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東日本大震災から6年/船橋裕一郎


東日本大震災から6年

東日本大震災の発生から、6年の月日が経ちました。犠牲になられた方々に改めて哀悼の意を表します。また、今なお大変な思いをされている被災者の皆様には、心からお見舞申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

私達、芸能を生業にする者にとって、東日本大震災は、改めて自分達自身を問い直す機会でもありました。

鼓童はこのような時、一体なにができうるのか…。

鼓童グループのメンバーはそれぞれに悩み、話し合いを重ねました。結果、公演を観て頂いた方々に元気を届けること、被災地での芸能復興を支援すること、また鼓童のネットワークを通じて日本や世界の方々にメッセージを伝えることを主軸としたハートビート・プロジェクトというものをたちあげました。

我々にできることは微々たることではありますが、継続こそ力と信じています。

ハートビート・プロジェクトは、芸能の持つ力を通して、東日本大震災からの復興を応援する活動ですが、その後も各地で大きな震災が起こる状況のなか、これまで培ってきたネットワークを使い、更なる広がりを持たせていく必要も感じております。

我々の音や活動が皆様のエネルギーとなるよう、日々精進を重ねてまいります。

また、この活動を支えてくれていた、というよりも一番中心となって動き、思いも人一倍だった、財団スタッフの千田倫子が3月一杯でグループを離れますが、(私自身が研修生だった頃から、研修所担当としても温かく厳しく指導して頂いた存在でもあります。)千田の思いをしっかりと受けとめてまいりたいと思います。

鼓童代表 船橋裕一郎

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ハートビート・プロジェクト Heartbeat Project

http://www.kodo.or.jp/heartbeatproject/index_ja.html


Heartbeat Project Logo Design: Haruna Kino

鼓童は芸能の持つ力を信じ、東日本大震災からの復興を応援する「ハートビート・プロジェクト」を行っています。公演を観て頂いた方々に元気を届けること、被災地での芸能復興を支援すること、また鼓童のネットワークを通じて日本や世界の方々にメッセージを伝えることを続けてまいります。

鼓童


1月29日(日)船橋裕一郎WSアメリカ・バークレーで開催しました!/河本唯


1月29日(日)船橋裕一郎WS「鼓童講座〜血沸き肉躍る!」
アメリカ・バークレーで開催

Photo: Yui Kawamoto

アメリカ・バークレーにて1月29日に鼓童代表・船橋裕一郎による太鼓のワークショップを行いました。スポンサーして下さったANAさんはじめ、主催のUC Berkeley Raijin Taikoさん、参加者の皆さん、ありがとうございました!

Photo: Yui Kawamoto

2017年1月24日(火)、1月29日(日)船橋裕一郎WS 特別開講「鼓童講座〜血沸き肉躍る!」(Thrills in a Heartbeat!)(アメリカ・ワシントン州、カリフォルニア州)
http://www.kodo.or.jp/blog/pub/20170125_11868.html

ただいま、鼓童アメリカツアー中!

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2017年1月〜3月
鼓童35周年記念「打男 DADAN 2017」アメリカツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20170126dadan_ja.html

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船橋裕一郎WS|特別開講「鼓童講座~血沸き肉躍る!」(Thrills in a Heartbeat!)


船橋裕一郎WS|特別開講「鼓童講座~血沸き肉躍る!」

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WSチラシ

鼓童代表の船橋裕一郎によるワークショップを初めてアメリカで行います。「自分の好きな音を見つける」をテーマに基本的な構えから一発打ち、自分の音や人の音をしっかり聞きながら楽しく叩く!最後はアンサンブルでの演奏を楽しみながら踊る音、気持ちの良い音を皆で響かせましょう!

昨日24日、シアトルでのWSも開催しました!29日バークレーでのWSへのご参加、お待ちしております。

特別開講「鼓童講座~血沸き肉躍る!」(Thrills in a Heartbeat!)
2017年1月29日(日) カリフォルニア州、バークレー University of California, Berkeley
■住所  Hearst Gym, Berkeley, CA 94720, United States
■時間 10:30〜12:00
■ワークショップ料 $35
■受付状況 受付中
■イベントウェブサイト
https://www.facebook.com/events/1232927110088475/
■お問い合わせ Cal Raijin Taiko Email: Caltaiko@gmail.com

▼1月24日シアトルでのWSも開催しました。ご参加くださった皆様、有難うございました!

