静岡県文化プログラム「ふじのくに伝統芸能フェスティバル」/住吉佑太

「静岡県文化プログラム ふじのくに伝統芸能フェスティバル」に参加してきました。解説や実演を交えながら、静岡県の伝統芸能、郷土芸能を中心に、様々な芸能を紹介していくこちらのプログラム。「継承」をテーマに、100年後の芸能について考える、そんなきっかけ作りの場でもありました。

その一環として、静岡県立駿河総合高校の和太鼓部の皆さんと、我々鼓童が共演する運びとなりました。

撮影:猪熊康夫(グランシップサポーター)

ただただ共演するのではなく、駿河総合高校の皆さんのために、私が曲を書かせていただきました。

共に一から楽曲を作り、稽古ややりとりを重ねながら、太鼓や舞台芸能と向き合うことの大変さや奥深さ、そしてその楽しさについて、一緒に太鼓を叩きながら伝えていきました。

かがりび」という曲名も、生徒のみんなが考えてくれました。

Photo: Tomohiro YonetaniPhoto: Tomohiro Yonetani初回、2回目、そして直前のリハーサルと、稽古を重ねる度に、どんどん成長していくみんなの吸収力には驚かされました。顧問の杉本先生も、生徒たちの自主性を尊重しながら、「やりたい」という自発的な気持ちを引き出していて、生徒たち一人一人に慕われていることが、端から見ても分かりました。

何よりこのイベント全体が、真剣に子どもたちの芸能に対する気持ちを後押ししていることが、端々から伝わってきました。

終演後、私たちのためのタクシーをお待たせしているという状況の中、生徒たちの質問や、サインに受け応えする時間がありました。言うまでもなく、その時間が長引けば長引くほど、タクシー料金が上がっていってしまうわけですが…その場にいた関係者誰一人として、生徒たちを急かすようなことはなく、むしろ笑顔でその様子を噛み締めるように見つめていたあの空気感。

私はあの空気感が、このイベントの気持ち良さの全てであると、改めて感じました。

自分たちも勉強になることがたくさんありました。本当にありがとうございました。

Photo: Tomohiro Yonetani

これからも「燎」の火が受け継がれ
そしてまた、皆さんと再会できる日を楽しみにしています。

 

東日本大震災から10年/船橋裕一郎

東日本大震災の発生から10年目を迎えた本日、震災で犠牲になられた全ての方々に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、2月には福島・宮城を中心に再び大きな地震がありました。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

あの日から10年。

私たちのような芸能に携わる者ができることは何なのだろうと自問を続けながらも、いくつかの地域を訪れ、被災された地域の復興と皆様の御平安を祈念してまいりました。

10年前のあの日を忘れず、この先の10年、その先の10年と太鼓の響きが皆様の少しでも活力の一助となれるよう音を届け、皆様を応援し続けて参ります。

鼓童代表・船橋裕一郎

※本日3月11日12:00より【鼓童YouTube】にて、ハートビート・プロジェクトで作られた楽曲『また明日』の演奏動画を公開いたします。

 

迫る力/三枝晴太

佐渡はまだまだ寒いです。

鼓童村では、ニューアルバムの録音が進行しています。

Photo: Yuki Hirata

私はこのアルバムの取りまとめを、平田裕貴と共にしています。

生音を稽古場で感じたり、レコーディングブースに入って実際に再生される形を聴いたり、演奏を録音する立場になったり。

Photo: Yuki Hirata

目をつぶって聴いていると、演奏が進行していくにつれて、どんどん気持ちが高揚してくる感覚があります。

気持ちを高揚させるものの正体は何か、を考えていました。

「音量」なのか?それ以外のものなのか?

Photo: Yuki Hirata

音であれば、間違いなく録音され、みなさんの元に届きます。

では、「雰囲気」だったらどうでしょうか?

音でないものは、どのように録音されるのでしょうか?

