「鼓童佐渡宿根木公演」開幕/漆久保晃佑
鼓童佐渡宿根木公演2016
皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日、「鼓童佐渡宿根木公演」が開幕いたしました。公演が行われます宿根木公会堂は改装され、先日こけら落としがあったばかりです。そんな新しく生まれ変わった宿根木公会堂のこれからの発展を祈願し皆さんと共に盛り立てていきたいと思っております。
明日以降も、皆さまお誘い合わせの上お越しください。たくさんのご来場をお待ちしております。
(※写真はゲネプロの様子/鼓童文化財団FBより)
鼓童佐渡宿根木公演2016 -春-
http://www.kodo.or.jp/news/20160429sadoshukunegiperformance_ja.html
2016年4月29日(金・祝)~5月5日(木・祝)新潟県佐渡市 宿根木公会堂(5月2日(月)は休演)
鼓童チケットサービス Tel. 0259-86-2330 (月~金 9:30〜17:00)
e+(イープラス)http://eplus.jp
「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」5月19日佐渡で幕開け!/石塚充
鼓童プレミアムコンサート
「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」
5月19日佐渡で幕開け!
35周年特別企画として予定している鼓童プレミアムコンサート「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」。その初日が佐渡にて、5月19日に幕開けです!
鼓童の演奏ももちろんたっぷりとお届けしますが、楽器の演奏家ではない玉三郎さんが鼓童の太鼓や音楽をどのように捉え、どのような発想で創作にあたっているのか、鼓童が玉三郎さんのイメージを受けてどのように曲作りにむかっているのか、これまでになかった切り口で玉三郎さんご本人に語っていただきながらの特別な舞台です。
「鼓童の舞台はよく観ているよ」という方でも、「玉三郎さんのことは舞台やテレビで拝見してますよ」という方でも、もちろんどちらもまったく初めてという方にも気軽に楽しんでいただけるスペシャルコンサートです。どうぞお見逃しなく〜!
鼓童35周年特別企画 鼓童プレミアムコンサート
「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」<佐渡公演>
2016年5月19日(木)18:30開演
新潟県佐渡市 アミューズメント佐渡
料金:SS席5,000円 S席4,500円
※学生(小学生~高校生)は当日2,000円返金
【問】鼓童チケットサービス Tel. 0259-86-2330
佐渡公演詳細
http://www.kodo.or.jp/oet/20160519b_ja.html
▼佐渡初演ほか、東京、京都、香川、熊本でも開催します!
「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」公演スケジュール
- 2016年5月19日(木)18:30 新潟県佐渡市 アミューズメント佐渡
- 2016年5月28日(土)13:00/18:00 東京都台東区 東京藝術大学 奏楽堂
- 2016年5月29日(日)13:00 東京都台東区 東京藝術大学 奏楽堂
- 2016年6月1日(水)11:00/16:00 京都府京都市 京都劇場
- 2016年6月2日(木)11:00/16:00 京都府京都市 京都劇場
- 2016年6月3日(金)11:00 京都府京都市 京都劇場
- 2016年6月29日(水)18:30 香川県高松市 レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール
- 2016年7月16日(土)14:00 熊本県山鹿市 八千代座
- 2016年7月17日(日)14:00 熊本県山鹿市 八千代座
- 2016年7月18日(月)14:00 熊本県山鹿市 八千代座
- 2016年7月19日(火)14:00 熊本県山鹿市 八千代座
鼓童浅草特別公演「若い夏」に向けて/前田剛史(演出)
鼓童浅草特別公演「若い夏」に向けて
鼓童は今年で創立35周年を迎えました。2012年からは坂東玉三郎さんを芸術監督にお迎えして足掛け5年になります。鼓童が誕生以来今日までに培ってきたもの、そして玉三郎さんとの出逢いから得てきたものを大切にし、今と向き合っていかねばなりません。そのような一つの節目となる年に、浅草公会堂に於いて「若い夏」という公演の演出を担当させていただく事となりました。
