「道」ブログリレー19: 全身全霊/山脇千栄

全身全霊

「道」という作品を初めて見た時の衝撃は強烈で、
稽古は、今まで味わったことのない感覚だった。

ツアーに出て半月。やっと体に馴染んできている最中だ。

ツアーに出ても尚、
自分の在り方やどんな音が適切かを毎日模索している。

毎日悩んで、毎日精一杯“今日の音“を届ける。

Photo: Takashi Okamoto

作品に対する気持ちは、
日々違う環境の中でどんどん変化しながら育まれていく。

もちろん初めて持った感覚も忘れたくない。

Photo: Takashi Okamoto

「道」を通じて湧き出てきた感情や記憶を
自分のエネルギーや波動に織り込み、
太鼓の音がより濃密で尊いものになるように
全身全霊で日々太鼓に、自分に向かっていきたい。

香川県出身、山脇千栄&詫間俊出演!香川公演はこちら↓

Photo: Takashi Okamoto

公演詳細:

https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/16691

9月以降のスケジュール

待望の新作DVD発売中!

Photo: Erika Ueda

この日を楽しみにしてくださっていた方も、「え‼そうなの!?知らなかった!」という方も、ぜひ1枚。見応えある94分、ノーカットライブ収録です。

発売日:2019年5月24日(金)
価格:4,950円(税込)

商品の詳細はこちらから。
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公演会場、鼓童オンラインストアにて販売中

紡ぎ続ける未来を/山脇千栄

鼓童は、
早春の交流公演ツアーへと繰り出しています。

3月12日、舞台は淡路島の三原志知小学校でした。

ツアー出発前に、
スタッフより、
「これを見て欲しい」と
鼓童メンバーにある映像を見せました。

そこに映っていたのは、

鼓童そっくりのウロコ模様のミニ半纏を纏い、
元気一杯に『彩』を演奏する子どもたち。
胸元には「志童」と書かれてあります。

 

 

笛、担ぎ桶の両面打ち、大太鼓ソロ…
一人ひとりがしっかりとパートをこなし、
子どもたちのみで『彩』が完璧に演奏されていく様子に
メンバー一同ビックリ。

私は密かに感動して涙ぐんでしまいました。

「鼓童さんと彩をコラボレーションしたい」
子どもたちから頂いたメッセージを受け取って、
私たちは胸を弾ませて淡路島へと渡りました。

到着したら、体育館は鼓童一色。
歓迎のイラストと名前が体育館に散りばめられています。
小さな太鼓がずらりと並んでいて、
ここで一生懸命練習してるんだろうなあ…と想像しながら、
交流公演の準備を進めます。

鼓童リハーサルが終わった後、
志童の子どもたちの全校児童51人が
可愛らしいバチ袋を持って、
コラボレーションの練習に来てくれました。

 

 

まずお互いが『彩』を演奏し、音の挨拶です。
そして、鼓童が演奏で大切にしていることを伝えながら
コラボレーションの『彩』を何度か一緒に練習し、準備は万端。

本番は、近隣の幼稚園や小学校の子どもたち、保護者の方々、
三原志知小学校のみんなは、あのミニ半纏を着て体育館に集まってくれました。

 

半纏を着ている私たちの目の前に
全く同じ衣装を着た子供達が座って、
鼓童の交流公演がスタートします。

なんだか不思議な光景です。

体でリズムをとったり、真剣な眼差しで演奏を見るのはもちろん、
大きな音も平気な様子に、
さすが和太鼓が身近にある小学校だなぁと感じました。

 

 

全ての鼓童の演奏が終わった後、
志童の皆さんからお礼の演奏を2曲聞かせて頂き、
最後は、志童と鼓童のエネルギッシュな
彩の演奏が体育館いっぱいに響き渡り、
観て頂いていた方々から、大きな拍手をいただきました。

本当に素敵な時間でした。

 

 

笑顔で太鼓を叩いている
子どもたちを見て、こんな気持ちが溢れて来ました。

この子たちの未来に、
また鼓童が登場することがあるかもしれない。

それは鼓童メンバーになることかもしれないし、
お客さんとして鼓童を観に来ることかもしれない。
はたまた、頭の中の片隅のちっぽけな思い出かもしれない。

それでも今日一緒に演奏できた経験や、
楽しかったという記憶は、
きっと未来と繋がってくれるはず。

太鼓の力で、一人でも多くの子どもたちが
笑顔になれるのならば、

 

