迫る力/三枝晴太

佐渡はまだまだ寒いです。

鼓童村では、ニューアルバムの録音が進行しています。

Photo: Yuki Hirata

私はこのアルバムの取りまとめを、平田裕貴と共にしています。

生音を稽古場で感じたり、レコーディングブースに入って実際に再生される形を聴いたり、演奏を録音する立場になったり。

Photo: Yuki Hirata

目をつぶって聴いていると、演奏が進行していくにつれて、どんどん気持ちが高揚してくる感覚があります。

気持ちを高揚させるものの正体は何か、を考えていました。

「音量」なのか?それ以外のものなのか?

Photo: Yuki Hirata

音であれば、間違いなく録音され、みなさんの元に届きます。

では、「雰囲気」だったらどうでしょうか?

音でないものは、どのように録音されるのでしょうか?

稽古場全体、その場にいる人間、それら全てをゆらす太鼓の音。

「迫力」と呼ぶのでしょうか。

言葉にするのはとても難しい話で、とても感覚的です。

Photo: Yuki Hirata

すでに収録が完了した楽曲もあります。

私が感じたものがみなさんの耳にどのように聞こえるのか、みなさんの心にどう響くのか、とても楽しみです。

録音やその編集、マイクの立て方や曲順も、全て自分たちで考え、まるで劇場で聴いているかのような感覚を意識してレコーディングしています。

Photo: Yuki Hirata

このアルバムを聴いた皆さんの胸に、何か込み上げてくるものがありますように。

今、メンバー総出で録音しています!お楽しみに!

↓最新の鼓童楽曲こちら/Spotify「Kodo」

おすすめ!私の一枚(10)三枝晴太 / CD『Heartbeat Best of KODO 25th Anniversary』

収録されている《千里馬》を聴きながら稽古した、研修生時代。

自分が稽古する《千里馬》と、このCDに収録された《千里馬》の差を埋めるべく稽古していました。

スピード感、音のニュアンスなど・・・

思えば《三宅》も、ここに録音された通りの手を繰り返し稽古しました。


このCDを聞くと、メンバーになるために神経を尖らせてひたすら稽古していた研修生時代、自分がどういう眼をしていたか、どんなことを感じていたかを思い出します。

今と未来を考える上で、自分自身にとって大切な作品です。

CD『Heartbeat Best of KODO 25th Anniversary』

↓試聴はこちら
https://www.kodo.or.jp/discography/sicl155_ja.html

↓鼓童オンラインストアでの購入はこちら
http://store.kodo.or.jp/?pid=128516746

「道」ブログリレー20: PPPP テケテケ/三枝晴太

PPPP テケテケ

Photo: Takashi Okamoto

テケテケテケテケテケ…………今作品の演目の一つである『モノクローム』という曲は、強弱記号P(ピアノ/弱く)が4つ重ねられた状態 PPPP (ピアニシシシモ/ごくごくごく弱く)から始まります。

1500人を超えるお客様がいらしても、ピンと張りつめた空気に、水を打ったような静けさが劇場を包みます。

ごまかしの利かないシンプルなテケテケの世界です。

みなさまが息を飲んで観る中、演奏している私も、心を静めることが大事です。

Photo: Takashi Okamoto

一人、また一人と、音が加わっていく中、自分が加わる直前は、シーンとした空気に鼓動が隣の人に聞こえるのではと思います。

そうして積み上げていくテンション100%の緊張感を、お楽しみいただければと思います。

Photo: Takashi Okamoto

神奈川県出身!晴太の地元公演はこちら↓

Photo: Takashi Okamoto

公演詳細:

https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/16691

9月以降のスケジュール

待望の新作DVD発売中!

Photo: Erika Ueda

この日を楽しみにしてくださっていた方も、「え‼そうなの!?知らなかった!」という方も、ぜひ1枚。見応えある94分、ノーカットライブ収録です。

発売日:2019年5月24日(金)
価格:4,950円(税込)

商品の詳細はこちらから。
http://store.kodo.or.jp/?pid=141745460

公演会場、鼓童オンラインストアにて販売中

二本の柱/三枝晴太

道ツアー、初日間近です。
私自身は今回で3度目の道ツアー、
ヨーロッパツアーは、初めてとなります。

演奏もそうですが、
生活や食のこと、時差や体調のことが、ドキドキです。
稽古場の通りのコンディションに持っていき、演奏することを約三カ月、踏ん張って乗り切りたい…という心持ちです。

 

今回の道の稽古期間を経て、考えさせられたのは
私たちは、パーカッショニストであるということ。

もう一つ
私たちは、鼓童であるということ。
太鼓の音を出すだけではない。

では決定的な「鼓童」とは、何か。
何が、鼓童である僕らを鼓童たらしめるのか、僕たちにしかできないことは何か。
それを、考え、追う稽古期間でした。

 

そこに、「道」という作品の力もあります。
鼓童が半世紀近く演奏してきた演目を、今の僕たちが改めて解釈して、体に刷り込んで、稽古して、
今まで積み上げているものの頂点だと胸を張って佐渡を出る。
その過程を、鼓童村では、歩んでいました。

 

まずは、ロシアで初日を迎えます、欧州ツアーLegacyはどのような舞台になるのか、
そして、終わって佐渡へ帰って来る頃には、僕たちはどうなっているのか。
さらなる、高みを目指して参ります。

 

 

 

鼓童ワン・アース・ツアー2020「Legacy」ヨーロッパツアー