顔/詫間俊

僕は今回のツアーで、人生初の海外に来ております。
ヨーロッパの空気、人、街並み、食べ物全てが新鮮で、ワクワクとドキドキを感じると同時に時々日本が恋しくなったりしています。

 

ヨーロッパのお客さんの反応は国によって様々です。感情がそのまま表に出る国もあれば少しシャイな国もあります。場所によっての反応の違い、それがツアーを回る中での一つの楽しみでもあります。不思議な事にその反応の違いで「Legacy」という作品が毎回違う顔を見せる気がします。会場の空気感と舞台上の僕達の気持ちが合わさった物がその日の「Legacy」という作品なのだと思います。

これからの国で「legacy」がどんな表情になっていくのか楽しみながらツアーを回っていきます!

 

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

対流/前田順康

雪のない佐渡の1月を過ごし、冬に油断したままヨーロッパに到着しました。
言うまでもないのですが、寒さに容赦のないヨーロッパ。
布団のような上着を着ていても、耳や指が、外気と触れていると、取れてしまいそうです。

それでも、室内は暖かく、特に、エアコンがかかるホテルの部屋は暑いくらいで、乾燥も助けて、手洗いした衣装があっという間に乾いてしまいます。

冬の暖かい部屋の扉を開けると冷たい空気が勢いよく入り込んできて、空気が混ざっていきます。
劇場でも、空気の対流に似たことが起こるのを感じます。

 

客席には今まさにその国の日常を過ごしている人が座っていて、
幕を隔て、ステージの上には、日本の職人さんが作った太鼓が並び、ふんどしとハチマキを締めた日本人が立っています。

そのふたつの空気、幕が上がると同時に“対流“が起こります。
劇場の空気がかき混ざり始め、終演の頃にはその国のものでも、鼓童のものでもない空気が練り上がっています。

 

僕はこの舞台で起きる“対流“にいつもゾクッとします。国内でもそうです。
昼公演だと、夜公演だと、雨の日だと、、、
同じ空間の中で、その瞬間に生まれてくる音を、鮮度そのままにお互い味わって。
写真や映像では捉えきれない、その場にいる人だけが感じられる空気が生まれて。

 

今日、Youtubeで、Netflixで、Spotifyでありとあらゆることを享受できます。
そんな時代でも、鼓童はめちゃくちゃに大きな太鼓を運び、屋台を組み、その日の為のバミリをし、その日の為のチューニングをして、汗まみれで太鼓を打ちます。

食事が食卓の空気によって美味しくなるように、ステージの上、緞帳の裏にどんな空気を作って待っているかが大事だと思っています。

 

鼓童にとって52カ国目となる、リトアニアの公演を終えました。
40年近く、52の国と交換してきた空気を持って旅は続いています。

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

研修生2年次スタートしています/小松崎正吾

やっと冬の佐渡らしく、凍てつく寒さと雪がやって来ております。

 

Photo: Yasuhiko Ishihara

6人でのスタートをきった38期新2年生。

Photo: Yasuhiko Ishihara

冬の田んぼで剣舞の稽古

 

歴代の修了生の口からも、よく【冬期間】と言われるこの時期の思い出を聞くことがあります。

急に閑散とした研修所は、寒さと共に寂しさや不安もやって来ます。人数が一気に減り、
より一人一人の力、同期の力が試されます。

Photo: Yasuhiko Ishihara

朝のランニング

Photo: Yasuhiko Ishihara

海岸線を30分間走った後、1.3キロの坂道を駆け上がります。

 

厳しい冬に負けない心と身体の免疫力をつける様に、生活、稽古、自分に向かっていきます。

Photo: Yasuhiko Ishihara

見留知弘による太鼓の稽古

Photo: Yasuhiko Ishihara

小島千絵子による西馬音内の稽古

Photo: Yasuhiko Ishihara

小島千絵子による八丈の稽古

 

雲が重たく晴れ間の無い日々でも、

ぐっと歯を食いしばり駆け抜けると、

満開の桜と鬼の舞う祭りの春がやって来ます。

Photo: Yasuhiko Ishihara

冬の田んぼで春の気配を感じる。

新1年生も賑やかにやって来ます。

それまでは、進々と、深々と…

 

Photo: Yasuhiko Ishihara

 

 