2017年1月24日(火) ワシントン州、シアトル Seattle Buddhist Church
■住所  Seattle Buddhist Church 1427 S Main St, Seattle, WA 98144, USA
■時間 19:00〜21:00
■ワークショップ料 $40
■イベントウェブサイト
http://www.japantaiko.com/TAIKO-Workshop.html
■お問い合わせ Japan Creative Arts Email: info@japancreativearts.com

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年の瀬に…/船橋裕一郎


年の瀬に…

Photo: Erika Ueda

いかがお過ごしでしょうか? 今年も残すところ、ひと月余りとなりました。皆様におかれましては、どのような一年でしたでしょうか。私自身は、創立35周年という節目の年に代表に就任し、就任の挨拶文を先日書いたのでは…と思うほど、あっという間の一年でした。おかげさまで鼓童は、諸先輩や多くの先達の助けを得て、本年も広範な地域に赴き、多彩な活動を行うことができました。改めて感謝申し上げます。

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「ワン・アース・ツアー〜螺旋」も佐渡での新作稽古期間をはさみ、後半がスタートしました。サントリーホールでの初演から約3ヶ月、内容も洗練され、一部のキャスト交代を行いながら、更に充実した舞台になるよう、頑張っております。是非、会場に足を運んで頂き、太鼓の音色を肌で感じ、来る年への活力として頂けたら幸いです。

Photo: Takashi Okamoto

さて、時節柄、部屋やパソコンなど色々と整理整頓をしていた折、今年のはじめに読んだエッセイを抜き書きしたメモを見つけました。

『成長するものは変化する。そして以前より複雑になる。考え方もふるまい方も、より複雑で、重層的で、こまやかで厚みのあるものになる。』

という哲学研究者で武道家でもある内田樹氏の言葉でした。それは日本への憂いからきた言葉でした。日本は逆行していると… 急激な成長や変化には畏れや歪みを伴います。それは国内外の政治や経済状況にも顕著に反映されています。

Photo: Takashi Okamoto

ただ、本年「混沌」や「螺旋」というツアーに参加した私にとって、この言葉は、鼓童が成長し続けようとしているグループだという実感を得る言葉となりました。成長過程ゆえの未熟さはまだまだありますが、坂東玉三郎さんから鼓童に対する未来への使命を与えて頂いた作品だと感じるとともに、お客様にはより一層楽しんで頂ける舞台、音を届けていけるよう最善を尽くしていこうと思いました。

Photo: Takashi Okamoto

11月鼓童村・幽玄稽古風景

来年は「打男」北米ツアー初音ミクとの共演「道」の再演から始まり、春になりますと玉三郎さんとの共演二作目となる「幽玄」など上半期だけでも多彩な活動を予定しております。

来年もまた良い年になりますよう、そして鼓童の音が皆様にとって心の潤い、活力源となれるよう、グループ一同、精進してまいります。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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【新作】坂東玉三郎×鼓童特別公演「幽玄」上演決定!!
http://www.kodo.or.jp/blog/news/20161201_11506.html

「アマテラス」に続く待望の共演第二弾!

2017年5月16日(火)より…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年11月30日

【鼓童村より】交流公演メンバー、いってらっしゃい!

先ほど交流公演メンバー、元気に旅立っていきました。12月新潟、愛知、千葉、東京で学校公演や特別出演、WSなどを行います。
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2016年12月11日(日)鼓童特別編成で出演「大叢…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日

【米・Forbesに掲載】鼓童の記事が「Forbes」に掲載されました!

【Forbes】Kodo, Japanese Taiko Drumming Company, To Tour Across United States In…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日

【WEB掲載】「カジスマ」に鼓童「螺旋」の紹介記事が掲載されました。坂本からの一言メッセージもあります。ぜひご覧ください!

カジスマ|たまった1年のモヤモヤもスッキリ!…

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年12月6日


旅の中で/船橋裕一郎


旅の中で

Photo: Atsushi Sugano

ベトナムにて

いかがお過ごしでしょうか? 今年はベトナム、ブラジル、韓国、昨年は香港やシンガポール、インドネシア、ロシア極東など近年、欧州や北米以外の国や地域に訪問する機会が増えてまいりました。

Photo: Takuro Susaki

ブラジルでのDADAN野外公演

私は、オリンピック直前のブラジル、現在我が国とは微妙な距離感にある韓国、経済成長著しく、高度経済成長期の日本と似ていると言われるベトナムの3ケ国を訪れました。

Photo: Yui Kawamoto

韓国「日韓交流おまつり」にて

それぞれの公演に至る過程は、北米や欧州とはくらべものにならないほど大変ではありましたが、その濃密な時間は、様々な地に赴き、直接触れ、感じることのできた貴重な体験でした。なにより人間同士が、お互いを受容し分かり合おうとする芸能や音楽の力を改めて感じることができました。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