山口幹文さんと齊藤栄一さんという2人の先輩の力添えをいただきながら、「若い夏」のタイトルの通り、年齢もキャリアも若いメンバーを中心に構成した舞台です。私や「若い夏」の出演者のほとんどは鼓童が人気を博して、一つの型が出来上がっている環境下での入団でした。これまで芸術監督とともに取り組んできた数年間は、自分達の固定概念を考え直しての出発でもありました。その時改めて『鼓童』という集団がどの様なものか見えてくることが多くありました。
今回の舞台では「若い夏」の題字を書いてくださった、左官職人の挾土秀平さんに舞台美術をお願いしました。
今年の1月に「若い夏」のメンバーと一緒に挾土さんの工房にお訪ねしました。その時、挾土さんのお声がけで、真冬にもかかわらず外で焚き火をして朝食にうどんを茹でて食べようということになったのです。
自分が鼓童村で寮生活をしている時にみなで集まり、焚き火をしてはハムやチーズを焼いたりして食べたことがありますが、まさか挾土さんと共に、このようなスタイルで朝食を作ることになるとは思ってもみませんでした。挾土さんの号令で早速山から枝を集め、せっせと火を起こし、じっと鍋が沸騰するのを待つ。
その間に畑から大根をとってきてすり下ろす人、食器を準備する人、食べられるような場所を作る人。申し合わせずとも皆で協力して朝御飯のために動きます。具はツナと辛味大根のおろしだけ、とてもシンプルです。そして、麺が茹で上がったら釜揚げで熱々のうどんを好きなだけ食べる。「朝食、食べるぞ!」と言ったのが9時頃。食べ始めたのが11時頃。体も芯まで冷えお腹もペコペコの状態で食べたあのうどんの味は、「こんなに美味いうどん初めて食べた!」と思うほど体に染み渡りました。
皆でたっぷり時間をかけて作り、味わう。このプロセスがあったからこそ、深く味わえ、普段の何十倍も吸収できることがありました。飛騨高山の地で職人として自然や日々の生活と向き合っておられる挾土さんの言葉には濁りがなく、芸術家というよりは「親方!」と言いたくなるような親しみを感じて引き込まれてしまう瞬間があります。挾土さんとの経験を通して、普段何気なく過ごしている中に、一つ一つを大切に生きることの大事さを再確認したのです。
今の自分達でどんな舞台が作れるのか。鼓童として大切にしなくてはならないものは何なのか、先輩たちがここまで命燃やし打ち継いできてくれたものは何なのか。芸術監督が伝えようとしてこられたことは何なのか。自分に問いかけ、周囲と向き合って、新しい道を切り開く。これが今の自分達には大きな意味があるのだと感じています。「若い夏」がどんな舞台になるかはまだまだこれからですが、皆で精一杯創り、舞台に挑みたいと思っています。
▼【残席わずか】鼓童浅草特別公演「若い夏」チケット好評発売中!
鼓童浅草特別公演「若い夏」
2016年7月1日(金)〜3日(日)東京都台東区 台東区立 浅草公会堂
http://www.kodo.or.jp/news/20160701asakusa_ja.html
【問】チケットスペース Tel. 03-3234-9999
(月〜土、10:00〜12:00、13:00〜18:00)
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 [Pコード:286-894] http://pia.jp/
・イープラス http://eplus.jp/
・ローソンチケット Tel. 0570-000-407(オペレーター 10:00~20:00) Tel. 0570-084-003[Lコード:34284] http://l-tike.com/
・セブンチケット http://7ticket.jp/ 全国のセブン-イレブン店頭マルチコピー機
「アース・セレブレーション2016」ベトナムの風/池永レオ遼太郎
ベトナムの風
春の日差しが心地よい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。佐渡の稽古場は様々な新作に向けて、稽古の毎日です。そんな中、今年の「アース・セレブレーション」の準備も進めております。
今年の「アース・セレブレーション」はベトナムからゲストを招き、私たちの本拠地である鼓童村でコンサートを行います。それに向けての準備の為、実は2月にベトナムに視察へ行ってまいりました。
僕たちがハノイについたのは丁度旧正月の頃。
提灯や国旗が至る所に飾られ、華やいでいました。
僕たちは色々な料理を食べ
町を歩き
様々なアーティストと交流し
文化の違いや共通点を楽しみ
あっという間の一週間が過ぎて行きました。
現地の空気を吸い、現地の食べ物を食べ、現地の音楽を聴く。国際交流において現地を訪れ文化に触れることの大切さを再認させられた貴重な旅でした。今年の「鼓童村コンサート」はお客様にも僕たちが感じたベトナムの風を感じて頂ける様な機会にできればと思っています。
また、今年の「アース・セレブレーション」は鼓童村コンサート以外にも鼓童メンバーによる様々な小公演を企画しております。皆様のご来島、お待ちしております!
