10月17日「祭音〜MATSURINE 2021〜」に向けて/住吉佑太

太鼓というのは、打てば響く、シンプルな楽器です。

だからこそ、表現の幅は無限大ですし、その全てを受け止めてくれる楽器でもあります。音楽としての太鼓を考えるとき、「太鼓じゃないといけない理由」を、よく考えます。

太鼓のもつ歴史的背景が、インスピレーションのきっかけになることもあれば、もっとフラットに、楽器としての特徴を活かした音作りを目指すこともあります。

様々な太鼓の可能性を模索していく中で、やはり西洋的な音楽観だけでは、測り切れないものがあると強く感じています。

音楽性というものを超えて伝わってくる、音以外のバイブレーション。
太鼓を一打鳴らす。

たったそれだけの行為から、打ち手の全てが立ち上ってくるような。今回の祭音公演では、私が演出・構成を担当させていただきます。

まだ私が入団1年目の頃、2回目の開催となる祭音に初めて参加しました。

同志会の皆さんの一打の重み。

あの衝撃は、いつ見てもハッとさせられるものがあります。

この夏には、見留知弘鼓童在籍30年記念公演「軌跡」でも共演させていただきました。「三宅」を通して、同志会の皆さんと鼓童が共演する舞台、祭音。

今回は、いつもとはまた違った角度から、両者がクロスオーバーするシーンも作れたらと思っています。同志会、鼓童という肩書き以前に、一人の打ち手として、表現者としてお互いが太鼓に向き合い続けてきた中から、湧き出てくるものを詰め込みます。

一夜限りの魂の舞台、お見逃しなく!!

2021年10月17日(日)鼓童出演「霧島市民会館自主文化事業『祭音〜MATSURINE 2021〜』」(鹿児島県霧島市)