夏の終わりに…/船橋裕一郎
夏の終わりに…
本拠地、小木の港祭りも終わり、夏も終わりを告げようとしています。
この8月、私達は二つの大きな挑戦をやり遂げることができました。35周年記念コンサートでは、玉三郎さんのもと『出逢い』『螺旋』『飛翔』と3日間で全く異なるプログラムに挑み、素晴らしい音響のサントリーホールに、身体の躍動とともに繊細にして大胆、多彩な太鼓の音が響きわたりました。
これまでの鼓童35年の歴史、そして深い愛情を注ぎ続けてくださる玉三郎さんとの16年に及ぶ歩みとの融合となり、次の一歩を踏み出すにふさわしい公演でした。
そして新たな試みによるアース・セレブレーションは、佐渡全島のフェスティバルへとなるべく、多くの皆さんのご協力を得て様々な企画に挑戦しました。
象徴ともいうべき城山コンサートは今回ありませんでしたが、鼓童村コンサート(中込健太演出)、ECシアター(坂本雅幸演出、石塚充演出)、鼓童フリンジ(内田依利、草洋介、住吉佑太)、様々な企画へのメンバーの参加など自分達も島内外の皆様とともに、このフェスティバルを楽しむという思いを胸にそれぞれが自発的に取り組み、挑みました。
なにぶん大きな変化だったこともあり、多々課題はありましたが、メンバーそれぞれの才能の開花、芽吹きを見る事ができ、佐渡全島に祝祭の輪を広げる一歩になった実感を持ちました。
両企画とも、稽古段階からとても大変な時間と労力ではありましたが、演奏者の充実した顔、そして蓄え得たものは大きいものとなりました。現在の鼓童には、稽古時間と場所、出したい音を探せる楽器の数々があります。それは我々演奏者には、かけがえのない財産でありそれは一重にこれまで支援やご指導を頂いた方々、お客様そしてスタッフのおかげであるということを改めて思います。
休む間もなく交流公演班、ワン・アース・ツアー「螺旋」班は始動いたしました。各小編成やソロ活動も含め、この夏得たものを全国各地、世界各地で音にのせ、そしてまた旅の中で得たものを持ち帰りたいと思います。
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎
鼓童ワン・アース・ツアー2016〜螺旋
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html