鼓童村コンサート演出補佐:池永レオ遼太郎
アース・セレブレーション 2016
http://www.kodo.or.jp/news/20160826ec_ja.html
※イベント内容の詳細は5月上旬にEC公式サイトにてお知らせします。コンサート、WSなど各種チケット発売は6月20日です。
BLUE TOKYO&DAZZLE&鼓童「飛翔」合同リハーサル/小松崎正吾
鼓童創立35周年記念コンサート
BLUE TOKYO&DAZZLE&鼓童
「飛翔」合同リハーサル
35周年記念コンサート3日目「飛翔」の合同リハーサルを行いました。
「アース・セレブレーション2014」以来、2年振りの共演となります、DAZZLEさん、BLUE TOKYOさん。
久しぶりの再会に互いに胸高鳴らせながらの3日間…前回よりも確実に3者の関係も深まり、日に日に音と身体が溶け合って一つになっていく感覚はなんとも言えない心地良さがありました。
太鼓から踊りが見えて、踊りから太鼓が聞こえる。躍動する身体と太鼓の音が、サントリーホールの舞台でどんな化学反応を起こすのか、僕達もワクワクしています。
35周年記念公演最終日、勢いよく羽ばたき飛び出して行く新しいエネルギーを、是非体感しに来てください。
▲玉三郎さんによるお稽古の様子
8月20日、東京・サントリーホールでお待ちしております。
▲稽古後にDAZZLEさん、BLUE TOKYOさん、芸術監督・玉三郎さんと鼓童メンバーでの記念撮影
鼓童創立35周年記念コンサート
http://www.kodo.or.jp/news/20150917kodo35th_ja.html
2016年8月18日(木)、19日(金)、20日(土)サントリーホール
8月18日(木) 第一夜 〜出逢い〜
出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団/指揮:下野竜也
8月19日(金) 第二夜 〜螺旋〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童
8月20日(土) 第三夜 〜飛翔〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童、ゲスト:BLUE TOKYO、DAZZLE
プレイガイド
・チケットスペース Tel. 03-3234-9999(オペレーター) WEB「チケットスペースオンライン」検索
・サントリーホールチケットセンター Tel. 0570-55-0017
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 [Pコード:286-898] http://pia.jp/
・イープラスhttp://eplus.jp/
・ローソンチケット Tel. 0570-000-407(オペレーター 10:00〜20:00)Tel. 0570-084-003 [Lコード:30118] http://l-tike.com/
・セブンチケット http://7ticket.jp/ 全国のセブン-イレブン店頭マルチコピー機
・東京文化会館チケットサービス Tel. 03-5685-0650
「出逢い」リハーサル!/石塚充
鼓童創立35周年記念コンサート
「出逢い」リハーサル
8月に東京・サントリーホールで行う「鼓童創立35周年記念コンサート」に向けてのリハーサルが佐渡にて始まりました。
▲猿谷紀郎さんと坂本雅幸/伊左治直さん
この数日間は作曲家の猿谷紀郎さんと伊左治直さん、そして指揮者の下野竜也さんをお迎えして、「第1夜〜出逢い〜」でのオーケストラとの共演作品の稽古です。
自分のリズムや音色にいつも以上に神経を使いつつ、緻密に計算された細かい指示が記載された楽譜を目で追いつつ、目の端で指揮を捉えつつ‥‥普段の舞台での演奏とはまったく違う神経を酷使し、とにかく必死で食らいついていくばかりでした。
クラシック音楽の練習方法や表現方法、音の成り立ち等々細かく丁寧に指導をしていただき、音楽の世界の果てしない広大さ、底のない深さ、楽しさを改めて実感しました。
「モノプリズム」の初演から40年、また新たな作品が2曲誕生しました。8月のサントリーホールで、世界初演です。ここでしか聴けませんよ!
