自分を、鼓童を、良くしていくために。/池永レオ遼太郎インタビュー

聞き手:大滝知里

静かな意志の強さを瞳に宿し、凛とした佇まいと生来の明るさが舞台で映える池永レオ遼太郎。鼓童の若手メンバーの中で、プレイヤーとして活躍するほか、自ら演出・作曲なども手掛ける才能の持ち主は、アメリカに生まれ育った帰国子女だ。『巡-MEGURU-』ツアー開始前、彼にこれまでの歩みを聞いた。

「日本人であることと、アメリカ人であること。その間で己のアイデンティティーを考える機会が多く、鼓童に惹かれたのも、海外の人たちが日本の文化を“おぉ、いいね!”と受け取る感覚に近かったように思います」

チェロ、ピアノ、ギター、ベースと、幼少から音楽に触れていた池永の太鼓との出合いはアメリカでの大学生時代。鼓童に入るきっかけは、「山での自給自足の研修がやりたかったから」と笑うが、聞けば、成績優秀で器用に何でもできてしまうタイプで、「50年後、朝起きた時に“人生これで良かったのか”と後悔するのが嫌だった」とか。

その思考の底には「常に自分を革新したい」という確固たる人生の指針があり、それは、国内外で伝統芸能の裾野を広げ、ジャンルを超えたアーティストとの共作で新たな領域を目指している鼓童の精神に重なる。

研修中、周りは自分よりも太鼓がうまい人ばかり。特に池永の期はスターぞろいで、「初めて“壁”にぶつかりました」と明かす。

「大きな悲しみとか、感情が高まった時にいい曲が書けるタイプなんだ、という発見もありました。作曲も演奏も、全力で対峙した時に生まれる“何か”というのが必ずあるんです。一度その感覚を知ってしまったら、追い求めずにはいられない。今も飢えている状態ですね(笑)」

演出家デビューとなった「アース・セレブレーション2017」の『鼓童若手連中』では、自らの発信で志願者を募り、正月休みを返上して稽古を実施。そのかいあって公演は成功し、フランスの太陽劇団の招聘によりパリ公演『Kodo Next Generation』を実現させた。

「いろんな人を巻き込んでいき、自分が台風の目になることが、楽しかったんです。いい作品創りのために、メンバーそれぞれが火花を散らしてクリエーションを循環させる。お互いに刺激を受けて成長しましたし、これを期に、演出や作曲に声を掛けて頂くなど、可能性も広がって」

いわく、「飽きっぽい性格」だが、その嗅覚の鋭さと行動力には驚かされる。

そして11月より巡演中の『巡』は、若手・住吉佑太の演出デビュー作。MV制作に初めて挑んだり、気概を感じさせる作品で、池永は演奏に徹する。

Photo: Heday Masuda

「僕自身、何曲か、アレンジに入ったりもしていますが、クレジットされるほどではなくて。今回は純粋に、リスペクトしている住吉のために演奏を頑張りたいと思っています。クラシックをやっていたり、ロックバンドを組んでいたりしたので、僕は洋楽のコードをよく使いますが、住吉は変拍子を入れたり “何じゃこりゃ!?” とビックリするようなマニアックな曲を創るので、面白いですよ(笑)。ですから、今回は特にお客様の反応が気になります。メインは太鼓ですが、マリンバを使ったり、衣裳もこれまでと少し違ったり、新しいチャレンジばかりなので、楽しんで頂けると思います」

Photo: Takashi Okamoto

そう瞳を輝かせて語る池永の、少し先の未来を聞いてみた。

「芸術は立ち止まってはいけないと思うんです。鼓童が培って来たものを大切に、さらに新しさと共存させて、自分がいなくなっても次へ繋がり、続いてく。後に続く後輩たちをいかに導き、自分も、この鼓童という集団も、良くしていけるかということを考えています。何より太鼓に熱心な人たちなので(笑)。こういった時代にも妥協せず、太鼓と向き合う人たちがいる。それをもっともっとたくさんの人に知って頂きたいと思っています」
鼓童と共に進化する、池永の姿にもぜひ注目を。

Photo: Maiko Miyawaga


「巡 -MEGURU-」東京公演スケジュール

2018.12.15(土)18:00 東京都調布市 調布市グリーンホール
2018.12.16(日)16:30 東京都福生市 福生市民会館 大ホール(もくせいホール)

2018.12.19(水) 〜2018.12.23(日)東京都文京区 文京シビックホール大ホール
▼開演時間:
12.19(水) 19:00
12.20(木) 14:00
12.21(金) 14:00
12.22(土) 14:00
12.23(日) 14:00


Photo: Takashi Okamoto

池永レオ遼太郎

Ryotaro Leo Ikenaga

大学1年生より太鼓を始め、学内の太鼓グループで活動。2013年研修所へ入所。2016年より正式メンバーとなる。舞台では主に太鼓、笛を担当。2015年「打男」浅草公演、「永遠」「混沌」国内ツアーに参加。「混沌」ではフルートを演奏。2016年、「螺旋」国内ツアー、「打男」ブラジルツアーに参加。

