大井キヨ子聖火リレー完走!!/新井和子

Photo: Taiyo Onoda

6月4日 雨のふりしきる中、東京2020オリンピック聖火リレー新潟1日目、鼓童創設メンバーで現在もスタッフとして在籍している大井キヨ子が佐渡区間の最終奏者として、完走しました。

中継地セレモニー後のプログラムで予定していた鼓童の演奏は雨で中止となってしまいましたが、出演予定だったメンバーは入場が許可されていたので、応援にかけつけました。

佐渡の最終地点、ジブリ映画 「天空の城ラピュタ」の景色に似ていると評判の、北沢浮遊選鉱場きたざわふゆうせんこうばで到着をまっていると、雨と霧でけぶる遠くに聖火トーチの炎がはっきりと見えました。それがだんだん近づいてくると自分でも思っていた以上に胸がきゅっとし、どんどん気持ちが高まっていく感動的な体験でした。

Photo: Kazuko AraiPhoto: Tomoe Miura

大井キヨ子(旧姓小幡キヨ子)は鼓童の前身である、鬼太鼓座おんでこざ時代にボストンマラソンを6回走り、78年には6位に入賞、その翌年79年に別府大分毎日マラソンで2時間48分52秒の記録を出した日本女子マラソンのパイオニアです。この記録は男性と一緒に走ったために、非公認とされたことで、自分が「国内大会女子マラソンランナー第一号」といっていいのかという思いがずっと胸にあったと聞いています。

今回 聖火ランナーに決まり「認めてもらえた思いでとても嬉しい!その感謝の気持ちで走る」と前日に話をしてくれました。Photo: Kazuko Arai

Photo: Tomohiro Mitome

感謝に溢れた満面の笑みで走ってくる仲間を応援できて、私たちも満面の笑みで帰路につきました。

鼓童オリジナル 鉄製手平鉦(てびらがね) 発売開始!!

こんにちは、鼓童オンラインストアです。オンラインストアで人気の楽器鳴り物シリーズに鉄製手平鉦てびらがねが登場します。

2015年「道」公演で手平を担当した見留知弘がなかなか手に入れられなかったことをきっかけに、佐渡の職人さんとのコラボレーションで実現しました。

手平鉦は手打ちで仕上げ、リングはムク材をくりぬいてつくったつなぎめのないものを、音色を確かめながら、ひとつひとつ手作業でつけています。

岩手の鬼剣舞や神楽など伝統芸能で使われている手平鉦ですが鼓童でも「野火」「JANG-GWARA」などの演目では独特の音色で大切なポジションを担い、2021年の「鼓」春ツアーでも「ヒトヒ」の世界観づくりになくてはならない存在です。

手平鉦ほか 鼓童オリジナルチャッパ等の鳴り物シリーズも好評発売中!鼓童オンラインストアを是非ご利用ください!

※商品は手作りのため、音色に多少の違いがあります。

 

鉄製 手平鉦(直径 約15cm)価格:19,800,円(税込)

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チャッパ 5寸(直径 約15cm)価格:12,019円(税込)

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ジャンガラ 6寸(直径 約18cm) 価格:19,352円(税込)

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その他、鼓童40周年記念Tシャツやオリジナルグッズ、最新DVD「鼓」ほか各種CD、太鼓、笛など楽器類も取り扱っております。お気軽にお問い合わせください。

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大人気!中込健太デザインイラスト Tシャツ 色違い【 6/13(日)発売決定!】

こんにちは、鼓童オンラインストアです。

なんと発売4日で100枚を完売した、大人気のKenta Tシャツ neko×kani。

手に入れられなくて残念!という声にお答えして、色違いの発売が決定いたしました。今回は綿100%のTシャツです。鼓童公式Twitterとインスタグラムでアンケートをとり、一番投票が多かったナイトブルーカラーに決定。

6月13日(日)9:00からオンラインストア限定100枚発売開始です!

春の新商品も好評発売中!ぜひご利用くださいませ。

★Kenta Tシャツ neko×kani(ナイトブルー)価格:3,800円(税込)
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他にも鼓童グッズ好評販売中♫

★鼓童Tシャツ 岡本太郎「鼓童」(黒) 価格:3,500円(税込)

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★手ぬぐい-岡本太郎「鼓童」(紺) 価格:1,600円(税込)
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★最新DVD 鼓童「鼓」も好評発売中!!価格:4,500円(税込)

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お得な「鼓」「道」DVD2本セット(9月末まで) 価格:各8,000円(税込)

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★中込健太デザイン マスキングテープ-KENTA_kaku(茶色/浅葱色) 価格:各500円(税込)

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【5/12発売開始】春の新商品 第三弾!鼓童創立40周年記念Tシャツ&手ぬぐい

こんにちは、鼓童オンラインストアです。春の新商品第三弾のご紹介です。

鼓童創立40周年を記念して「太陽の塔」の制作で知られる芸術家 岡本太郎氏が鼓童に揮毫してくださった「鼓童」の文字をTシャツと手ぬぐいにデザインしました。5年の周年ごとに作成していますが、Tシャツのフロントにデザインしたのは今回がはじめて!右袖には40周年ロゴが入っています。手ぬぐいも岡本太郎氏が鼓童の文字を通して表現してくださったエネルギーが存分に伝わる新デザインです。

