無限の可能性/神谷唯

私たち鼓童は、「太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団」です。

でも、音楽芸能以外にも太鼓は無限の可能性を秘めていて、
太鼓の周りに人が集まり、太鼓を通して人が繋がる。

私にとってそれが太鼓の一番の魅力だと感じています。

北米で2ヶ月間行ってきた「Evolution」ツアーも残すところ一公演。

これまで北米各地でたくさんの出会いと再会に恵まれました。

各地でそれぞれの活動に励む現地の太鼓グループさんや、長年鼓童を応援してくださっている皆様、それぞれが太鼓に対して熱い思いを持っていて、私たちも沢山の元気と力をもらって参りました。本当にありがとうございました。

太鼓の可能性はまだまだ無限。
これからどんな人に出会えるんだろう、どんな友情が生まれるんだろう。
私のちょっとした楽しみです。

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


それぞれの思い/秋元阿実

今回初めて鼓童のツアーのお手伝いをさせて頂きました、秋元阿実です!

Photo: Koji Miyagi

鼓童の演奏は、前に観客の一人として何度も見させて頂いていましたが、短い期間ながら、今回のツアーに裏方として同行させて頂くことで、新しい学びや違った視点からの見方、そしてたくさんの「思い」に触れる事ができました。

Photo: Leo Ryotaro

鼓童の演奏やスタッフメンバーも、それぞれ違った理由や思いを持って、自分の中の悩みや不安や挑戦に向き合いながら、すべてのメンバーが気持ちを一つにして素晴らしい演奏を毎回舞台上で作りあげる。

Photo: Takashi Okamoto

このツアーで鼓童の皆さんと一緒に過ごす時間の中で、何度も見学していたリハーサル、そして迎える本番の公演、個人で黙々と練習をする姿、バスで静かに休んでいる様子、体調の低下や疲れを感じているメンバー、仲間を見守る姿、みんなと一緒にワイワイ過ごすハッピーな一時、そんな中でお互いを尊重し合う姿は常にありました。

Photo: Yui Kamiya

私もメンバーと過ごす時間が増えるうちに、毎回訪れる本番の演奏は一味違うように見えたり、見ている自分の気持ちに変化があったり、新しい気づきが毎回発見することができました。

Photo: Takashi Okamoto

観客も、太鼓が好きで見にくるお客様もいれば、様々な興味を持って、来場するお客様もいる。そしていろんな思い思いの理由でその演奏に感動する。

笑顔になって帰っていく観客の姿、希望の種がまかれたかのように目をキラキラさせて、何か勇気をもらったかのように見えた観客の様子、演奏での正確でしなやかな動きを見て、自分の生活を見直したい、また、やる気を引き出された方たちの姿。

鼓童はそれだけ幅広くいろんな方たちの心に響いていく何かを作り出しているのだと実感しました。

Photo: Takashi Okamoto

こういった様々な思いがある中での生まれるいろんな感動や共感は、不思議な感覚にさえ思え、またそれが、とても魅力的にも感じてきていました。

それはご来場するお客様だけでなく、会場のスタッフの方、バスの運転手さんに至るまで、笑顔やポジティブな印象を残していけたと思いますし、ツアーの中で多くの素敵な方たちとのご縁を頂くこともできました。

それは言葉以上に、お互いに理解したい、もっと知りたい、思いを届けたい、という熱意からくるものかもしれません。

Photo: Takashi Okamoto

まさに「One Earth Tour」 の名前に託されている願いのように、鼓童に触れた一人ひとりの方たちが、「鼓童」という存在がすてきな存在としていつまでの心に残るよう、そして、鼓童をもっと理解できることで、いつまでもその感動が心の中で鳴り響いているよう願っています。

Photo: Takashi Okamoto

さらに言えば、「太鼓」というものを世界の人たちによりよく理解をしていただければ、たくさんの可能性は無限にあって、素敵な出会いがたくさん生まれるような気がしてワクワクしています!

未熟な私はまだ学ぶことがたくさんありますが、そういうことのお手伝いをさせて頂きたいともっと強く思うようになりました。

このように思えたのも、ツアーに関わっている鼓童の演奏者メンバーやスタッフの方達、現地スタッフの方達、そしてアメリカでこのツアー中に接することができた多くの皆さまのお陰だと、感謝の気持ちでいっぱいです!

今回巡ってきた様々な場所に残した鼓童の皆さまの足跡が、次なる感動の種として育っていくことを心より願っています!

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
カナダ、オンタリオ州 トロント

 

2019.03.21(木) カナダ、オンタリオ州 トロント Sony Center for the Performing Arts

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


私の仕事/篠 健太郎

お久しぶりです!
個人としてはパリ以来、2回目の投稿になります、舞台スタッフのしの 健太郎けんたろうです!

Photo: Ryotaro Ikenaga

今回は任されている小道具の扱いについて書こうと思います。

私は、今回同行している北米evolutionツアーが初めての長期ツアーです。そこで任されている小道具は鼓童の中で通称「ぼんぼり」と呼ばれている小道具です!