▲稽古後に作曲家の猿谷さん、伊左治さん、指揮者の下野さん、エレクトーン奏者の清水さん、松田さん、
芸術監督・玉三郎さんと鼓童メンバーでの記念撮影
鼓童創立35周年記念コンサート
http://www.kodo.or.jp/news/20150917kodo35th_ja.html
2016年8月18日(木)、19日(金)、20日(土)サントリーホール
8月18日(木) 第一夜 〜出逢い〜
出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団/指揮:下野竜也
8月19日(金) 第二夜 〜螺旋〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童
8月20日(土) 第三夜 〜飛翔〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童、ゲスト:BLUE TOKYO、DAZZLE
プレイガイド
・チケットスペース Tel. 03-3234-9999(オペレーター) WEB「チケットスペースオンライン」検索
・サントリーホールチケットセンター Tel. 0570-55-0017
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 [Pコード:286-898] http://pia.jp/
・イープラスhttp://eplus.jp/
・ローソンチケット Tel. 0570-000-407(オペレーター 10:00~20:00)Tel. 0570-084-003 [Lコード:30118] http://l-tike.com/
・セブンチケット http://7ticket.jp/ 全国のセブン-イレブン店頭マルチコピー機
・東京文化会館チケットサービス Tel.03-5685-0650
<鼓童創立35周年記念コンサートは以下の企業のご協賛をいただいています>
鼓童村 村民行事/前田順康
4月6日 鼓童村 村民行事
4月6日、春はまだまだ青い中、鼓童村村民行事が行われました。
▲まずは準備体操から
毎年、メンバー・スタッフと新研修生との初顔合わせにもなっているこの村民行事。
2日前に全国各地から佐渡へ渡ってきた研修所1年生。期待と不安に満ちた表情は2年前の自分と重なり、非常に刺激をもらえます。
村民行事では鼓童村の森から切り出した木を、次の冬を越すための薪用に割り、運びます。
ヨーロッパから、ブラジルから戻ったメンバー、長い佐渡の冬を過ごしたメンバー、研修生。みんなで山に入ったこの日。木々に囲まれた鼓童村。花の芽や蕾に季節の移ろいを感じました。
なんとも言葉にし難い、形容し難いのですが、生活している感・生きている感に満ちた共同体だと思います。そんな佐渡の風・鼓童の風が世界の風と混ざり合っていくんだな、などと考えながら、運んでは積んで、また運んで積んで、運んで…夕方にはなんとも芸術的な薪の壁が…。
鼓童村での生活がスタートして2ヶ月が経った私たち準団員。充実した日も、うまくいかない日も自分たちなりに精一杯送っています。
ぐんぐん伸びゆく草花。
とたんに色づきだした緑。
研修生から数えて3年目の佐渡ですが、この環境、この生活からはまだまだたくさん学ぶことがあるようです。
鼓童文化財団研修所 35期生入所/千田倫子
鼓童文化財団研修所 35期生入所
4月4日、鼓童文化財団研修所の新1年生が、佐渡に渡ってきました。新潟、長野、東京、香川、沖縄、サンフランシスコ、ノルウェーからの10名です。
初日のこの日は、応援して送り出してくださった家族や地元の方々の事など此処に来た思いを噛みしめながら、1.2キロ先の山の上の研修所まで一人ずつ、一歩一歩坂道を上がります。この坂道は明日からのトレーニングでは決して歩く事のない、2年間の試練の坂道です。
鼓童、鼓童文化財団、北前船の代表、講師陣が迎えた入所式にて、緊張の挨拶
2日後には鼓童村にて、全メンバー・スタッフの前でドキドキの自己紹介。その後の森の整備作業では、先輩方から温かい声をかけてもらいました。
