「道」ブログリレー09: 大太鼓/中込健太

大太鼓

Photo: Takashi Okamoto

2016年だったか、2回目の道のツアーのあとだったと思う。

浅野太鼓の専務さんが佐渡に、台の修理に来られてた時に
大太鼓の張りの状態を、一人でチェックしているところに偶然居合わせました。

指で革のぎりぎり淵のほうを小さく叩いて響きをじっと聞いている姿が印象に残っています。

これは、鼓童に、最初に自分が手掛けた大太鼓だ。と教えてくれました。

大太鼓を、まるで自分の子の様に気にして愛情をかけておられるような、ずっと何十年前の仕事を、今も気に留めておられるのを目の当たりにした時、ああ、職人さんの仕事は一生、残る仕事なんだなあ…と改めて気づきました。

一生どころか、この太鼓は、世代を超えて何百年も、残っていく、ものなんだろうなと気づきました。

Photo: Takashi Okamoto

木のいのち。

この太鼓は太鼓になるまでにも何百年もの時を過ごし、太鼓になってきたんだなーと、
そして、今偶然、自分がこの大太鼓に出会って、なんでか、はだかになって、沢山の人前にでて、さらされ、叩いているという不思議。

その瞬間、気の遠くなるような時間の流れを一気に感じ、なにかはっと目が覚めるような思いがしました。

Photo: Takashi Okamoto

なんか、自分がちっちゃいなー!と思い、フレーズとか構成とか、自分なりの大太鼓とか考えて、ごちゃごちゃ悩んでいたのがアホらしいな!と思えてきたのを今も鮮明に覚えています。

とにかく、無目的に、自分の行いそのものになるまで叩き続けろと太鼓に言われた様な気がしました。

歴代の大太鼓打ちが叩き込んできたこの大太鼓。その恩恵をうけながら。

Photo: Erika Ueda

先人たちたちが作り上げてきた音、

職人さん達の力

大木と、革になった牛。

と、自分の身体ひとつ。

一音に導かれながら

毎日が、道の途中です。

一歩一歩、一打一打、

とにかく、進んでいくしかない。と、

腹を決めて

面白がって叩いています。

その日、その場所でしか感じられない何かを
ぜひ劇場で味わっていただけたら
嬉しいです。

Photo: Takashi Okamoto

中込健太

次回の道ブログリレーは
「初ツアー/新山萌」
お楽しみに!

Photo: Takashi Okamoto

 

公演詳細:

https://www.kodo.or.jp/performance/performance_kodo/16691

6月以降のスケジュール

待望の新作DVD発売中!

Photo: Erika Ueda

この日を楽しみにしてくださっていた方も、「え‼そうなの!?知らなかった!」という方も、ぜひ1枚。見応えある94分、ノーカットライブ収録です。

発売日:2019年5月24日(金)
価格:4,860円(税込)

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http://store.kodo.or.jp/?pid=141745460

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