鼓童ブログ Kodo Blog

Tag ‘鼓童村’

【出逢い】「紺碧の彼方」作曲家・猿谷紀郎氏インタビュー『青い海に潜めた 数字の魔法』/寄稿・清川 仁


鼓童創立35周年記念コンサート 第一夜
〜出逢い〜
8月18日(木) 東京・サントリーホール

<鼓童×新日本フィルハーモニー交響楽団>
ープログラムー
伊左治直作曲 「浮島神楽」世界初演
猿谷紀郎作曲 「紺碧の彼方」世界初演
石井眞木作曲 「モノプリズム」
冨田勲作曲 「宇宙の歌」

「紺碧の彼方」作曲家・猿谷紀郎氏インタビュー
青い海に潜めた 数字の魔法

文●清川 仁

Photo: Erika Ueda

冷静さの中に血の沸き立つような情熱と魂。それが、何度も演奏を聴かせていただいた僕が感じる、鼓童の素晴らしい魅力です。オーケストラとの共演ではそこに、ストイックなまでの客観性、冷静さを増幅し織り交ぜてゆけないかと考えました。おもむくままに音を大きくする、速くするということも大事ですが、同時に自分が今どういう状況にいてそう叩いているかということを、別の視点で見てみることも重要かも知れません。

Photo: Erika Ueda

新曲「紺碧の彼方」のエッセンスは、3連符と4拍のシンプルなポリリズムにあります。それが細胞のような最小単位であり、なおかつ全体を支配しています。稽古では、この混じり合わない3と4の組み合わせを何度も練習しましたが、終盤では最初と比べものにならないほど緻密になりました。

Photo: Erika Ueda

平胴太鼓3台、締太鼓2台という最小限のユニットでどこまで色んな変化が可能かということにも着目しています。

作曲家には、それぞれの作品ごとにその作品を構成する原理が必要と考えています。思いつきの鼻歌も作曲に違いないけれど、普遍性や客観性には疑問がある。ドの次にレが来る必然性、どうしても次はこの音に行かなきゃいけない、という仕組みを作ることが二十世紀以降の作曲とも言えるでしょう。

Photo: Erika Ueda

伊勢神宮の式年遷宮の曲を創らせていただいたとき、左右対称の神殿の形に倣って、5楽章それぞれを全てシンメトリーの構図にしました。今回は、紺碧の海に囲まれた佐渡の風景と、少しずつサイズが異なる3台の平胴太鼓とを、同居させる仕組みに行き着きました。3台の太鼓の胴の幅はおよそ60センチ、65センチ、70センチ。紺碧という色の由来になったラピスラズリという鉱石は、硬度が5〜5.5。その比を割り出して導いた10:11:12:13:14という数字の組み合わせで、新曲は出来ているのです。

Photo: Kenta Nakagome

タイトルが示す通り、青い海の果てに一体何があるのだろうかという思いも込めています。そうした詩的なイメージと、数学や哲学めいた仕組みとを同居させることが芸術だと考えています。

Photo: Erika Ueda

お聴きになる方には、仕組みを理解していただく必要はありませんが、太鼓が似たようなことをやっているようで少しずつ違う、というデリケートな変化を感じていただければ嬉しいです。また、紺碧の彼方のような広い空間を、オーケストラの楽器の倍音によって存分に感じていただければと思います。

Photo: Erika Ueda

猿谷紀郎 Toshiro Saruya:慶応義塾大学を卒業後、ニューヨークのジュリアード音楽院作曲科、同大学院を卒業。ミュンヘンビエンナーレBMWシアタープライズ最高作曲賞、クーセヴィツキーファウンデイションなど受賞し、1992年武満徹監修サントリーホール国際作曲委嘱シリーズにおいて初演された「Fiber of the Breath《息の綾》」で一躍その名を知られることとなった。芥川作曲賞、出光音楽賞、尾高賞、佐治敬三賞、芸術祭大賞など受賞。2014年には、第62回伊勢神宮式年遷宮の奉祝曲《交響詩「浄闇の祈り2673」》で3度目の尾髙賞を受賞した。

清川 仁 Jin Kiyokawa:読売新聞東京本社文化部記者。音楽担当記者として、邦楽ポピュラーを中心に、ジャズ、クラシック、純邦楽など幅広く取材を行う。年間、100人以上のアーティストに取材し、100本以上のコンサートに足を運ぶ。 「次世代シャンソン歌手発掘コンテスト」(日本シャンソン協会主催)審査員。


news20160818kodo35th_01-1鼓童創立35周年記念コンサート

http://www.kodo.or.jp/news/20150917kodo35th_ja.html

8月18日(木) 第一夜 〜出逢い〜
18:00開場/18:30開演
東京・サントリーホール

出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也

料金:S席9,800円 A席7,800円 B席6,800円(全席指定、未就学児の入場はご遠慮ください。)