来所して5日、日々、新しい事に出会っている1年生ですが、なかなか良いチームワークで滑り出したようです。それぞれが、多くの人に支えられて目標としたこの場所に来ることができた幸せを忘れず、研修生活に真摯に取組み、一人ひとりと35期の可能性を拡げていって欲しいと願っています。
鼓童村での春/小池将也
鼓童村での春
佐渡も少しずつ暖かくなり、桜が咲き始めています。佐渡の半年近くある長い冬も過ぎ、「これからやっと春だぞ!」と吹く風に言われている気がします。祭りのシーズンでもあるため、島中で太鼓の音が聞こえてとても賑やかになってまいりました。4月からの鼓童村は欧州ツアー、南米ツアーを終えた団員や日本各地のでの公演を終えた大ベテラン、そして新しい準団員が一同に集結し、「35周年記念コンサート」に向けた作品作りや、「佐渡宿根木公演」、夏のEC、秋からの作品づくりなど様々な稽古に励んでいます。
話は変わりますが、若手メンバーが住む住居棟の裏に、何年も手の施されていない畑があります。
その畑でこの春から何かを植えようと思い、賛同してくれた三浦康暉、鶴見龍馬、渡辺健吾と私の4人で「チーム畑」を結成いたしました。4月はバジルやローズマリーなどのハーブ類。5月はサツマイモなどの芋類を植えようと計画中です。
まずは畑を再生させるところから。土を掘り返して土に空気を入れ、乾燥させて、また掘り返す。それの繰り返しをした後、いよいよ種を植える! と、現在はそんなところです。畑に必要な肥料や道具類はまだまだ不十分なので、これから少しずつ手に入れて楽しく頑張ります。
ここ最近は鼓童が大切にしている「くらす・まなぶ・つくる」の “つくる” についてもう一度見つめなおそうと思っています。
佐渡でくらし
太鼓にまなび
野菜をつくる
この春の生活を自分なりに当てはめただけですが、鼓童がずっと大切にしている “なにか” を肌で感じて、舞台にいつか活かせることができたらなと思っています。そして、これから様々な活動をしていく鼓童でも、大切なものは大切なまま受け継いで行けるように頑張っていきます。
ブラジルから持ち帰ってきたパワーを存分に発揮し、今よりもっとパワーアップして、また舞台でみなさまにお会いできるのを楽しみにしています!
芽吹きの喜び/船橋裕一郎
芽吹きの喜び
この度、鼓童芸術監督・坂東玉三郎さんが「日本芸術院賞」さらに「恩賜賞」を受賞されました。心よりお祝い申し上げるとともに我々鼓童一同、大変貴重な時間を過ごさせて頂けていることに感謝している次第です。
さて、4月の佐渡はお祭りの季節です。各集落の鬼太鼓が祭り当日に向けて稽古に励み、夜遅くまで島中に太鼓の音が響き渡ります。また、長い冬を越えた佐渡の景色は一段と美しくそのような景色も楽しめる「佐渡宿根木公演」にも是非足をお運び頂ければと思います。
我々は今月と来月にかけては、この一年間のプログラムに向けて、稽古や創作にかかります。芸術監督をはじめ多くのゲストの方々がご来島され35周年作品はもちろん「螺旋」や「幽玄」もこの期間に作り上げてまいります。今後も続く新作の舞台にもご期待ください。
先月は、鼓童としては8年振りのブラジル公演に行ってまいりました。一昨年のサッカーワールドカップ、まもなくはじまる五輪に街も活気に満ちあふれていると予想しておりましたが、現在、経済状態は芳しくない様子で、大統領の不正問題なども重なり政治も大変混迷しておりました。現地にいる間には多くのサンバチームや日系太鼓コミュニティとの交流などの時間もあり、得難い経験をいたしました。
陽気でおおらかな性格の国民性に触れ、伝統的なサンバ会場で感じた熱気、演奏者と聴衆が一体となった雰囲気は忘れることができません。同時に数々のインタビューやディスカッションのなかであがる質問は、鼓童や太鼓のルーツや意味に対する探究心に溢れるものが多いというのも印象的でした。それは他民族で移民の多い国柄が国民に与える影響であるのかとも同時に感じ、我々自身のルーツやこれからの行く末に対して考える良い機会ともなりました。
日本との時差12時間、気温差はこの時20度から30度。地球の反対側での国での公演に、気温以上に熱いものを感じ、再訪を誓い彼の地を後にしました。
太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