株式会社北前船 代表取締役社長 青木孝夫

青木孝夫

太鼓には無限の可能性があります。

鼓童グループにも「無限のかなたにある目標」というものがあります。峠を越えればまた峠がある。振り返りつつ息つく間もなく、また登り始める。それは、永遠にたどり着くことのない目標なのかもしれませんが、道なき道を歩み続け、広い視野で自然のままに、ありのままに「純粋な心」を持ち続けていくことを大切にしたいと思っています。

古来、人間にはどうすることもできない地震・津波・台風・洪水などの天災という自然界への畏れに対し、芸能を通じて人々と神々との交信をおこない、感謝や祈りを捧げ、自然を敬ってきました。人間界と自然界の心の絆というものがとても重要なことでありました。

日常の暮らし、その環境の変化によって芸能文化も変容していくものです。だからこそ、多くの日本人が忘れ去ろうとしている事柄や、進歩のかげに置き去りにされている重要な物事を、純粋に見定めていく感覚が、創造活動には絶対に欠かせないことだと思っています。そこに未来が拓かれるはずです。

鼓童グループの活動を通じて、目先の豊かさや私利のためではなく、人々のために尽くすことに喜びを感じる人生観や純粋さ、謙虚さ、他者に配慮する心を届けていきたいです。

お客様の「心を打つ」ということは、ただ単に打ち手の思いをぶつけるということではありません。自分自身を捨てて、そこを超えた存在となり、自然界と一体化した打ち手の「魂」というものがお客様の想像力を膨らませて、「あの世とこの世」「天と地」をつなぎ、自然界と調和していく「日本人の美意識」が重要だと思うのです。

『心を打つ人になろう。』というあらたな心の絆の言葉を通じて、いつまでも、人々の心に響く「心を打つ」魅力あるグループであり続けられるように努力してまいります。

どうぞ今後とも、皆様の変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2019年2月
株式会社北前船 代表取締役社長 青木孝夫

 


 

太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎

船橋裕一郎

2019年、新たな年がスタートいたしました。昨年も、皆さまのあたたかいご支援のもと、充実した活動ができましたこと、改めて感謝申し上げます。

佐渡島は只今、長い冬の最中にあります。私のような関東の温暖な地域で生まれ育った者には、風雪、波浪、冬雷、晴れ間も稀にしかない厳しい冬に当初は大変戸惑ったものでした。しかし時を経て、春になる喜び、そこに躍動する生命の力、夏から秋そして冬へと巡る四季をより深く実感しております。さらに歴史と文化に裏打ちされた風土のもとで修行を積み、稽古を重ね、旅を始められるということに、改めてこの土地とそこに暮らす人々への感謝を噛み締めています。

本年は、北米「Evolution」ツアーに始まり、春からは一年間を通して「学校交流公演」、鼓童ワン・アース・ツアー「道」にて全国各地へと赴き、恒例となった浅草公会堂では「粋」と題した作品をお届けします。佐渡では「宿根木公演」「アース・セレブレーション」をはじめ交流公演やツアー作品もお届けし、拠点での活動もさらに充実させて参りたいと考えております。

そして、一年を締めくくる公演として、名誉団員小島千絵子の記念公演を開催いたします。現在も精力的に国内外でのソロ活動を行なっておりますが、鼓童の舞台においても、郷土の芸能の素晴らしさを後進に伝え、女性メンバーとして数多演目を作りその道筋もつけて頂きました。それら活動の集大成を、昨年さらなる成長を感じさせてくれた鼓童の若いメンバーと共に、一つの作品として舞台を作り上げて参りますので、ご期待頂けたらと思います。

また、舞台活動の充実とともに、ワークショップや新たな楽曲の提供、配信にも意欲的に挑戦し、広く深くグループの活動をより身近に感じて頂くことで、多くの皆さまに劇場へ足を運んでいただけるような試みもして参ります。

我々は、坂東玉三郎氏との約20年の歳月の中で、舞台に対する様々な学びを得ました。

お客様に届ける音へのこだわり、稽古時間やその環境を維持することの大切さ、何より今この時を大切にし、現状に満足することのない謙虚な姿勢、それらを常に肝に銘じなければ、変化著しい現代の社会において、活動を継続していくことは困難なことだと改めて思います。

崇高な理念や目標は、もちろん必要不可欠な大切なことではありますが、まず目の前の太鼓、楽器に向き合い、先人からの学びを受け継ぎ、お客様に喜んで頂ける舞台と音を届けられるよう日々精進して参ります。

本年も皆様にとって良い年になりますよう、お祈り申し上げるとともに、変わらぬご支援とご鞭撻を、お願い申し上げます。

2019年2月
太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎


 

公益財団法人 鼓童文化財団 理事長 五十嵐実

五十嵐実

あけましておめでとうございます。新しき年が皆様にとって、幸多き年であるよう祈念致します。

さて、昨年より「太鼓の力を社会の力に」を当財団の大きな目標に掲げております。これは私たちが太鼓の持つ無限の可能性を、社会に還元していくという意味でございます。その大きな柱が三つあります。

一つは財団として重点的に取り組んでいる、太鼓プログラム「エクサドン」です。「エクササイズ」と太鼓の「ドン」真ん中に「佐渡」を掛け合わせた言葉です。昨年は、実証研究や体験会などを実施して参りました。急激な少子高齢化の進む日本で、いかに健康寿命を伸ばし、障がいのある人々の社会参加を促していくかは、たいへん大きな課題です。「エクサドン」は楽しく太鼓を叩きながら、運動や音楽の効果が同時に発揮され、コミュニケーションが活発になります。これが認知症予防や精神面のポジティビティをあげることに、大きな効果を持つことを実感しております。

もう一つは「太鼓の力を組織の力に」ということで、企業研修に太鼓のワークショップを活用する取り組みを始めました。太鼓には組織を応援する力やコミュニケーションを活発にするなどチームビルディングに高い効果があります。以前から「未来の学校」などの実践を行ってきましたが、組織の発展に太鼓を活用するという取り組みを行ってきました。

そして「アース・セレブレーション(地球の祝祭)」を地域振興と国際交流の場としてさらに発展させたいと思います。ここでは省エネルギーやリサイクルゴミの減量、地産地消などにも取り組んで行きたいと思います。
近年、国連のSDGs(2030年までに達成する持続可能な開発に関する目標)が多くの企業や行政、社会で取り上げられています。それだけ地球規模で問題が深刻化しています。

鼓童文化財団も、この目標を活動に取り込んでグローバルな問題に多くの方と取り組んで行きたいと思います。是非ともご協力賜りますようお願い致します。

2019年2月
公益財団法人 鼓童文化財団 理事長 五十嵐実