チャッパ職人さんのもとへ/平田裕貴

鼓童の舞台で使用しているチャッパは、素材や厚さ、形状、リングなど、細部にわたり職人さんと試行錯誤しながら作り上げた鼓童オリジナルの仕様になっています。

先日、そのチャッパを作ってくださっている職人さんを訪ねてまいりました。

工場に入ると早速、チャッパ製造の真っ最中。

まるくて平らな金属のプレートが、職人さんの手作業によって、1枚1枚大切にチャッパの姿に加工されていきます。

加工には「ヘラ絞り」といって、金属板を回転させながら、“へら“と呼ばれる道具を押し当てて成形していく技術を用います。板厚にムラを出さず、一定に加工できるのが特徴です。

成形した後は場所を移して、研磨工場へ。ここで綺麗に磨かれ、金属の棒から削り出した つなぎめの無いリングを装着して、鼓童の舞台へ、皆様の元へと渡ります。

職人さんたちと直接お会いして感じたのは「熱意」。

いいものを作る。今の自分にできる最高の仕事をする。

より良いものを作るために、どう工夫できるか。もっとよくできる。

私たち演奏者が舞台をつくるとき、太鼓に向かうときと同じ熱意やエネルギーを感じました。

「私も “一生懸命” 作ります」

そう言って私たちを見送ってくれた職人さん。

Photo: Erika Ueda

職人さんたちに負けないように、私たちも“一生懸命“いい音を鳴らそうと誓ったチャッパ工場見学でした。

 

鼓童オンラインストア|チャッパ 5寸(直径 約15cm)
http://store.kodo.or.jp/?pid=127942726

10月のモスクワ。黄金の秋/小松崎正吾

これまでモスクワには何度か訪れていますが、毎回寒さの厳しい3月下旬。毎日曇り空で寒すぎて、出歩くのも一苦労。重く冷たくどんよりとした印象でした。

しかし10月のモスクワは3月とは打って変わって、気持ちの良い秋晴れと秋風で我々を迎えてくれました。
Photo: Shogo Komatsuzaki

今回は日本大使館、クレムリン大宮殿内のホールでの演奏、

そしてモスクワ音楽院の生徒さんやモスクワの太鼓チームの皆さんに向けた約2時間ワークショップと懇親会を行ってきました。

関係者の皆さんの素晴らしいサポート、3月には感じる事の出来なかったモスクワの美しい街並み、ワークショップに参加してくれた皆さんの笑顔と真剣な眼差しから、音楽や芸術に対する熱い想いを感じました。

何から何まで大変充実した一週間となり、また来たい、また皆に会いたいと、帰る頃にはモスクワがとても好きになっておりました。

お世話になった皆様本当にありがとうございました。

この御縁が末永く続きますように。

たいこわらべ50年/船橋裕一郎

いかがお過ごしでしょうか。

すでに皆さまにはお知らせしておりますが、本年の鼓童公演の締めくくりは、鼓童名誉団員である藤本吉利の太鼓歴五十周年記念公演『たいこわらべ50年』となります。

Photo: Erika Ueda

先日の稽古では、いつもながらに全身全霊で後輩にその姿を見せてくれました。

『面にあらわれ、背にあふる』

Photo: Erika Ueda

50年の積み重ねが、この言葉を体現していると改めて感じます。

藤本吉利、そして鼓童が長年にわたりご指導をいただいている岩崎鬼剣舞保存会、また藤本の太鼓歴の原点である故里の和知太鼓保存会、両団体の皆さまとの共演はじめ、鼓童も総力をあげての舞台となります。

私自身も今から楽しみです。

Photo: Erika Ueda

文京シビックホールでは、最新作の『巡 -MEGURU-』公演を前日まで行っております。

是非併せてご覧いただき、鼓童の奥行きと幅を感じていただけたら幸いです。

<年頭挨拶文より>
芸能において、孤高の開拓者という存在は、何ものにもかえがたいものです。一方で、後進を見守り、育てることもまた大切なことであり、私達は多くの芸能からそして先輩から、その素晴らしさを学びました。我々が毎年、多彩な活動ができることへの感謝のしるしとして、そして五十年という歳月をグループ一同、そしてお客様とともに寿ぐ舞台をお届けいたします。

Photo: Erika Ueda

 

2018年12月24日(月・振休)
たいこわらべ50年 〜藤本吉利太鼓歴50周年記念公演
(東京都文京区)
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/8534

