秩父夜祭り見学/草洋介
秩父夜祭りのお囃子は私たちの演目の「屋台囃子」の元になったものです。山車や笠鉾の中で演奏されるので、狭い場所でも打てるように太鼓を足で抱えて打つスタイルが特徴的です。
、、と研修所では教わるのですが、鼓童の舞台では太鼓を全身を使って演奏するのでなかなか「山車の中(狭い場所)で演奏している」というイメージがつきにくかったりします。
ということで、佐渡にいるメンバー数人で計画を立てて夜祭りの見学に行くことにしました。
交代で車を運転しながらたどり着いた秩父の街は祭りの雰囲気一色となっており、人の熱気で溢れかえっていました。
遠くからうっすらと聞こえる太鼓の音、時折あがる人の歓声。歩いて秩父神社へと向かう道中は本当にワクワクしました。
そんな中、突然目に飛び込んできた山車。
集まった数千の人の波に浮かぶ船のようにも見え、囃子の手の一つ「大波」と呼ばれる太鼓の連打はこの大きな船が悠々と海を進んでいくイメージなのかもしれないと思いました。
すっかり祭りの雰囲気に酔いながら御旅所(巡行の終着地)に着いた時、六台の山車と笠鉾が既に集まっていました。
そこでは一旦囃子の音は止めるので静かだったのですが、その時改めて祭りのために1日中太鼓や笛や鉦を演奏し続けた打ち手の存在を感じました。
決して表には現れず、黙々と自分のやるべきことをやって祭りを支えていたのだと思うと感動して涙が出そうになりました。
本当に見に来て良かった、、。
帰り道、明日もまた自分のやるべきことに向き合って頑張ろうと思いました。