鼓童文化財団研修所|2026年度研修生の募集休止と、未来に向けた改革について
鼓童代表、鼓童文化財団理事、
鼓童文化財団研修所所長 船橋裕一郎
日頃より鼓童グループへのご支援を賜り、深く感謝申し上げます。
本年4月1日より、鼓童代表、鼓童文化財団理事とともに、研修所の所長を兼務することとなりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
募集の休止について
鼓童では1985年より鼓童の舞台を目指し、夢に向かう若者を研修生として受け入れ、育成してまいりました。今年で研修制度を開始して40周年、1996年に柿野浦集落にある旧岩首中学校の校舎跡をお借りしてから約30年間となります。

1997年、鼓童文化財団設立記念式典(柿野浦研修所稽古場にて)撮影:坂口正光
私たちは文化と自然豊かな佐渡島で、規律正しい共同生活の中で仲間たちと育まれる時間が、これからの社会において一層価値のあるものになるであろうと考えています。
例年6月には、翌年度の研修生の募集要項を発表するのを通例としておりますが、今後も継続して、より充実した環境のもとで研修生を受け入れるため、今年は2026年度の研修生募集を行わないことといたしました。
40年間継続してきたことを中断するのは簡単ではありませんが、築70年を超える施設の老朽化や、年々過酷となる気温の上昇等への対応が必要となってまいりました。長年にわたり支えられてきたこの場をこれからも続けていくためには、今、立ち止まって見直すことが必要だと判断いたしました。
研修カリキュラムの見直しや、施設や楽器の整備・修繕等を行い、これまで以上に研修の環境を充実させていきたいと考えております。
皆様からのご理解とご協力をいただければ幸いです。

2025年3月、在島メンバーとスタッフ、研修生も参加して、研修所の床を修繕しました。
未来に向けた改革、ならびにご支援のお願い
2026年の研修生は2年生(現1年生)のみとなります。彼らとも相談しながら、カリキュラムの整備を行い、2027年度の募集再開に向けて取り組む一年といたします。
佐渡で暮らし、多くの出会いの中で学び、豊かな自然の中で創造性を育む研修生の「自らを耕す」経験は、鼓童の舞台表現という「花」を咲かせるために欠かすことのできないものです。
1997年に鼓童文化財団設立を機に2年制として以来、近隣の集落の皆様や佐渡の島内外よりお招きする講師の皆様とともに練り上げてきたカリキュラムは本当に多彩で、どれも大切ですが、限られた研修期間の中で学ぶには時間が足りないという状況も生まれております。
現在、前所長 石原泰彦からの引き継ぎをはじめ、集落の皆様や島内の講師の皆様など身近な方々へのご相談を始めております。その中で鼓童や研修所に対する思い、ご意見、ご期待などを伺い、改めて研修所の持つ価値を再認識しているところです。
研修所のカリキュラムは、鼓童の舞台における太鼓演奏の技術力や表現力に留まらず、体力、気力、感性、教養、礼儀を持ちうる人としての土台を身につけるものとして、これまでも多くの人材を輩出してまいりました。
たとえば、地元に戻って太鼓グループを立ち上げたり、ソロの太鼓奏者・指導者や、篠笛・和楽器奏者などの進路は想像しやすいと思いますが、研修所での経験をきっかけとして、郷土芸能の担い手、劇場や舞台のスタッフ、食文化や農林業、サービス業に携わる者など、多くの修了生が各地で活躍しております。
研修生の様子や、改革への取り組み等につきましては、できる限り皆様にお伝えしていけるよう努めてまいります。
鼓童のメンバー・スタッフはもとより、佐渡、日本、そして世界各地で活躍する人材を育む場として、鼓童研修所の改革にご注目いただき、皆様からの格段のご協力とご支援をいただけますようお願い申し上げます。
[計画案]
2025年 | カリキュラム見直し開始 |
2026年 | カリキュラム整備、施設修繕等/2027年度研修生募集再開 |
2027年 | 新制度スタート |
研修所のこれまで
[1985年〜2025年(40年間)]
[1997年〜2024年(27年間)]
[2025年4月現在、鼓童に在籍する研修所出身者]
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