「幽玄」まもなく開幕!稽古写真&メンバーコメント

「幽玄」まもなく開幕です!
稽古写真&メンバーコメントをご紹介

「坂東玉三郎 × 鼓童特別公演 幽玄」

坂東玉三郎氏と鼓童のヒット作「アマテラス」に続く待望の共演第二弾は、能楽において世阿弥が唱えた「幽玄」の世界を取り上げます。「羽衣」、「道成寺」、「石橋」など能の演目を題材に構成された大作で、歌舞伎界を代表する不世出の女方・坂東玉三郎氏が優雅に舞い、太鼓界を牽引し続ける鼓童が斬新に囃します。それは古典芸能の世界から更に未来を見据えた新たな芸術の形でもあり、未開拓の境地を切り開いて行く両者による新作がいよいよ登場します。

一幕は坂東玉三郎氏と花柳流の舞踊家の皆様が「羽衣」の世界を花柳流五世宗家家元・花柳壽輔氏の振付で舞を披露。能楽囃子の小鼓・大鼓・太鼓を、鼓童は締太鼓で表現し、古典芸能として長い時を経て磨き上げられてきた能楽特有の世界観が劇場空間に広がって行きます。

締太鼓を演奏しながら謡を謡うことも鼓童の挑戦であり、太鼓打ちという範疇から解き放たれた鼓童の音楽性が期待されます。

二幕は、一幕からの構成がさらに展開し、鼓童のオリジナル楽曲と能楽の様式が融合します。その能楽の様式と鼓童の楽曲の移り変わりから生まれる大きなうねりには、新たな芸術の可能性が感じられ、「道成寺」では白拍子が大蛇に化身し、「石橋」では五体の獅子が鼓童のリズムと共に勇壮に舞い納めます。

まもなく迎える開幕に向けて、新潟県・佐渡島の鼓童村にて行われている稽古も、能楽囃子指導の亀井広忠氏、能楽指導の津村禮次郎氏、能管指導の田中傳十郎氏による稽古も加わり本格化。

鼓童メンバーは、花柳流五世宗家家元の花柳壽輔氏をはじめ、花柳流舞踊家の皆様とともに、能楽の世界に没頭し稽古を重ねております。

鼓童メンバーより開幕直前の意気込みコメントをご紹介します!

◆齊藤栄一/音楽アドバイザー

僕のお薦めは締太鼓の演奏です。同じ楽器・同じ姿勢・同じシチュエーションで叩いているのに、全く違う音色・リズム・奏法を楽しめる、新しさと伝統を感じられる『幽玄』ならではのシーンになっています。


膨大な熱量とエネルギーを内包した”静”と、力み伴わない「無」さえ感じる解放された”動”、相反するかに思える”静”と”動”を、稽古の中で少しずつ、でも確実に吸収してゆくメンバーを心強く感じています。まだまだ発展途上だけれども、玉三郎さんのご指導のもと、同じ舞台に立つことの出来る感謝と喜びと責任の重大さとを噛み締めつつ、日々精進していきたいと思います。


◆住吉佑太/出演

今回、私は能管に初挑戦しています!日々稽古をしていく中で、能管独特の音階や力強さに魅力を感じています。篠笛とはまた違う息の吹き込み方や指の使い方など、学ぶべきことがたくさんあります。

これまでの鼓童に、日本の古典芸能のスピリッツを織り交ぜることで、ある種の原点回帰でありながら、さらに深化、そして進化していくための第一歩の舞台になると思っています。ただただ音楽的に面白いということだけでなく、その先にある精神性や幽玄の世界感をいかに表現していくことができるか。そんな古典をベースにしながらも新しい舞台にしたいです。

◆池永レオ遼太郎/出演

鼓童が「バッキング隊」から前に出てきたときの音圧や、蛇舞などの身体表現に着目していただきたいです。また、いろんな楽器や音を使っていますので、単純に“音”を楽しんでいただけると思いますし、私が作曲した曲もありますので、そこも含めて楽しんでいただきたいです。
『幽玄』は間や沈黙、時間がゆっくりと流れる舞台だと思います。それらを演奏者として楽しめるように「和」を理解できるよう稽古に励んでいます。常に革新を恐れず、何事にもとらわれず、楽しみながら作品作りと舞台に臨みたいです。

坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」

「幽玄」開幕直前、最終稽古へ!/三浦友恵

新緑の若葉が輝き、牡丹、藤の花。次々と綺麗に咲きました、最近の鼓童村。

いよいよです。新作「幽玄」。本格的な稽古真っ只中。

亀井広忠先生の謡の指導。先生の謡の勢いと声圧に圧倒されました。

間合と声だけで美しさや勇ましさ、様々なものを表現する。とても難しいです。しかし、日本人の美的センスはすごく深いものです。

花柳流のお家元はじめ、舞踊家の皆様、鼓童含めると総勢35名でのお稽古。

美しい舞・勇ましい獅子と鼓童のコラボレーション。舞台上での群舞はとても綺麗です。

「幽玄」を通して新しい鼓童が見れる機会です。私もすごく楽しみにしています。

日本の芸は、精神と体力、全てを使い表現します。集中力を持続させるのに苦戦していますが、日々鍛錬です。

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坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」

鼓童佐渡宿根木公演 明日4月29日スタート!/渡辺南風

鼓童佐渡宿根木公演 明日4月29日スタート!

いよいよ明日から宿根木公演がスタート! 佐渡も春らしい朗らかな天気が続くようになりました。農家のみなさんにとっては忙しい時期の始まりです。

宿根木公会堂では、連日出演者が稽古に励んでいます。

稽古の様子。公演では春らしい新曲も披露されます。

研修生2年生の発表もどうぞお楽しみに!

宿根木公演は、ベテラン団員と若手、研修生が同じ舞台に上がる特別な機会。ぜひ間近で鼓童の演奏をお楽しみください。

ゴールデンウィークは、佐渡・宿根木でお待ちしています!

鼓童佐渡宿根木公演

2017年4月29日(土・祝)~5月6日(土)新潟県佐渡市 宿根木公会堂

開演時間
4月29日(土・祝)14:30開演
4月30日(日)11:00開演(14:30開演は貸切予定)
5月1日(月)休演
5月2日(火)休演
5月3日(水・祝)14:30開演
5月4日(木・祝)11:00開演、14:30開演
5月5日(金・祝)11:00開演、14:30開演
5月6日(土)14:30開演
※各回30分前に開場。上演時間は各約60分

鼓童 佐渡宿根木公演

研修生発表会/住吉麻梨子

佐渡では桜の蕾が少し膨らみ始めました。鼓童村ではそれぞれツアーで離れていたメンバーが集い、新たな舞台の準備に取りかかっています。

そんな中、4月7日に冬期間を乗り越えた研修生2年生、6名の発表会が行われました。

全員集合の鼓童村、見る方も真剣な眼差し。

緊張感漂う中、これまで取り組んできたものを全員の呼吸を合わせて表現しようと奮闘する研修生。

Photo: Mariko Sumiyoshi 「小木おけさ」

「水口ばやし」(滋賀県水口曳山まつりのお囃子) 準団員・木村佑太さん笛で参加。

「SHAKE」

1時間、他にも「千里馬」「三宅」「鬼剣舞」「アカバナー」とみっちりの内容でした。発表会後は鼓童メンバーからのアドバイス時間。




舞台メンバーも研修生の懸命に太鼓に取り組む姿に刺激を受けています。発表会後は清々しい空気が稽古場に漂っていました。

この経験を経て、また次の目標に向かって研修生は走り出します。

鼓童文化財団研修所