最新DVD「鼓」も好評発売中!是非鼓童オンラインストアをご利用ください。

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赤嶺隆さんを偲んで/本間康子

私たちの大切な仲間である赤嶺隆さんが3月18日に亡くなって、早いもので5月5日で四十九日を迎えました。

赤嶺さんが鼓童と出会ったのは1984年。鼓童が初めての「ワン・アース・ツアー」でロンドンに行った時でした。
公演会場で、赤嶺さんの存在に気づいたのはハンチョウ(河内敏夫)でした。「一番前の席で目を爛々と輝かせて観に来てくれた日本人がいた。」と言っていたそうです。

赤嶺さん自身はこう語っています。
「初めて鼓童の舞台を見たとき、太鼓の音が私の身体の一番深い部分にどしーんと落ちてくるようでした。その感覚は、異国にいた私のアイデンティティを大きく揺さぶりました。吉利さんがステージに現れて打ち始めると、観客は一気に引き込まれました。『大太鼓』が終わっても、あまりの感動で拍手ができないほどでした」(『いのちもやして、たたけよ。-鼓童三〇年の軌跡-』より)

また、当時鼓童のメンバーでツアーに参加していた富田和明さんが、コベントガーデンで目を閉じて三味線を弾いていて、弾き終わって目を開けた時、そこに赤嶺さんがいたそうです。

1984年・ロンドンにて(撮影:富田和明氏)

鼓童が好きで、鼓童で働きたいという思いが募り、公演後にハンチョウに会うと、第一声は「いつから(仕事)始められる?」だったとか。

赤嶺さんは、1986年1月に佐渡にやってきました。

1986年・北田野浦研修所にて(撮影:富田和明氏)

海外公演の交渉等はハンチョウがひとりで切り盛りしており、赤嶺さんの加入により強化が図れると期待がふくらんだのも束の間、1987年の元日、ハンチョウは旅行先のフィリピンで遊泳中に不慮の事故に遭い、戻らぬ人となってしまいました。

絶望的な悲しみを抱える一方で、アメリカツアー出発の日が迫っていました。
葬儀はツアー出発の前日にハンチョウの実家のある東京で営まれ、赤嶺さんは初の海外ツアーマネージャーを、鼓童存亡のかかる危機的状況の中で務めることとなりました。

1987年のワン・アース・ツアー(撮影:2点とも富田和明氏)

以来、事情により鼓童スタッフの立場を離れることになる2008年まで、国内外の公演でツアーマネージャーを務めるかたわら、ワークショップのスタッフや、アース・セレブレーションでの海外ゲストアテンドなど、様々な場面で活躍。

1995年・北米ツアーにて(撮影:狩野泰一氏)

2010年からは海外公演アドバイザーとして、主に海外における鼓童の公演活動をサポートしてくれました。
赤嶺さんが変わらずにやってきてくれたことは、ひとえに「人と人をつなぐ」ということでした。

この機会に、赤嶺さんがかつて鼓童の機関誌に寄せた文章を読み返しました。
そこには、彼の人柄そのもの、そして鼓童への深い愛情があふれていました。
世界各地で多くの方々とのご縁を丁寧に紡いできた赤嶺さん。
機関誌「月刊鼓童」バックナンバーより文章の一部を抜粋し、その一端をご紹介させていただきます。
 

「タンパの子ども達」 1988年6月号より

大人が失いかけた感受性をもう一度見直してみる、確認する機会を与えてもらいました。 

フロリダ州タンパでの公演期間中、小学校の生徒達が鼓童の舞台を見るために劇場に足をはこんでくれたのですが、入って来る子供達を見ていてふと気がついたのは、ごく自然にグループに同化した体の不自由な子供達がいたのです。特に障害を持った子供を優先的に劇場に入れる訳でもなく、かといって遅れて最後にやってくる訳でもない。仲間の子供達と手をつないで入ってくるんですね。体の不自由な人に対して変な先入観もなければ偏見を持っていない。普通にワイワイおしゃべりしながらお互いを助け合っているのがごくあたりまえのようです。

公演後、目の不自由な少女が一人、本当に細い小さな腕で、小さな胸の中に太鼓を抱き込んで、太鼓の皮に頬ずりをするんです。少しだけあっけにとられたりもしたのですが、彼女のしぐさが、けなげで可愛くもあり、また大胆で生き生きとした姿に見えました。彼女にとって切実な欲求の対象となる。“触れる”。そして“確かめる”。という意識を素直に表現したことに共感もしました。またうつむいたまま照れくさそうな笑みを浮かべた少年が、手を差し伸べ握手を求めてきたんです。彼の感動は理屈じゃなくて、キラキラと輝いた感受性そのもののような気がしました。

弱者の中に人間の良質な部分がないとどうしていえるのか、というようなことを考えさせてくれたのが、タンパの子ども達でした。

1992年・北米ツアー中に行われたワークショップにて(撮影:狩野泰一氏)