研修生にTVカメラが密着!こちらもどうぞご覧ください。

【TV放映】TBS「ふるさとの夢」2週連続放映!/2020年2月5日(水)、12日(水)深夜0:58〜

 

鼓童文化財団研修所

2年越しのリベンジ/木村佑太

2月1日にモスクワにて初日を終え、本格的にヨーロッパツアーがスタートしました!
2年ぶりに再開する人や風景、食事などを楽しみながら行きたいと思います。

前回のヨーロッパツアーについていた頃はまだ僕は準メンバーでした。その時はここでは書けないような失敗をしたりして沢山の迷惑をかけてしまっていました。怒られては凹んで、また怒られてetc. 必死に食らいついていた日々は今では良い思い出ですがあまり思い出したくないですね。笑

 

タイトルにもあるようにこのヨーロッパツアーは僕にとってはリベンジの場だとも思っています。2年前の苦しかった時期を忘れた事は一度もありません。
だからこそ「この2年間、遊んでた訳じゃないんだぞ」と。苦い経験はその土地で!!! 結局忘れられはしないと思うのですが・・・

 

海外は良いですよ〜。拙い英語で会話して伝わった時とか些細なことで楽しめます。
こんなに海外に来るのであれば、英語の授業をもっと真面目にやっておけば良かったと後悔しているきむくんでした。

 

 

 

 

 

今日の劇場はこちら (2020年2月4日)

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

 

研修所出発、それぞれの道へ/石原泰彦

1月22日。1年生が進級選考、2年生が準メンバー選考を経て、それぞれの道へ向かって研修所を出発しました。

朝のバスで、研修所を離れるメンバーが出発。
地元の皆さんも見送りに。

目指してきたのはプロの道。

とことんまで力を尽くしても、「思い叶わず」という研修生のほうが多いのが現実。覚悟してきた道ではあっても、その結果を受け止めることは、決してたやすいことではないと思います。

研修所での日々は、舞台という夢に届かなかった人にとっては、どういう意味を持つのか?研修生を送り出すこの時期に、いつも自問します。

研修所の日々

 

 

私自身の話になってしまいますが、遡ること20数年。やはり舞台を目指して佐渡に渡ったものの、準メンバーに届かず、研修生をもう1年。何とか準メンバーになり、しかし正メンバーへの壁は高く… 。そして今、研修所で研修生に向かい合う日々。

悔しさは、いまも身体が覚えています。一方で、こうして人が育つ場に身を置いて太鼓に関われることへのありがたさが、長い葛藤を経て、今は心を満たしてくれています。

石原の研修生時代

舞台という夢には届かなかったけれど、あの日々の意味は「今、この自分がいること」なのだと思っています。

 

 

 

研修所を離れた研修生。今、それぞれ懸命に次の道をつかもうとしていると思います。

悔しさ。それは、夢にありったけを注ぎ込んだ証。

そしてそれは、次の一歩を踏み出す、大きなエネルギー。

12月の発表会で

12月の発表会で

 

その悔しさは消えないかもしれないけれど、いつか人生を歩む中で、その悔しさをもっと大きな気持ちが包み込んでくれる日が来るかもしれません。

 

研修生の日直が書く日誌。日々の思いが綴られます。

 

今は、自分が力の限り夢を追った日々を誇りとして、また、力を尽くしたからこそ消えないその悔しさをしっかりと胸に、次の一歩を踏み出してほしいと願っています。

 

37-38期研修生、全員集合

 

佐渡は、雪が少ないまま立春を迎えそうです。春になると、また祭りが賑やかになります。

 

2019年春、柿野浦の祭りで地域の皆さんと

 

佐渡の皆さんは、ここにいます。研修所もいつもここにあります。

いつか気持ちがここに向いた時は、またいつでも足を運んでください。

 

旧岩首中学校の校舎。鼓童研修所として使わせていただいて、今年で25年目を迎えます。

 

 

 

修了生の声

研修所紹介ムービー

ミラクルハットでラジオ出演/藤本容子

【ラジオ】ゆめのたね放送局「As Myself」藤本容子出演
2020年2月1日(土)18時〜18時30分

ゆめのたね放送局「As Myself」はアーティスト、ミュージシャン、お坊さん、、etc、パーソナリティの谷島純子やじますみこさんのアンテナがピピンとキャッチした夢追い人をゲストに招いて、紹介、応援、トークで遊ぶ番組です。谷島さんは、古くからの鼓童のファンでいらして、私のワークショップ「Voice Circle」にも参加してくれています。

