すきな国/川村真悟

Photo: Takashi Okamoto

今回の旅でアメリカという国がまた一段と好きになりました。

言葉や文化の壁をもろに実感させられつつも、良いものは良い・悪いものは悪い、とストレートでシンプルな表現でアメリカは私たちを迎えてくれます。

Photo: Takashi Okamoto

その中でも、こうでなければならない、といった言い知れぬ既成概念のようなもので何かをしばりつけるようなことが滅多になくむしろ個人の人間性や思想を互いに尊重し合っていることが、この国の素晴らしいところで私の大好きな部分です。

今回のツアーでお届けしている作品『螺旋』は、当時鼓童の35周年を記念して坂東玉三郎さんに演出して頂いた作品です。

Photo: Takashi Okamoto

Photo: Takashi Okamoto結成当時から上演しているクラシカルな演目から真新しい演目まで様々な構成でお届けする本作ですが、螺旋のように向上していく鼓童のこれからの行く末をイメージした作品でもあります。

Photo: Takashi Okamoto

どの会場でもオールスタンディングで惜しみなく称賛の意を示してくれるアメリカの皆さんの反応は、本作の見せ所や各人の思いを十二分に受け入れてくれてる感じがあり、厚いエールを送って頂けるとおかげでパフォーマンスは日々向上していてる気がしています。

Photo: Takashi Okamoto

まだまだツアーは折り返し地点あたりです。

本作がアメリカの地でさらにどんな進化を遂げるのか楽しみでなりません。

Photo: Takashi Okamoto

鼓童・北米ツアーメンバーは今ここ!
アメリカ、インディアナ州 カラメル

2019.03.01(金) アメリカ、インディアナ州 カラメル The Palladium

「鼓童ワン・アース・ツアー2019〜Evolution」北米ツアー(Kodo One Earth Tour 2019 Evolution)


太鼓を通じた交歓/川村真悟

世間はゴールデンウィーク真っ只中。鼓童村稽古場では新作舞台『幽玄』の幕開けに向けて、熱のこもった稽古が続いております。そんな鼓童村に、九州は大分県からはるばる長谷川義さん、長谷川準さん、小出翔五さんの3名がいらして下さいました。

長谷川さんが主宰している豊の国ゆふいん源流太鼓さんと鼓童とのご縁は、記憶に新しいもので昨年1月の大分市での共演がありました。(https://www.kodo.or.jp/news/20160129premiumconcert_ja.html

他にも、伊勢市で毎年行われる日本太鼓祭など、様々な太鼓演奏シーンでご一緒しております。

それぞれ太鼓に命を懸けてきた日々が今日まで続いて、お互いを刺激し合い成長させていくようなエネルギーのぶつかり合いの延長線上に、こうして仲間として認め合える関係性が存在しています。
多くを語り合わずとも、互いに心が通じ合っている大先輩たちの語り合う場は大いに盛り上がりました!

長谷川さんたちは二日間の滞在でしたが、新作舞台幽玄の稽古をご覧頂いたり鼓童佐渡宿根木公演をご覧頂いたりと、鼓童での滞在を存分に味わって頂きました。また、それぞれの若手メンバー同士の稽古時間もあり、そこには玉三郎さんにも立ち会って頂いて、お互いにとって興味深く掛け替えのない時間になったのではないでしょうか。こうしたきっかけを元に太鼓を通じた交歓がこの先も続いていって欲しいです。

和太鼓を通じてこの先出会える様々な人、場所、時間、現象…。

これらと真剣に向かい合う事の価値は、昔も未来も変わらないと思います。

時代は大きく変わり鼓童の先輩方が体験された苦労のほとんどが、今となっては既に味わえない時代なのかもしれませんが、太鼓を打つ心意気だけはこの先も誇れる鼓童で在り続けたいと願ってやみません。長谷川さんとお話ししながらそんな事を考えておりました。

濃密で刺激的な二日間を本当にありがとうございました。