鼓童若手連中(15)「これから」/池永レオ遼太郎

Photo: Takuri Susaki

何から書いたら良いのか。

太陽劇団で過ごした二週間は言葉に出来ないほど濃密な時間でした。

旅をしながら演奏を続けるツアーとは異なり、一つの劇場に住み込みで舞台を作る事は滅多にありません。ましてや、若手の演奏者のみでこの様な試みは近年中々ない事です。

Photo: Takuri Susaki

本気で悔しくて、本気で楽しい時間でした。

私も含め、それぞれが自分と改めて向き合える時間となったと願っています。

舞台人としてだけでなく、人間として私たちはどれだけ成長できたのでしょうか。

まだ、うまく言葉にまとめられません。

Photo: Takuri Susaki

前回の投稿でも書きましたが、一つ確かな事は、私たちが舞台に立てているのは本当に色々な方々のご支援と応援があるからです。

Photo: Koji Miyagi

家族の様に迎え入れて頂いたアリアンヌさんと、太陽劇団の人たち。

連日ご来場頂いた沢山のパリのお客様。

そして、私たちを支えてくれる家族、スタッフ、そしてファンの皆様。

改めて、皆様からの多大なご支援、ご協力、心より感謝致します。

Photo: Takuri Susaki

良い音をお届けできる様、若手連中一同、精進致します。

どうぞこれからも宜しくお願い致します。

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

鼓童若手連中(13)「凌駕する想い」/大塚勇渡

Photo: Takuro Susaki晴天に恵まれた今朝。

エアコンの無いキャラバンの中で、日の光を浴びて目覚めを迎えます。シャワーを浴び、すれ違う人と挨拶を交わし、今日もいつもの様に団員と朝食を食べます。

洗濯をして体操をし、身辺を整えた後、楽器のチューニング(準備)をします。

Photo: Takuro SusakiPhoto: Takuro Susaki

その後、皆でミーティングをし、昨日の振り返りを行い、稽古をします。

Photo: Takuro Susaki

Photo: Takuro Susaki

そして、本番を迎えます…。

Photo: Takuro Susaki Photo: Takuro SusakiPhoto: Takuro Susaki異国の地で、稽古から本番まで共同生活の様な環境で過ごした毎日は、佐渡で稽古し現地で本番をこなす普段のツアーとは異なり、肉体や精神、そして人に対しても、ある意味濃厚に向かい合わざるを得ない状況に置かれていました。

本気で笑った時もあれば、本気で悔しいこともありました。

Photo: Takuro Susaki

今振り返ると、この経験が財産だと感じます。

もちろん太陽劇団の敷地に緑が溢れ、人の暖かさに包まれていたことは、大いに関係していますが、今までの人生の中でもとても濃く、貴重な毎日でした。

太鼓と自分、人と自分、道具と自分、どれだけ想いを持って接することができるか。

Photo: Takuro Susaki

例えどれだけ厳しい環境に置かれても、それを凌駕する想いが大切だと、この連続公演を経て感じました。

Photo: Takuro Susaki

そして、今日の千穐楽。

舞台の最後に皆で礼をした時、言葉にならない程の感謝の気持ちが込み上げてきました。

本当にありがとうございました。

Photo: Mio Takashiro

こちらでの日々にはこれで一旦区切りがつきますが、経験をこの先に続く道の糧とし、これからも仲間達と切磋琢磨しながら進んでいきたいです。

Photo: Takuro Susaki

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

鼓童若手連中(11)「paris の空の下で」/渡辺健吾

Photo: Takuro Susaki

私にとって太鼓とは。生きるとは。

太鼓が好きで鼓童に入団し、これからも太鼓とともに歩んでいきたい。

Photo: Erika Ueda

…本当に心からそう思っているのか?

太鼓が近くにあり過ぎて太鼓がある事が当たり前になってはいないか?

子どもの頃は週に一度の2時間しか太鼓を打てなかったからかその2時間が待ち遠しくて仕方がなかった。その気持ちを今も持っているか?

Photo: Erika Ueda

太鼓と自分。

もう自分と太鼓を切り離すことは不可能なくらい密接な関係にあると思う。

これからどんな人生を歩みたいのか。

自分にとって太鼓とはなんなのか。

Photo: Takuro Susaki簡単に答えが出ることではないが
常に自分に問い続けることが大切なのだと思う。

…でも考え過ぎてもダメですね!