鼓童は、未来を紡ぎ続けること。
未来を紡いでいく明るいエネルギーを
出会った皆さんにこれからも絶やさず届けていくこと。

そして何より、
鼓童が在り続けること。

これがどれだけ重大なことか。

阪神淡路大震災から24年、
東日本大震災から8年。
明日が来ることが当たり前じゃない。

そんな言葉が、胸に刻まれている中で

子どもたちがずっとこの笑顔を絶やさないでいられるように。
明るい未来がずっとあり続けるように。
そして、純粋に太鼓が楽しめるこの環境がいつまでも
あり続けるように…。

と、グッと背筋が伸びるのでした。

 

 

私も同じように小学生の時に鼓童の舞台を見ました。
そして、あの時から今まで、先輩方が鼓童を紡いで来てくれて、
今、鼓童の一人としての自分が在ります。

楽しくて太鼓を叩いていると、
ここにたどり着きました。

太鼓が過去と現在と未来を繋いでくれています。

私たちは、今回これぞ「未来に繋がるミニ鼓童」に出会えました。

この奇跡がいつまでも循環していくことを
熱く願うばかりです。

 

山脇千栄

鼓童若手連中⑩『KAIGARABUSHI』/山脇千栄

Photo: Takuro Susaki太陽劇団に来て、早一週間。

Photo: Takuro Susaki

太陽劇団はどこか鼓童村と似ていて、

アリアンヌさんはいつも母のように
私たち鼓童を見守ってくれています。

気づけばすっかりこの温かさに安心していて、
劇団全体を包んでいる柔らかい愛を全身で受けながら、日々豊かに過ごしています。

私は、舞台で「貝殻節」という唄のソロを歌っています。

貝殻節は、鳥取県の賀露地方の漁港に伝わる民謡で、手漕ぎ船で重労働の帆立貝漁に出る男たちとその家族の心情が歌われている労働歌です。

Photo: Takuro Susaki


この唄に出会ったのは研修生の時。

初めて聞いた時、歌詞の意味はすぐには
わかりませんでしたが、
旋律で心が震えたのを覚えています。

それ以来、好きで歌い続けています。

去年のECの若手連中発足の際、
「貝殻節 歌える?」と遼太郎さんから
鼓童の舞台で唄を歌うきっかけを頂きました。

今回、貝殻節の持つ日本の情景が
パリの皆さんにはどう伝わるんだろうと
佐渡で稽古している期間から
ずっと考えていました。

 Photo: Erika Ueda

パリにきて3日目に一人の太陽劇団のスタッフが

「悲しいメロディだけどこの唄が好き。
唄を教えてくれないか。」

と話しかけて来てくれました。

一緒に歌っていると
だんだん周りが口ずさんでくれるようになり、
今では鼓童と劇団の方達で
終演後の乾杯で合唱するようになりました。

不思議ですが、確実に唄が言葉の壁を超えてみんなを繋げています。

「この唄を聴くと、毎回泣きそうになるんだ」と言ってくれる劇団スタッフの方もいました。

昔の漁師がぽろっと口ずさんだ旋律には
きっと寂しさや厳しさ、愛、生きたい、家族を守りたいという想いと願いが
自然に込められていたんだろうと感じます。

情景は違えども、日本人にもフランス人にも、どこかリンクする部分があるのでは、と思います。

スタッフの一人が貝殻節と同じような
「woman of fisherman」
という唄を教えてくれました。

女性がフランスの漁師に向けて歌う唄だそうです。
この唄もどこか悲しいですが
とても素敵な唄でした。

この唄がフランスにあり続けてきたように、
日本で大切にされてきた貝殻節を
精一杯心を込めて歌い、

その想いがフランスの人々の心のどこか奥底で共鳴できるといいなと思います。

 

2018年7月17日(火)〜22日(日)Kodo Next Generation(フランス・パリ)

Photo: Takashi Okamoto

「初音ミク×鼓童」スペシャルライブレポート/伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)

Photo: Maiko Miyagawa

昨年大好評を博した This is NIPPON プレミアムシアター「初音ミク×鼓童」のスペシャルライブが、グレードアップして帰ってきた。会場のNHKホールは、衿に「初音」「鼓童」と名前の入ったライブ・ハッピを着た人たちでいっぱい。

Photo: Maiko Miyagawa

オープニングとともに地鳴りのような歓声が起き、オールスタンディングとなった客席に、いっせいに太鼓型ペンライトの光が揺れ出した。

Photo: Maiko Miyagawa

(※6/1 リハーサル写真)

