北米「螺旋」ツアー出発!/内田依利

Photo: Eri Uchida

出発前日から急に真冬の景色となった佐渡を脱出し、カラッと澄み渡る青空の東京へ。

いよいよ私にとっては1年ぶりの長いツアー、そして最後のツアーに出発します。

「螺旋Evolution 」は2年前の35周年サントリーホールでの初演を皮切りに、国内、ヨーロッパとツアーをしてきて3度目の再演です。

その中で毎回少しずつメンバーも変わり、その度に1つ1つの曲の理解や解釈を話し合い、試行錯誤して深めてきました。

Photo: Koji Miyagi

今回も稽古に入ってから、メンバーそれぞれ巡、交流公演、道、研修所など、それぞれの場所で一年培ってきた音をだしていました。

同じ曲で作品だからこそ、新たな発見があり、深みが増していくとはこういうことなのかもと思わされました。

初演の時はあまり意識していませんでしたが、「螺旋」とは、鼓童のあり方のような気も勝手にしています。

基本を大切に初心に戻りながら、新たなことに挑戦し、また同じだと思うところに戻ってきたと思ったら螺旋状に一段上の階にいるような。

この一年研修所に行っていて、みんなと久しぶりに音を出すからこそ、自分にはそれをはっきり感じられたような気がしました。

この二ヶ月のツアー、またどんな出会いがあるのか楽しみです。

初日はラスベガスから!

毎公演新鮮な気持ちで、その場所でベストの音を届けてまいります。

See you soon!

Photo: Eri Uchida

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)

第36期研修生修了式/内田依利

Photo: Takuro Susaki

佐渡の冬にしては大変珍しい澄み渡る青空の中、第36期研修生の修了式が行われました。たたこう館に正装したメンバー、スタッフ、講師の方が集まり、2年間頑張った彼らの姿を見届けます。

Photo: Takuro SusakiPhoto: Tomohiro Yonetani彼らが入ってきた時、私も研修所に関わり始めた時でした。

最初の4月はまだまだ学生気分。稽古時間に遅れてきたり、敬語もままならず、自分の思っていることを言葉にもできず。稽古をする真剣な空気感になることすら、なかなかできませんでした。

何年も経験のある研修所所長や、講師陣は最初はこんなものと落ち着いたものでしたが、初めて関わる私は、この子たちがあの「鼓童研修生」になっていくの? と1人焦ったりしていました。

しかし一週間会わないだけで、顔つきも身体つきもみるみる変わっていきます。

1日にこんなに詰め込めるものなんだ!というくらい朝5時から夜10時まで、毎日ビッシリ詰まったカリキュラム。研修所所長や講師陣、地域の方、鼓童外からお呼びする一流の先生方など、常に研修生を温かく、厳しく見守る目。

そしてそこには、研修生本人たちが本気で、成長したい!メンバーになるんだ!という意思があって初めて、驚異のスピードで変化を遂げていくのです。

Photo: Takuro Susaki

そんな2年を終えた彼らが、顔つきも身体つきも全く違って、鼓童メンバー、スタッフの前に堂々と立ち、この二年間の思いを、1人1人自分の言葉でしっかりと伝えていきます。

Photo: Tomohiro Yonetani

「何が伝えたいんや」

研修所所長の石原が2年間、常に研修生に問いかける言葉です。

その一言に、自分にとって太鼓とは?なぜ鼓童なのか?を嫌という程悩み抜きます。

最後の修了演奏では、その思いが色や形で見えそうなくらい、しっかりと1つになり、温かいエネルギーが会場全部を包んでいました。

Photo: Tomohiro Yonetani

太鼓は気持ちがそのまま出る。とはよく言いますが、その気持ちに「嘘がない」ことがどれだけ重要か。

Photo: Takuro Susaki

心の底から湧き上がった感情が、太鼓の響きにのり、空気を震わせ、人の身体に心に届く。

この2年間の大変な研修生活というプロセスが、あの音を彼らに出させ、不覚にも私も涙腺に響いてしまいました。

Photo: Takuro Susaki

この先どんな道に進んでも、自分が2年間関わって彼らに心から伝えたいのは、

みんな才能に溢れているということ。

Photo: Takuro Susaki

その素晴らしい価値は変わらないということ。

Photo: Takuro Susaki

2年間で目覚しく成長したということ。

Photo: Tomohiro Yonetani

そしてこれからも自分で成長していけるということ。

Photo: Tomohiro Yonetani Photo: Tomohiro Yonetani

現代たくさんの選択肢がある中、わざわざ大変な道を選んでくれてありがとう。

その苦しい思いの分、それ以上に身についたもの一生ものがたくさんあります。それを持って、これからの人生、自信を持って歩んでください。

Photo: Tomohiro Yonetani

修了おめでとうございます。
そして本当にありがとう。

Photo: Tomohiro YonetaniPhoto: Tomohiro Yonetani

 