新企画「Roots of Kodo」/内田依利

メンバーが歌舞伎座で幽玄や、各地で小編成に忙しくしていた9月、私は佐渡で行った新しい試みに奔走しておりました。

「Roots of Kodo」と名付けたこのプログラムは、9月10日〜18日の9日間佐渡で行った、海外の方向けの合宿型ワークショップです。

Photo: Yui Kawamoto

2017年に自分で企画したヨーロッパWSツアーで出会った、大勢のエネルギーに溢れた勉強熱心な海外の太鼓打ちたち。もっともっと真剣に学びたい!できることなら研修所で勉強したい!という声を各国で聞き、その声に応えたいという思いがこの企画を生みました。

Photo: Yui Kawamoto

鼓童が太鼓で新しい表現を探し続けているようにまた、海外の太鼓を叩いている方々も、太鼓で何ができるのかを探し続けています。

私は、鼓童が表現していることを教えるのではなく、自分たちが根っこで大切にしていることをシェアすることが、それぞれのホンモノを探求していける一番の方法ではないかと考えました。

Photo: Yui KawamotoPhoto: Yui KawamotoPhoto: Yui Kawamoto

私にできることは環境を整え、最良の学びの場を作ること。

その最良の場づくりの方法はすでに研修所で磨かれてきています。

 

Photo: Yui Kawamoto

自分たちで食事を作り、掃除をし、スケジュールを組み立てて生活をし、稽古時間を工夫し、稽古方法を探り、話し合い、、、

Photo: Yui Kawamoto太鼓のみでなく、踊りや茶道、祭りや農作業など。自分が鼓童の根っこになっていると思うプログラムを立てたら、太鼓以外のものが沢山入り、本当に伝わるのか不安でもありました。

Photo: Yui Kawamoto

参加者一人一人の能動的な学びの姿勢と、それを活かそうとする意欲なしにしては成り立たないプログラムです。

Photo: Yui Kawamoto

Photo: Yui Kawamoto

太鼓をたたくだけなのに、これは全て必要なんだろうか?とも問い続けましたが、「日本ではこうする」とか、「これはこういうもの」ということに片付けてしまわないように心がけました。そうすると国や文化などは関係なく、大切にしたいことはシンプルで、毎日発見がありました。一つ一つのことから自分自身が1番学ばせてもらっていたように思います。

Photo: Yui Kawamoto

終えてみて、このプログラムの目的は「答え」を得ることではないのだと思いました。

Photo: Yui Kawamoto

ここで得たものは「種」。その種が、この佐渡という土地で、このような人の中で、歴史の中で育つと、今の鼓童という花が咲いています。

Photo: Yui Kawamoto

渡した種をどう育てるかはそれぞれ次第。どんな土なのか、日光を当てるのか、水をあげるのか、どのような育て方がベストなのかは、場所によって変わってくるのだと思います。これからみなさんがそれぞれの国でどんな花を咲かせてくれるのか。

Photo: Yui Kawamoto

種が育ち花をつけ、また種をつけ少しずつ広がり、いつかこの思いが ONE EARTH となりますように。

Photo: Yui Kawamoto

スタッフの皆さん、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。これからが楽しみです。

Photo: Yui Kawamoto

空の表情〜EC2018〜/地代純

Photo: Takashi Okamoto

EC2018終わっちゃいましたね。

御来場下さった皆様、本当にありがとうございます。

お気をつけて、そして佐渡での想い出をしっかりとお持ち帰りください。

Photo: Takashi Okamoto

三日間、色んな場所で色んな表情の舞台をやりました。

その全てが今の私たちの姿であり、等身大です。

普段の舞台では見せない顔や声。
見えない色。

そんな私たちを少しでも感じて頂けていたら嬉しいです。

Photo: Jun Jidai

空の表情が見る度変わる様に、私たち鼓童の表情も毎回変わって行きます。

Photo: Jun Jidai

もしかしたら半端ない振り幅かもしれませんが、そんな私たちを今後とも宜しくお願いします!

Photo: Maiko Miyagawa

はい。

次の顔になる前にひとまず休みますね。

9月2日(日)〜26日(水)
東京、歌舞伎座でお待ちしております。

歌舞伎座百三十年 秀山祭九月大歌舞伎 【夜の部】 新作歌舞伎「幽玄」(東京都中央区)