静岡県文化プログラム「ふじのくに伝統芸能フェスティバル」/住吉佑太
「静岡県文化プログラム ふじのくに伝統芸能フェスティバル」に参加してきました。解説や実演を交えながら、静岡県の伝統芸能、郷土芸能を中心に、様々な芸能を紹介していくこちらのプログラム。「継承」をテーマに、100年後の芸能について考える、そんなきっかけ作りの場でもありました。
その一環として、静岡県立駿河総合高校の和太鼓部の皆さんと、我々鼓童が共演する運びとなりました。
ただただ共演するのではなく、駿河総合高校の皆さんのために、私が曲を書かせていただきました。
共に一から楽曲を作り、稽古ややりとりを重ねながら、太鼓や舞台芸能と向き合うことの大変さや奥深さ、そしてその楽しさについて、一緒に太鼓を叩きながら伝えていきました。
「燎」という曲名も、生徒のみんなが考えてくれました。
初回、2回目、そして直前のリハーサルと、稽古を重ねる度に、どんどん成長していくみんなの吸収力には驚かされました。顧問の杉本先生も、生徒たちの自主性を尊重しながら、「やりたい」という自発的な気持ちを引き出していて、生徒たち一人一人に慕われていることが、端から見ても分かりました。
何よりこのイベント全体が、真剣に子どもたちの芸能に対する気持ちを後押ししていることが、端々から伝わってきました。
終演後、私たちのためのタクシーをお待たせしているという状況の中、生徒たちの質問や、サインに受け応えする時間がありました。言うまでもなく、その時間が長引けば長引くほど、タクシー料金が上がっていってしまうわけですが…その場にいた関係者誰一人として、生徒たちを急かすようなことはなく、むしろ笑顔でその様子を噛み締めるように見つめていたあの空気感。
私はあの空気感が、このイベントの気持ち良さの全てであると、改めて感じました。
自分たちも勉強になることがたくさんありました。本当にありがとうございました。
これからも「燎」の火が受け継がれ
そしてまた、皆さんと再会できる日を楽しみにしています。