新研修生面接にて/内田依利

1月7日・8日の1泊2日で、「太鼓芸能集団 鼓童」メンバー養成コースの新研修生を選考する実地面接を柿野浦研修所にて行いました。

1日目の夕方、現研修生による稽古発表の時間がありました。次の後輩へむけて張り切って演奏する研修生たち。年末年始は9ヶ月ぶりに実家に戻った研修生たちから出ていた言葉は、どれも実感がこもっていました。

「人間はすぐに怠けたがる!」

下界(研修生は島外をこう呼ぶ  笑)には人を怠けさせるものにあふれていて、いくら集中しようとしても、誘惑が多すぎると気づいたようです。
目の前のことに集中できないので、やることも雑になり、やる気も失せていく感覚があったと話してくれました。研修所では、必要最低限のものしかないから工夫することを覚えて行きます。研修所が、いかに集中して学ぶことに恵まれているかを心から実感したと言っていました。また、他には今まで親が当たり前にやってくれていた、料理、洗濯、掃除がいかに大変なことか分かりましたと言っていた研修生も。

世の中の20歳前の人たちが、どれほど実感を持って、このようなことに気が付けるだろうかとしみじみ思ってしまいました。

4月、高卒の何名かの研修生たちは、学生気分が抜けませんでした。その頼りなかった学生たちが、みるみるしっかりと研修生になり、若者の顔になっていきます。そんな中でも一緒に過ごして色々伝えていると、本当に伝わっているのだろうかと心配になる時もあります。

ですが、今回の彼らの素直な気持ちから出てきた言葉は、ちゃんと受け止めてそれぞれの種を育ててくれていることを教えてくれました。

彼らに学ばせることや教えることはできません。

できるのは種を蒔き、環境を整えること。

悩みながら、工夫しながら、失敗もしながら自分なりに気づいて育てた種は、自分だけの花にいつか育ってくれると思います。

新しい研修生にも期待しつつ、みるみる変わっていく研修生の成長スピードに自分も食らいついていきたいです。

伊藤多喜雄さん追い込み稽古!〜研修生最終発表会/内田依利

伊藤多喜雄さん追い込み稽古!〜研修生最終発表会

毎年12月、最後の発表会直前の追い込みの時期に、研修所では民謡歌手の伊藤多喜雄さん稽古期間があります。

熱く熱く、研修生一人一人と向き合い、自らも歌い続けてくださる稽古が続きます。

お腹の中から叫びたくなるような歌を。内臓全体で歌うんだと。民謡にも色々な歌があり、その背景も実感とともに話しくださいます。自らの50年の民謡歌手人生を切り分けてくださる貴重な時間です。その時代や仕事の様子が目に浮かぶような話しぶり。

木造の研修所校舎に、外では雪が降っていて、ストーブ一つではなかなか暖まらない室内。そこに故郷への思い、辛い仕事も受け入れること、仕事の帰りを待ちわびる思い、そういう思いを重ねてみろと。毎日やることがたくさんあって、忙しい研修生も、この最後の発表会の時期に初心を思い出した様です。

1年生は進級発表会、2年生は最終発表会。この多喜雄さんの稽古期間を経て、研修生活の思いを音に込めて打ち込み、歌い、踊りました。技術的には未熟であっても、やはり原点はこの思いが本気であるかどうか、伝わるかどうか。発表会はいつも、見ているこちらも身が引き締まります。

この音で、今年一年を締めくくりました。ありがとうございました! お疲れ様でした!

新年あけましておめでとうございます

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

鼓童は昨年、創立40周年を迎え、
記念ツアーや交流学校公演はじめ、東京交響楽団との共演「いのち」、
オーチャードホール公演等々さまざまな企画を開催することができました。

コロナ禍による影響が未だ続くなか、
多くの皆さまのご支援と応援のお言葉に力を与えていただき、
お客様の前で生の音を届けられることの喜びを一層感じた年になりました。
改めて深く感謝申し上げます。

またCDやDVDの新作発売はもとより、
音源配信、オンラインによる「鼓童 太鼓の学校」、
ハートビートラヂオなど様々な方法で
鼓童の音をお届けいたしました。

私たちは節目の年に歴史の積み重ねが
未来へと進む力となることを改めて実感し
この先の鼓童50年そして100年に向け、
2022年も太鼓表現の可能性を広げるべく
さらなる挑戦を続けて参ります。