また、この日、私が話の内容に合わせてかぶって行ったミラクルハットは本当にミラクルで、何とこのラジオ局の東日本の責任者さんが挨拶に出て来てくださるなり「わあー!!」と興奮されて、ご自分のミラクルハットをいくつも持って戻ってこられて、番組が始まる前から一気に盛り上がってしまったのでした。もちろん、最後にはみんなでかぶって記念撮影:びっくりハート:

ミラクルハットはネットワークハット。愛をつなぎます。さて、お話の内容は、ただ今、感動しまくっている科学情報『細胞は音を発している』から始まりました。

私が求めてやまない、『うたの生まれてきた場所』が、魂にズドンと打ち込まれて、光が見えたようです。

だから、世界の民族の古い古い唄たちは、その細胞の音と共鳴して、私たちに時空を超えた懐かしさと励ましを与えてくれるんだなあ。

そんな、民族の唄の中から、ガーナの「テュエテュエ・ソング」を純子さんとの輪唱で唄って紹介しました。純子さんのワークショップの記憶は身体にしっかり刻まれていたのね。これも、細胞の働きだあ。

そして、ただ今制作中の鼓童企画制作によるCDのことも。

佐渡に渡って45年、今日に至るまで、佐渡からもらったさまざまな感動が、唄として生まれてきました。江戸の俗謡のような曲から、民謡、演歌、フォーク調と色彩豊かな内容となった特集です。私の3枚目にして初めての、鼓童のみなと力を合わせてのものづくりです。言葉に尽くせぬ幸せと共に、このCDが、鼓童と佐渡を柔らかくつなぐ、そんな存在になってくれますようにと願います。鼓童のツアーでも販売されますので、皆様どうぞお楽しみに!

また、私は2月8日の同番組でも再登場しまして、この時は、ミラクルハットをダライ・ラマさまにかぶってもらったミラクルレディ=エンゼルくみちゃんと一緒の出演です。細胞エネルギー全開に燃え上がる30分となることでしょう。

お楽しみください。

ラジオ詳細↓

【ラジオ】ゆめのたね放送局「As Myself」藤本容子出演/2020年2月1日(土)18時〜18時30分

二本の柱/三枝晴太

道ツアー、初日間近です。
私自身は今回で3度目の道ツアー、
ヨーロッパツアーは、初めてとなります。

演奏もそうですが、
生活や食のこと、時差や体調のことが、ドキドキです。
稽古場の通りのコンディションに持っていき、演奏することを約三カ月、踏ん張って乗り切りたい…という心持ちです。

 

今回の道の稽古期間を経て、考えさせられたのは
私たちは、パーカッショニストであるということ。

もう一つ
私たちは、鼓童であるということ。
太鼓の音を出すだけではない。

では決定的な「鼓童」とは、何か。
何が、鼓童である僕らを鼓童たらしめるのか、僕たちにしかできないことは何か。
それを、考え、追う稽古期間でした。

 

そこに、「道」という作品の力もあります。
鼓童が半世紀近く演奏してきた演目を、今の僕たちが改めて解釈して、体に刷り込んで、稽古して、
今まで積み上げているものの頂点だと胸を張って佐渡を出る。
その過程を、鼓童村では、歩んでいました。

 

まずは、ロシアで初日を迎えます、欧州ツアーLegacyはどのような舞台になるのか、
そして、終わって佐渡へ帰って来る頃には、僕たちはどうなっているのか。
さらなる、高みを目指して参ります。

 

 

 

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー

 

最後の夜/渡辺健吾

僕が研修所に通うことになってからたったの1週間で、研修生はそれぞれの道へ歩む日が訪れました。

Photo: Yasuhiko Ishihara

皆で食べる最後の夕食

Photo: Yasuhiko Ishihara

道が分かれてそれぞれの思いを抱えつつも
互いにしっかり向き合って、大切な時間を過ごす

たったの1週間ですが僕が感じた研修生1人1人の思いは、自分の想像を遥かに超えた濃さでした。

喜びや悔しさ、悲しさ、苦しさ。

Photo: Yasuhiko Ishihara

1年生の太鼓で元気爆発!