海外鼓童塾もまた楽し-鼓童塾・北アイルランド編 1991年12月号より

イギリスで開催されたジャパンフェスティバルの要請に応え、鼓童塾を開いてきました。

とくにロンドンから来た人達は、ものすごい期待感を持ってくれていたわけですが、その楽しみにしてくれる気持ちと、こちらの気持ちがピッタりかみあうことができたんですね。それでなんかこう、安心感の中でを落ち着けてすすめることができたんです。終わった後も、みんなで「楽しかった」と佐渡にファックスを送ってくれたり、体験後の反響を見ると、参加した方にとっても思った以上に充実したものであったようで、僕らも喜んでいるんです。

何が……というと、「人とまじわれる」ということだと思うんです。やっぱり、公演の場合は、舞台と客席とはどうしても一線を引かれた世界ですよね。声をかけたりはできないじゃないですか。ワークショップの場合は直接コミュニケーションができる。それが楽しいですよね。フィーリングが通じるということは、ほんとに気持ちの良いことです。それが一番大きかったですね。

1991年・鼓童塾-北アイルランド篇

違う部屋で、アイルランドの伝統的な太鼓を使ったワークショップもやっていたんです。「ボーラン」という太鼓と「ランバー」という太鼓です。この二つの太鼓は、かたやカトリックかたやプロテスタントという宗教的な背景をもっているんです。宗教紛争は、今もイギリスの大きな問題ですよね。「一緒に演奏したりすることもあるんですか?」ときくと、「NEVER。絶対やらない」と強い調子で断言するんです。「ありえない」って。

ところが……、その後で参加者の交流会があって、出演者が集められた。当然と言えば当然、彼らは始め、見るからにお互いを牽制し合って、隅と隅に遠く離れていました。けれども、僕らが無邪気にいろんなことを質問したりするうちに、両方が段々近寄ってきて….。最終的には、僕らも入って「絶対にありえない」といっていた演奏まで一緒にしてしまったわけなんです。

後からきくと、これは「歴史的な出来事」なんだそうです。

僕らが、変に気を回して緊張していたら、こうはならなかったでしょうね。単純に音楽に対する興味をぶつけたから、自然に一緒になれたんじゃないかと思います。

大きい太鼓がランバー(奥)小さい太鼓がボーラン(手前)。和太鼓も加わり「歴史的」なセッション

それぞれの鼓童塾 1998年10月号より

世代も環境もさまざまな参加者が、太鼓を叩くという一つの目的のために日本中、いや世界中から集まって来ます。いろんな人達に出会えるのも鼓童塾の魅力の一つですね。 

また、研修生にとっても鼓童塾は、得難い機会になっていると思います。なんの機会かというと、まごごろを修練する場とでもいいましょうか。料理一つとっても、参加者の皆さんにおいしく食べてもらうために心をこめてつくる。何かを聞かれたり頼まれたりしたら精一杯対応する。常に、心をこめること、感謝することを一生懸命考える時間なんですね。鼓童塾というのは、そのことに意識を向けるまたとない機会なんです。(談)

 

フリートーク 2008年6月号より

いま、沖縄にいます。
沖縄には時間がいっぱいあります。もちろん錯覚でしかありません。が、私の皮膚の中にあるウチナァンチュのDNAも、これを大いに良しとし、喜んでおります。時間があると、私の思いは鼓童と佐渡を駆け巡ります。その時、ふと思うことは、鼓童が佐渡が、私の精神をやすらがせ、生きるための元気と勇気をあたえてくれ、いえば、私のアイデンティにもなっているという気がするのです。鼓童、佐渡、沖縄、この三つの要素の中に自分が自分である由縁というものを発見することができました。

鼓童を通して忘れ得ぬ出会いというものに恵まれました。これらの出会いや出来事の一つ一つが私の血の中に流れております。鼓童での二二年間は幸福でありました。延々と私事を述べてきましたが、最後の一言です。鼓童は、私の宝であり、誇りであります。

それでは、みなさん、またあう日まで。

2011年、沖縄を訪問した洲﨑拓郎・純子夫妻とともに

 

【4/28発売開始】春の新商品 第二弾!鼓童最新DVD「鼓」とお得な「鼓」&「道」の2本セット!

こんにちは、鼓童オンラインストアです。春の新商品第二弾のご紹介です。

鼓童創立40周年プログラムの第一弾として2020年に初演された作品「鼓童ワン・アース・ツアー〜鼓」が、DVDとなって発売開始です!

1曲目に収録されている「入破」は、1970年代に小沢征爾氏の紹介で出逢った現代音楽作曲家の故・石井眞木氏に、1981年の鼓童創立を祝して贈っていただいた楽曲で、今回が初の映像収録となります。鼓童にとって原点に立ち返り、新たな領域への礎となる作品です。

また、DVD「鼓」発売記念として、2019年発売のDVD「道」とのお得な2本セットを9月30日までの期間限定で販売いたします。鼓童代表 船橋裕一郎が魂こめて演出した渾身の2作品。大太鼓演奏は「道」中込健太、「鼓」石塚充。この機会に2作品を是非お手元に!

春の新商品 第三弾もお楽しみに!

