[研修生]能の稽古(12月3〜4日)/本間康子
1年生の秋から、「能」の稽古が始まっています。12月には宝生流能楽師シテ方の朝倉大輔先生をお迎えし、深浦学舎で1泊2日の合宿稽古を行いました。
朝倉先生はまだ20代。家元の書生として能楽堂に住み込むかたわら、公演やワークショップで各地を飛び回り、家元の海外公演にも同行するなど、多忙な日々を過ごしておられる若手能楽師です。
お話を伺いながら、ある意味では研修生より過酷な環境にいらっしゃると感じることも多々あります。
演目は、3年連続で「鞍馬天狗」に取り組んでいます。
牛若丸に兵法を授ける天狗の話で、大きな声で元気よく謡い、舞の型も多く動きの激しい、若い人達にぴったりの能です。
朝倉先生には冬と春に指導に来ていただき、その間を地元の先生にみていただきながら、2年生の7月まで稽古が続きます。
謡と舞を習うこと、そして着物や袴の着方や、所作を学ぶことによって、研修生の姿が変わってくるように感じています。
「初舞台は鞍馬天狗の稚児の役だった」と朝倉先生。
物心ついた頃から子方として能に出演し、好き嫌いではなく、能のない人生というものが想像できなかったという朝倉先生。
研修生と年齢の近い先生が、「能」という奥深い世界を、彼らに少し身近なものに引き寄せてくださった2日間でした。