2025年、新年あけましておめでとうございます。

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

まず、昨年元日の能登半島地震から一年、今なお大変な状況におかれている皆様に心からお見舞い申し上げます。

昨年も私たちは国内、海外、佐渡島内において多彩な公演を行うことができました。その中でも夏のアース・セレブレーションのコンサートゲストに東アフリカのウガンダからNAKIBEMBE EMBAIRE GROUPを、年末には韓国太鼓奏者チェ・ジェチョル氏をツアーゲストにお迎えしました。改めて、旅をして、客人を招き、人が集まり、共に食べ、共に音を奏でるといった、人間にとって大切なことを身体が喜んでいるという実感をもって教えてもらえた一年となりました。

また、ここ数年、鼓童は個人での活動も徐々に増え、個々の表現の幅を広げています。演劇や舞踊、スポーツなどジャンルを超えた方々との交わりは、刺激的で多くの学びを得ます。同時に不安や怖れ、時として摩擦が生じることもあります。しかし、自分の属するコミュニティではない場に一人で身を置くことは、自らの力量、現在地を知る時間となります。そして太鼓や音楽を介した共感は、ジャンルや境界の壁を軽々と超えるものだと体感します。その経験はグループに奥行きをもたらし、鼓童を身体に例えるならば、その足腰を強くしていると感じます。

2025年、私たちは1月中旬からの北米ツアーを皮切りに皆様のもとへと生の音を届けて参ります。近年は佐渡島での演奏機会も増えております。鼓童の音が育まれているこの島の営みと文化を肌で感じていただけたら幸いです。

本年も皆様にとって喜び溢れる年となりますよう祈念し、太鼓の響きが活力の一助となりますよう一同精進して参ります。

引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

2025年元旦
太鼓芸能集団 鼓童
代表 船橋裕一郎