鼓童ブログ Kodo Blog

芽吹きの喜び/船橋裕一郎


芽吹きの喜び

この度、鼓童芸術監督・坂東玉三郎さんが「日本芸術院賞」さらに「恩賜賞」を受賞されました。心よりお祝い申し上げるとともに我々鼓童一同、大変貴重な時間を過ごさせて頂けていることに感謝している次第です。

Photo: Taro Nishita

さて、4月の佐渡はお祭りの季節です。各集落の鬼太鼓が祭り当日に向けて稽古に励み、夜遅くまで島中に太鼓の音が響き渡ります。また、長い冬を越えた佐渡の景色は一段と美しくそのような景色も楽しめる「佐渡宿根木公演」にも是非足をお運び頂ければと思います。

Photo: Takashi Okamoto

我々は今月と来月にかけては、この一年間のプログラムに向けて、稽古や創作にかかります。芸術監督をはじめ多くのゲストの方々がご来島され35周年作品はもちろん「螺旋」や「幽玄」もこの期間に作り上げてまいります。今後も続く新作の舞台にもご期待ください。

Photo: Yui KawamotoPhoto: Takuro SusakiPhoto: Cidade das Artes

先月は、鼓童としては8年振りのブラジル公演に行ってまいりました。一昨年のサッカーワールドカップ、まもなくはじまる五輪に街も活気に満ちあふれていると予想しておりましたが、現在、経済状態は芳しくない様子で、大統領の不正問題なども重なり政治も大変混迷しておりました。現地にいる間には多くのサンバチームや日系太鼓コミュニティとの交流などの時間もあり、得難い経験をいたしました。

Photo: Yui Kawamoto

陽気でおおらかな性格の国民性に触れ、伝統的なサンバ会場で感じた熱気、演奏者と聴衆が一体となった雰囲気は忘れることができません。同時に数々のインタビューやディスカッションのなかであがる質問は、鼓童や太鼓のルーツや意味に対する探究心に溢れるものが多いというのも印象的でした。それは他民族で移民の多い国柄が国民に与える影響であるのかとも同時に感じ、我々自身のルーツやこれからの行く末に対して考える良い機会ともなりました。

Photo: Yui Kawamoto

日本との時差12時間、気温差はこの時20度から30度。地球の反対側での国での公演に、気温以上に熱いものを感じ、再訪を誓い彼の地を後にしました。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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