鼓童へのご支援をお願いいたします(2020年7月1日)/太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

早いもので7月となり、2020年も半分が過ぎました。

新型コロナウイルス感染症が社会全体に及ぼしている影響は、私たちにとっても欧州ツアーの中断、準備してきた多くの公演中止など、経験したことのない状況となりました。秋から予定している国内ツアー、2021年初めの北米ツアーもさらに影響を受ける可能性があります。このように不安な日々は続いておりますが、太鼓の力を信じ、メンバーそれぞれが前向きに様々なことに取り組み、グループ一丸となり活動継続に向け頑張っております。

私たちは、6月より徐々に稽古を再開し、感染予防対策をとりながら、秋から始まる交流学校公演や創立40周年記念企画第一弾「鼓」ツアー、そして新たな取り組みとなる配信によるアース・セレブレーションに向けた準備を進めております。

4月からの緊急支援の呼びかけに際して、多くの方々、地域よりご支援そして応援のお言葉を賜り、心より感謝申し上げます。この先の活動に向けた活力を頂き、再び多くの皆様の前で心に響く演奏をできるよう、我々の大切な拠点佐渡にて力を蓄えて参ります。

さて、私自身のことで言えば鼓童に入団以来、これほど長く佐渡から出ない期間を過ごすのは、初めての経験です。そのような中、昨年より、脚本家、演出家の倉本聰先生と佐渡や富良野にてお会いする機会を得ました。先生のルーツが佐渡にあり、お墓参りの際に鼓童村や研修所を訪問され、その後北海道での公演もご覧いただき、あっという間にこの春、富良野、東京にて上演される舞台『屋根2020』に参加する運びとなりました。先生は富良野を拠点に、40年にわたり私塾富良野塾を主宰され、(現在は富良野グループとなっております)創作を続けております。残念ながら今回の作品は、この社会状況により、お客様の前でお披露目することは叶いませんでしたが、鼓童の音が作品の世界に融合し、演劇と鼓童の新たな可能性を感じる作品にして頂きました。「鼓童とまたやりたいんだ。嘆いてもしょうがない、頑張ろう!そして次はさ…』とその創作に対する溢れる思いを感じさせていただきました。

また先日、新潟市を拠点に2005年から日本初の公共劇場専属舞踊団「Noism」を率いる金森穣さんと対談する機会も得ました。志、技術、作品の質、全てにおいて高いものを持つプロフェッショナルなカンパニーが、私たちと同じ新潟県内に存在することは、とても心強い思いです。2006年に鼓童村に来村されて以来の再会は、オンラインにて短い時間の対談ではありましたが、舞台芸術に対する熱い想いを感じることができました。そして「一緒に作品を作りましょう」とのお言葉を頂き、画面越しながら固い握手をし、またの再会を約束しました。

地方を拠点に創作活動を続けているお二方との出会いに、未来に向けて明るい兆しを感じ、鼓童と創作をしたいという言葉に勇気づけられました。この先の状況はまだまだ厳しいものではありますが、鼓童の先達が積み重ねてきたものをしっかりと次世代に残し、鼓童の音を皆様の元へ届け続けて参ります。

引き続き、皆さまのご支援、ご協力をお願い申し上げる次第です。

2020年7月1日
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

中止・延期となった公演、事業等(2020年4月13日現在)

【海外公演】
  • 3月 ヨーロッパ『Legacy』ツアー:イタリア、ポーランド、ドイツ 10公演
【国内の公演・イベント・ワークショップ等】
  • 3月「出張!たたこう館」(新潟県内)
  • 5月『鼓童佐渡宿根木公演』(佐渡・宿根木での連続公演)
  • 5月〜9月〈NOVA〉(国内9都市)
  • 交流公演、各種イベント出演
  • 県内外で予定されていた交流学校公演
  • エクサドン体験および合宿企画(埼玉県内等)
【佐渡島内】
  • 3〜7月 たたこう館での太鼓体験(国内外からの団体・個人、GW特別企画、修学旅行など)
  • 3〜7月 深浦学舎での海外からの長期滞在・合宿(フランス、アメリカ)
  • 4〜9月 海外からのクルーズ船佐渡寄港に伴う鼓童公演およびワークショップ
  • 4〜9月 エクサドン体験および合宿企画