『魚影』作曲 中込健太/「ミチカケ」楽曲紹介01

「ミチカケ」楽曲紹介♬ 01『魚影』作曲 中込健太

月の満ち欠けと潮の満ち引きをいちばん感じる、それは魚を釣っているときだった。海の中には宇宙にも通じる世界があると思う。音が物語るミチカケの世界観に、肉体が見えてくるような演目になるようにバチの軌道や、体を使わないと打てないフレーズを散りばめた。次世代のパワーヒッターに捧ぐ。Photo: Takashi Okamoto

「ミチカケ」公演会場でお待ちしております!

曲紹介は鼓童機関誌 2023 春号/演目図鑑「ミチカケ」より。
📸Takashi Okamoto

「鼓童ワン・アース・ツアー2023〜ミチカケ」日本ツアー

鼓童×三宅島芸能同志会/住吉佑太

すごすぎる打撃と対峙すると、笑えてくることがある。
そして、それをも上回る、とんでもない打撃を体感したとき、なぜか涙が出てくることを私は知っている。

先日、久々に舞台袖で泣いた。

Photo: Yone

三宅島芸能同志会の皆さんと共演した「成田太鼓祭 『成田山千年夜舞台』」。

太鼓好きのお客様はもちろん、太鼓打ちも集結する場である。
晴れていれば夜舞台での演奏だったが、今年は生憎の雨。
急遽、体育館での演奏となったが、客席の空気感は、太鼓祭りならではの、期待と熱気に包まれていた。

同志会の皆さんとは、これまでも何度も共演することはあったが、今年は初の試みで、鼓童と同志会による祭音ツアーを予定している。

両者が順番に曲を演奏するだけではなく、もっと深く密接なコラボレーションができないかと、いろいろと試行錯誤を重ねながら、新曲もいくつか作った。

今年のツアーのテーマ曲として書いた「海流」というオープニング曲は、成田太鼓祭りが初披露。

鼓童アンサンブルと、同志会の打ち込みを融合したかった。

鼓舞されるようなメロディーと、同志会の皆さんが、何億回と打ち込んできたグルーヴが混ざり合って、海流のような力強いうねりを生み出す、そんな曲になった。

 

「海流」に続いて、2曲目は見留知弘と、同志会代表の明男さんによる「祭音」。

明るく、楽しげなリズムの中に、確実に積み重ねられてきた、お二人の太鼓打ちとしての生き様が見え隠れする。

3曲目に「さすらひ」を挟んで、4曲目は「祭宴」。

2018年の「巡」のときに、三宅をモチーフにした新曲が作れないかと、中込健太が中心となって作曲した。
打ち込みからのソロまわし。康暉、啓、一誠と、順番に魂を繋いで、最後は知弘さん。

今まで聞いたことのない唸り声と、とてつもない音量の打音。
沸き立つような興奮と、それを抑え込むような殺気が拮抗して、会場は一瞬で張り詰める緊張感に包まれる。

曲が終わると、堰を切ったような拍手と熱気が押し寄せてくる。
それはアース・セレブレーションをゆうに超える熱気だった。

そんな熱気の中、鼓童と入れ替わって、同志会の皆さんが舞台に出ていく。
たぎる覚悟とその立ち姿に、また押し潰されそうな静寂が訪れる。

切り裂くような締太鼓の音から木遣りが始まり、それぞれの打ち込みへと繋がっていく。
たった3回の表打ち。

その3回で全てを出し切るような、後先をまったく考慮していない捨て身の一撃。
足の指先からバチ先まで、まさに全身全霊の打ち込み。
歪んだ顔から漏れ出す声と共に、とてつもない打撃音が飛んでくる。

すごすぎて笑えてくる。
それが4人分重なったとき、気付いたら泣いていた。

声をかけずにはいられなかった。
皆、舞台袖から大声を出して声を枯らした。

それはお客様も同じだったように思う。
舞台が終わったあと、今までに聞いたことがないほどの声援と掛け声を浴びた。
とんでもないものが生まれたという実感があった。

「そこにほんまの打ち込みがあったら、舞台美術も照明もいらんなと思った」
と、浅野昭利さんから嬉しいご感想をいただいた。

舞台芸術としての太鼓の可能性を模索する私たちにとって、ついつい演出に凝りすぎてしまうこともあるが、今一度、足腰を鍛え直し、何が一番大切なのかを考えるきっかけになった。

同志会の皆さんとの公演は、これからも続いていく。
その度に、足腰を鍛え直して臨む。
あのとてつもない打撃音が、私たちの目を覚ましてくれる。

ーーーーー

次の公演は5月24日(水)
稲城市立 i プラザホールでの公演です。

健太・佑太と、津村和宏さん、秀紀さん、春快さんの5人での公演となります。
いろんな角度から三宅を見つめ直し、形は違えど、打ち込むというシンプルな行為の中にある共通項を、感じていただけるような作品になっています。
ぜひ、劇場に足をお運びください!