ベトナムにて

さて、私は旅の最中は、佐渡にいるときよりも本や活字に触れる時間が、格段に多くなります。メンバーのなかにも本好きがいますので、移動中などは読書をする光景を目にします。(音楽を聴いたり、バチをパタパタとしたり、公演のビデオを観たり、様々ではありますが…。)子供の頃からの習慣からか、新聞は毎日目を通したくなります。

Photo: Atsushi Sugano

旅の間は、その地の新聞を読むようにしたり、訪れた地に関連するものなどを読んでみるのも、旅を楽しく過ごす要素になります。今年はブラジルやベトナムに行きましたので、定番ではありますが、沢木耕太郎や開高健など旅の紀行文を読んで、『お? ここはもしやあの場面の?』などと想像を膨らませます。時間があれば本屋に行くことも良いリフレッシュになります。瞬く間に我が家の本棚が足りなくなる状況には甚だ閉口いたしますが、好きなモノを買うということは、自分への小さな投資であり、心を豊かにしていると自分に言い聞かせています。同時にそれに携わる全ての方々への感謝も生まれてきます。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

2016年も残すところあと2ヶ月ですが、鼓童の旅はまだまだ続きます。旅で持ち得たものを佐渡に持ち帰りまた旅にでます。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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【ラジオ出演】11月3日ラジオ大阪&ABCラジオに鼓童出演&生演奏!


11月3日ラジオ大阪&ABCラジオに鼓童出演&生演奏!

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11月3日(木)15:45からラジオ大阪「高岡美樹のべっぴんラジオ」、17:20からABCラジオ「武田和歌子のぴたっと」に、鼓童から船橋裕一郎、坂本雅幸が出演します。放送地域の皆様、生演奏&トークをお聞き逃しなく!

15:45〜ラジオ大阪「高岡美樹のべっぴんラジオ」
【出演時間】2016年11月3日(木・祝)15:45〜16:00ごろ生出演
【MC】高岡美樹
【鼓童出演者】船橋裕一郎、坂本雅幸
【番組HP】http://www.obc1314.co.jp/bangumi/miki/index.php

17:20〜ABCラジオ「武田和歌子のぴたっと」(月-金15:00〜18:00)
【出演時間】2016年11月3日(木・祝)17:20〜17:40ごろ生出演
【MC】武田和歌子(ABCアナウンサー)、井之上チャル(アシスタント)
【鼓童出演者】船橋裕一郎、坂本雅幸
【番組HP】http://abc1008.com/pitatto/

【11/3 ラジオ出演しました】昨日11月3日(木)15:45からラジオ大阪「高岡美樹のべっぴんラジオ」、17:20からABCラジオ「武田和歌子のぴたっと」に、鼓童から船橋裕一郎、坂本雅幸が出演しました。聴いてくださった皆様、有難うございました!

http://www.kodo.or.jp/blog/pub/20161102_11308.html

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年11月3日

ラジオ大阪「高岡美樹のべっぴんラジオ」サイトに船橋裕一郎、坂本雅幸出演の様子が掲載されています。
http://www.obc1314.co.jp/blog/miki/?p=23069

鼓童 Kodoさんの投稿 2016年11月4日


10月19日21時〜AbemaTV「Abema Prime」に鼓童出演&生演奏!


10月19日21時〜AbemaTV「Abema Prime」に鼓童出演&生演奏!

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無料のインターネットテレビ局「AbemaTV」内『Abema News』チャンネルにて放送中のニュース番組「Abema Prime」に、鼓童から船橋裕一郎、中込健太、内田依利、小池将也の4名が出演します。生演奏&トークをお見逃しなく!

▼出演映像UP!(2016/11/5)

▼番組は以下のリンクからご覧いただけます。(10月19日 21:00〜23:00)
https://abema.tv/now-on-air/abema-news

 

Abema Prime

放送局:AbemaTV(無料のインターネットテレビ局)『Abema News』チャンネルにて生放送
放送時間:10月19日 21:00〜23:00(※ 鼓童の出演は22時前後の予定)
鼓童出演者:船橋裕一郎、中込健太、内田依利、小池将也
番組WEBサイト: AbemaPrime http://news-prime.abema.tv/
備考:けやき坂スタジオより生放送
番組紹介:19日、無料のインターネットテレビ局・AbemaTV内「Abema News」チャンネルにて放送中のニュース番組「Abema Prime」に日本が誇る太鼓芸能集団「鼓童」が生出演!数々の海外公演を成功させた彼らがスタジオで生パフォーマンス! 小松アナも太鼓に挑戦!?


