【ゆめのうつつリレー】合言葉/藤本容子

みなさま、これまでリレートークを読んでくださいまして、ありがとうございます。

佐渡で、旅先で、忙しさの中から文章を寄せてくれた鼓童の皆に感謝します。草洋介の文中にあります『チーム容子』。その実働はCD製作のひとときでありましたが、渦中で生まれた共感は、末長く生き続けることでしょう。

たくさんのご縁と協力からなる、このCD。そこにまつわるすべての出来事に感謝でいっぱいです。

今澤雨江氏(絵)、緒形昭弘氏(デジタルアート)

小木の内の澗に、船を出してくれた又七さん

制作チームの鼓童特別編成チアガールズ

CDを手にされた皆さんからは「車での移動中に楽しんでいます」というお声が多く届いています。

私も!です。

最後の曲、冬の火祭り「どんど焼きの唄」からトップに戻ると、清々しい春の風光の気配に思わず引き込まれて、エンドレスで聴いてしまいます。

どうぞお試しください。

このCDを作るにあたっての合言葉は、「佐渡の一家に一枚!」です。

45年という歳月の感謝を込めて、島の皆さんに、「これは自分たちのCDだ」と思っていただけますように、喜んでいただけますように、その願い一心で鼓童の皆、ゲストのお二人と取り組みました。



海山の自然音、祭りの現場の鬼太鼓や木遣り唄の様子、「小木大津絵」では、かつての小木町の花街の風情を思い出していただければと、あれこれ工夫してみました。CDのあちこちに、佐渡の様々な音が盛り込まれています。お楽しみください。

ブックレットでは、唄のご縁となった外海府、国仲、小木半島、前浜の皆さんとの物語りを綴らせていただきました。また、唄を通して、佐渡における鼓童の歴史も記していますので、読んでいただけたら嬉しいです。

もう一つの合言葉。

それは、
「鼓童村発CD」の実現です。

鼓童村の施設で、鼓童メンバーと音づくりをし、鼓童村の子供から大人まで、藤本吉利を始めとした演奏陣から、スタッフ、アルバイトも含めての全体参加を成就し、鼓童のスタジオで録音して、鼓童の音大工レーベルから発売する。

その夢が果たせました!

今後、同様のことが再現するかどうかは分からない、記念すべき出来事になったと思います。

個人の夢が、集団にとっても特別な意味のある現実となれたこと。なんと幸せなことでしょう。年末を迎えて、コロナ禍の厳しさが増している、そんな中だからこそ尚更に、人の繋がりの温もりを肌身に感じ、励ましの連鎖が産まれる日々となってゆきますように。

Photo: Takashi Okamoto

そんな中だからこそまた、音楽が、唄が、より一層日常に寄り添い、深く慰めを誘うものとなってゆきますように。来年が、少しでも明るい未来となりますように。その中で「〜佐渡もの語り〜ゆめのうつつ」が、皆さまのかたわらにあって、日々の慰めとなってゆきますことを願いつつ、このリレートークのページを閉じさせていただきます。

Photo: Takashi Okamoto

ありがとうございました。来年、佐渡の、日本の、世界のどこかで、みなさまと出会えたらどんなに嬉しいことでしょう。

良いお年を!

 

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Photo: Takashi Okamoto

【ゆめのうつつリレー】音楽監督として/住吉佑太

藤本容子NEWアルバム
〜佐渡もの語り〜ゆめのうつつ
楽しんで頂けておりますでしょうか!

音楽監督を担当いたしました、住吉佑太です。

容子さんと共に、試行錯誤を繰り返しながら、1曲1曲を大切に紡いで作ったこのCDには、私も特別な思い入れがあります。

Photo:中川晃輔

全曲、最初は容子さんがiPhoneで録音してくださった声から始まっています。

その録音に、私がいろいろな音を重ねながら、世界観を形作っていきました。

ある程度出来上がったら、容子さんにも確認して頂き、イメージを擦り合わせながら、ときには無茶振りに鍛えられながら…(笑)

ああでもないこうでもないと、1曲ずつ形にしていきました。

Photo: Akiko Umegaki

自分が音楽監督として関わるからには、懐かしい!という印象だけではなく、それでいてどこか新しい!と思わせたいという気持ちが強くありました。

かといって、いわゆるポップスのような歌物のアレンジにして、容子さんの「語る力」をかき消してしまないように。むしろ打ち出す世界観によって後押しできるような音楽を目指しました。

Photo: Yoko Fujimoto

普段の鼓童は、リズムが主体の音楽ですが、今回はメロディーと和音に重きを置いたアレンジのものが多いです。

1曲ごとの雰囲気に合わせて、和音や響きを決めていきました。

1曲目の「この峰の」に関しては、ド頭から、日本の響きではない和音を使っています。
こういったテンションコードと呼ばれる和音は
なかなか和楽器と馴染みにくいのですが
容子さんの旋律や、唄の世界観には、よく合うなと感じています。

音楽的には不安定な響きが、繊細さや美しさ、ときに力強さを表現してくれています。

レコーディングに関しても、できるだけ容子さんの息に合わせてできるよう、可能な限り全員一緒に、メトロノームを聴かずに録音しました。

「鬼太鼓若衆」などは、その息の感じが、とても心地よい仕上がりになっています!