お問い合わせ:チケットスペース Tel. 03-3234-9999(月〜土、10:00〜12:00、13:00〜18:00)


<「出逢い」関連記事>

好対照 二つの新曲オーケストラ/寄稿・清川 仁
紺碧の彼方 作曲家・猿谷紀郎氏インタビュー「青い海に潜めた 数字の魔法」/寄稿・清川 仁
浮島神楽 作曲家・伊左治 直氏インタビュー「我が意を得たり 共に紡ぐ伝奇」/寄稿・清川 仁


【出逢い:稽古ルポ】好対照 二つの新曲オーケストラ/寄稿・清川 仁


鼓童創立35周年記念コンサート 第一夜
〜出逢い〜
8月18日(木) 東京・サントリーホール

<鼓童×新日本フィルハーモニー交響楽団>
ープログラムー
伊左治直作曲 「浮島神楽」世界初演
猿谷紀郎作曲 「紺碧の彼方」世界初演
石井眞木作曲 「モノプリズム」
冨田勲作曲 「宇宙の歌」

Photo: Erika Ueda

8月東京・サントリーホールでの「出逢い」公演を前に、鼓童の本拠地、新潟・佐渡島にて作曲家・猿谷氏、伊左治氏、指揮者・下野氏とのリハーサルが行われました。その稽古場の様子を音楽記者の清川氏にレポートしていただきました。

好対照 二つの新曲オーケストラ

文●清川 仁

Photo: Erika Ueda

桜やスイセンの花が今を盛りと咲き誇り、春の訪れを寿ぐ祭りばやしも聞こえてきた4月上旬の佐渡島。風景が色づき、にぎわい始めたこの島に根を張る太鼓芸能集団・鼓童も、新たな芽吹きの季節を迎えていた。8月18日の「創立35周年記念コンサート第一夜〜出逢い〜」に向けた、世界初演となる新曲2曲を含む、オーケストラとの共演曲への取り組みだ。

稽古場には、現代音楽の最先端を走る作曲家、猿谷紀郎さんと伊左治直さん、将来の音楽界を担う俊英、指揮者の下野竜也さん、さらに、坂東玉三郎芸術監督の姿もあった。東京から新幹線と船を乗り継ぎ、なおかつ車で1時間あまり要する鼓童村へ、この顔ぶれを集めてしまう鼓童の行動力、組織力に恐れ入る。

筆者の目には、この稽古場で繰り広げられた1年前の光景が焼き付いている。「混沌」の稽古で、大きな平胴太鼓にメンバーが乗り、コーヒーカップのように稽古場をぐるぐる回る。玉三郎芸術監督がまさにその瞬間にひらめいたアイデアを言い放ち、鼓童メンバーがそれに生き生きと応じて次々に形にしていったのだ。

Photo: Erika UedaPhoto: Erika Ueda

しかし、今回の雰囲気は異なっていた。メンバーの身体は緊張で硬く、表情もこわばって見える。エレクトーン奏者が弾くオーケストラパートにつられてリズムを乱し、頭を抱える場面もあった。普段、奏者同士で呼吸を合わせてリズムを共有する鼓童メンバーにとっては、場を統率する指揮者も詳細に書き込まれた譜面も自由を奪う存在だっただろう。

そんな緊張状態を、テンポ抜群の進行とエネルギッシュな指導で解放させるのが、下野さんだ。「100点です! 1000点満点のね」。親指を突き上げ、いたずらっぽく微笑む。一瞬のリズムのズレも逃さず聞き分け、決して妥協を許さないが、それを明るい冗談に包んで場を和ます。

IMG_3758-s

隣には、下野さんの指示を丹念にメモするメンバーの坂本雅幸さんがいた。指揮者と作曲家がそろう貴重な場で、彼らの意図する音楽を必死にとらえようとしていた。

「自分たちは楽譜や、オーケストラに合わせることに慣れていないので、指揮者も作曲家もいない時に、僕がどのように稽古を進めていくか俯瞰して見る役割を任せていただいています。自分達が思っている以上にオーケストラと調和するのが難しいので、僕が通訳になれればと思います」

Photo: Erika Ueda

坂本さんは、下野さんから「こういうのは、太鼓の奏法としてありですか?」と問われる場面も多々あった。太鼓奏者側の窓口として、やはり指揮者にとっても良き通訳となっているのだ。同時に、下野さんの太鼓に対する敬意も感じられた。