2023年 春の新商品、明日発売開始!/鼓童オンラインストア

こんにちは鼓童オンラインストアです。

お待たせいたしました。2023年 春の新商品が出来上がりました!

 

◇鼓童Tシャツ(環-KAN-)

太鼓の持ち手部分をモチーフにしたデザインです。シンプルで、普段着としても着ていただきやすいデザインになっております。

サイズ:S〜XL

価格:¥3,000(税込)

 

詳細はこちら▶︎https://store.kodo.or.jp/?pid=173810380

 

◇手ぬぐい 千里馬(鉄紺)

人気の演目「千里馬」が手ぬぐいになりました。

価格:¥1,600(税込)

詳細はこちら▶︎https://store.kodo.or.jp/?pid=173779592

 

◇アクリル根付(提灯)

春の空を思わせる綺麗な水色。提灯で「皆様の心にぽっとあかりを灯せますように」と願いを込めて。

価格:¥500(税込)

詳細はこちら▶︎https://store.kodo.or.jp/?pid=173795834

 

明日4月15日(土)0時より、鼓童オンラインストアでご購入頂けます。

 

鼓童オンラインストア
Tel. 0259-86-3630
http://store.kodo.or.jp/

研修所講師ご紹介 〜ボディワーク 京矢彩希 先生〜『自分の体へこだわりを持って…』/ 赤澤 京

ボディトレーナー 京矢彩希 先生 

2019年より研修所講師。

〈プロフィール〉
北海道出身。

18歳の時昭和音楽大学短期大学部に入学、卒業後は芝居のみを学び直すために、UPSアカデミーに入学。

その後は日本舞踊の舞踊団に約10年所属しながら、ミュージカル、ストレートプレイの舞台に立つ。

ヴォイストレーナー野上結美先生のご紹介で、研修生や鼓童メンバーへの指導を行う。

 

「自身の怪我をきっかけにピラティスの資格を取り、身体のトレーニングを学び指導者としても活動しています。」

 

『研修生への指導の内容は?』

 

ピラティスやグランドムーヴメントで身体の使えていないところや感覚のないところ、歪み、左右差などを本人たちに気づかせながら、それらをトレーニングを通して自分の力で整えていくトレーニングを組み立てています。

そこから最後は腰をしっかり落とせる強い下半身を作るためスクワット、ジャンプトレーニングまで!!

骨盤の位置をトレーニングによって正しい位置に矯正中

 

『最初に指導に来られた時の印象や記憶に残っていることはありますか?』

 

過酷な環境だなと思いました。

日々便利になっていく都会の生活に逆行するかのような生活を送る研修生を見て、私には到底真似できないと思いました。

足を地面に押し返して、揺れない下半身を作るためのジャンプトレーニング

 

『研修生へ指導を通して思うこと、伝えたいことは?』

 

太鼓を打つにも、民族舞踊を踊るにも、歌を歌うにも、まずは自分の体のベースの土台が育っていないと、いつか技術を身につけていく途中で行き詰まりが必ず出ます。

そして怪我をして悔しい思いをします。

そんな時、体の使い方の根本を見直し立て直すトレーニングが必要となります。

今の若いうちから自分の体へこだわりを持ってしっかり自分の体と向き合ってください。

それが長く好きな太鼓を打ち続けていけるカギとなります。

 

また、舞台でお客様を感動させられるプロとしての身体を仕上げてください。

骨や筋肉の位置や動きを意識しながら、芯のある身体づくりを目指します

ここまで3名の研修所外部講師の方々をご紹介して参りました。

鼓童研修所では太鼓のみならず芸能や舞台で必要なスキルを養うためのカリキュラムがあります。
詳細はこちらをご覧ください。

〈研修所カリキュラム紹介ページ〉

研修所のカリキュラム(研修内容)

[クラウドファンディング]「いのちもやして、たたけよ。」英語版出版プロジェクト/船橋裕一郎

2023年1月、同じ新潟県を拠点とする劇場専属舞踊団Noism Company Nigata の芸術総監督で舞踊家の金森穣さんによる初めての著書「闘う舞踊団」をご恵贈いただき、とても興味深く拝読しました。そして、先月はNoismの新作舞台「Der Wanderer-さすらい人」を拝見して参りました。金森さんの演出は毎回刺激的ですが、今回は特に舞踊家井関佐和子さんを筆頭にそれぞれの身体性を前面に出しながら集団としての統一感もさらに感じさせる素晴らしい舞台でした。著書を読んだ直後ということもあり、この作品はより一層の彩りと奥行きのあるものとして私の心に残り、また同時に言葉に書き記すことの大切さを改めて感じる時間にもなりました。

今回、鼓童の英語翻訳スタッフ、メラニー テイラーさんが2011年に鼓童が出版した「いのちもやして、たたけよ。」を世界中の方々に読んでいただけるよう英訳プロジェクトを立ち上げております。鼓童の歴史を様々な視点から端的に記されているこの本は私自身が、事あるごとに読み返す大切な一冊でもあります。

メラニーさんは長年鼓童の舞台を見続け、私が発する一つ一つの言葉の真意を背景も汲み取りながら、丁寧に言葉を紡ぎ出してくれます。私の信頼すべき友人でもある彼女が、翻訳するこの本の完成を心から楽しみにしております。そしてさらに多くの方々に鼓童の舞台がより深みのあるものとして(一層の彩りと奥行きを)感じていただけたらとても嬉しく思います。

出版されて早10年以上の歳月が経ち、続編出版に向けて準備をしなければならないとの思いも強くなりました。まずは翻訳本完成に向けメラニーさんがプロジェクトを始動してくれたことに感謝し、多くの皆様のご支援ご協力を賜われましたら幸いです。

余談…
私のプロフィールに趣味は読書、プロレス、落語、宝塚とありますが、私の本棚にはそれら関連書籍が多く並んでいます。それぞれの団体や個々の歴史や背景を調べて様々な知識を得ると思い入れもさらに増して楽しさ倍増です。

2023.3月 鼓童代表 船橋裕一郎


「いのちもやして、たたけよ。」英語版出版プロジェクト、クラウドファンディングサイト
https://www.pledgeme.co.nz/projects/7438-kodo-book-english-translation-drum-your-heart-out
このサイトの通貨はニュージーランドドルです。

「いのちもやして、たたけよ。」英語版出版プロジェクトのご紹介映像

映像の日本語と英語の字幕があります。出ない場合、YouTubeで設定をクリックしてオンにしてください。


東日本大震災から12年/船橋裕一郎

 

東日本大震災から12年の月日が経ちました。
また、先月発生したトルコ・シリア国境での大地震においても多くの犠牲者、被災者が出ました。
震災により犠牲になられた全ての方々に心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された地域の復興と皆様の御平安を祈念いたします。
かけがえのない命の大切さを常に心に思い、
人類が力を合わせ数多ある困難を乗り越えられることをを願い、太鼓とともに佐渡から旅を続け、音を届け続けてまいります。

2023年3月11日
午後2時46分 黙祷を捧げます。

鼓童代表・船橋裕一郎

鼓童文化財団 研修所 41期 二年次スタートしました/赤澤京

7人でのスタートをきった41期新2年生。
今年も「冬期間」と呼ばれる時期がやって来ました。

鼓童メンバーと稽古スケジュールを確認

研修所がある柿野浦の山は雪がうっすら積もり、寒い日々が続いています。
その中でも寒さに負けじと稽古場では研修生の熱い稽古が行われています。

とにかく打ち込んで自分の限界を超えていく

4月に新一年生を迎えるまで、そして12月の最終発表会に向けて自分たちはどこまで伸びていけるだろうか?

気持ちを高め、お互いにぶつかり合い、励まし合いながら前に進んで行きます。

時には投げ出したくなることもあるかも知れません。
だけど今はぐっと堪えてひたすら自分自身、同期、太鼓と向き合うのみ。

今は目に見えない根っこの部分をしっかり太くする時。
いつか綺麗な花が咲くと信じて…

春の訪れを楽しみにしながら一歩一歩踏みしめて参ります。

鼓童DVD、Blu-ray 2-3月期間限定 2023特別セール!!/鼓童オンラインストア

こんにちは、鼓童オンラインストアです。

昨年の同セールに続き、鼓童の9作品を2月1日0:00〜3月31日23:59までの期間限定で特別セールいたします。今回はDVD「童」がラインナップに新登場!