「去年はにぎやかな曲と穏やかな曲を交互に入れていたんですが、今年はミクさん側からの『もっとアゲアゲで!』というリクエストで、体力的にもハードな曲が続くんです」と選曲担当の石塚充が言うように、ミクのナンバーを太鼓と鳴物で盛り上げ、リン・レンのデュエットでは、鳴物担当が彼らのダンスを完コピして一緒に踊り、『三宅』『巴』など鼓童の大曲では、3~4分ずつにまとめた濃縮ハイライト版を惜しげもなく演奏と、大忙しのフル稼働。

Photo: Maiko MiyagawaPhoto: Maiko MiyagawaPhoto: Maiko Miyagawa驚いたのは、こうした鼓童の緩急に富む複雑なビートを刻む楽曲にも、観客が手拍子やかけ声で、しっかり伴走してみせること。

 

Photo: Maiko Miyagawa

今年初参加の住吉佑太は、
「ミク・ファンは音楽が好きで、曲を聴きに来ている人が多い感じがしますね。こちらが何を振ってもついてきてくれるので、もう”闘い”みたいにテンションが上がって、すごく楽しいです。『巡』では、前の方のお客さん、めっちゃ踊ってくれてましたし(笑)」と、今秋の新作舞台にも、十分な手応えを感じた様子。

Photo: Maiko Miyagawa

「巡 -MEGURU-」(※6/1 リハーサル写真)

フィナーレでいったん幕が閉まると「コドオ・ミーク」「コドオ・ミーク」のアンコール大合唱。コラボ2度目にして、ミクはもちろん、ミク・ファンと鼓童も、ガチで相思相愛の関係になったことを確認できた。

文:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)

▼今回演奏の「巡 -MEGURU-」MVはこちら

This is NIPPON プレミアムシアター「初音ミク×鼓童 スペシャルライブ2018」

「なんだか、すっごくおもしろかった」/山脇千栄

Photo: Takashi Okamoto太鼓を始めたのは、小学校2年生の時だった。
その年偶然にも、鼓童の交流公演が、香川県にやって来た。

覚えているのは、
屋台囃子や千里馬の演奏ではない。

「半纏をきた頭がつるピカの人がマイクでユーモア満載に喋っていた」ということ。

そしていちばんに「なんだか、すっごくおもしろかった」ということだ。

Photo: Takashi Okamoto

それから17年後。自分自身が鼓童の団員になり、交流公演ツアーにつくことになった。

鮮明に自分の中に残っていた
「なんだか、すっごくおもしろかった」
という記憶。

それを今度は自分自身が、届ける側になった。

Photo: Takashi Okamoto

が、なかなか難しい。
正解もない。

緊張していれば、
それは子ども達に説明しようのない波長で
伝わってしまう。

教科書のようなMCは、
もちろん子ども達からぽかーんとした表情が
返って来てしまう。

あの「なんだか、すっごくおもしろかった」の裏側に
何が隠されているのか。必死に考えた。

Photo: Takashi Okamoto

今日の公演は、
「なんだか、すっごくおもしろかった」のか?

毎日同じ道を通って、同じ制服を着て、
同じ友達に会って、
授業を受けて、昼休みがあって掃除をして…。

そこに、突然やって来た大きな太鼓たちと半纏姿のお兄さんお姉さん。

Photo: Takashi Okamoto

鼓童の交流公演は、
日常生活にとって、とてつもなく大きな”刺激”だと思う。

Photo: Takashi Okamoto

小学校2年の自分がそうだったように、
25歳の今の自分もそうあるべきなのである。

今日の演奏に向かう自分の心が楽しくて、本気で太鼓が面白くて。

だから、
「きょうはとてもおもしろかったし、たのしかったです。」
と言ってもらえる。感想文に、そう書いてもらえる。

Photo: Takashi Okamoto

エネルギーの相互作用。
エネルギーのプレゼント交換。

そのエネルギーは現場で作って間に合うものではない。
ツアーメンバーが稽古の初日から旅の途中も、
ずっと継続して作り上げていく緻密なものであった。

きっと、あの17年前に見た栄一さんは
本気で心が楽しくて、本気で太鼓が面白かったに違いない。

Photo: Karen Steains

8歳の私に特大のエネルギーをプレゼントしてくれた。

今度は、私が負けないくらいのエネルギーをみんなにプレゼントしたい。

何か1つでも受け取ってくれると嬉しいなと思う。

ツアーを終えて、また佐渡での稽古の日々。
千里馬の演奏前、バチを構えた時、
ふと交流公演の記憶が蘇って来て、
みんな元気にしてるかな、
なんて思い出したりしています。

学校での公演写真は2017年12月伊丹の中学校にて/撮影:岡本隆史

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学校のほか、劇場での交流公演もあります!
https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/8426

交流公演(一般向け劇場公演)スケジュール