稽古場全体、その場にいる人間、それら全てをゆらす太鼓の音。

「迫力」と呼ぶのでしょうか。

言葉にするのはとても難しい話で、とても感覚的です。

Photo: Yuki Hirata

すでに収録が完了した楽曲もあります。

私が感じたものがみなさんの耳にどのように聞こえるのか、みなさんの心にどう響くのか、とても楽しみです。

録音やその編集、マイクの立て方や曲順も、全て自分たちで考え、まるで劇場で聴いているかのような感覚を意識してレコーディングしています。

Photo: Yuki Hirata

このアルバムを聴いた皆さんの胸に、何か込み上げてくるものがありますように。

今、メンバー総出で録音しています!お楽しみに!

↓最新の鼓童楽曲こちら/Spotify「Kodo」

39期生二年次スタートしました!/三浦友恵

研修生日誌より:
雪と超風、寒波また来ています。
「当たり前の基準を上げよう」という目標。ちょっとだけ上がったと思うところは曲が始まると、“しっかりスイッチが入るようになってきた“というところです。今の基準は「曲が始まると」なので、次は「稽古が始まると」。そして一番は「1日が始まると」ですよね。それができたら『まぎれもなく最高の期』になれると思います。39期グッと上がっていけるようにがんばります。

修了式、進級を経て、1月下旬から新たに新2年生12人でのスタートとなりました。いよいよ激動の “冬期間” です。
先輩や同期との別れを経験し、自分の夢へ向かって心を新たにスタート。

今まで以上に必要になる同期とのコミュニケーション。お互いに助け合い、鼓舞し合い。楽しいことも辛いことも嬉しいことも一緒に体感することで得るものがたくさんあります。

何が何でも全力で走り抜けなければいけません。
(問答無用だ!!!!by藤本吉利)

これから2ヶ月の間に心身共に成長していきます。自分、同期、太鼓、と正面から向き合う。

この研修所で勝負の時です。

この期間を乗り越えた時、外には色とりどりの花々が咲き、お祭りがあり、佐渡に春がやってきます。厳しい期間を乗り越えた研修生へのご褒美でしょうか。

さぁまずはこの“冬期間“、精一杯やりきろう!

鼓童文化財団研修所

 

『戦慄せしめよ / Shiver』メンバーメッセージ
戦慄と律動/住吉佑太

私たち太鼓芸能集団「鼓童」は1981年のデビュー以来、世界各地を巡る中で新たな「太鼓音楽」の可能性というものを追求し、発信し続けてきました。自分たちの音楽の幅を広げるために、日本はもちろん、世界中の民族音楽を学んだり、現代音楽の作曲家の方に依頼して、鼓童のための楽曲を書いて頂いたりもしました。

(写真:岡本隆史)

民族音楽の持つ、湧き上がってくるようなエネルギー感と、アカデミックで計算され尽くした、現代音楽のもつ精巧さ。この2つをうまく織り交ぜながら、今の時代に、自分たちの音を生み出せないだろうか。

そんなことを模索しているときに、日野浩志郎氏の音楽に出会いました。

(写真:大森克己)

旋律やハーモニーではなく、あくまでリズムの持つ可能性に特化した彼の楽曲は、複雑な構造をもち、精巧な仕掛けでありながら、爆発的なエネルギーを内包していました。

アカデミックなのに、踊り狂える音楽。

リズム、律動というのは、人間のアイデンティティだ、と作曲家 伊福部昭氏は言っています。

音程や倍音に反応できる動物はいても、リズムを認識できるのは人間だけだからです。

(写真:大森克己)

リズムを追い続けてきた日野浩志郎が打ち出す楽曲と、「たたく」という本能的な行為を繰り返してきた我々鼓童の音が重なったとき、これまで辿り着けなかった、人間の根底に流るる、本能的なバイブレーションに共鳴する、新しくも根源的な音楽が生まれるに違いないと確信しています。

(写真:大森克己)

住吉佑太
(写真:岡本隆史)

越島〜地域文化に根ざした新たな音楽映像配信『戦慄せしめよ / Shiver』

越島〜地域文化に根ざした新たな音楽映像配信 『戦慄せしめよ』2月5日(金)19:00より、Vimeoほか各映像配信プラットフォームにて配信開始!

【配信概要】

越島〜地域文化に根ざした新たな音楽映像配信『戦慄せしめよ / Shiver』