★最新DVD 鼓童「鼓」価格:4,500円(税込)
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★お得な「鼓」「道」DVD2本セット 価格:各8,000円(税込)
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★配信情報


※有料配信はDVDより内容を再構成し、シーン1〜3の3部構成として今年9月末までの期間限定配信となります。
配信開始日:2021年4月28日(水)
配信終了日:2021年9月30日
価格:各シーン 480円(1週間視聴可能)
配信URL:https://vimeo.com/ondemand/kodotsuzumi

 

その他、新作オリジナルグッズや、鼓童のCDやDVD、楽器類も取り扱っております。
お気軽にお問い合わせください。

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【4/23発売開始】春の新商品 第一弾!中込健太デザインイラスト Tシャツ&マスキングテープ

こんにちは、鼓童オンラインストアです。春の新商品第一弾のご紹介です。

「道」公演では大太鼓をつとめ、「ケンタタク、ユウタタク」でも大活躍の中込健太が書き下ろしたイラストをモチーフに、Tシャツとマスキングテープができあがりました!

Tシャツは肌触りのよいトライブレンド素材に、nekoとkaniをモチーフに、バックの襟元のワンポイントにも癒される楽しいデザイン。

名誉団員 藤本容子との「ねんねん猫の..」(藤本容子×鼓童「ゆめのうつつ」収録曲)コラボレーション映像で反響いただいた手書きTシャツは秒殺で売り切れ。今回は100枚ですが、サイズにわけると各20〜30枚。オンラインストア限定商品ですので、どうぞお早めに!

また 鼓童グッズ初!! 満を辞して登場したマスキングテープにも、neko、kaniに加えて健太イラストが大集合。こちらは茶色と浅黄色(あさぎいろ)の思わず2色買いしたくなるかわいい仕上がりです。

春の新商品 第二弾、第三弾もお楽しみに!

★Kenta Tシャツ neko×kani(黒)価格:3,800円(税込)
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★マスキングテープ-KENTA_kaku(茶色/浅葱色) 価格:各500円(税込)
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★【CD】藤本容子×鼓童〜佐渡もの語り〜ゆめのうつつ 価格:3,000円(税込)
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【鼓童創立40周年「来し方行く末」青木孝夫】ブログ一覧

2021年、鼓童創立40周年の節目に、「初心忘るべからず」「歴史を知らずして未来は語れない」という言葉を噛み締めています。前身の佐渡の國鬼太鼓座時代から現在の鼓童グループの活動に関わらせていただいている中で、生き抜くチカラを教えてくれた出来事や成長させていただいた出来事などを「来し方行く末」として年代ごとに数回に分け、あらためて思考してみたいと思います。(北前船 取締役会長・青木孝夫)

<その1:1977年〜1989年のブログはこちら>
<その2:1990年〜2000年のブログはこちら>
<その3:2000年〜2010年 前編のブログはこちら>
<その3:2000年〜2010年 後編のブログはこちら>
<その4:2010年〜2020年 前編のブログはこちら>
<その4:2010年〜2020年 後編のブログはこちら>

目次/一覧

<その1:1977年〜1989年のブログはこちら>

  • 1977~1980年 「佐渡の國鬼太鼓座」時代
  • 1977年 鬼太鼓座 東京公演
  • 1979年 ガンガラと孤独
  • 1980年3月23日 田耕氏との対峙
  • 1981~1982年 鬼太鼓座から鼓童へ
  • 1981年2月18日 株式会社北前船 設立
  • 1981年9月 ベルリンデビューと「入破」
  • 1981年 自主制作レコード『鼓童Ⅰ』
  • 1982年 林英哲氏との別れと葛藤
  • 1983~1986年 鼓童
  • 1983年8月 林英哲氏からいただいた手紙と本
  • 1984年 写真集『鼓童』出版と岡本太郎さんとの出会い
  • ONE EARTH TOURのスタートと国内公演営業活動
  • 1987~1989年 激動の時代
  • 1987年1月 河内敏夫(ハンチョウ)との別れ
  • 1988年 ソニーレコードとの専属契約と太鼓音楽の著作権

1977年〜1989年のブログはこちら

<その2:1990年〜2000年のブログはこちら>

  • 1991年 鼓童創立10周年「ギャザリング」とオーチャードホール
  • 太鼓芸能と音楽
  • 1994年 EC94 テント劇場企画
  • 1997年 財団法人鼓童文化財団 設立と 研修所二年制
  • 鼓童の活動拠点 鼓童村の土地のこと
  • 1999年 交流学校公演と二班制のスタート

1990年〜2000年のブログはこちら

<その3:2000年〜2010年 前編のブログはこちら>

  • 2000年 坂東玉三郎さん 千載一遇の出会い
  • 2006年 坂東玉三郎さんとの共演作 アマテラス

2000年〜2010年 前編のブログはこちら

<その3:2000年〜2010年 後編のブログはこちら>

  • 2001年 ケヤキの植樹とケヤキ原木太鼓づくり、薪ストーブ
  • 2007年11月 鼓童牛 きくこ
  • 2007年 4尺の国産ケヤキの大太鼓と浅野昭利さん
  • 2008年 御太鼓遊び

