さんが逝去されたのち、2008年の15年ぶりの「モノプリズム」再演を機に、改めて楽譜に忠実に演奏することになり、曲の表現に変化が生まれました。
そしてまた最近は、再びそれ以前の「一回生起の間合いの妙」に取り組む演出家もいます。
| 「『モノクローム』には、楽曲が生まれてから長い時間をかけて眞木さんと鼓童で積み上げていった第1層と、10年ぐらい前に楽曲、当初の譜面に近い形でやってみようと整理した第2層があって、僕らの世代はその2層目だけでやってきました。 2026年初演の『LUMINANCE』で、久しぶりに(僕たちには初めて)第1層のバージョンで演奏することにしたのですが、稽古で(見留)知弘さんに指導していただいて一番印象に残ったのは『モノクロームは生ものだ』という言葉です。 石井眞木さんと鼓童で作り上げてきたもの ~決まった構造の中で、その場のタイミングや読み合いの中で生まれる空気感とか緊張感~ を、実際に同じ構造でやってみて自分たちも感じましたし、その味がまた面白いと思いました。」(平田裕貴/『LUMINANCE』演出) |


写真
1)1990年12月3日、「鼓童十二月公演」佐渡・両津市民会館(写真:迫水正一)
2)2019年1月31日、「Evolution」ラスベガス公演(写真:岡本隆史)
3)2006年3月18日、ポルト公演(ポルトガル)
4)2026年3月6日、「LUMINANCE」ロンドン公演前の稽古
「モノクローム」は「鼓童十二月公演2026」で演奏いたします。
・12月6日(日) 佐渡市[9月発売]
・12月12日(土)、13日(日) 新潟市[販売中]
・12月17日(木)〜20日(日) 東京都文京区[9月発売]