僕とアメリカ/小野田太陽(準メンバー)

Photo: Yui Kamiya

アメリカ太鼓界は今年で50周年。その始まりはパイオニアである田中誠一先生が1968年に立ち上げたサンフランシスコ太鼓道場です。

Photo: Yui Kamiya

僕はそこで8歳から太鼓を習い始めました。太鼓を学んで行く中でアメリカ太鼓界の様々な先駆者に繋がっていきました。そんな方々の後押しもあり22歳の時、鼓童の研修所に入るべく試験を受ける決意をしました。

アメリカを飛び出て3年目となり、この度は鼓童の準団員として11月10日、11日に開催されたサンフランシスコ太鼓道場50周年コンサートに参加させて頂きました。各地で田中先生とゆかりのあるパフォーマーの方々含めゲスト盛りだくさんの、なんと4時間半のコンサートでした。

Photo: Yui Kamiya

なんといっても、フィナーレに大太鼓のソロ回しをする曲があるのですが、回せど回せど演奏者の想い溢れて伸びていった結果、45分を超える大曲となっていました。

コンサートの他には、鼓童がお世話になっているサンノゼ太鼓、KASAの皆様と交流いたしました。

Photo: Yui Kamiya

3年ぶりに地元で太鼓を打つのはとても緊張しました。成長したところを見せなきゃ、と思いリハーサルで気合いを入れすぎて偏頭痛を起こしたりもしました…でも本番は落ち着いて等身大の自分を見せられたのではないかと思います。

Photo: Yui Kamiya

終演後、お世話になった方々から熱いエールと優しいハグを沢山もらって帰ってきました。メンバー選考まであと数ヶ月。みんなにもらった元気で、もう一踏ん張り。アメリカツアーでまた笑顔で会えるのを楽しみに頑張ります。

Photo: Yui Kamiya
2018年11月10日(土)、11日(日)小野田太陽ゲスト出演「50th Anniversary International Taiko Festival」(アメリカ、カリフォルニア州 サンマテオ市)
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_solo/15711

チャッパ職人さんのもとへ/平田裕貴

鼓童の舞台で使用しているチャッパは、素材や厚さ、形状、リングなど、細部にわたり職人さんと試行錯誤しながら作り上げた鼓童オリジナルの仕様になっています。

先日、そのチャッパを作ってくださっている職人さんを訪ねてまいりました。

工場に入ると早速、チャッパ製造の真っ最中。

まるくて平らな金属のプレートが、職人さんの手作業によって、1枚1枚大切にチャッパの姿に加工されていきます。

加工には「ヘラ絞り」といって、金属板を回転させながら、“へら“と呼ばれる道具を押し当てて成形していく技術を用います。板厚にムラを出さず、一定に加工できるのが特徴です。

成形した後は場所を移して、研磨工場へ。ここで綺麗に磨かれ、金属の棒から削り出した つなぎめの無いリングを装着して、鼓童の舞台へ、皆様の元へと渡ります。

職人さんたちと直接お会いして感じたのは「熱意」。

いいものを作る。今の自分にできる最高の仕事をする。

より良いものを作るために、どう工夫できるか。もっとよくできる。

私たち演奏者が舞台をつくるとき、太鼓に向かうときと同じ熱意やエネルギーを感じました。

「私も “一生懸命” 作ります」

そう言って私たちを見送ってくれた職人さん。

Photo: Erika Ueda

職人さんたちに負けないように、私たちも“一生懸命“いい音を鳴らそうと誓ったチャッパ工場見学でした。

 

鼓童オンラインストア|チャッパ 5寸(直径 約15cm)
http://store.kodo.or.jp/?pid=127942726

「道」いわき公演/小松崎正吾

Photo: Erika Ueda

道公演も残すところあと4公演となってまいりました。

若手メンバーが入れ替わっての後半戦も充実した日々となっております。

Photo: Erika Ueda

毎回身体や心の具合は様々。

ありのままに打つ事、歩く事、唄う事、佇まう事の難しさや恐さを感じながらも、幕が開く前に今日の自分に面と向かって『これで良し』と言える様に、心と身体を整えます。

Photo: Erika Ueda

舞台に立つ1人1人が根を生やしながら積み重ねてきた想いを、それぞれの奏でる響きに乗せて最後の最後まで余す事なく届けてまいります。

Photo: Erika Ueda

本日は故郷いわきでの公演。

佐渡に渡って10年になります。

沢山の言葉で語るよりも大きな一つの響きが、大切な皆さんに届きますように。

Photo: Erika UedaPhoto: Erika Ueda

今後の「道」ツアースケジュール

Photo: Takashi Okamoto

出演(7-8月)