鼓童文化財団研修所
https://www.kodo.or.jp/apr

研修生、メンバーとの合同稽古/内田依利

Photo: Yasuhiko Ishihara

今回の研修生との合同稽古は若手メンバーがたくさん参加してくれました。

ほぼマンツーマンで研修生一人一人に丁寧にアドバイス。

Photo: Yasuhiko Ishihara

Photo: Yasuhiko Ishihara

それぞれのメンバーが「道」、「鼓童若手連中」や各公演で自ら感じ、悩み、必死に稽古してきたものを、研修生に受け渡してくれています。

「気持ちは感じるが、それが音として伝わらない」

「”なんとなくできている” が一番まずい」

「鼓童に入って何がしたいのか」

厳しい言葉の根本にあるのは、一緒に楽しく太鼓を叩いて世界を回ろうということです。

Photo: Yasuhiko Ishihara

楽しいのはお客様が喜んでくださるから。
喜んでくださるのは、魂のこもった音が届くから。
ここで何をしたいのか、太鼓で何を届けたいのか。

具体的なものではないかもしれません。

しかし日々打ち込んで、太鼓が響いて届く音を研究し、限界に挑んでいく中で、みんなの魂がむき出しになって音になっていくのかもしれない。ズンズン成長し研修生に伝えてくれている頼もしい若手を見て、そんなことを感じました。

Photo: Yasuhiko Ishihara

必死に食らいついて、頑張れ研修生!

 

鼓童文化財団研修所について:

鼓童文化財団研修所

【研修生募集中!】2018年7月6日(金)〜2018年11月9日(金) ※必着

【募集要項】https://www.kodo.or.jp/apr/research_students

 

研修生野外稽古/内田依利

Photo: Yasuhiko Ishihara

昨日午後の稽古後、研修所・所長のガンさん(石原泰彦)に連れられて研修生が向かった先は素浜海水浴場。

と言っても遊びに来たわけではありません。

Photo: Yasuhiko Ishiharaまずは砂浜を走る走る。砂に足を取られてなかなか前に進みませんが、いつもと違う景色、足元に寄せる波、毎朝のトレーニングとはまた違う気分。

Photo: Eri Uchida

その後は全員で鬼剣舞。砂の上で、いつもより体力的にかなり大変なはずでも、外の開放感の中、みんなで踊るのはなんだか楽しそう。

Photo: Yasuhiko Ishihara

そこまで追い込んでからの自由時間は、みんな一斉に海に飛び込んでいきました。

Photo: Yasuhiko Ishihara

研修所では、大変なことも、辛いことも沢山あるかもしれません。

でもだからこそ、楽しいことや嬉しいことを感じる振り幅も大きくなっていくのかなあ。こんな僅かな時間でも、目一杯遊ぶ姿を見てそんなことを思いました。

Photo: Eri Uchidaこの開放感はこの環境だから、生まれるものでもあるのでしょう。
佐渡は本当に自然豊かな島です。

鼓童が佐渡にあってよかった。日々この島に育てられています。

 

鼓童文化財団研修所について:

鼓童文化財団研修所

【研修生募集中!】2018年7月6日(金)〜2018年11月9日(金) ※必着

【募集要項】https://www.kodo.or.jp/apr/research_students

 

6月20日「研修生合同稽古」/内田依利

Photo: Mariko Sumiyoshi

研修生の中間発表と合同稽古が鼓童村で行われました。

Photo: Mariko Sumiyoshi舞台の最前線に立っている舞台メンバーから、直接指導してもらえる貴重な時間です。

「気持ちがあるのはわかったが、それだけでは何もできない」

やはりそこで立ち返るのは、基本稽古。綺麗で、芯のある一発の音をしっかり出すことです。

普段より見てもらえる目が多く、細やかな指導に一瞬たりとも気が抜けません。

研修生が目指す舞台に立つメンバーから出てくる言葉は、具体的で、シンプルに重みがあります。

Photo: Mariko Sumiyoshi

丁寧な稽古のくり返しが、あの音を、あの舞台を作っています。

「お客様に届く音」目指す先がまた明確になった、充実した合同稽古の時間でした。

 

鼓童文化財団研修所について:

鼓童文化財団研修所

【間もなく募集開始!】2018年7月6日(金)〜2018年11月9日(金) ※必着

【募集要項】https://www.kodo.or.jp/apr/research_students