2017年、「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」、「幽玄」で坂東玉三郎氏と共演。「打男」北米、国内ツアー参加。「鼓童若手連中」で舞台演出デビュー。

2018年、フランスの著名な劇団「太陽劇団」の招聘により演出舞台「鼓童若手連中」の海外版、「Kodo Next Generation」をパリにて上演。また、「道」の演出補佐を務める。「Evolution」ヨーロッパツアー参加。旋律楽器も得意とし作曲にも力を注ぐ。

池永レオ遼太郎
https://www.kodo.or.jp/meguru/member/ryotaroikenaga

鼓童若手連中(15)「これから」/池永レオ遼太郎

Photo: Takuri Susaki

何から書いたら良いのか。

太陽劇団で過ごした二週間は言葉に出来ないほど濃密な時間でした。

旅をしながら演奏を続けるツアーとは異なり、一つの劇場に住み込みで舞台を作る事は滅多にありません。ましてや、若手の演奏者のみでこの様な試みは近年中々ない事です。

Photo: Takuri Susaki

本気で悔しくて、本気で楽しい時間でした。

私も含め、それぞれが自分と改めて向き合える時間となったと願っています。

舞台人としてだけでなく、人間として私たちはどれだけ成長できたのでしょうか。

まだ、うまく言葉にまとめられません。

Photo: Takuri Susaki

前回の投稿でも書きましたが、一つ確かな事は、私たちが舞台に立てているのは本当に色々な方々のご支援と応援があるからです。

Photo: Koji Miyagi

家族の様に迎え入れて頂いたアリアンヌさんと、太陽劇団の人たち。

連日ご来場頂いた沢山のパリのお客様。

そして、私たちを支えてくれる家族、スタッフ、そしてファンの皆様。

改めて、皆様からの多大なご支援、ご協力、心より感謝致します。

Photo: Takuri Susaki

良い音をお届けできる様、若手連中一同、精進致します。

どうぞこれからも宜しくお願い致します。

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

鼓童若手連中① 「感謝」/池永レオ遼太郎

「いまの僕たちに何ができるのか」

若手だけで、全力でぶつかったら
何ができるのだろう。

熱意と勢いだけで作り上げた去年のECシアター、
「鼓童若手連中」

あの時は、まさかパリで連続公演を
するとは思ってもいませんでした。

Photo: Takashi Okamoto

あれから一年。

それぞれが成長し、
また新たな心持ちで挑む若手連中です。

勿論、まだまだ課題は山積みです。
不安もたくさんあります。

ただ、一つ確かな事はこの仕事をできて
本当に幸せだな、という気持ちです。

僕たちが全力で好きな事に挑めるのは
色々な方の応援と支えがあるからです。

只々感謝です。

その気持ちを大切にし、
僕らが出来る最大の恩返しは
全力で皆様に
良い舞台をお届けする事だと思います。

Photo: Koji Miyagi

メンバー全員が成長して、
また日本に戻ってこれるよう、
充実した旅にしたいと思います。

パリ公演、精一杯努めて参ります!

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

「道」稽古場より①/池永レオ遼太郎

Photo: Erika Ueda

1月。
6月の「道」公演に向けて、最初の顔合わせ稽古が行われました。

Photo: Erika Ueda

60代から20代まで。黎明期れいめいきより鼓童の根幹を作り上げてきた大先輩方。それを継承し発展させてきた先輩方。そして、これからの鼓童を担う我々若者達。3世代が作り上げる、新たな「道」です。

Photo: Erika Ueda

先輩方の一挙一動全てに自分たちの至らなさを痛感する毎日です。
たたずまい。音。稽古に取り組む姿勢。只々、圧倒されるばかりです。

Photo: Erika Ueda

我々若手は全力で喰らい付き、少しでも多く吸収し、より良い舞台を皆さまにお届けできる様、精進して参ります。

Photo: Erika Ueda

余談ではございますが、今回私は演出補佐として作品作りに関わらせて頂いています。新たな表現や曲などにも積極的に取り組んで参ります。

Photo: Erika Ueda

Photo: Erika Ueda

血湧き肉躍る。
まだまだ先ではございますが、「道」公演、乞うご期待くださいませ。

鼓童特別公演2018「道」

公演予定地:北海道、岩手、宮城、山形、福島、茨城、栃木、群馬、東京、愛知、京都

【東京・浅草公演】2018年2月3日(土)チケット発売!

鼓童特別公演2018「道」全国ツアー

小木港祭り/池永レオ遼太郎

8月26日は鼓童の地元であります、小木町のお祭りでした。

鼓童グループ一丸となり、小木町の人に感謝を込めながら一日山車をひき、太鼓を打ち鳴らしました。

いつもありがとうございます。

祭りが終わればまた旅の日々。
次は博多座、「幽玄」です!

坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」