「太鼓は、誰が叩いても音が出るでしょ。だから難しいんですよね。僕らクラシックの指揮者の中にも、打楽器奏者には平気でバチを替えろと言う人がいるんです。バイオリンに楽器を変えろなんて言わないのに、失礼な話です。誰もが音を出せるものをいかに質の高いものでやるのかは、誰でもできるものではないんです」

Photo: Erika Ueda

さて、今回、鼓童から新曲の委嘱を受けた2人の作曲家は、図らずも対極的なアプローチでこのプロジェクトに臨んだ。2曲の違いは、音にも見た目にも指導にも明白だった。音楽的にもパフォーマンスでも鼓童を伸び伸びと躍動させる伊左治さんの「浮島神楽」と、禁欲的なアプローチを導入して鼓童を新たな次元に立たせる猿谷さんの「紺碧の彼方」だ。

Photo: Erika Ueda
神秘的な燦めきで幕を開ける「紺碧の彼方」は、16分の7、16分の7、16分の5、8分の6・・・と、めまぐるしく拍子が変化。とりわけ、3連符と4拍の異なるリズムを核になって鳴らす締太鼓の2人は、音の強さのばらつきや速度のブレなどが細かく修正された。平胴太鼓を叩く住吉佑太さんは、戸惑いを感じながらも徐々に猿谷さんの狙いを理解しつつあった。

Photo: Takashi Okamoto

「太鼓らしいフレーズというか僕たちの体に染みついているリズムとは異なり、最初は面白くないなと思ったんです。でも、猿谷さんとお話しして、少しずつ理解してきました。楽しく高揚しながら演奏することで人間らしさに繋がるのではないかと思っていたけれど、冷たく研ぎ澄まされた中であっても、人としての呼吸、人間性が滲み出てくるのかもしれない」

Photo: Nobuyuki Nishimura
神楽の雰囲気から太古へ、そして宇宙へと世界が拡張していくかのよう伊左治さんの「浮島神楽」は、丸太形のスリットドラムや、三宅島式の横打ちスタイルなど見た目にもにぎやか。バットばちを両手でブンブン回しながら振り下ろす叩きっぷりながら、音量は確かに抑制されている石塚充さんも印象的だった。

Photo: Takashi Okamoto

「伊左治さんは、僕らを見た目も含めてオーケストラの異物として存在させようとして、打ち方や雰囲気も指示される。太鼓だけの練習の時はフォルテシモで叩いていたのですが、サントリーホールは響くので3分の1の音量に抑え、それでいて雰囲気は大振りしてほしいと。大変ですが、コントロールしています」

オーケストラのバックで、太鼓がそれぞれ割り当てられた7拍子や5拍子のフレーズをバラバラに進行させるパートでは、下野さんからユニークな提案があった。互いの音やフレーズの個性を際立たせるため、キャラクター設定をするというものだ。「怒りっぽい人」「メソメソした人」「勤続40年の幼稚園の先生」「いてもいなくてもいいようなお巡りさん」という個性的な人物設定の中で、「バツ5」担当の蓑輪真弥さんも絶妙に解釈した。

Photo: Erika Ueda

「ある程度人生を経験している人で、いろんな人を見ながら、あ、この人いいな、この音いいなという人にパッと乗っかっていく。またいい音が聞こえたら、そっちに乗り換える心移りが激しい人。でも一途なところもあるような」

たった2日間の稽古ながら、メンバーはオーケストラの緻密な音作りを水が染み込むようにみるみる吸収していった。見所のたっぷりの世界初演曲に加え、太鼓とオーケストラの共演の先駆けである石井眞木さんの「モノプリズム」、日本が世界に誇るシンセサイザーアーティスト、冨田勲さん作曲の「宇宙の歌」も演奏される。

下野さんは「作品群はすべて質感がたっぷりですが、決して食べ合わせが悪いわけではなく、非常に良く練られたプログラムです。素敵なサントリーホールでいっぱいの音を浴びていただきたいと思う」と語った。


IMG_4467-f2016年4月、稽古後に作曲家の猿谷さん、伊左治さん、指揮者の下野さん、エレクトーン奏者の清水さん、松田さん、芸術監督・玉三郎さんと鼓童メンバーでの記念撮影

清川 仁 Jin Kiyokawa:読売新聞東京本社文化部記者。音楽担当記者として、邦楽ポピュラーを中心に、ジャズ、クラシック、純邦楽など幅広く取材を行う。年間、100人以上のアーティストに取材し、100本以上のコンサートに足を運ぶ。 「次世代シャンソン歌手発掘コンテスト」(日本シャンソン協会主催)審査員。

news20160818kodo35th_01-1鼓童創立35周年記念コンサート
http://www.kodo.or.jp/news/20150917kodo35th_ja.html