山口幹文齊藤栄一見留知弘中込健太蓑輪真弥小松崎正吾前田順康吉田航大三枝晴太平田裕貴渡辺ちひろ小野田太陽詫間俊

たいこわらべ50年/船橋裕一郎

いかがお過ごしでしょうか。

すでに皆さまにはお知らせしておりますが、本年の鼓童公演の締めくくりは、鼓童名誉団員である藤本吉利の太鼓歴五十周年記念公演『たいこわらべ50年』となります。

Photo: Erika Ueda

先日の稽古では、いつもながらに全身全霊で後輩にその姿を見せてくれました。

『面にあらわれ、背にあふる』

Photo: Erika Ueda

50年の積み重ねが、この言葉を体現していると改めて感じます。

藤本吉利、そして鼓童が長年にわたりご指導をいただいている岩崎鬼剣舞保存会、また藤本の太鼓歴の原点である故里の和知太鼓保存会、両団体の皆さまとの共演はじめ、鼓童も総力をあげての舞台となります。

私自身も今から楽しみです。

Photo: Erika Ueda

文京シビックホールでは、最新作の『巡 -MEGURU-』公演を前日まで行っております。

是非併せてご覧いただき、鼓童の奥行きと幅を感じていただけたら幸いです。

<年頭挨拶文より>
芸能において、孤高の開拓者という存在は、何ものにもかえがたいものです。一方で、後進を見守り、育てることもまた大切なことであり、私達は多くの芸能からそして先輩から、その素晴らしさを学びました。我々が毎年、多彩な活動ができることへの感謝のしるしとして、そして五十年という歳月をグループ一同、そしてお客様とともに寿ぐ舞台をお届けいたします。

Photo: Erika Ueda

 

2018年12月24日(月・振休)
たいこわらべ50年 〜藤本吉利太鼓歴50周年記念公演
(東京都文京区)
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/8534

「道」本日後半ツアー初日!/平田裕貴

本日、宇都宮公演より、「道」公演7、8月ツアーが始まります。

劇場公演としての鼓童のクラシック的演目でのツアーは、
私にとって、これが初めてです。

幼い頃から鼓童の舞台を客席で見ていた私としては
とても想いの深い公演ツアーです。

Photo: Erika Ueda

幼いころ、目を輝かして見ていたプレイヤーとその演目を演奏したり、
憧れていたポジションに今、自分が立っていたり、
少年時代の自分が見たら大喜びするんだろうなと思います。

Photo: Erika Ueda

そんなことを考えていた稽古期間、
ふと、1つの言葉が頭をよぎりました。

「あなたの太鼓は、昔の憧ればかり強く、
先輩たちが作ってきた道をなぞっているばかりで、何も面白くない。」

研修生時代、ある大先輩から言われた言葉です。
それはそれは図星で、大きなショックを受けたのを覚えています。
ですが、その先輩はこう続けました。

「もしあなたがプレイヤーになったら、
『あなたの出す音』が『鼓童の音』になるの。
あなたの音で、これからの鼓童を創っていきなさい。」

つくってもらった道をただただ歩いているだけでは先はない。
もっとシャキッとして! しっかりせい! と、
バシッと背中を叩かれたような気分で、
太鼓に向かう心持ちも大きく変わった出来事でした。

Photo: Erika Ueda

この「道」公演には
先輩たちが積み重ねてきた大切なものが沢山詰まっています。
私たち若い世代のプレイヤーはまず、それをしっかり吸収しなければと思っています。

それと同時に、
「これからの鼓童は自分たちがつくっていくんだ。」
そういう自覚も持って太鼓に向き合っていきます。

先輩たちが創ってきた道
私たちがこれから創っていく道
それらが繋がって、まっすぐな1本の道が進んでいく。

そういう公演になればと、私は思います。

「道」国内ツアー7-8月

Photo: Takashi Okamoto

出演(7-8月)

山口幹文齊藤栄一見留知弘中込健太蓑輪真弥小松崎正吾前田順康吉田航大三枝晴太平田裕貴渡辺ちひろ小野田太陽詫間俊
※栃木公演、山形公演につきましては、山口幹文に替わり住吉佑太が出演いたします。