この機会に是非お求めくださいませ。

※詳細情報は鼓童オンラインストアでご確認ください。
http://store.kodo.or.jp/?mode=cate&cbid=2392732&csid=0

①DVD童  4,500円→4,000円

②DVD鼓  4,500円→4,000円

③DVD千の舞  4,950円→4,000円

④DVD道  4,500円→3,000円

⑤DVD永遠  4,500円→3,000円

⑥Blue-ray永遠  4,500円→3,000円

⑦DVD伝説  3,500円→3,000円

⑧DVD焔の火  4,500円→3,000円

⑨DVD打男  4,500円→3,000円

⑩DVDドキュメンタリー  3,500円→3,000円

 

※詳細情報は鼓童オンラインストアでご確認ください。
http://store.kodo.or.jp/?mode=cate&cbid=2392732&csid=0

鼓童オンラインストア
Tel. 0259-86-3630
http://store.kodo.or.jp/

Kodo One Earth Music Festival 開催に向けて/住吉佑太

鼓童提供楽曲がスタートして、今年で5年目となります。
太鼓界というコミュニティの中で、共通の話題や交流のきっかけ作りになればと思い、いろいろなバリエーションを展開して参りました。本当にたくさんの方が取り組んでくださっていて、とても嬉しく思っています。

提供楽曲についてはこちらをご覧ください。
https://www.kodo.or.jp/about/teikyo-gakkyoku

新しい取り組みとして、鼓童提供楽曲をテーマとした公演を2/4(土)、2/5(日)にリニューアルしたての文京シビック大ホールにて開催いたします。

1部は、初公開となる鼓童提供楽曲第5弾を含む、鼓童の演奏をお届けいたします。
第5弾は、阿部好江作曲の楽曲です。どんな楽曲がお楽しみに!

2部は、2日間あわせて計6校の高校和太鼓部の皆さんが集結して、それぞれの個性溢れる持ち曲と、鼓童提供楽曲を演奏していただきます。
フィナーレは鼓童とのコラボレーションもあります!

この公演に向けて、高校生との稽古の機会もありました。

魅力的な太鼓とは‥上手い下手では語れません。様々な価値観に触れることは、自分たちの表現の幅を広げたり、深めたりする上で欠かせないことだと思っています。
僕らも提供楽曲を通して、皆さんと交流する中で、たくさんの気付きや学びをいただいています。

まだまだ発展途中の提供楽曲プロジェクトですがこうしたリアルイベントを経て、ますます活気付いていくことを願っております!

ぜひ、会場に足をお運びください!!

Kodo One Earth Music Festival

●演出:住吉佑太  ●鼓童出演者(予定):阿部好江/中込健太/住吉佑太/小平一誠/三枝晴太/山脇千栄/中谷憧/谷川和馬

新年あけましておめでとうございます

写真:岡本隆史

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中は、多くの皆様のご支援を賜り、改めて感謝と御礼を申し上げます。

昨年は、ワン・アース・ツアーにてヨーロッパ各地を巡り、国内では「交流学校公演」、「童」、3年ぶりの浅草公会堂での新作「翔走」、住吉佑太音楽監督のもと様々な音楽的挑戦のあった最新作「ミチカケ」、そして念願でもあった同じ新潟を拠点とするダンスカンパニー、Noism(ノイズム)との共演作品「Noism x 鼓童 鬼」や、ギタリストMIYAVIさんと三味線奏者上妻宏光さんをお迎えした「アース・セレブレーション」など、多種多彩多様な公演をお届けすることができました。また、CD、DVD、映像や音源製作、配信なども積極的に展開してまいりました。

今もなお続くコロナ禍の中、多くの出会いや経験を糧に個々の能力を磨きながら、積み重ねてきた甲斐を実感した一年となりました。

さて、本年は年明け早々より、5年ぶりとなる坂東玉三郎氏との共演作品「幽玄」を皮切りに提供楽曲を中心に高校生との共演をする新企画公演「ワン・アース・ミュージック・フェスティバル」、4年ぶりとなる北米ツアー、春から夏にかけて「ミチカケ」や新作「いのちもやして」、年末は阿部好江が演出を担う作品など、様々な公演が目白押しです。さらに「アース・セレブレーション」や「佐渡宿根木公演」、太鼓体験、ワークショップをはじめ、拠点佐渡での活動もさらに充実させてまいります。

私たちの太鼓の音は、佐渡島の暮らしと学びそして旅の中から得た体験により、さらに豊かな響きとなります。その響きにより生まれた表現が、喜びと笑顔あふれる時と場を創り出し、私たちの理念「ひとつの地球」を多くの方々に感じていただけるよう、一層励んでまいります。

本年が皆様にとって良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

鼓童の未来に向け、引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2023年元旦
太鼓芸能集団 鼓童
代表 船橋裕一郎