2000年〜2010年 後編のブログはこちら

<その4:2010年〜2020年 前編のブログはこちら>

  • 2009年9月 「打男」公演 と 2009年9月「うぶすな」公演
  • 2011年 創立30周年
  • 2012年 太鼓芸能集団鼓童の芸術監督

2010年〜2020年 前編のブログはこちら

<その4:2010年〜2020年 後編のブログはこちら>

  • 2016年 鼓童創立35周年
  • 2017年5月 「幽玄」
  • 2020年 〈NOVA〉公演・・そして新型コロナウイルス感染症の影響

2010年〜2020年 後編のブログはこちら

━2021年、鼓童は創立40周年を迎えます━

鼓童創立40周年記念公演企画

TAIKO-1お買い上げのお客様にもれなく「KODO」ロゴ入りバチをプレゼント

こんにちは、鼓童オンラインストアです。

ヘッドホンを使用して自宅で練習ができる静粛性をもち、スピーカーに繋げればリアルな音が響き渡る、電子和太鼓TAIKO-1。鼓童の提供楽曲「春風」を流しながら、演奏を楽しんでいるという声も届いています。

発売を開始した担ぎ桶用のバチ。TAIKO-1お買い上げのお客様にはもれなくプレゼントいたします。桶太鼓やTAIKO-1の演奏で鼓童メンバーが使っているサイズのバチに「KODO」ロゴの焼印を入れました。

★TAIKO-1 価格:140,800円(税込)
*商品は分解した状態での発送となります。
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★バチ_担ぎ桶用 価格:2,200円(税込)
※TAIKO-1お買い上げのお客様にはもれなくプレゼント
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★担ぎ演奏用ストラップ(黒)価格:3,800円(税込)
※TAIKO-1以外の和太鼓にもご使用いただけます。
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鼓童メンバーがTAIKO-1で「巡」を演奏した映像はこちら↓↓

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鼓童Instagram 実演動画

【鼓童創立40周年「来し方行く末」】その4:2010年〜2020年 後編/青木孝夫

<その1:1977年〜1989年のブログはこちら>
<その2:1990年〜2000年のブログはこちら>
<その3:2000年〜2010年 前編のブログはこちら>
<その3:2000年〜2010年 後編のブログはこちら>
<その4:2010年〜2020年 前編のブログはこちら>

【2016年 鼓童創立35周年】

鼓童創立35周年の企画については2012年頃から考え始め、3年前から少しづつ可能性を模索し、音楽プロデューサーの森千二さんや芸術監督に相談をしながら動き始めました。
森千二さんはちょうど私が鬼太鼓座に関わり始めた1977 年頃、「佐渡の國 鬼太鼓座」という豪華な紹介パンフレットを立案され製作された頃からご指導をいただいている方です。
鬼太鼓座から鼓童への激動期には故河内敏夫(ハンチョウ)や林英哲さんたちとご自宅に伺い、いろいろご相談をさせていただきました。

このパンフレットの最後のページにある「鬼太鼓座『村』の構想」の絵図は故河内敏夫(ハンチョウ)が鼓童設立時に掲げた村構想の原形になっているものだと私は思っています。

鼓童グループの未来に向けて、玉三郎さんに鼓童の芸術監督をお願いすることの意義についても共感してくださり、後押ししてくださったのも森さんです。
私自身は出会った頃から現在に至るまで、森さんからたえず叱咤激励を受け、鍛えられ、成長させていただいたことに、とても感謝しています。

森さんはサントリーホールの開館に際して、コンセプト作りから企画立案に尽力された方でもあり、『ゴールドブレンド・コンサート』企画制作、国技館『5,000人の第九コンサート』、ヤマト運輸『音楽宅急便』コンサートの全国展開、墨田区文化会館 建設計画〜すみだトリフォニーホール企画など名だたるプロジェクトの音楽プロデューサーでした。

鼓童は森さんのご尽力で1986年11月にサントリーホールオープニング・シリーズで、小澤征爾さんの指揮で石井眞木さん作曲の「モノプリズム」を新日本フィルハーモニー交響楽団と演奏させていただいたことがあります。

1986年11月に行われたサントリーホールオープニング・シリーズ(リハーサルの様子)

ちょうど2016年はサントリーホールが開館30周年になるという情報を得たこともあり、「創立35周年はサントリーホールでやりたい!」という衝動に突き動かされ、すぐに森さんにご相談させてもらいました。
そして、この記念すべき時に「サントリーホール開館30周年記念事業」としてのご支援もいただき、芸術監督の監修のもとで多種多様な3日間のプログラムを企画することにしました。

1日目の「出逢い」は下野竜也氏の指揮で新日本フィルハーモニー交響楽団との共演で「モノプリズム」と冨田勲さんの「宇宙の歌」。そして、作曲家の猿谷紀郎さんの「紺碧の彼方」、伊左治直さんの「浮島神楽」という2つの委嘱作品を世界初演しました。

第一夜〜「出会い」より、「浮島神楽」(撮影:岡本隆史氏)

