研修所講師ご紹介 〜民謡歌手 伊藤多喜雄さん /三浦友恵
研修所講師の方をご紹介します。
今回は、民謡歌手の伊藤多喜雄さん。鼓童の舞台で唄われている民謡も多喜雄さんから教えていただいたものもあります。昨年12月も、研修生へご指導いただきました。
『鼓童との出会いは?』
今から36年前に千葉県海上郡飯岡町(現在:旭市)において開催された「音と光の芸術祭」で永六輔+伊藤多喜雄+鼓童が共演したことで出会いました。
鼓童へは2003年からご指導に来ていただき、その時は舞台メンバーと研修生への集中稽古でした。
近年は研修生への集中稽古。いつもパワフルなご指導をいただいています。
『最初に指導に来られた時の印象や記憶に残っていることはありますか?』
民謡を知らない、歌えない、声が出ない出せない。
『研修生の指導の内容は?』
自分の声を見つける。唄の背景〜感じること。研修生同志の特徴、癖を知り共有する。
多喜雄さんに歌っていただきながら、節まわしや小節などを研修生は真似をして覚えていきます。真似をすると言ってもそう簡単にはできません。多喜雄さんが身を削りながら、一つ一つ丁寧にできない研修生に向き合ってご指導くださり、唄を通して、その子のことをみてくださっています。
もう一つ、多喜雄さんの稽古で欠かせないものが心です。研修生と真剣に向き合ってくださり、研修生の心も開いてくださいます。歴代の研修生の中には、夜通しで話を聞いていただいた者もいるそうです。
『研修生へ指導を通して思うこと、伝えたいことは?』
歌うこと、声を出すことの必要性。歌いたい心、伝えたい唄を自分の声で。
太鼓が歌う、太鼓も唄う。
【伊藤多喜雄(ITO TAKiO)プロフィール】北海道苫小牧出身
札幌のよさこいソーラン祭りはもとより、今や世界中で踊られている「3 年B 組金八先生」で知られた南中ソーラン「TAKiO のソーラン節」の生みの親。祖先が残してくれた日本人の血の中にある 民謡 を“”民俗、国を超えてその素晴らしさを伝えたい、生の演奏で感動を共有する事で、日本の文化を世界に向けて発信して行きたいと活動している。音楽の原点である自由な捉え方で、洋楽器と共にアレンジし、TAKiO BAND の演奏で唄い、表現し伝えるTAKiO ワールド。一見民謡とは接点が有るとは思えない様々なジャンルのミュージシャンと共演し活動を展開、民謡の復活へ向けて独自の場を切り開いてきた。唄を通して、地域の活性化を図るため日本各地の町おこしにも関わりを、唄探しの旅も積極的に行っている。北海道観光大使として、上海万博、ミラノ万博にも出演、日中国交記念事業にも出演、ベトナムとの国交記念に、「日越平和音頭」「日越友好ばやし」を作詞・作曲する、ジャパンベトナムフェスティバルでは、現地で毎年「盆踊り」として親しまれ踊られている。(公財)日本民謡協会文化賞、川崎市の文化賞受賞、他多数、川崎市民文化大使として、地域の活性化を図るためにも活動している。