「道」稽古場より④/見留知弘

Photo: Erika Ueda

こんにちは、鼓童の見留知弘です。間もなく、「道」後半ツアーがスタートいたします。6月の前半ツアーはすでに盛況に終了しましたが、私自身、本格的なツアーは、実に6年ぶりになります。

道の公演には、初演の2015年、そして昨年の公演と、出演させていただいております。この道の公演内容は、鼓童の創設から、30周年までの公演で行われてきた演目が主で、まさに鼓童の王道の演目が柱となっている公演内容です。

Photo: Takashi Okamoto

今回の出演者は、半分のメンバーが、鼓童のクラシック的な演目でのツアーは初めてで、研修所では「屋台囃子」も「三宅」も「大太鼓」も稽古はしますが、劇場作品として先輩たちとがっつり取り組むのは、初めてのことになるのだと思います。

上記にも書きました演目は、鼓童を長年作ってきたとても重要な演目で、私が新人で入ってきた頃には先輩の中に入って、その中で鍛えられて成長していく環境がありました。

しかし今の若いメンバーにはそのような経験もなく、脈々と連なってきたDNAを引き継いで行く事が難しい環境もあったかもしれません。

それには舞台のマンネリ化や新しいグループの台頭など、鼓童が変わらなければならない時期があり、いろいろな経験をし、一周回って原点に回帰して、新しい感覚を持って、鼓童が昔から大切にしてきた演目と新しい演目の共存として、この「道」の公演があると思っています。

Photo: Takashi Okamoto

私の役回りは、昔の大切にしてきたものを、今の現役のメンバーに引き継いでいく事かと思っています。

Photo: Erika Ueda

その中の演目の一つ「三宅」は、長年ソロを張ってきた自負もありますし、鼓童の三宅はこういうもんだ!というのを、一緒に打つ事で、地打ちのニュアンス、打ち方、ソロの持って行き方など、0からの稽古を、一緒に汗して積み上げてきています。

Photo: Erika Ueda

Photo: Erika Ueda

今年に入って、体操選手の内村航平さんのTV特集がありました。
「どれだけ泥臭く練習できるか」という話を聞き、その練習の並大抵の量ではないものが、支えている事に感銘を受けました。

「道」後半ツアーの三宅のソロは、若手が務め、中堅とベテランがその土台となって、彼らを時には支え、時には追い込み、一曲として昇華させていきます。技術・経験などもまだまだですが、太鼓に向かう姿勢や、100%の本気、そこに立つ覚悟など、泥臭さい稽古で積み上げた、今出来る全部と、この先の成長を見ていただきたいと思います。

Photo: Erika Ueda

Photo: Takashi Okamoto

「道」国内ツアー7-8月

Photo: Takashi Okamoto

出演(7-8月)

山口幹文齊藤栄一見留知弘中込健太蓑輪真弥小松崎正吾前田順康吉田航大三枝晴太平田裕貴渡辺ちひろ小野田太陽詫間俊
※栃木公演、山形公演につきましては、山口幹文に替わり住吉佑太が出演いたします。