【”千の舞”への道】鼓童の舞手/三浦友恵

この度は芸歴40周年、花八丈20周年おめでとうございます。

鼓童で憧れの先輩である小島千絵子のお祝いの舞台に一緒に立たせていただけることを嬉しく思います。

初めてお会いしたのは鼓童研修所の試験でしょうか。まさか自分が鼓童の踊りに惹かれることになるとは思いもよりませんでした。初めに惹かれたのは扇子と傘をグルグルと回すところ。(踊りではないかもしれませんね…笑)

Photo: koji

私もあんな風に回したい!って思ったんです。それから本格的に踊りに没頭していきました。

メンバーに上がり、様々な踊りをさせていただきました。笠の向き、手の捌き、足捌き、着付け。初めはゆっくり歩くことさえもまともにできませんでした。一緒に稽古場を歩いて稽古付けてもらったり、、、千絵子さんの芸を盗むことの大変さ。スケジュールが合った時に数日だけ鞄持ちもしました。何度やっても千絵子さんと比べられることの苦しさや歯痒さ。背中は遠いところにあります。

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それ程、鼓童で千絵子さんが残してきたものの大きさがあります。しかし千絵子さん自身も、太鼓の集団の中で踊りをやってきた苦悩は計り知れないものがあり、楽しいよりも苦しい時期がほとんどだったのではないでしょうか。

だからこそ今の小島千絵子があると思いますし、多くの人の心を動かす舞を舞うのです。今は必死に追いかけていますが、いつかは肩を並べられるくらいの人になりたい!笑

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文京の大きな花舞台。千絵子さんにとって集大成?いやいや、通過点です‼︎

千の舞はだんだんと蕾が割れ12月末には大きな大きな花を咲かせます!

また一つ鼓童の舞手に大きな功績を残しますよ!皆さまどうぞお楽しみに!


2019年12月23日(月)19:00開演
鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

【”千の舞”への道】笛の音色とバックグラウンド/木村佑太

「千の舞」にはスペシャルゲストとして木村俊介さんをお迎えしており、木村さんご自身は笛と三味線を演奏されていて、更に木村さんの楽曲も演奏させていただいております。

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学生の頃から木村さんのCDなどを聞いていて、苗字も”木村”で同じなので勝手に親近感を覚えていて一方的に僕が知っているだけだと思っていたら、母と弟が木村さんのコンサートに何度も行っている事もあり、「あの木村さんだよね〜」とまさかまさか僕の事を知ってくださっていました。色んな所にご縁があるんだなと実感しました。木村という苗字にも感謝(笑)

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鼓童で笛を吹くにはまず太鼓に負けないような力強い音が求められます。僕はひたすら力強く、音はデカく。この二つをかなり意識して稽古しております。ただ、木村俊介さんの音色は力強くも澄んだ音で「すぅーーー」と耳の中に入ってくる感じがします。高い音を近距離で聞いても耳に馴染んでくる感じで、同じ篠笛という楽器を使っていても、根本的な性格やその人のバックグラウンドから音色が変わってくるのだなと感じました。

Photo: koji

千絵子さんの舞にも圧倒されますが、是非木村俊介さんの笛や三味線にも注目して見て頂けると楽しさ倍増です!もちろん鼓童の木村の笛にも少しだけご注目頂けたら幸いです!
見返すと木村って文字がたくさんありますね(笑)

木村佑太


2019年12月23日(月)
鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

【”千の舞”への道】第二幕編/北林玲央

Photo: koji

僕は本公演の2幕、「道成寺」の物語で「安珍」の役を演じます。

実際に自分が誰かになって演じるということは
今まで経験した事の無かった事ですので
とても素晴らしい機会をいただきました。

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2幕は、ほとんどが木村俊介さんの曲で
既に演者の心境をそのまま出しているかの様な
素晴らしい曲ばかりでした。

道成寺という物語と
素晴らしい曲達に
奏者一人一人のこれまでの経験が
沢山詰まった内容になっております。

Photo: koji Photo: koji

千絵子さんの看板演目である【花八丈】では
下打ちを勤めます。

千絵子さんの全てが詰まったこの演目は
相方が変わったり、場所が変わる度に
表情が全く変わって見えます。

Photo: koji

当日はどんな表情になるのか・・・

40年という熱く濃厚な歳月を歩んできた清姫と
メンバー4年目の自分が重要な役を大抜擢され、安珍として
同じ舞台に立てるとは・・・

これまでの鼓童を作り上げ
そして、これからも更に飛躍し続ける
千絵子さんの記念を祝います!! 

