蝶の灯火/中込健太

蝶の灯火

中込健太

鼓童35周年の際に【浮島神楽】というオーケストラとの音楽を作曲していただいた作曲家の伊左治直さんからお声がけいただき、この度、佐渡の民話を題材にした、音と映像の作品の制作に参加させていただきました。

この作品は
【爪の沢の蝶ねえ】というお話を題材にしています。

今年は沢山の公演が中止となり
なかなか悶々とした日々をおくっていたのですが
伊左治さんからお声がけいただき
思いがけず自分の音と向き合う時間となりました。

私が制作した楽器ひとつひとつに
音楽を作っていただき、
伊左治さんから送られてきた
譜面から一音一音を紡いでいくと
そこからイメージが
喚起されていく過程はとても刺激的でした。

伊左治さんは作曲の際に物語をとても大事にされているそうです。

僕も言葉から刺激を受けることが多いのでとても共感いたしました。

今回は
新美桂子さんの言葉、詩、テキストにかなり触発されながら音を、出しました。

この作品には世界的に活躍されている女優の梶芽衣子さんが
朗読で参加されています。

梶さんの危険な香り漂う妖しい声の響き
は音楽のひとつとして聴こえてきます。

梶さんの声色には
人の奥底から響いてくるような
響きが聴こえてくる気がして
第一声を聴いた瞬間に、
そこから世界が始まるような感動がありました。

一音の響きから想像力が飛躍する面白さを感じることのできた、とても貴重な体験でした。

沢山の方々にこの作品を楽しんで頂けたら嬉しいです。

▼合わせてご覧ください▼梶芽衣子ぶっち斬りトーク(和太鼓奏者・中込健太(鼓童)を迎えて)