「螺旋を描いて進む未来」鼓童・船橋裕一郎×石塚充×坂本雅幸×住吉佑太 座談会


鼓童・船橋裕一郎×石塚充×坂本雅幸×住吉佑太 座談会
螺旋を描いて進む未来

聞き手◎伊達なつめ 写真◎岡本隆史

Photo: Takashi Okamoto

船橋 僕と(石塚)充の場合は、ちょうど準メンバーになった頃に、初めて玉三郎さんが佐渡にいらしたんです。

石塚充 Photo: Takashi Okamoto

石塚 その頃はまだ、そんなすごい方がいらっしゃると聞いても、自分のことで精いっぱいで、ことの重みをよくわかっていなかったんですけど、そんな状況下で、玉三郎さんから大太鼓を打つように言われたんです。当時の鼓童では「このパートはこの人」というのがほぼ決まっていて、特に大太鼓は固定メンバーが2人いたので、若手がやるという発想自体ありませんでした。だから先輩たちの反応も「えっ、おまえなの?」という感じ。毎日全体の稽古が終わった後、玉三郎さんと先輩たちがズラーッと居並ぶ中で僕と小田洋介の2人が大太鼓の裏打ちの稽古をする、というのが一ヶ月続きました。体力的にもきついですし、まだ右も左も分からない分際で、全員の目に曝されて大太鼓を打つ毎日というのは、ほんとにもう大変でした。

船橋 苦しかったよね(笑)。

石塚 ただ、そうやって叩き込まれたせいで、鼓童の先輩に教わっただけでは気付かないことにいろいろ気付くことができて、自分の中にも何か芽生えたものがある気がしました。玉三郎さんは、それまでの鼓童ではあり得なかった身体の使い方や考え方を示されるので、僕らよりもむしろ先輩たちの間で「そんな教え方あり!?」という戸惑いが強くなり、2、3年は重苦しい状態が続いたんですけど、『アマテラス』(’06年初演)のころには、もうすっかりいい雰囲気になっていましたね。

坂本雅幸 Photo: Takashi Okamoto

坂本 僕は『アマテラス』の稽古時は準メンバーだったんですが、佐渡の民俗芸能「鬼太鼓」を取り入れた場面で、玉三郎さんにその踊り手をやるように言われて、ものすごく丁寧に教えていただきました。研修生の時に、研修所がある柿野浦という集落に伝わる鬼太鼓を、土地の方に教わっていたのですが、玉三郎さんは「こうした方がいい」と、どんどん動きを変えていくんです。最初は、教わったものを壊す気がして抵抗があったんですけど、言われた通りにしてみると、身体の軸がきれいに見えたり、腕の広がりを大きく見せられたりと、元々あったものを、舞台で演じるためによりよくしていただいている、ということがわかって、さすがだと思いました。あの時教わった身体の軸の保ち方は、今でも常に意識するようにしています。

住吉 僕は、玉三郎さんが鼓童の芸術監督に就任した’12年に準メンバーになったんですけど、研修生の頃から、玉三郎さんは研修所に稽古を付けに来てくださっていたんです。

船橋 その年は、たまたま作品創りに取りかかる時期に、メンバーの多くが出払っていたんですね。でも(住吉)佑太たちの年の研修生は優秀な人材が揃っていたので、玉三郎さんのおっしゃることに対応できたんです。

住吉佑太 Photo: Takashi Okamoto

住吉 僕たち研修生は、最初は稽古を見学させていただくということで正座して並んで見ていたんですが、休憩時間に玉三郎さんがテクテク歩いていらして、「ちょっと見よう見まねでいいからやってみなさい」とおっしゃるので、やってみたら「ああ、意外とできるね…」と言われ、「(よっ)しゃぁ、ここでぶちかましたる!」って気合いが入りまして(笑)。実際には、ほとんどできてなかったはずなんですけど、気概を感じていただけたのかなと。