2日目の「螺旋」は鼓童の単独公演。これは玉三郎さんとの出会いから16年間の集大成となる世界初演の舞台です。

「らせん」には、パワーの象徴である三つ巴の渦巻きのように、帰着のないケルト文様の渦巻きのように、螺旋中心軸は必ず普遍的にダイナミックなゆらぎにつくり変えていく意味があると私は思っていました。
鼓童グループにとって、ゆりもどし原理で絶え間なくエネルギーをうみだし続けていくための象徴的な作品になったと思っています。

第二夜〜「螺旋」より、「螺旋」(撮影:岡本隆史氏)

3日目の「飛翔」は2014年8月に佐渡で共演させていただいた男子新体操界初のプロパフォーマンスユニットのBLUE TOKYOと独創的なダンスカンパニーのDAZZLEの皆さんと共演させていただき、多くのお客様たちに創立35周年をお祝いしていただき、3日間の多種多様な鼓童の魅力を楽しんでいただくことができました。

第三夜〜「飛翔」より、「魅惑」(撮影:岡本隆史氏)

新たな表現を生み出すために多様性と柔軟性を持ち続けながら、果敢に取り組んでいきたいという企画する側の私の思いとは裏腹に、鼓童メンバーたちは数々の難しいプログラムの稽古はさぞかし大変だったと思います。
でも、芸術監督のご指導のおかげで、それを乗り越え、成長した姿を見届けられたことを、とても嬉しく思いました。


【2017年5月 幽玄】

私の夢であった坂東玉三郎さんとの共演作『アマテラス』公演を2006年に実現させていただき、2007年8月に歌舞伎座において再演、そして、2013年7月~10月にはメインキャストを替えて、東京・赤坂ACTシアター、福岡・博多座、京都・南座でも『アマテラス』を再演させていただきました。

そして、2017年5月から9月にかけて共演2作目『幽玄』公演を東急文化村、テレビ東京、BSジャパン、日本経済新聞社の皆様のご支援のもと、東京のオーチャードホールを皮切りに、新潟(TeNYテレビ新潟、新潟市芸術文化振興財団、新潟日報社)、愛知(中日新聞社、中日劇場)、福岡(博多座)、京都(松竹株式会社)と、各地の皆様のご力添えをいただいて上演(計30公演)させていただきました。

撮影:岡本隆史氏

『幽玄』公演は前作以上に鼓童メンバーにとって、さらに緻密で奥深い表現力を求められる舞台でした。

玉三郎さんが鼓童メンバーたちと「今後はどんなものをやりたいの?」と対話する機会があった時、「日本のものをやりたい」という話がきっかけとなり『幽玄』の舞台づくりが始まりました。

15年以上ご指導いただいた玉三郎さんには従来の鼓童の常識、和太鼓の常識のこだわりを解き放っていただき、様々な可能性を広げていただいておりましたが、この舞台はさらにハードルの高い未知なる領域への挑戦だったと思います。

鼓童村で坂東玉三郎氏と行われた「幽玄」の稽古(撮影:岡本隆史氏)

しかし、能楽の先生方、日本舞踊の花柳流の皆様のお力添えをいただきながら、鼓童メンバーたちが稽古のたびに成長していく姿はとても頼もしく、勇気付けられました。
私たちの概念にはなかった大きな振り幅の中で玉三郎さんに鍛えていただいた賜物だと思っています。

能楽師葛野流大鼓方の亀井広忠先生による稽古の様子(撮影:岡本隆史氏)

そして、2018年9月には歌舞伎座での『幽玄』1ヶ月公演という鼓童グループにとって奇跡のような機会もいただくことができました。

連獅子を舞う坂東玉三郎氏と鼓童の演奏。鼓童のメンバーも連獅子に挑戦しました。(撮影:岡本隆史氏)

そして、2017年の『幽玄』舞台の記録映像をもとに、松竹の方々と玉三郎さん自らが映像・音楽編集にも携わっていただき、シネマ歌舞伎 特別篇として『幽玄』が全国各地で上映されました。それはシネマ歌舞伎 特別篇の『幽玄』でしか味わえない映像と音の臨場感でした。
鼓童の歴史にとっても永久保存版の貴重なシネマ映像です。

そして、この頃に玉三郎さんから「鼓童の人たちも5年後、10年後に自分たちがどうなっていたいのか、ということを真剣に考える時期が来ているのではないでしょうか」というとても重要な示唆をいただいておりました。

20年近くにわたる坂東玉三郎さんのご指導のおかげではありますが、私はこの『幽玄』公演での鼓童メンバーたちの表現力を見届け、鼓童がプロの太鼓芸能集団になれた瞬間を肌で感じることができました。

1977年代で触れたことですが、
「鬼太鼓座から鼓童へ、プロにふみきるタイミングはいつつかんだのだろうか。」という問いに答えるとしたら・・・

私はこの時だったのかもしれないと思っています。


【2020年〈NOVA〉公演・・そして新型コロナウイルス感染症の影響】

2015年の4月頃から外部の専門家の方々にアドバイザーとしてご協力をいただきながら「鼓童は、どこに向かうのか?」という「鼓童の未来」について話し合いを続けていました。そのときに生まれたのが「NEW BEAT VISION PROJECT」でした。