とにかく一打一打心を込めて打ち続けよう!

Photo: Takuro Susaki

 

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

鼓童若手連中(12)「千穐楽」/三浦友恵

Photo: Takuro Susakiみなさん、こんにちは。

天気の良い日が続き、心地よい風が吹くヴァンセンヌの森。パリに来て、10日が過ぎました。

Photo: Takuro Susaki

日々色々なことがあり自分の未熟さを感じますが、私もまだまだ若手。この経験を糧にこれから続く太鼓人生を頑張ろうと決意を新たに舞台に立っています。

Photo: Takuro Susaki

パリ郊外、ヴァンセンヌの森に拠点を置く太陽劇団で生活をし公演を行っています。

Photo: Takuro Susaki

団員のみなさんが毎食ご飯を作ってくださり、私たちの生活面や舞台面では不自由なことがないよう気にかけてくださいます。

Photo: Takuro Susaki

Photo: Takuro Susaki

辛いことがあった時も美味しいご飯とみなさんの笑顔に救われました。

Photo: Takuro Susaki

千穐楽を迎えることができるのも、太陽劇団の主宰者アリアンヌさんを始め劇団のみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。

Photo: Takashi Okamoto

1日2回公演も無事に終えることができ、いよいよ「鼓童若手連中」パリ公演千穐楽です!200%で最後まで精一杯頑張ります︎。

Photo: Takuro Susaki

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

鼓童若手連中⑩『KAIGARABUSHI』/山脇千栄

Photo: Takuro Susaki太陽劇団に来て、早一週間。

Photo: Takuro Susaki

太陽劇団はどこか鼓童村と似ていて、

アリアンヌさんはいつも母のように
私たち鼓童を見守ってくれています。

気づけばすっかりこの温かさに安心していて、
劇団全体を包んでいる柔らかい愛を全身で受けながら、日々豊かに過ごしています。

私は、舞台で「貝殻節」という唄のソロを歌っています。

貝殻節は、鳥取県の賀露地方の漁港に伝わる民謡で、手漕ぎ船で重労働の帆立貝漁に出る男たちとその家族の心情が歌われている労働歌です。

Photo: Takuro Susaki


この唄に出会ったのは研修生の時。

初めて聞いた時、歌詞の意味はすぐには
わかりませんでしたが、
旋律で心が震えたのを覚えています。

それ以来、好きで歌い続けています。

去年のECの若手連中発足の際、
「貝殻節 歌える?」と遼太郎さんから
鼓童の舞台で唄を歌うきっかけを頂きました。

今回、貝殻節の持つ日本の情景が
パリの皆さんにはどう伝わるんだろうと
佐渡で稽古している期間から
ずっと考えていました。

 Photo: Erika Ueda

パリにきて3日目に一人の太陽劇団のスタッフが

「悲しいメロディだけどこの唄が好き。
唄を教えてくれないか。」

と話しかけて来てくれました。

一緒に歌っていると
だんだん周りが口ずさんでくれるようになり、
今では鼓童と劇団の方達で
終演後の乾杯で合唱するようになりました。

不思議ですが、確実に唄が言葉の壁を超えてみんなを繋げています。

「この唄を聴くと、毎回泣きそうになるんだ」と言ってくれる劇団スタッフの方もいました。

昔の漁師がぽろっと口ずさんだ旋律には
きっと寂しさや厳しさ、愛、生きたい、家族を守りたいという想いと願いが
自然に込められていたんだろうと感じます。

情景は違えども、日本人にもフランス人にも、どこかリンクする部分があるのでは、と思います。

スタッフの一人が貝殻節と同じような
「woman of fisherman」
という唄を教えてくれました。

女性がフランスの漁師に向けて歌う唄だそうです。
この唄もどこか悲しいですが
とても素敵な唄でした。

この唄がフランスにあり続けてきたように、
日本で大切にされてきた貝殻節を
精一杯心を込めて歌い、

その想いがフランスの人々の心のどこか奥底で共鳴できるといいなと思います。

 

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto