鼓童ブログ Kodo Blog

代表メッセージ

東日本大震災から6年/船橋裕一郎


東日本大震災から6年

東日本大震災の発生から、6年の月日が経ちました。犠牲になられた方々に改めて哀悼の意を表します。また、今なお大変な思いをされている被災者の皆様には、心からお見舞申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

私達、芸能を生業にする者にとって、東日本大震災は、改めて自分達自身を問い直す機会でもありました。

鼓童はこのような時、一体なにができうるのか…。

鼓童グループのメンバーはそれぞれに悩み、話し合いを重ねました。結果、公演を観て頂いた方々に元気を届けること、被災地での芸能復興を支援すること、また鼓童のネットワークを通じて日本や世界の方々にメッセージを伝えることを主軸としたハートビート・プロジェクトというものをたちあげました。

我々にできることは微々たることではありますが、継続こそ力と信じています。

ハートビート・プロジェクトは、芸能の持つ力を通して、東日本大震災からの復興を応援する活動ですが、その後も各地で大きな震災が起こる状況のなか、これまで培ってきたネットワークを使い、更なる広がりを持たせていく必要も感じております。

我々の音や活動が皆様のエネルギーとなるよう、日々精進を重ねてまいります。

また、この活動を支えてくれていた、というよりも一番中心となって動き、思いも人一倍だった、財団スタッフの千田倫子が3月一杯でグループを離れますが、(私自身が研修生だった頃から、研修所担当としても温かく厳しく指導して頂いた存在でもあります。)千田の思いをしっかりと受けとめてまいりたいと思います。

鼓童代表 船橋裕一郎

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ハートビート・プロジェクト Heartbeat Project

http://www.kodo.or.jp/heartbeatproject/index_ja.html


Heartbeat Project Logo Design: Haruna Kino

鼓童は芸能の持つ力を信じ、東日本大震災からの復興を応援する「ハートビート・プロジェクト」を行っています。公演を観て頂いた方々に元気を届けること、被災地での芸能復興を支援すること、また鼓童のネットワークを通じて日本や世界の方々にメッセージを伝えることを続けてまいります。

鼓童


年の瀬に…/船橋裕一郎


年の瀬に…

Photo: Erika Ueda

いかがお過ごしでしょうか? 今年も残すところ、ひと月余りとなりました。皆様におかれましては、どのような一年でしたでしょうか。私自身は、創立35周年という節目の年に代表に就任し、就任の挨拶文を先日書いたのでは…と思うほど、あっという間の一年でした。おかげさまで鼓童は、諸先輩や多くの先達の助けを得て、本年も広範な地域に赴き、多彩な活動を行うことができました。改めて感謝申し上げます。

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「ワン・アース・ツアー〜螺旋」も佐渡での新作稽古期間をはさみ、後半がスタートしました。サントリーホールでの初演から約3ヶ月、内容も洗練され、一部のキャスト交代を行いながら、更に充実した舞台になるよう、頑張っております。是非、会場に足を運んで頂き、太鼓の音色を肌で感じ、来る年への活力として頂けたら幸いです。

Photo: Takashi Okamoto

さて、時節柄、部屋やパソコンなど色々と整理整頓をしていた折、今年のはじめに読んだエッセイを抜き書きしたメモを見つけました。

『成長するものは変化する。そして以前より複雑になる。考え方もふるまい方も、より複雑で、重層的で、こまやかで厚みのあるものになる。』

という哲学研究者で武道家でもある内田樹氏の言葉でした。それは日本への憂いからきた言葉でした。日本は逆行していると… 急激な成長や変化には畏れや歪みを伴います。それは国内外の政治や経済状況にも顕著に反映されています。

Photo: Takashi Okamoto

ただ、本年「混沌」や「螺旋」というツアーに参加した私にとって、この言葉は、鼓童が成長し続けようとしているグループだという実感を得る言葉となりました。成長過程ゆえの未熟さはまだまだありますが、坂東玉三郎さんから鼓童に対する未来への使命を与えて頂いた作品だと感じるとともに、お客様にはより一層楽しんで頂ける舞台、音を届けていけるよう最善を尽くしていこうと思いました。