2020年に東京オリンピックが開催されることになり、新しい人々が次の時代を作り出していかなくてはならない。その中でカタチを問わず常に新しい「ビート」を発信し続ける集団であり続けるために、「『聴く』から、『+観る』 そしてその先へ」というテーマで新たな『音の視覚化』を模索し始めていました。

そんな折、2016年7月に新潟市民芸術文化会館でロベール・ルパージュ氏の演出・出演の舞台『887』の公演がありました。ルパージュ氏から鼓童を訪ねたいとのご希望があり、公演の前日、急遽佐渡に来島されることになりました。

佐渡に初めていらした時のロベール・ルパージュ氏(中央)(撮影:大井キヨ子)

ロベール・ルパージュ氏は『KA』 (2004) 『トーテムTOTEM』(2010)というシルク・ドゥ・ソレイユの舞台を演出した今世紀における最も重要な舞台演出家の一人ともいわれるカナダ・ケベック生まれの演出家、劇作家、俳優、映画監督です。

この機会を得て、私は鼓童村や研修所などをご案内し、いろいろとお話をさせていただくことができました。何より、ルパージュ氏が鼓童のことにご興味を持っていただけていたことがとても嬉しかったです。このときは具体的なお仕事の話はしませんでしたが、ルパージュ氏から広島原爆を題材にした上演時間7時間の『太田川七つの流れ』という舞台の再演の話が話題になりました。

私はシルク・ドゥ・ソレイユの『トーテムTOTEM』はお会いする数年前にたまたま拝見したことがあり、人類の普遍的なテーマを題材にしていて、最先端のテクノロジーを駆使し、独創的でオリジナリティーにあふれた映像の使い方にとても驚きました。
しかし、実はこの『トーテムTOTEM』の鑑賞時には演出家としてのルパージュ氏の存在は認識していませんでした。

この時の出会いから数ヶ月たち、私の中では「音の視覚化」というテーマとルパージュ氏との出会いがひとつに結びついていきました。
そして、玉三郎さんに学んできたメンバーたちが次に挑戦するべき大きなプロジェクトとなり、「鼓童の未来に必ず繋がる」という思いにかられました。

そして、2016年8月にルパージュ氏に「2019年以降に鼓童の舞台演出をお願いできるような可能性はありますか?」との打診を開始しました。すると、ルパージュ氏の事務所から「とても好意的に、可能性はあります」とのご返答をいただき、早速、2017年1月に東京に来日中だったルパージュ氏らと初めてのミーティングをおこないました。

その時に「音の視覚化」という私たちの提案したテーマに対して、ルパージュ氏から「このプロジェクトはサイマティクスという理論をもとに創りたいと考えています。サイマティクスとは私たちの目に映るこの世全てのもの、地球や太陽系、私たちの身体や動物、陸などはすべてビック・バンによって生み出されたもの、そしてそのすべてに形を与えたのが『音』という理論です。」とのお話があり、ワクワクするような映像素材を見せていただき、具体的な稽古スケジュールや条件面での確認作業がスタートしました。

サイマティックスの理論を元にした仕掛けを模索する鶴見龍馬(撮影:神谷唯)

2018年4月の佐渡稽古(Phase1)からスタートし、12月にはケベックのロベール・ルパージュ氏の創作スタジオでの稽古(Phase2)、2019年3月(Phase3)のケベック稽古後にケベックと日本で何度も話し合いを続け、私たちはこのプロジェクトを〈NOVA〉(ノーヴァ)と名付けました。

ケベックにあるロベール・ルパージュ氏の拠点で作品作りに励んだ。(撮影:神谷唯)

そして、11月(Phase4)のケベック稽古から帰国直後に、日本での記者会見を行いました。
そして2020年の4月下旬から横須賀芸術劇場での3週間の最終稽古を経て、カナダスタッフたちから日本側のスタッフたちへの技術的な引き継ぎを行い、舞台を完成させるための準備をしていました。

ところが、2020年3月11日(奇しくも東日本震災と同じ月日)にWHOがパンデミックを表明。
人類がかつて経験のない新型コロナウイルス(COVID-19)感染症との闘いが始まり、すでに世界中に感染が拡大していました。

鼓童もこの影響を受けて、鼓童ヨーロッパ「Legacy」公演ツアーは3月のイタリア、ポーランド、ドイツの10公演が中止、ツアー途中での帰国という事態となりました。

日本では4月7日に緊急事態宣言が発令され、東京や神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡などで外出制限などの規制がはじまり、音楽・演劇・スポーツなど、すべての事業が中止や延期の対応を余儀なくされました。
3年以上をかけて海外共同製作で準備してきたこの〈NOVA〉は大変厳しい状況に追い込まれ、延期はできず、全公演中止という苦渋の決断をせざるをえませんでした。

〈NOVA〉は多くのスタッフが関わり、作り上げてきた作品でした。(撮影:神谷唯)

今回の〈NOVA〉公演のストーリーには「当たり前のことが当たり前でなくなるという、アノマリー(異常)によって文明が破壊する都市」の演出シーンがありました。

今となっては、ウイルスというまさに「アノマリー」な存在によって、今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、いとも簡単に日常が「破壊」されてしまうことを思い知らされました。と同時に、ルパージュ氏の普遍的で哲学的な演出意図が今回の新型コロナウイルス感染症における人類への警鐘のように思えて、とても驚きました。