響きと息。

そんなことも感じてもらえると、よりこのCDを楽しんで頂けるかと思います!

Photo: Takuro Susaki

次回は、藤本容子です。
お楽しみに! 

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【ゆめのうつつリレー】緊張したけど・・・!/三浦友恵

みなさん、こんにちは。2020年も早いもので最後の月となりました。いかがお過ごしでしょうか?

10月に佐渡島にある「御宿 花の木」さんで、~ゆめのうつつ~ミニコンサートに参加させていただきました。

容子さんと鼓童が作ったCD”佐渡もの語り~ゆめのうつつ~“をミニコンサート出演という形で応援することができ、とても嬉しかったです。

コンサート当日はお天気にも恵まれて、佐渡の自然もCD発売を喜んでいるかのようでした。

今回のコンサートでは琴・太鼓・鳴り物を担当し、その中でも『この峰の』の琴が好きでずーっと稽古していました。(CDでは菊武粧子さんが演奏されています。)好きでもうまく演奏することができず苦戦しました。笑

コンサート本番で緊張して手が震えたのですが、容子さんの歌声と笑顔が素敵で緊張が少し和らいだのを覚えています。とてもとても楽しいコンサートでした。あのコンサートの場所にいれたことを幸せに思います。
容子さん、関係者のみなさまありがとうござました、お疲れさまでした!

きっと!みなさまに幸せを運んでくれるCDです。容子さんの佐渡愛、鼓童愛、みなさまへの愛が溢れでているCDとなっています。ぜひたくさんの方に聴いていただきたい!!

Photo: Yuka Kusa

次回は、住吉佑太です。
お楽しみに! 

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【ゆめのうつつリレー】チーム容子/草 洋介


前回のタニくん(中谷憧)と同じく「〜ゆめのうつつ〜ミニコンサート」に出演いたしました、草洋介です。

コンサートの前に、CD収録の際にも少しだけお手伝いできたのですが、その現場ではじっくりと時間をかけて丁寧に作品が練られていました。

唄の持つ意味と音が絶妙にリンクされていく、、そんな作業が日々繰り返されていました。

そして収録に関わるメンバーたちの雰囲気は「チーム容子」と呼べるような一体感がありました。

そんな中、自分もコンサートの出演が決まりました。

憧れの「チーム容子」の一員になれるような気がして、とても嬉しかったのを覚えています。
今回、容子さんが唄う姿を見ていてとても印象に残ったことがありました。

それは稽古の時からずっと感じていたことなのですが、、「目」です。

Photo: Takashi Okamoto

「花の寿」や「忘れな草」を唄う時の視線は遠く、はるか先の地平線に声を届けるような郷愁がありました。

かたや「ねんねん猫の・・・」や「椎谷の観音さま」を唄う時には、お客さんと視線を合わせて、一緒に唄を楽しむ姿がありました。

そんな姿を見ていると、容子さんは「唄い手」でもありながら、やはり「舞台人」でもあるのだなと感じました。

Photo: Takashi Okamoto

CDでこだわり抜いた音と声、そして「チーム容子」の結成を成せる唄への想いの強さを持って、これからもお客さんの前でも唄い続けていただきたいなと思います。

そんな藤本容子のコンサートに行く前には必ず「佐渡もの語り〜ゆめのうつつ〜」での予習もお忘れなく!

Photo: Yuka Kusa

次回は、三浦友恵です。
お楽しみに! 

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【ゆめのうつつリレー】椎谷の観音さま/中谷 憧

〜ゆめのうつつ〜ミニコンサートに出演させていただきました。中谷憧です。研修生の頃から唄を指導していただき、ずっと尊敬している容子さんの唄のコンサートに参加させていただいたのは、とても嬉しく、光栄という他ありません。

そしてとても暖かいコンサートで、演奏している自分も気持ちがほっこりしました。ミニコンサートは「椎谷しいやの観音さま」を容子さんと一緒に歌わせていただきました。

それはあんまり思いがけないことで「まじか!」と心の中で叫ぶほど、嬉しいことでした。

僕のパートは、普段は吉利さんが唄っていらっしゃるので、その唄い方を研究しようとしましたが、容子さんが「タニはタニの唄い方で行けば良いからね」と言ってくださり、とても楽になりました。そして、あんまり考えすぎずに、この曲のエネルギーに乗って唄えたらよいなと思いました。

本番では、容子さんがお客様と一緒になって、心から嬉しそうに唄われている姿を見て、自分もいろんな思いを吹っ切って唄えたように思います。最後のいきなりの声のバトルはびっくり、そして最高でした。

「椎谷の観音さま」

あんなに明るい面白い曲なのに、実はこんなにも悲しくて深い話、数百年にもわたる繋がりが今もあるとは…悲しいからこそ、明るく強い曲にしたという話が、忘れられません。これからも唄い続けていきたいと思います。

 

Photo: Yuka Kusa

次回は、草 洋介です。
お楽しみに!

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