Photo: Takashi Okamoto

11月鼓童村・幽玄稽古風景

来年は「打男」北米ツアー初音ミクとの共演「道」の再演から始まり、春になりますと玉三郎さんとの共演二作目となる「幽玄」など上半期だけでも多彩な活動を予定しております。

来年もまた良い年になりますよう、そして鼓童の音が皆様にとって心の潤い、活力源となれるよう、グループ一同、精進してまいります。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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【新作】坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」上演決定!!
http://www.kodo.or.jp/blog/news/20161201_11506.html

「アマテラス」に続く待望の共演第二弾!

2017年5月16日(火)より…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年11月30日

【鼓童村より】交流公演メンバー、いってらっしゃい!

先ほど交流公演メンバー、元気に旅立っていきました。12月新潟、愛知、千葉、東京で学校公演や特別出演、WSなどを行います。
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2016年12月11日(日)鼓童特別編成で出演「大叢…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日

【米・Forbesに掲載】鼓童の記事が「Forbes」に掲載されました!

【Forbes】Kodo, Japanese Taiko Drumming Company, To Tour Across United States In…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日

【WEB掲載】「カジスマ」に鼓童「螺旋」の紹介記事が掲載されました。坂本からの一言メッセージもあります。ぜひご覧ください!

カジスマ|たまった1年のモヤモヤもスッキリ!…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日


旅の中で/船橋裕一郎


旅の中で

Photo: Atsushi Sugano

ベトナムにて

いかがお過ごしでしょうか? 今年はベトナム、ブラジル、韓国、昨年は香港やシンガポール、インドネシア、ロシア極東など近年、欧州や北米以外の国や地域に訪問する機会が増えてまいりました。

Photo: Takuro Susaki

ブラジルでのDADAN野外公演

私は、オリンピック直前のブラジル、現在我が国とは微妙な距離感にある韓国、経済成長著しく、高度経済成長期の日本と似ていると言われるベトナムの3ケ国を訪れました。

Photo: Yui Kawamoto

韓国「日韓交流おまつり」にて

それぞれの公演に至る過程は、北米や欧州とはくらべものにならないほど大変ではありましたが、その濃密な時間は、様々な地に赴き、直接触れ、感じることのできた貴重な体験でした。なにより人間同士が、お互いを受容し分かり合おうとする芸能や音楽の力を改めて感じることができました。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

ベトナムにて

さて、私は旅の最中は、佐渡にいるときよりも本や活字に触れる時間が、格段に多くなります。メンバーのなかにも本好きがいますので、移動中などは読書をする光景を目にします。(音楽を聴いたり、バチをパタパタとしたり、公演のビデオを観たり、様々ではありますが…。)子供の頃からの習慣からか、新聞は毎日目を通したくなります。

Photo: Atsushi Sugano

旅の間は、その地の新聞を読むようにしたり、訪れた地に関連するものなどを読んでみるのも、旅を楽しく過ごす要素になります。今年はブラジルやベトナムに行きましたので、定番ではありますが、沢木耕太郎や開高健など旅の紀行文を読んで、『お? ここはもしやあの場面の?』などと想像を膨らませます。時間があれば本屋に行くことも良いリフレッシュになります。瞬く間に我が家の本棚が足りなくなる状況には甚だ閉口いたしますが、好きなモノを買うということは、自分への小さな投資であり、心を豊かにしていると自分に言い聞かせています。同時にそれに携わる全ての方々への感謝も生まれてきます。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

2016年も残すところあと2ヶ月ですが、鼓童の旅はまだまだ続きます。旅で持ち得たものを佐渡に持ち帰りまた旅にでます。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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実りの秋/船橋裕一郎


実りの秋

Photo: Taro Nishita
いかがお過ごしでしょうか? 佐渡の田んぼも稲刈りがほぼ終わり、はざに稲が干されております。まもなくすると新米を食べることができますが、自分の住まいとする地のお米を食せることは、とても贅沢なことであり、なによりも佐渡のお米は本当に美味しいのです!

Photo: Takashi Okamoto

さて、螺旋ツアー班、交流公演班はツアー真只中でございます。各地での熱演をどうぞ会場にて体感していただければと思います。若いメンバーの多い両ツアーですが、日々舞台を良くしようと頑張っている姿がとてもまぶしく、さらに逞しくなって佐渡に戻ってきてくれることと思っております。

Photo: Yui Kawamoto

そのような中、私は佐渡と各地を行ったり来たりしております。先日、小編成にて鼓童としては16年振りの韓国に行ってまいりました。2泊3日という強行スケジュールではありましたが、「日韓交流おまつり」というイベントで金徳洙さんやサムルノリの皆様との久々の再会と共演をしました。日韓から多くのアーティストが参加され多くの刺激を受けたとともに、最後は会場全体がひとつとなり大変に盛り上がりました。

Photo: Yui Kawamoto

また、この後には鼓童49カ国目となるベトナムでの公演も予定されています。この夏、ECにて共演したベトナムのバックハー、2月に訪問した際にお会いした皆様との再会と共演、現地でのミュージックフェスティバルへの参加も予定されております。

Photo: Takashi Okamoto

昨年のEC後にインドネシア、バリ島に訪問したように、出会った方々の本拠地を訪ねることはお互いの歴史や背景を深く知ることができ、相互理解をさらに深めることができます。数年後のECでは数カ国からのゲストをお呼びできるかもしれません。

昨年の香港、今年始めのブラジルなど、近年、欧州や北米以外の国や地域にでかける機会が増えております。鼓童の活動範囲や内容がさらに広がりをもち、個人やグループの幅や奥行きにつながってさらに面白い音楽や表現が生まれてくればと思います。

Photo: Takashi Okamoto
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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夏の終わりに…/船橋裕一郎


夏の終わりに…

Photo: Maiko Miyagawa

本拠地、小木の港祭りも終わり、夏も終わりを告げようとしています。

Photo: Takashi Okamoto
この8月、私達は二つの大きな挑戦をやり遂げることができました。35周年記念コンサートでは、玉三郎さんのもと『出逢い』『螺旋』『飛翔』と3日間で全く異なるプログラムに挑み、素晴らしい音響のサントリーホールに、身体の躍動とともに繊細にして大胆、多彩な太鼓の音が響きわたりました。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

これまでの鼓童35年の歴史、そして深い愛情を注ぎ続けてくださる玉三郎さんとの16年に及ぶ歩みとの融合となり、次の一歩を踏み出すにふさわしい公演でした。

Photo: Maiko Miyagawa
そして新たな試みによるアース・セレブレーションは、佐渡全島のフェスティバルへとなるべく、多くの皆さんのご協力を得て様々な企画に挑戦しました。

Photo: Erika UedaPhoto: Takashi Okamoto

象徴ともいうべき城山コンサートは今回ありませんでしたが、鼓童村コンサート(中込健太演出)、ECシアター(坂本雅幸演出、石塚充演出)、鼓童フリンジ(内田依利、草洋介、住吉佑太)、様々な企画へのメンバーの参加など自分達も島内外の皆様とともに、このフェスティバルを楽しむという思いを胸にそれぞれが自発的に取り組み、挑みました。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Maiko Miyagawa

なにぶん大きな変化だったこともあり、多々課題はありましたが、メンバーそれぞれの才能の開花、芽吹きを見る事ができ、佐渡全島に祝祭の輪を広げる一歩になった実感を持ちました。

Photo: Erika Ueda

両企画とも、稽古段階からとても大変な時間と労力ではありましたが、演奏者の充実した顔、そして蓄え得たものは大きいものとなりました。現在の鼓童には、稽古時間と場所、出したい音を探せる楽器の数々があります。それは我々演奏者には、かけがえのない財産でありそれは一重にこれまで支援やご指導を頂いた方々、お客様そしてスタッフのおかげであるということを改めて思います。