また皆様と共感の場をご一緒できることを楽しみに、
佐渡での学びを深め、各地へと鼓童の音を届けてまいります。

本年が皆様にとって良い一年になりますよう祈念申し上げます。
引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2022年元旦
太鼓芸能集団 鼓童
代表 船橋裕一郎

2024年、新年あけましておめでとうございます

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は、多くの皆様のご支援を賜り、改めて感謝と御礼を申し上げます。

昨年は、4年ぶりとなる北米、そして中国ツアーにて「童」、国内では「いのちもやして」、「翔走」、「ミチカケ」、「交流学校公演」、坂東玉三郎氏との共演作品「幽玄」、Noismとの共演作品「Noism x 鼓童 『鬼』」、「初音ミク×鼓童」、The Voices of South Africaの皆さんをお迎えした「アース・セレブレーション」や「佐渡宿根木公演」など多種多彩な公演をお届けすることができました。

コロナ禍の中で延期を経て数年越しに実現に至った公演も多く、共演者やお客様との笑顔溢れる再会に、音を直にお届けできる喜びを改めて感じた一年でした。

さて、本年は欧州ツアーを皮切りに、春から「ワン・アースツアー」、「交流学校公演」、浅草公会堂での「とこしえ」、冬には新作公演も控えております。拠点佐渡島での活動も「アース・セレブレーション」や「佐渡宿根木公演」、昨年より始動した「佐渡夏(秋)の公演」とさらに充実させ、この地の魅力をさらに発信する場を増やして参ります。

混迷を極める世界情勢、地球規模での気候変動など先行き不透明な中、
<私たちは、太鼓とともに世界をめぐり、多様な文化や生き方が響き合う「ひとつの地球」を目指します>という活動理念を胸に旅を続けて参ります。

皆様にとって良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
甲辰となる2024年、さらなる成長を目指し精進いたします。
引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2024年元旦
太鼓芸能集団 鼓童
代表 船橋裕一郎

新年あけましておめでとうございます

写真:岡本隆史

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は、多くの皆様のご支援を賜り、改めて感謝と御礼を申し上げます。

昨年は、ワン・アース・ツアーにてヨーロッパ各地を巡り、国内では「交流学校公演」、「童」、3年ぶりの浅草公会堂での新作「翔走」、住吉佑太音楽監督のもと様々な音楽的挑戦のあった最新作「ミチカケ」、そして念願でもあった同じ新潟を拠点とするダンスカンパニー、Noism(ノイズム)との共演作品「Noism x 鼓童 鬼」や、ギタリストMIYAVIさんと三味線奏者上妻宏光さんをお迎えした「アース・セレブレーション」など、多種多彩多様な公演をお届けすることができました。また、CD、DVD、映像や音源製作、配信なども積極的に展開してまいりました。

今もなお続くコロナ禍の中、多くの出会いや経験を糧に個々の能力を磨きながら、積み重ねてきた甲斐を実感した一年となりました。

さて、本年は年明け早々より、5年ぶりとなる坂東玉三郎氏との共演作品「幽玄」を皮切りに提供楽曲を中心に高校生との共演をする新企画公演「ワン・アース・ミュージック・フェスティバル」、4年ぶりとなる北米ツアー、春から夏にかけて「ミチカケ」や新作「いのちもやして」、年末は阿部好江が演出を担う作品など、様々な公演が目白押しです。さらに「アース・セレブレーション」や「佐渡宿根木公演」、太鼓体験、ワークショップをはじめ、拠点佐渡での活動もさらに充実させてまいります。

私たちの太鼓の音は、佐渡島の暮らしと学びそして旅の中から得た体験により、さらに豊かな響きとなります。その響きにより生まれた表現が、喜びと笑顔あふれる時と場を創り出し、私たちの理念「ひとつの地球」を多くの方々に感じていただけるよう、一層励んでまいります。

本年が皆様にとって良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

鼓童の未来に向け、引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2023年元旦
太鼓芸能集団 鼓童
代表 船橋裕一郎