私は太鼓芸能文化の可能性を広げていくために、玉三郎さんとの共演作『アマテラス』『幽玄』と同じように、今までに誰も見たことのない舞台づくりに挑戦していくために全力で〈NOVA〉公演に取り組んでいました。

2020年のオリンピック・パラリンピックにむけて、芸術文化創造の支援に向けた特別な公的資金の公募がいくつかあるという情報を得たり、劇場ネットワーク関係(舞台芸術や演劇界)の方々がルパージュ氏の演出する鼓童に大変興味を持ってくださるなど、その支援体制の感触によって、この新たなプロジェクトに取り組む決断をいたしました。

制作発表の際に披露した〈NOVA〉の一部分(撮影:岡本隆史氏)

ルパージュ氏が佐渡での最初の稽古の時のインタビューで「日本という国は地震とか津波とか、絶えず災害に見舞われる国でありながら、そこから再興させ、そこで世界にないような美しいものを導きだしている。この国の文化に非常に興味がある」と言い、今回のプロジェクトではそれを語りたいと言ってくれました。

私はこのコメントを聞いて、2020年の東京都で世界初演するテーマとして非常に心に刺さりました。そのルパージュ氏の思いを聞いて、絶対に今までに見たことのない太鼓の概念を覆すような新しいものづくりができると確信しました。

それも、鼓童の使命として2020年にやらないと、今まで玉三郎さんに学んできたことが次に繋がっていかないような気がしたのです。

鼓童グループにとっては果敢な挑戦となりましたが、このプロジェクトを通じて、国内外の新たな鼓童ファンや多くの支援者との出会いも目指していましたので、2020年に実行するという意味が凄くあると思っていました。
だから、正直にいえば、完成間近で成就できなかったことはとても悔しい思いでいっぱいです。

しかし、多くの方々のお力添えをいただきながら、3年間かけてロベール・ルパージュ氏をはじめ、カナダチームスタッフと鼓童メンバーや日本チームスタッフたちと最善を尽くして創作してきた記録映像を、2019年11月のPhase4のケベック稽古での最初で最後になってしまった通し稽古の様子も含めて、ドキュメンタリー映像作品として完成させることができました。そして、期間限定ではありましたが、海外同時配信させていただき、国内外の多くの方々に視聴していただいたことで、私たちの〈NOVA〉公演に向けた渾身の思いをお届けることができました。

ビッグバンから始まり、生命体が生まれ、そして文明が始まり、世界が破壊され、そして再生・復活していくという、森羅万象、宇宙の摂理というものが鼓童の太鼓や踊り、声によって テクノロジーを駆使した映像とともに有機的に繋がる新たな神話のような物語に仕立てられていました。

この創作過程におけるルパージュ氏たちとの「ものづくり」の貴重な時間は、鼓童の未来の活動に大きな力になると信じています。

 


 

【あとがき】

世界各地で起こっている天災、人災、人間がつくりだした言語、民族、文化、宗教、政治、経済などの確執や価値観の違いを超越し、人間界と自然界との全体的調和を伝えていける強みが太鼓や芸能、音楽には内在していると信じています。

私自身は実際に太鼓を打ち込んで、人々に感動をお届けするということはできないのですが、「この感動をたくさんの人々に伝えたい。」ただただその思いのまま、今があります。

でもその衝動の根幹がいったいなんだったのか、実は腑に落ちないままでした。

あれから四十年以上、太鼓や芸能に携わらせて頂き、さまざまな出会いと学び、そして多くの困難を経験する中で、あらためて思い巡らしています。

それは当たり前のことではあるのですが、太鼓がとても原始な楽器だということと、この世に生まれたばかりの赤ちゃんには、本能としてひたすら泣き叫んで伝達しようとする野生の心が宿っていることです。

この太鼓と向き合う無垢な存在が伝達しようとする音(共振)にこそ、私たちは無条件に「原始の記憶」に回帰し浄化され、感動するのではないかと思うのです。

また、太鼓には人と人、人と神をつなぐ役割があります。

私たち日本人は古来より多くの自然災害による惨劇を経験しながらも、謙虚にひたむきに、たえず自然と向かいあい、地道に努力を積み重ねて復興させ、革新性や生産性を生み出してきました。

鼓童グループもコロナ禍に負けることなく、創立40周年記念の年に向けて、原点に立ち返り、自分たちの足元をたえず見つめ直し、人間が本来内包している「童」としての純真な心と野性的な心を鼓童の舞台を通じて表現し、魂を揺さぶる感動を届けることができるように、謙虚で逞しく生きていかなくてはなりません。

いつの日も、新しいことを成し遂げる原動力はひとつのことを一途に思い続けるという、わけのわからない強烈な熱意とひたむきな打ち込みにあると信じています。
だから、自信を持って、ひるまず打ち込み続けなくてはなりません。

鼓童創立40周年を迎える2021年、新型コロナウイルス感染症による困難を乗り越えて、多くのお客様と鼓童が出会い、元気に呼応しあえることを願っています。

 

━2021年、鼓童は創立40周年を迎えます━

鼓童創立40周年記念公演企画