鼓童初上陸!エジプト公演に向けて/吉田航大

やっと大寒波が過ぎ去ったかと思いきや、今度は佐渡島の広範囲にも及ぶ断水被害。てんやわんやの日々を送っております。そんな中、鼓童村の稽古場では鼓童50カ国目となるエジプトでの公演に向けて稽古が行われています。
Photo: Erika Ueda

今回は演出・見留知弘を筆頭に9人のメンバーでの公演。とても9人とは思えないほどの演目数と内容の濃さ。知弘さんの、「大変だけど楽しんでやりましょう」の一言で、稽古場が動き出しました。

Photo: Erika Ueda

若手が多い編成でどこか活気のある稽古。しかしその反面、舞台に立つという厳しさも改めて再確認。。。

Photo: Erika Ueda

稽古期間は1週間とタイトなスケジュール。元舞台メンバーであり、今回の舞台監督でもある(今海)一樹さんは「時間がない中でもやることはちゃんとやらなきゃいけない」と語る。諸先輩方に厳しく丁寧に指導していただいて、着々と稽古が進んでおります。

Photo: Erika Ueda

未だ見ぬ異国の地に思いを馳せながら、太鼓を打ち鳴らす。誰もが初めてのエジプト。さぁ、これからどんな旅が待っているのでしょうか……。

Photo: Erika Ueda

2018年2月9日(金)、11日(日)鼓童特別編成で出演「Japanese Drums Concert」(エジプト)

「道」稽古場より②/吉田航大

Photo: Erika Ueda

1月の佐渡は何度も寒波に見舞われ、時折晴れたかと思うとまた鉛色の空を見せる。見ていると、こちらの気も沈んでしまいそうな。しかし、鼓童村の稽古場からは活気に溢れた太鼓の音が聞こえて来る。

Photo: Erika Ueda

1月4日の若手寒稽古から始まり、今年の新作稽古、そして今春に全国を回る『道』公演の作り込みの稽古だ。今年で3回目を迎えるこの「道」公演。1回目は山口幹文、2回目は石塚充、そして3回目である今回は船橋裕一郎の演出でお届けする。

毎回その演出家の特徴が出る舞台となっているが、根っこの部分は同じ。前身の「佐渡の國 鬼太鼓座」時代から受け継いできた魂を次の世代へとつなげ、再創造を図る。これは鼓童の活動そのものと言える。

Photo: Erika Ueda

今回、代表の裕一郎さん演出のもと始動した「道」初稽古。顔合わせに集まった顔ぶれは若手が多いものの、やはりベテランの存在感は大きい。どこか緊張感のある顔合わせだった。

私は1日だけ見稽古させていただいた。新曲の稽古だった。

Photo: Erika Ueda

ホワイトボードの前に立ち、稽古を進めていたのはメンバー3年目、池永レオ遼太郎。今回の演出補佐を務め、この新曲の作曲者でもある。頭脳明晰で、音楽的にもメンバーを導いてくれる。

遼太郎さんと私は研修生の先輩、後輩(私)の関係。研修生の時から作曲や演出などするのが得意で、私も彼の作る曲が好きだった。そして芸術に対して誰よりも熱い情熱を抱いている。

しかし今回、自分の曲を「道」という作品に載せるのは簡単なことではないと彼は言う。それでも遼太郎さんが作る音楽が自然と裕一郎さんの思う「道」に乗っかっていくような、そんな気がしているのは私だけだろうか。これからどのような曲ができ、作品が仕上がってくるのか楽しみだ。

Photo: Erika Ueda

先代が踏み固めてきた道は固くて歩きやすい。それに比べて新しい道を作るというのはとても酷で時間がかかる。だが、一度できた道はいつ通っても通りやすくて安心する。そしてまた新しい道を作ろうとする。どんなに辛い道作りであっても、いつでも帰れる道がある。

Photo: Erika Ueda2018年「道」、乞うご期待ください。

【浅草公演、チケット発売開始しました!!】

2018.06.20(水) 〜2018.06.24(日) 東京都台東区 台東区立浅草公会堂

鼓童特別公演2018「道」全国ツアー

「道」稽古場より①/池永レオ遼太郎

獅子奮迅/吉田航大

▲吉田航大

暑さもようやく峠を越え、朝夕は涼しさを感じる今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。現在、博多座で連続上演中の「幽玄」にて、「獅子」を務めさせていただいております。

「獅子」をやるという話を初めて伺ったのは、研修所を修了して1ヶ月後すぐについた海外ツアーの途中でした。初めてのツアーで、天手古舞な日々の最中、「来年の作品の為」と代表、スタッフから話があり、帰国後何もわからず「かつら合わせ」に出向いたのを覚えております。

▲玉三郎さんとのお稽古

▲花柳壽輔さん/獅子のお稽古の様子(佐渡・鼓童村)

最初は、もちろん思うように毛を振ることができず苦戦しておりました。途中、玉三郎さんから「獅子をやるならば二幕は一切太鼓叩けないよ?」と心配もして頂きましたが、中途半端で終わりたくはなく、最後まで自分の役を全うしようと決めました。

そして今年の4月からは、花柳流家元 花柳壽輔さんをはじめ、花柳流舞踊家の方々に御指導して頂き、このように「獅子」として舞台を踏むことができました。

▲吉田航大/毛振り

「連獅子」とは、仔獅子(弟子)が親獅子(師)の試練に立ち向かうという物語から、古典の世界では襲名披露などで演ぜられる大曲です。今作「幽玄」の「獅子」にも、15年以上に渡って玉三郎さんからのあらゆる試練に立ち向かい成長してきた、ある意味では「鼓童の襲名披露」という思いが含まれていると、私は感じております。そのような歴史を背負うという使命感に奮い立たされながら、日々舞台に向かっております。

皆様、どうか最後まで宜しくお願い致します。

稽古・舞台写真撮影:岡本隆史

▲花柳壽輔さん(中央)、鼓童・渡辺健吾(右)、鼓童・吉田航大(左)、名古屋公演にて。

坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」

鼓童メンバー「幽玄」獅子への挑戦

「幽玄」公演のクライマックスを彩る獅子。坂東玉三郎さん、花柳壽輔さん、花柳流舞踊家さん(1名※)とともに、鼓童から渡辺健吾、吉田航大の2名が獅子を務めさせていただいております!
(※名古屋公演では花柳寿太一郎さん、花柳昌克さんのダブルキャストです。ほか、公演地により出演者は異なります。)

▼▼写真は花柳壽輔さん(中央)、鼓童・渡辺健吾(右)、鼓童・吉田航大(左)、名古屋公演にて。

▼▼獅子に変身

本日は14時より名古屋公演・千穐楽!ご来場をお待ちしております。

坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」

満員御礼!「幽玄」東京連続公演

5月16日からの5日間、東京・オーチャードホールで開催しました「幽玄」公演、連日満員のお客様に迎えられ、無事に幕をおろしました! 次は新潟、そして名古屋での公演です。ご来場をお待ちしております。

公演の一部を写真で公開!

撮影●岡本隆史

坂東玉三郎

 坂本雅幸(鼓童)

花柳流舞踊家、鼓童

坂東玉三郎、大塚勇渡(鼓童)

左手より吉田航大(鼓童)、花柳昌克、坂東玉三郎、花柳壽輔、渡辺健吾(鼓童)

坂東玉三郎

坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」