【ゆめのうつつリレー】音楽監督として/住吉佑太
藤本容子NEWアルバム
〜佐渡もの語り〜ゆめのうつつ
楽しんで頂けておりますでしょうか!
音楽監督を担当いたしました、住吉佑太です。
容子さんと共に、試行錯誤を繰り返しながら、1曲1曲を大切に紡いで作ったこのCDには、私も特別な思い入れがあります。
全曲、最初は容子さんがiPhoneで録音してくださった声から始まっています。
その録音に、私がいろいろな音を重ねながら、世界観を形作っていきました。
ある程度出来上がったら、容子さんにも確認して頂き、イメージを擦り合わせながら、ときには無茶振りに鍛えられながら…(笑)
ああでもないこうでもないと、1曲ずつ形にしていきました。
自分が音楽監督として関わるからには、懐かしい!という印象だけではなく、それでいてどこか新しい!と思わせたいという気持ちが強くありました。
かといって、いわゆるポップスのような歌物のアレンジにして、容子さんの「語る力」をかき消してしまないように。むしろ打ち出す世界観によって後押しできるような音楽を目指しました。
普段の鼓童は、リズムが主体の音楽ですが、今回はメロディーと和音に重きを置いたアレンジのものが多いです。
1曲ごとの雰囲気に合わせて、和音や響きを決めていきました。
1曲目の「この峰の」に関しては、ド頭から、日本の響きではない和音を使っています。
こういったテンションコードと呼ばれる和音は
なかなか和楽器と馴染みにくいのですが
容子さんの旋律や、唄の世界観には、よく合うなと感じています。
音楽的には不安定な響きが、繊細さや美しさ、ときに力強さを表現してくれています。
レコーディングに関しても、できるだけ容子さんの息に合わせてできるよう、可能な限り全員一緒に、メトロノームを聴かずに録音しました。
「鬼太鼓若衆」などは、その息の感じが、とても心地よい仕上がりになっています!
響きと息。
そんなことも感じてもらえると、よりこのCDを楽しんで頂けるかと思います!
次回は、藤本容子です。
お楽しみに!