船橋裕一郎 Photo: Takashi Okamoto船橋 そうやって玉三郎さんは、特に若手にどんどん挑戦させていくので、先輩たちはそれを見て焦りながらも、自分の足元を見つめ直す、という感じでしたね。今から思えば、僕たちが入った頃は、鼓童には閉塞感があって、そこに外部から玉三郎さんがやって来たことで、物事が先に進み始めたんです。ただ、キャリアのある先輩たちにとっては、自分たちが築き上げてきたものを否定されたように感じたところもあると思います。僕自身は、(石塚)充やその下の世代が抜擢され活躍するのを、後ろから見ていた方なので、焦りはあったし、まあ今もあるんですけど、自分はパッと要求に応えられるタイプではないし、人とうち解けるのにも時間がかかるので、自分のペースで、一歩一歩やるしかない、と思っていました。精神的にはきつかったですけど、そのうちだんだんと、玉三郎さんに声を掛けられるようになりました。

Photo: Takashi Okamoto

現在も、若いメンバーの中には抜擢される者と、そうでない者がいるので、不安を抱くことはあると思います。でも、まじめに頑張っている人間のことは、玉三郎さんはちゃんと見ていて、何らかの形で、いいところを見出してくださるので、信じて努力を続けてほしいと思います。玉三郎さんのこういう指導者としての面も、とても勉強になります。

Photo: Takashi Okamoto

坂本 僕たちの世代以降は、わりと戸惑うこともなく、羽根を伸ばして自由にやらせてもらっていますけど、

住吉 いやぁ、『ワン・アース・ツアー~伝説』(’12)の時の逆風はすごかったですよ(笑)。

船橋 あれも大きな転換期でしたね。

住吉 終演後のアンケートが「こんなものを観に来たんじゃない!」みたいな感想ばっかりで、激しく凹みましたけど、その後アメリカでもツアーがあって、一年後にまた日本で上演した際には、ガラッと評価が変わったんですよね。

石塚 僕たちの世代は、それ以前から『アマテラス』みたいに演劇的な世界や、『打男 DADAN』のように振り切った大胆な作品で、「こんなおもしろい世界があるんだな」ということを経験してきていたんです。むしろ、けっこう長い時間をかけて、段階を踏んで変化してきた自覚があったので、『伝説』についても、別に驚かなかった。まぁ最初のうちの何年かは、ちょっと大変かもしれないけど、そのうち落ち着くだろうと、漠然と思っていましたね。

住吉佑太 Photo: Takashi Okamoto

住吉 心強かったですよ。僕たちの感覚では『伝説』では、「えっ、こんなことすんの!?」って躊躇するようなこともあったんですけど、充さんは「はい、じゃ、やりましょか」って淡々とやっていた。僕たちに「玉三郎さんがおっしゃってるのはこういうことだよ」ってわかりやすく説明してくださって、いわゆる従来の鼓童的なことと、玉三郎さんのおっしゃることの中間地点にいてくださる感じで、とても有難かったです。

坂本雅幸 Photo: Takashi Okamoto坂本 いわゆる「昔ながらの鼓童」が観たいという方は多いですし、その一方で新たな挑戦を評価してくださるお客様も、もちろんいらっしゃる。そして回数を重ねるごとに、だんだんと、挑戦と変化を楽しみに観に来てくださるお客様が、多くなってきていると感じます。玉三郎さん無しには不可能だったこの大変革を活かして、これからも自由に、いろいろなことに挑戦していきたいですね。

船橋 僕は、こうやって先を行ってくれるメンバーには、どんどん先に行ってほしいし、そうではない、別のおもしろい面を持っているメンバーには、その個性を活かした、別の表現を目指してほしい。将来も鼓童がそういう多様なグループとしてあり続けられるよう、その通過点の一人となることを目指したいと思います。

船橋裕一郎 Photo: Takashi Okamoto

ー鼓童創立35周年記念コンサートパンフレットより

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公演紹介
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html

全国ツアースケジュール
http://www.kodo.or.jp/oet/index_ja.html#schedule26a

12月14日(水)福岡公演
http://www.kodo.or.jp/oet/20161214a_ja.html

12月17日、18日 大阪公演
http://www.kodo.or.jp/oet/20161217-18a_ja.html

12月21日〜25日 東京・文京公演
http://www.kodo.or.jp/oet/20161221-25a_ja.html


実りの秋/船橋裕一郎


実りの秋

Photo: Taro Nishita
いかがお過ごしでしょうか? 佐渡の田んぼも稲刈りがほぼ終わり、はざに稲が干されております。まもなくすると新米を食べることができますが、自分の住まいとする地のお米を食せることは、とても贅沢なことであり、なによりも佐渡のお米は本当に美味しいのです!