このぼんぼりは「明けの明星」という楽曲の際に使用されていて、「太鼓を前・ぼんぼりを後ろ」に装着して演奏するものです。

Photo: Takashi Okamoto

暗い舞台の中で、ゆらゆらと美しく時に素早く果敢な動きを表すため、「明かりが付く」ことが大変重要な小道具ですが、この小道具自体も2013年の「神秘」より使われている少し歴史のあるもので、本番で明かりがつかないことは一度もありませんが、リハーサルやウォーミングアップ中に時折点滅するので、本番は毎回祈る思いで見届けています。

Photo: Takashi Okamoto

また、演奏者個人によってもサイズが異なり、毎回微調整を重ねてここまできました、最近はやっと慣れてきて、個人の体の癖や緊張状態によって「今日はこれくらい!」と合わせられるように段々となってきました。

Photo: Takashi Okamoto

一年目の最後にこのような大切で重要な仕事を任せていただき、ありがたい気持ちと嬉しい気持ちがあります。

ただ残す公演数も8回。

もう3分の1を切ったというところです。ここ数回は小道具とまた別の所で課題を感じています。

Photo: Yui Kamiya

日々人としても演奏者としても更新されていく演奏メンバーの隣で、私ももっともっと早く成長したい。同じ失敗は絶対にしない!など色々と焦りつつも、舞台監督という位置を目指し、着実に進んで行きたいと考えています。

そんな訳でなかなか語られない小道具についてでした!

私も演奏者に負けじと頑張ります!!

Photo: Yuki Hirata

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド

2019.03.08(金) 〜2019.03.09(土) アメリカ、コネチカット州 フェアフィールド Quick Center at Fairfield University

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


 

ONE EARTH/宮城紘司

Photo: Yui Kamiya

北米ツアーも残すことあと10日ほどになりました。
この旅を続けていく中で度々思い返す言葉があります。

私たちは、太鼓とともに世界をめぐり、
多様な文化や生き方が響き合う「ひとつの地球」を目指します。

Photo: Takashi Okamoto

これは鼓童グループの活動理念です。

研修所に入所した際にこの言葉を学び、その意味について同期や先輩、後輩と話し合っていた頃を今でも覚えています。

最初は文言を覚えることで安堵し、なんとなく理解しているつもりでした。

それから数年が経ち、今このように実際に太鼓とともに世界を巡っていますと、
「世界」というのはまだまだ自分が想像していたより遥かに大きく、「自分が知らない世界」の方が大半を占めていることに改めて気づかされます。

Photo: Ami Akimoto

幼少期からアメリカで育ち「北米」というものを知っているつもりでいましたが、訪れる先々では新たな発見や出会いに溢れていました。

地域によっては景色や気温も違えば、人種や国籍も様々です。

街ひとつをとっても、経済大国を象徴するかのように連なる高層ビルの下にはダンボールの上で縮こまっているホームレスが寝ています。

Photo: Koji Miyagi

大学生が中心となって活気付いている学生町もあれば、家族でオシャレな服にドレスアップして公演を観にきていただけるような地域もありました。

Photo: Koji Miyagi

様々な地域を巡る中で、多様な生き方や文化が混在していることを実感しています。

今回の旅では誰しもが知っているであろう大都市だけでなく、そこから少し外れた町などへにも旅をすることで様々な発見があり、その都度、自分たちの活動理念に振り返る機会を頂いています。

Photo: Koji Miyagi

そんな中、鼓童の公演を観にきてくださるお客様は終演後には子どものように無邪気な顔で私に必死に感想を伝えてくれます。

「太鼓の振動が身体全体に伝わってくるんだ!」
「大きい音だけかと思ったら、すごく繊細な音もあって驚いたよ!」
「彼らはどうやったらあそこまで打てるようになるんだ?みんな疲れないのか??」

Photo: Koji Miyagi

公演をおこなう場所が毎回違えど、終演後のお客様の無邪気な笑顔はみんな一緒です。

自分たちが「太鼓とともに」世界をめぐることで「ひとつの笑顔」を今回は見つけることができました。

Photo: Yuki Hirata

きっと私が知らない世界はまだまだあり、今の世界情勢では太鼓を演奏することができない地域や、喜んでいただけない地域もあるかもしれません。

それでも鼓童が続く限り、新たな世界へ旅を続け、いつかはどこにでも太鼓の響きを届けることができる「ひとつの地球」ができることを楽しみにしています。

Photo: Leo Ikenaga

 

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
カナダ、オンタリオ州 トロント

 

2019.03.21(木) カナダ、オンタリオ州 トロント Sony Center for the Performing Arts

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


欧州ツアー班、無事帰国のご報告/高城テシュネみお・秋元阿実

1月末に日本を出発しました「鼓童OET2020: Legacy」欧州ツアー班は、本日無事に帰国いたしました。
ウェブサイトでお知らせしておりましたように、新型肺炎の影響でイタリア4公演、ポーランド1公演、ドイツ5公演の合計10公演が中止となり、当初の予定より2週間早い帰国となりました。
現地では、鼓童を待ってくださっているお客様がいるにもかかわらず、公演を実施できないことを大変心苦しく思い、これまで当たり前と思っていた「公演ができる」ことの有り難みを実感しました。そして同時に、実現できた公演一つ一つの重みを強く感じるようになりました。
今回のツアー班は海外経験の少ない若手も多く、大きな挑戦となりましたが、この経験で得た想いを糧とし、今後皆さまに更に「良い音」を届けられる様に一同精進してまいります。
そして日本中、世界中からご心配やご声援の声を沢山頂戴しましたことに、ツアー班一同、心から感謝しております。
次回の欧州ツアーは2022年を予定しております。その際に会場でお目にかかれますのを楽しみにしています!

ツアーマネージャー
高城テシュネみお・秋元阿実

新型コロナウイルスによる肺炎に伴う対応について

海外公演ツアーから帰国したメンバーについて[2020年3月25日現在]|鼓童広報