Photo: Erika Ueda

休む間もなく交流公演班、ワン・アース・ツアー「螺旋」班は始動いたしました。各小編成やソロ活動も含め、この夏得たものを全国各地、世界各地で音にのせ、そしてまた旅の中で得たものを持ち帰りたいと思います。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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鼓童ワン・アース・ツアー2016〜螺旋
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html


息づく思い/船橋裕一郎


息づく思い

鼓童村の中庭

いかがお過ごしでしょうか。2ヶ月におよぶツアーを終え、今月はサントリーホール、ECと続きます。

さて、鼓童にとっても大きな存在であった冨田勲氏、永六輔氏のお二方がお亡くなりになりました。私自身は、お二方との接点はごく僅かでしたが、鼓童グループに与えて頂いたもの、精神は計り知れず、それらは今後もグループのなかで息づいていくものだと思っております。

冨田さんとの集合写真(2008年鼓童村稽古期間に撮影)

冨田さんとの集合写真(2008年鼓童村稽古期間に撮影)

数年前、小さな会場での公演の際、幕があがると最前列にニコニコと笑顔で座っておられたのが、冨田勲さんでした。公演後、気さくにお話をして頂き、鼓童村でのレコーディングの思い出を楽しそうに語られていました。また、1945年の三河地震で被災され、戦時統制の最中で救援もほぼなく、その後も広く報道されなかったことなど、とどまることなくお話されていたことを思い出します。昨年末、佐渡の鼓童村滞在中に出来た『宇宙の歌』をこの夏に再演することが決まった際には、大変喜んで下さり、前回からの改善点までご指示くださいました。音を通してその思いや音楽性の素晴らしさを再認識しております。

永六輔さん(2003年鼓童村にて)Photo: Buntaro Tanaka

永六輔さん(2003年鼓童村にて)

私が研修生時代に『鼓童で遊ぼう』というタイトルの公演で司会をして頂いたのが永六輔さんでした。リハーサルもそこそこに研修生をも舞台に上げ、鼓童のメンバーも名だたるゲストの皆様も慌ただしく舞台を駆け回り、最終的には客席も巻き込んでそれは楽しい舞台を作り上げてくださったことを覚えています。佐渡にも我々の公演会場にも常に足を運んで下さいました。旅をしていると、鼓童にいなければ決して足を運ばなかったであろうと思う土地に赴きますが、その土地に行って初めて分かる事が多くあると感じます。それは電波の届くところへ赴き、そのことを東京のラジオで伝えなさいという宮本常一先生のお言葉を実践され、その事を私達へ伝えてくださった証しだと思い、ツアーへの思いを改めて思い返しております。

お二方に共通して感じるのは、自分で見て触れたものを信じるという強い信念と、社会に対しては鋭く、人に対しては深い愛情に満ちた眼差しでした。

最後に永さんから鼓童に頂いたお手紙を紹介させて頂きます。

tegami

君達の【太鼓】はそこにあるだけで充分に鑑賞に耐える工藝品であり、美術品なのだ。
だから、君達もそこにいるだけで【存在感を示せる人間】であってほしい。
その上で太鼓と向き合うと君達は中途半端な人間であるよりは純粋に”童”であることに
徹することでしか、対応出来ないことに気づく、その時君達は鼓童なのだ。

永六輔

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌

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新たな試み/船橋裕一郎


新たな試み

いかがお過ごしでしょうか。今年も早いもので下半期を迎えました。メンバーは2ヶ月に及ぶツアーにて全国各地を巡っております。来月は35周年記念コンサート、そしてアース・セレブレーション(EC)と続きます。

Photo: Takashi Okamoto

2015年送り太鼓(お客様お見送り)の様子

ECについては既に告知されているように野外コンサートを中心としたフェスティバルから地域に根ざした新たなコミュニティとして生まれ変わります。多くの鼓童メンバーは一年の大半を佐渡以外の土地で過ごします。旅が我々の活動の中心でありそのことに喜びを感じておりますが、帰るべき場所となる佐渡を改めて見つめ直し、根ざすことの本質を我々自身がより深くすることにより、旅をする意義を改めて問い直す機会になり、還元できるものも多くなってくるのではと思っております。