Photo: Takashi Okamoto

さて、螺旋ツアー班、交流公演班はツアー真只中でございます。各地での熱演をどうぞ会場にて体感していただければと思います。若いメンバーの多い両ツアーですが、日々舞台を良くしようと頑張っている姿がとてもまぶしく、さらに逞しくなって佐渡に戻ってきてくれることと思っております。

Photo: Yui Kawamoto

そのような中、私は佐渡と各地を行ったり来たりしております。先日、小編成にて鼓童としては16年振りの韓国に行ってまいりました。2泊3日という強行スケジュールではありましたが、「日韓交流おまつり」というイベントで金徳洙さんやサムルノリの皆様との久々の再会と共演をしました。日韓から多くのアーティストが参加され多くの刺激を受けたとともに、最後は会場全体がひとつとなり大変に盛り上がりました。

Photo: Yui Kawamoto

また、この後には鼓童49カ国目となるベトナムでの公演も予定されています。この夏、ECにて共演したベトナムのバックハー、2月に訪問した際にお会いした皆様との再会と共演、現地でのミュージックフェスティバルへの参加も予定されております。

Photo: Takashi Okamoto

昨年のEC後にインドネシア、バリ島に訪問したように、出会った方々の本拠地を訪ねることはお互いの歴史や背景を深く知ることができ、相互理解をさらに深めることができます。数年後のECでは数カ国からのゲストをお呼びできるかもしれません。

昨年の香港、今年始めのブラジルなど、近年、欧州や北米以外の国や地域にでかける機会が増えております。鼓童の活動範囲や内容がさらに広がりをもち、個人やグループの幅や奥行きにつながってさらに面白い音楽や表現が生まれてくればと思います。

Photo: Takashi Okamoto
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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夏の終わりに…/船橋裕一郎


夏の終わりに…

Photo: Maiko Miyagawa

本拠地、小木の港祭りも終わり、夏も終わりを告げようとしています。

Photo: Takashi Okamoto
この8月、私達は二つの大きな挑戦をやり遂げることができました。35周年記念コンサートでは、玉三郎さんのもと『出逢い』『螺旋』『飛翔』と3日間で全く異なるプログラムに挑み、素晴らしい音響のサントリーホールに、身体の躍動とともに繊細にして大胆、多彩な太鼓の音が響きわたりました。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

これまでの鼓童35年の歴史、そして深い愛情を注ぎ続けてくださる玉三郎さんとの16年に及ぶ歩みとの融合となり、次の一歩を踏み出すにふさわしい公演でした。

Photo: Maiko Miyagawa
そして新たな試みによるアース・セレブレーションは、佐渡全島のフェスティバルへとなるべく、多くの皆さんのご協力を得て様々な企画に挑戦しました。

Photo: Erika UedaPhoto: Takashi Okamoto

象徴ともいうべき城山コンサートは今回ありませんでしたが、鼓童村コンサート(中込健太演出)、ECシアター(坂本雅幸演出、石塚充演出)、鼓童フリンジ(内田依利、草洋介、住吉佑太)、様々な企画へのメンバーの参加など自分達も島内外の皆様とともに、このフェスティバルを楽しむという思いを胸にそれぞれが自発的に取り組み、挑みました。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Maiko Miyagawa

なにぶん大きな変化だったこともあり、多々課題はありましたが、メンバーそれぞれの才能の開花、芽吹きを見る事ができ、佐渡全島に祝祭の輪を広げる一歩になった実感を持ちました。

Photo: Erika Ueda

両企画とも、稽古段階からとても大変な時間と労力ではありましたが、演奏者の充実した顔、そして蓄え得たものは大きいものとなりました。現在の鼓童には、稽古時間と場所、出したい音を探せる楽器の数々があります。それは我々演奏者には、かけがえのない財産でありそれは一重にこれまで支援やご指導を頂いた方々、お客様そしてスタッフのおかげであるということを改めて思います。

Photo: Erika Ueda

休む間もなく交流公演班、ワン・アース・ツアー「螺旋」班は始動いたしました。各小編成やソロ活動も含め、この夏得たものを全国各地、世界各地で音にのせ、そしてまた旅の中で得たものを持ち帰りたいと思います。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

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鼓童ワン・アース・ツアー2016〜螺旋
http://www.kodo.or.jp/news/20160900oet_ja.html


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