調律/大塚勇渡

調律

自分にとっては初上陸の上海の地、
野外公演初日は強い雨が降っていました。

太鼓が濡れないよう気を配りながらのチューニング。

Photo: Yuta Sumiyoshi

(太鼓の縄の締め具合を)上げても上げても
更に湿度を吸い、音程が下がるので
出る直前まで調整が必要でした。

Photo: Yasuhiko Ishihara

Photo: Leo Ikenaga

足元も水で濡れ、
その湿度は舞台上でも音程が
下がっていくのが分かるほどでした。

野外で演奏する事に加えて
打ち応えが違う分、
アプローチを変えていく必要があり、
これまで何度も繰り返してきた
この作品ですが、初めての感覚でした。

初めての土地であることに加え
この天候の事もあり、
心配な気持ちもありましたが、
悪天候の中
最後まで観て頂いた
お客さんのストレートな反応、
そして現地の方を含めた親切な
裏方スタッフの皆さんの尽力によって
救われました。

こうして振り返ると
当たり前な事は何一つなく、
沢山の人と物の思いが結集して
公演が成り立つという事を
改めて実感し、
体感する事が出来ました。

現地スタッフの皆さん。開演前に1000席ほどの椅子をひとつひとつ拭いてくださっていました。

今この場がある事に感謝です。

そして関わって頂く方々、
ツアーを一緒に回る太鼓にも感謝です。

2日目にはその思いも相まって、
今できる全てを出し切ろうという
気持ちで太鼓に向かいました。

その時お客さんと感じた一体感は、
個人個人という点の繋がりを超えて
人間としての
面の繋がりを感じるものでした。

舞台で最後に残るもの。
そしてそこに自分の思いはあるのかどうか。

表現者として今後歩んでいく上でも、
貴重な経験だと思える2日間でした。

Photo: Yasuhiko Ishihara

気候も生活も仕事も食文化も
日本と異なる側面は沢山ありますが、
舞台を通して
共通する感覚を味わう事が
出来た事は嬉しかったです。

Photo: Yuta Sumiyoshi

Photo: Yasuhiko Ishihara

これからも一つ一つの事に丁寧に
向き合っていこうと思います。

Photo: Akiko Umegaki

上海の野外公演、細やかで力強いサポートをしてくださった中国のスタッフの皆さんと

2019年7月鼓童ワン・アース・ツアー2019〜螺旋(中国)

スケジュール

初ツアー/前濱純

初ツアー

Photo: Yasuhiko Ishihara

皆さん、初めまして。準メンバーの前濱 純まえはま すなおです。私にとって中国「螺旋(Evolution )」は初ツアーになります。

Photo: Yasuhiko Ishihara

佐渡・研修所上空を飛行機で通過

準メンバーになって1週間経たないうちに今年の自分のつく舞台が発表されました。私の立つ初めてのワールドツアーがこの中国での「螺旋」でした。そして出演演目が『明けの明星』です。

Photo: Yasuhiko Ishihara

『明けの明星』リハーサル

準メンバーは一人一人課題が出されます。私はそこに女性らしさと書かれていました。『明けの明星』は女性が活躍する演目で女性らしさが必要なんだと先輩から教えて頂きました。

太鼓を担いで動く分、軸が安定しないと綺麗には見えない。太鼓の音の強弱と身体の動きを合わせる。繊細に。足は開かない等、色々な事を先輩に教えて頂きながらツアーを迎えました。

Photo: Akiko Umegaki

リハーサルの様子

初日の公演、すごく緊張しましたが自分のやってきたことは出し切ったと思っています。

Photo: Akiko Umegaki

上海公演初日

私が日々感じている事は、先輩達と一緒に音を出していく中で、自分の伝えたい思いが音になって人の身体や心に響いているとはこういうことなんだということをまだ2公演ですが先輩達と一緒に演奏していく中で感じることが多々あります。

まだまだ未熟者ですが先輩達に必死に食らいついて、残りの広州、北京公演でも頑張っていきます。

Photo: Yasuhiko Ishihara

2019年7月鼓童ワン・アース・ツアー2019〜螺旋(中国)

スケジュール

北京大学訪日研修/宮﨑正美

 

国際交流基金からのご紹介で、「北京大学現代日本研究センター訪日研修団」の方々がたたこう館にいらっしゃいました。

北京大学現代日本研究センター博士課程 第14期生20名のみなさんです。

 

 

せっかくの機会ということで、鼓童研修生2年生も交流をさせていただきました。

研修生も各自、自分の名前だけは中国語で覚えて言えるように、来館直前まで練習して臨みました。

 

いよいよたたこう館へ来館。

皆さんにこやかで、こちらのたどたどしい「ニーメンハオ!」という挨拶に笑顔で答えてくださいました。

研修生の自己紹介では、名前を漢字で書いた紙を手に、中国語で自分の名前を言うと、ひとりひとりに大きな歓声と拍手。

発音に苦戦していた研修生もホッとした表情。

 

 

北京大学の学生と鼓童研修生で輪を作り、みんなで叩く最初の一発はとても勢いのある音でした。

ワクワクしている様子がうかがえます。

太鼓を叩いた後の響きを聴くように伝え、もう一度叩くと、とても集中して耳を澄ませています。

その後も、終始楽しく太鼓体験を行いました。

 

 


やまいもくん、ぶたばなちゃんにも触れてもらい、太鼓体験の最後は、研修生による屋台囃子。スタンディングオベーションで、みな大興奮に終わりました。

 

 

その後、続けて鼓童文化財団専務理事菅野より鼓童の歴史について、財団の取り組みについて、など講義の時間を設けました。

終了後、質疑応答では、時間いっぱいまで、積極的に手があがり、日本の文化や太鼓の歴史について、とても貪欲に質問されていました。

 

お礼に、と北京大学のグッズをいただきました。

品格ある木製のしおりでした。

 

謝謝!

 

 

太鼓でお見送りのあと、研修生みんなの大きな声「再見!」…届きましたでしょうか。

 

7月には「鼓童ワン・アース・ツアー2019~螺旋 中国ツアー」があります。

ワン・アース・ツアーとしては19年ぶりの中国本土へ。

北京での鼓童公演にもぜひ、足を運んでくださいますように。

 

 

2019年7月鼓童ワン・アース・ツアー2019〜螺旋(中国)