月間鼓童より

この冬にベトナムで出会った<バックハー>の皆様との再会、共演はなによりの楽しみです。ハノイの地で体感したお祭りの熱気は、思い出すたびに心弾みます。彼らは苦難の歴史や複雑な社会情勢のなかで、逞しくそして自分たちの芸能に誇りと愛情をもっています。この夏、大きな会場で多くのお客様に発表する場とはなりませんが、良い意味で緩やかに楽しみながら継続したお付き合いのなかで学べる機会となり色々な地で何度となく発表する機会がでてくることもあり得ると思っております。

Photo: Takuro Susaki

また、ECシアターやフリンジなどメンバーから新たになにかを生み出す動きもあります。佐渡体験プログラムやワークショップも鼓童メンバーが積極的に参加し、より近い距離でお客様との触れ合いの場となります。

ECサイトより

新たな試みには、もちろん不備や不慣れな点もあるかと思いますが、ECをお客様、出演者、スタッフそして佐渡の皆様ともじっくりと濃密な時間を過ごしながらひとつずつ、つくりあげていければと思っております。

Photo: Takashi Okamoto

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ec2016-220new

2016年8月26日(金)〜28日(日)
アース・セレブレーション2016
(新潟・佐渡市)

http://www.kodo.or.jp/ec/

https://www.facebook.com/EarthCelebrationJP/


『求め 敬い 磨く』/船橋裕一郎


『求め 敬い 磨く』

皆様いかがお過ごしでしょうか。4月、5月は様々な作品の稽古や創作を芸術監督とともに進め、充実した時間を過ごしてまいりました。

そして「交流公演」、「OET混沌&プレミアムコンサート」のツアーが始まりました。ここから半年は今ツアーを皮切りに、「若い夏」「35周年記念コンサート」新たな挑戦となる「EC」、秋からは新作の「螺旋」と一気に疾走してまいります。皆様との各地での出会いを楽しみにしております。

Photo: Yasuhiko Ishihara

さて、先日、研修所の講義に2日間ほど立ち合ってまいりました。まだ入所ひと月半の初々しい一年生。長い冬を乗り越え、後輩ができたことにより、頼もしさを増した2年生合わせて19名がひたむきに稽古に臨んでおりました。

Photo: Yasuhiko Ishihara

私自身もこの研修所を修了しましたが、おそらく当時は楽しいと思える日はごく僅か、日々の生活やスケジュールに追われ辛い日のほうが圧倒的に多かったと記憶しています。いまでも研修所に近づくと、お腹のあたりがキリキリとなります。ただ、今はその辛いと思っていた日々が自分の根幹となっていると思っています。

Photo: Yasuhiko Ishihara

2日ではありましたが彼らの姿勢や研修所の空気に触れ、何事においても初心を忘れてはならないと彼らの姿を通し、改めて思いながら、研修所の稽古場に掲げてある『求め敬い磨く』の額を改めて眺めている自分がいました。学ぼうとする意欲がある者と学びを得ることのできる環境が、あるということにも改めて感謝しております。

Photo: Yasuhiko Ishihara

※鼓童の舞台や鼓童グループの根幹をなしている研修所のことを是非多くの方々に知って頂きたいと思っております。見学会、体験、説明会等も予定されておりますのでお問い合わせくださいませ。

 

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鼓童文化財団研修所
http://www.kodo.or.jp/apprentice/index_ja.html


五月田の輝き/船橋裕一郎


五月田の輝き

この度の熊本地震につきまして、早期の終息と状況の改善を心から願っております。私も度々訪れた地や友人知人の被害状況を聞き、今後少しでもお力添えが出来るような動きをしていきたく、皆様の活力をより増幅できるような、舞台や音を届けていけるよう頑張ってまいります。

