新研修生実地面接/本間康子
2020年度の研修生募集を開始しました!
皆さんがなるべく応募しやすいように、11月と1月の2回、実施することになりました。
どちらかご都合のよい日程を選んでご応募ください。
(どちらの面接に参加いただいても、研修は2020年の4月から始まります。)
また、応募方法も鼓童サイト内からフォームで送信していただくようになりました。
(一部郵送していただく書類もあります。)
「実地面接」って、どんなことをやるんだろうと気になりますよね。
2019年1月13日〜14日に1泊2日で行った今年の面接の様子を、参加した鼓童メンバーの言葉もまじえてご紹介します。
初日
朝、集合場所である両津港から研修所へ向かい、まずは簡単なオリエンテーション。
その後は、研修所に関わる鼓童メンバーやスタッフがじっと見つめる中、ウォーミングアップ、太鼓、踊りと、1つひとつ研修所講師がリードしながら進んでいきます。
太鼓は、簡単なリズムをゲーム的にたたいたり、地打ちのリズムにのって、一人ずつ順番にソロの手をたたいたりしてもらいます。
踊りは、メンバーが見本となって踊った振りをその場でとって真似てもらったりします。
また、立ち座りなどの所作を通して、身体のくせを見ることもします。
研修所講師は、もちろん鼓童のメンバーや名誉団員です。
始めは緊張していた面接参加者も、やっていく中で少しずつ気持ちがほぐれ、笑顔が見えるようになっていきます。
昼食は、面接参加者、研修生、鼓童メンバー、スタッフが入り混じって座り、一緒に食事をとりました。メンバーにとっても、気になった面接参加者と直接話ができる大事な時間です。
昼食後は唄の時間。
事前に送った課題曲を歌ってもらったり、その場で即興的に声を出したり、歌いたい曲を自由曲として準備してもらったり。一人ひとりが持っている「声」に耳を澄ませます。
皆が注目している「アピールタイム」は、3分間の中で何をやっても良いという時間です。
今年も、書道やゲームの説明、空手の型やダンスなどと様々。
太鼓、唄、踊りの時間だけでは出てこない、その人自身の感性が現れたり、可能性を感じられる、面白く興味深い時間です。
面接参加者をサポートするのは現役の研修生。
ウォーミングアップでは見本として先頭に立ち、太鼓の準備など、メンバーやスタッフの指示のもときびきびと動きます。
食事作りの担当になった研修生は、メニュー紹介で、自分たちが作ったお米や野菜を使っていることを話すのが少し誇らしげでもあります。
また、研修生の稽古する様子を見てもらう時間もあります。
2日目
研修所のいつものスケジュールに従って起床。
体操、掃除。そして研修生と一緒にトレー二ング。
体力に自信がある人も、さすがに研修所の坂は厳しく、ラストの坂道ダッシュ5本では「マジか…」と言いながらみんな必死です。
その後、緊張と正座に耐えながらのグループ面接。自分の意思を言葉にして伝え、その場にいる鼓童メンバーに聞きたいことがあれば質問もできます。
今年も面接者から「鼓童の社会における役割は?」など、芯のある質問が飛び交っていたようです。
最後には面接参加者同士も打ち解け、皆で「4月に帰ってくるぞー!」と大太鼓の前で記念撮影。
おそらく普段の彼らのリラックスした表情に戻り、柿野浦からバスに乗って帰っていきました。
研修生への応募を迷っている方へ、鼓童メンバーからのメッセージ
鼓童に、研修所に入れば、一歩ずつ、着実に太鼓の技術は向上します。
その環境は整っています。
しかし、その為に必要なのは「強い意志・体力・思いやり」
なぜ太鼓打ちを目指したいのか、なぜ鼓童なのか、を考え、覚悟を貫く「強い意志」
ハードな研修生活を送る為、そしてその先の舞台に立つ為に不可欠な「体力」
集団生活において、そして舞台上の意志疎通の為、人の立場に立って考える事ができる「思いやりの心」
そう私は考えて、面接試験に来てくれた皆さんと向き合っています。
鼓童は、そして研修所は、自分はここまでできるのか!と可能性を最大に広げてくれる場所です。
自分と、人と、太鼓と、集中してどっぷり向き合うことで、本当の自分が見えてきます。
研修所所長より
2年間の研修を経て、一番変わるのは表情です。
時に迷い、もがきながらも、自分の中に確かに信じられるものをつかむ。そのことが内から表情を変えてくれるのだと思います。
表情からは、資格も何も得られませんが、そこには「一生を生きていく力」が宿っています。
あふれるモノの世界から、一度少し離れてみる。シンプルに暮らし、物事の本質を見つめる。自然と人に囲まれ、太鼓にとことん向かい合う中で、鼓童の舞台を目指す2年間。
共に鼓童の音を紡ぎ、未来へ繋いでいく若い力をお待ちしています!
※なお、実地面接については、今年行ったものとはスケジュールや内容が少し変わるかもしれません。あらかじめご了承ください。