たくさんの思いを胸に、それでもどうにか前に前に進んでいこうという力。

研修生とほんの少し一緒に居ただけなのに本当に大きなエネルギーを感じました。

Photo: Yasuhiko Ishihara

1年間研修生をみてきた小松崎とバトンを引き継ぐ渡辺が
唄で思いを伝える

これから僕はそんな研修生達に何をしてあげられるのか、何を伝えることができるのか…。

Photo: Yasuhiko Ishihara

研修所のどんど焼き

Photo: Yasuhiko Ishihara

皆で思いを語り合いながらバチ供養

37期と38期の思いを胸に、もっともっと研修生とコミュニケーションをとって、これからの鼓童にしっかりと繋いでいきたいと思います。

Photo: Yasuhiko Ishihara

1年生から手書きのデザインTシャツのプレゼント

 

研修生時代の渡辺(一番右)

 

研修所紹介ムービー

鼓童文化財団研修所

37期研修生修了式/小松崎正吾

 

お天気にも恵まれて、鼓童文化財団研修所第37期生の修了式が行われました。

Photo: Tomohiro Yonetani

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

言葉にならず泣き崩れても、言いたかった事を緊張で忘れちゃっても、

大丈夫。充分に伝わっていますよ。と、優しく見守る講師陣と、外部講師の皆様、演奏者、スタッフが暖かく見守ります。

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

佐渡の四季を怒涛の日々と共に越えてきた1人1人の顔、声、音は清々しく、真っ直ぐ心に届いてきます。

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

そんな音や在り方こそが、研修所が鼓童の根幹であり続け、何処にいても世代を越えて繋がり続けているものなのではないかなと思います。

舞台表現も勿論ですが、同じかそれ以上に鼓童が大切に繋いできて、

次の、そのまた次の世代まで繋いで行かなければならないものだなと感じながら、彼等の姿と音を心に焼き付けておりました。

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

Photo: Tomohiro Yonetani

 

修了生の皆さん

数々の素晴らしい瞬間に立ち会わせてくれて有難う。

数有る選択肢の中からここを選んでくれて有難う。

そして、送り出し、支え続けてくださったご家族の皆様、修了式では皆、家族への思いを口にしておりました。本当に有難うございました。

これからどの様な道に進んでも、

此処で得た言葉では到底形容し難いそれを大切に大切に。

 

いよいよ、はじまりのはじまりだ。

 

Photo: Tomohiro Yonetani

Photo: Tomohiro Yonetani

Photo: Tomohiro Yonetani

 

 

鼓童文化財団研修所

新年あけましておめでとうございます

 

 

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

旧年中は、皆様のご支援、ご理解をいただき、充実した活動をできましたこと、改めて感謝申し上げます。また各地での台風や大雨の災害のために、今も厳しい生活を続けておられる方々へは心よりお見舞い申し上げます。

昨年、私たちは『Evolution』北米ツアーを皮切りに、19年振りとなる中国公演も実現し、国内では『道』や『交流公演』の全国ツアーを行いました。

浅草特別公演『粋』では浅草の皆様のご協力の元、お神輿を舞台に上げていただくという、夢の様な場面をお届けすることができました。

またラグビーW杯開会式や新国立競技場お披露目イベントなどを通して、多くの皆様に鼓童の音をお届けすることができました。

そして、一年の締めくくりとなった、小島千絵子芸歴40周年記念公演『千の舞』では、鼓童名誉団員・小島千絵子が、若手のメンバーとともに、壮大で美しい世界を創り上げ、多くのお客様と一体となる喜び溢れる作品となりました。

 

本年は欧州にて『Legacy(道)』を皮切りに、『交流公演』、そして待望の新作、ロベール・ルパージュ氏演出の〈NOVA〉を満を持して全国の皆様へお届けいたします。

また、吉利さん、千絵子さんに続き、私たちの現在の活動の礎を作っていただいた先輩の周年作品も引き続き企画しております。

もちろん、拠点となる佐渡でのアース・セレブレーション、宿根木公演などの活動をさらに充実させ、多くの皆様に佐渡という素晴らしい地で作られる鼓童の多彩な音を、演奏者一同、そしてグループ一丸となり各地へお届けしていきたいと思います。

本年も皆様にとって良い年になりますよう、お祈り申し上げますとともに、変わらぬご支援とご鞭撻のほどお願い申し上げます。

               2020年元旦

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