Photo: Erika Ueda

佐渡は、田植えの季節となりました。冬の寒さにより固められ、太陽からの養分を得た土に一気に水を張り巡らされ、キラキラと美しい景色が広がります。とはいえ、先月もお伝えしたように、今月は、来月のものから来年のものまで、いくつもの作品を作り上げている過程です。正直に申しますと美しい景色をゆっくりと眺めている余裕はあまりないのですが、通勤や買い物の際に普通にこの景色をみることのできる幸せを感じます。

Photo: Erika Ueda

能楽師・津村禮次郎先生によるお稽古

さて、来年の春に上演予定の「幽玄」という作品は、能を中心に日本の古典から着想を得て、作品作りを始めております。能のシテ方の歩みのようにゆっくり、ゆっくりと作品作りも進行しており、稽古終了時、皆が一斉におおきなため息をつくほど、張りつめておりますが、これまでにない作品になる実感と充実感、また古典から得られる新たな発見と学びを日々感じております。

Photo: Erika Ueda

また、「若い夏」では鼓童の結成当初からの演目を若いメンバーが基礎の基礎から学ぶべく朝早くから夜遅くまで必死の稽古をしております。

Photo: Takashi Okamoto

「35周年記念コンサート」にむけては、ゲストをお迎えしての稽古となりました。

鼓童文化財団Facebookより鼓童文化財団Facebookより

5年目を迎えた「佐渡宿根木公演」では、改装された宿根木公会堂で、見留知弘の構成演出で行われ、沢山のご来場を頂きました。

Photo: Erika Ueda

鼓童の活動は多種多彩ですが、足下を固め、多くのものを吸収しながらグループが進んでいく姿は、美しい田に重なるように思います。日々の取り組みに真摯に向き合いたいと思っております。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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芽吹きの喜び/船橋裕一郎


芽吹きの喜び

この度、鼓童芸術監督・坂東玉三郎さんが「日本芸術院賞」さらに「恩賜賞」を受賞されました。心よりお祝い申し上げるとともに我々鼓童一同、大変貴重な時間を過ごさせて頂けていることに感謝している次第です。

Photo: Taro Nishita

さて、4月の佐渡はお祭りの季節です。各集落の鬼太鼓が祭り当日に向けて稽古に励み、夜遅くまで島中に太鼓の音が響き渡ります。また、長い冬を越えた佐渡の景色は一段と美しくそのような景色も楽しめる「佐渡宿根木公演」にも是非足をお運び頂ければと思います。

Photo: Takashi Okamoto

我々は今月と来月にかけては、この一年間のプログラムに向けて、稽古や創作にかかります。芸術監督をはじめ多くのゲストの方々がご来島され35周年作品はもちろん「螺旋」や「幽玄」もこの期間に作り上げてまいります。今後も続く新作の舞台にもご期待ください。

Photo: Yui KawamotoPhoto: Takuro SusakiPhoto: Cidade das Artes

先月は、鼓童としては8年振りのブラジル公演に行ってまいりました。一昨年のサッカーワールドカップ、まもなくはじまる五輪に街も活気に満ちあふれていると予想しておりましたが、現在、経済状態は芳しくない様子で、大統領の不正問題なども重なり政治も大変混迷しておりました。現地にいる間には多くのサンバチームや日系太鼓コミュニティとの交流などの時間もあり、得難い経験をいたしました。

Photo: Yui Kawamoto

陽気でおおらかな性格の国民性に触れ、伝統的なサンバ会場で感じた熱気、演奏者と聴衆が一体となった雰囲気は忘れることができません。同時に数々のインタビューやディスカッションのなかであがる質問は、鼓童や太鼓のルーツや意味に対する探究心に溢れるものが多いというのも印象的でした。それは他民族で移民の多い国柄が国民に与える影響であるのかとも同時に感じ、我々自身のルーツやこれからの行く末に対して考える良い機会ともなりました。

Photo: Yui Kawamoto

日本との時差12時間、気温差はこの時20度から30度。地球の反対側での国での公演に、気温以上に熱いものを感じ、再訪を誓い彼の地を後にしました。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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