Photo: kojiPhoto: koji


2019年12月23日(月)
鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

【”千の舞”への道】〜鼓童の宝〜/池永レオ遼太郎

Photo: koji

小島千絵子芸歴40周年企画「千の舞」音楽を担当しています、池永レオ遼太郎です。

今回の企画の音楽構成を務めるに当たって、私の中で二つ、大きなテーマが有りました。

Photo: koji

一つ目は、鼓童の音で千絵子さんに踊っていただく事。

Photo: koji

二つ目は、とにかく千絵子さんのやりたい事を僕の力が及ぶ範囲で全て叶える事。

Photo: koji

小島千絵子は鼓童の宝です。

鼓童の女性として様々な道を切り拓き、今でも世界中を飛び回る千絵子さん。

Photo: koji私たちメンバーは会える機会も中々ありません。千絵子さんと作品を作ることは本当に貴重な体験です。

公演までもうあと1ヶ月ほど。ゲストに木村俊介さんをお迎えして、お客様にこれでもか!というくらい千絵子さんをお見せ致します。

Photo: koji

可愛らしくて、カッコよくて、時にびっくりするくらい天然で自由な千絵子さん。

そんな千絵子さんを私たちは精一杯お祝いできるよう、一丸となって努めさせていただきます。

Photo: koji Photo: koji

みなさまもぜひ、劇場へ足をお運びください!


2019年12月23日(月)
鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

 

鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)

【”千の舞”への道】〜ウズメと清姫〜 (二幕 編)/小島千絵子

二部構成 鼓童の音仕立て ドラマチック音楽劇!

二幕「道成寺」

能や歌舞伎、また神楽に有名な「道成寺」は、女人禁制の掟を破り、蛇がとり憑き、調伏される白拍子の物語。

Photo: Takashi Okamoto

また物語の元になった和歌山の道成寺に伝わる清姫伝説は、若い僧・安珍あんちんに恋した清姫が、裏切られ追いかけるうちに蛇体となって、梵鐘ぼんしょうに隠れた安珍共々、自らも焼き尽くしてしまう物語。女性の執着心の戒めとして世に語り継がれて来たお話です。

「佐渡の國鬼太鼓座」に入座した頃は、女性は太鼓を叩けなかった、太鼓を叩きたくて入座したのにその願いは叶わぬものでした。

女性であることのどうしようもない負を心深く感じていた私は、その思いが清姫へ重なり、清姫の有様を恐ろしいというより哀れで愛おしく、胸に迫ります。その姿は蛇に見えたとしても、なりふり構わず追い続ける姿に極限の美しささえ感じました。

Photo: Erika

そんな心の変遷の先で女性性の負への思いを浄化し、おおらかに女性であることを誇る女性ならではの太鼓「花八丈」を生み、安珍への執着心を太鼓に見立てた作品「清姫」はソロの活動の中で重ねて演じて参りました。

Photo: Takashi Okamoto

今回の二幕「道成寺」ではこれまでの「清姫」の作品作りに関わって下さった木村俊介さんを迎え、鼓童の精鋭のメンバーとともにさらに壮大で深く、鼓童の舞台ならではの作品となりました。

私は清姫を宿して舞い踊り、鼓童の音は清姫の心象風景を音に写して、清姫の心の機微を現します。即興性の強い踊りに合わせ、その時起こった「清姫事件」に瞬時に対応できる実力が備わった鼓童に、頼もしく誇らしく、清姫も身を委ね、ままに操られようと思います。

Photo: Takashi Okamoto

道成寺に伝わる絵巻物には、安珍と清姫は天上界で権現と観音になったと結ばれ、道成寺のご住職が解く言葉には、「道成寺を演じる者も観る人も、ともに浄化される」とおっしゃっておられます。

鼓童の「道成寺」がご住職のお言葉のように、そんな特別な演目になれたなら、と密かに願っております。

以上、ご紹介をさせて頂きました。

祭りの庭で鼓童の皆と一緒に舞台を創り上げること、こんなことがずっとやりたかったのです!

Photo: Erika

この機会を頂き、応援くださっている皆々様、一緒に歩んで来た鼓童の皆へ御礼申し上げます。

これからも芸への執着心を捨てず、さらにずっと高みを目指して参りたいと思っております。師走の一夜、鼓童「千の舞」で 特別なお時間をお過ごしくださいませ。

鼓童と共に、お待ちしております。
(一幕編はこちら→ https://www.kodo.or.jp/kodo_blog/membersblog/22363

鼓童「千の舞」 〜小島千絵子芸歴40周年記念公演(東京都文京区)