鼓童文化財団研修所|2025年の報告と2026年の計画〜そして未来へ

 

 

 

 

 

鼓童代表、鼓童文化財団理事、
鼓童文化財団研修所所長 船橋裕一郎

2025年の研修所

2025年、研修所は大きな転換期となりました。カリキュラムの見直しにとどまらず、社会や自然環境の変化、スタッフの労務体制の見直しを進める中で、40年続けてきた研修生の募集を一時休止する決断をいたしました。

その中で私たちは、あらためて「何のために学び、何を育てる場なのか」を問い直す一年を過ごしました。太鼓・唄・笛・踊り、身体基礎や発声、茶道や能といった実技に加え、共同生活や農作業、地域との関わりを通して、「くらす・まなぶ・つくる」を一体として捉える研修のあり方を、今なお模索し続けています。

2月、2年次スタート。修了式を終え、7名で過ごす冬期間。

また、メンバーが稽古以外の作業や生活面にも関わりながら、鼓童グループ全体で育てていく体制への見直しを進めています。負担の偏りに配慮しつつ、多くのメンバーが研修所に関わることで、それぞれが原点を見つめ直す機会ともなり、その経験が舞台表現の充実へとつながっていくことを願っています。

自分たちで育てた稲を収穫。新米に思わず顔がほころぶ。

さらに、季節ごとのまとまった日数の休暇の導入も大きな変化でした。(休暇を利用し徒歩で佐渡を一周、途絶えた祭りの調査研究、親の職場見学や体験、楽器製作の工房見学など)、従来の密度の高い研修に加え、個々が主体的に考え、外の世界と接続する時間を設けることで、より広い視野から自らの表現や生き方を見つめ直す契機が生まれています。こうした取り組みは、日々の研修の質を高める好循環にもつながっています。今後は職業体験等の機会も取り入れ、社会との接点を持ちながら学びを深める仕組みづくりも進めてまいります。

多くの人手が必要な時は、鼓童メンバーも農作業に加わる。

加えて、施設整備や地域行事・共同作業への参加、防災拠点としての役割の検討を進めるとともに、そのための修繕・改修計画にも取り組んでいます。研修所が「閉じた修練の場」ではなく、「地域と共にある場」であることを広く知っていただき、より開かれた、地域に根差した場へと発展させていきます。

2026年の計画〜そして未来へ

2026年は、この流れを着実に前へ進める年と位置づけています。研修内容の精度を高めると同時に、指導体制の充実、受け入れ環境の整備を進め、規模感を見定めながらも質の高い学びを実現していきます。また、外部への発信や交流機会を広げ、研修生一人ひとりが社会の中で自らの役割を実感できる場を育んでいきます。こうした取り組みの積み重ねが、研修生個々の成長にとどまらず、鼓童グループの表現の深化へとつながっていくものと考えています。舞台に向けた稽古の充実と、地域・社会との接点の両立こそが、これからの研修所の核となります。

そして未来へ。本年、研修生の募集を再開いたします。研修所は、鼓童の舞台に立つことを志す者にとっての基盤であり、表現を深めていく場でもあります。同時に人が育ち、関係が育ち、文化が更新されていくこの場での営みを大切にして、地域や世界へとつながっていく。その循環を絶やさぬよう、一歩一歩、確かな歩みを重ねてまいります。

これらの取り組みは私たちだけで成し得るものではありません。多くのご支援者、行政、企業の皆様のお力添えをいただきながら、活動をさらに広げ、佐渡に根ざした持続的な文化の創造へとつなげてまいります。今後とも変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

(「鼓童文化財団の年次報告と計画 2025-2026」より転載)

2026年4月の柿野浦祭り。晴天に恵まれ、校庭に全員集合。

2027年度(45期)新研修生募集中

1年目は、太鼓、踊り、唄などの学びを通して、表現のための土台づくり。
2年目は、「鼓童佐渡宿根木公演」や「島内の中学校交流公演」などの実地研修が加わり、実践的な力を養います。
研修修了後、選考を経て鼓童準メンバーに採用。その後鼓童の公演活動に参加し、正式メンバーへの採用が決まります。

今年も、鼓童メンバーを目指す人に加えて、「太鼓を通して社会に貢献する目標を持つ人」を受け入れます。(鼓童メンバー養成コースと同じ研修内容、1年次のみ)

■応募締切:9月30日(水)

 

応募要項はこちらからご覧ください。