8月18日(木) 第一夜 〜出逢い〜
18:00開場/18:30開演
東京・サントリーホール

出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也

料金:S席9,800円 A席7,800円 B席6,800円(全席指定、未就学児の入場はご遠慮ください。)

お問い合わせ:チケットスペース Tel. 03-3234-9999(月〜土、10:00〜12:00、13:00〜18:00)

冨田勲氏と鼓童

tomita-PICT0032

作曲家・シンセサイザーアーティストの冨田勲さんが、今年5月5日にお亡くなりになりました。「宇宙の歌」は、鼓童のアルバム「ナスカ幻想」のために書き下ろされたもので、2008年にオーケストラ版として上演。今回8年ぶりに上演させていただくお願いに、「嬉しいお話です。鼓童村の『和泉邸』に一週間こもって作曲したうちの一曲です。」というご返事をいただき、当日にもご来場いただけるように準備をしていたところでした。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。


<「出逢い」関連記事>
紺碧の彼方 作曲家・猿谷紀郎氏インタビュー「青い海に潜めた 数字の魔法」
浮島神楽 作曲家・伊左治 直氏インタビュー「我が意を得たり 共に紡ぐ伝奇」


ロベール・ルパージュさん、鼓童村ご来訪!


ロベール・ルパージュさん、鼓童村ご来訪!

シルク・ドュ・ソレイユの「KA」や「TOTEM」などの作品の演出を手掛け、俳優の活動も行われているロベール・ルパージュさんが鼓童村にいらっしゃいました。

Photo: Yui Kawamoto

佐渡太鼓体験交流館にて太鼓体験

Photo: Yui Kawamoto

鼓童の演奏者やスタッフの間でもロベールさんのファンが多いのですが、なんとロベールさんご自身も長年鼓童を応援してくださっていたようです! とても素敵な出会いに感謝です。

2016年6月30日 鼓童村・食堂にて

2016年6月30日 鼓童村・食堂にて
左から河本唯、青木孝夫、ロベール・ルパージュさん(Robert Lepage)、クリスチャン・ギャロンさん(Christian Garon)、菅野敦司


鼓童塾 佐渡見聞録/佐渡探訪ちょこっとご紹介!


鼓童塾 佐渡見聞録/佐渡探訪ちょこっとご紹介!

7月15日(金)から開催する、3泊4日の合宿講座「鼓童塾 佐渡見聞録」、皆さまのご応募を募集しております !(6月30日(木)締切)。

http://www.kodo.or.jp/news/20160715kodojuku_ja.html

3日間を通して「鼓童」「自然」「歴史」をキーワードに南佐渡を巡る「佐渡探訪」。「花八丈と踊り」の講師、また、佐渡探訪で「鼓童村」などをご紹介する小島千絵子のメッセージをご紹介します。

【鼓童塾 3日目】
7月17日(日)佐渡探訪:《鼓童》
案内:小島千絵子
コース:佐渡太鼓体験交流館~鼓童村

小島千絵子よりメッセージ

日頃、鼓童の活動を応援して頂いてありがとうございます。鼓童の多岐にわたる活動の中でも、名誉団員も、様々に活動の振り幅を広げています。

13495622_1221597501193226_4739965403689404421_o

今回の企画では、佐渡の特に私達の住む小木周辺を三人がナビゲーターとしてご案内し、佐渡を今まで以上に親密に感じて欲しいと思っております。

私は、拠点である鼓童村やたたこう館をご案内します。ここから、鼓童が始まり歴史を刻んで参りました。太鼓とともに稽古を積んで、これまで鼓童の舞台を飾るたくさんのシーン、音楽が生まれました。普段では公開していない、まさに、鼓童の心臓部です。近年、稽古場の設備も整って、ご案内することがとても嬉しいです。100年後に太鼓になるかもしれない庭の欅の木に、どうぞ応援のタッチしてくださいね。

13442662_1221598967859746_774924660373234840_o
もちろん、私の 花八丈ワークショップも、どうぞお楽しみに。しっかり、お土産に持って行ってもらいます! 思い立ったら佐渡へ! お待ちしています。

千絵子

chiekokojima_s


駐日アメリカ合衆国ケネディー大使、鼓童村ご来訪


駐日アメリカ合衆国ケネディー大使、鼓童村ご来訪

Photo: Erika Ueda

佐渡で行われる環境スポーツイベント「SEA TO SUMMIT」参加の為、ご来島された駐日アメリカ合衆国大使のキャロライン・ケネディー大使がお忍びで鼓童村に遊びに来て下さいました。

Photo: Erika Ueda

ケネディー大使には研修生1,2年総勢19名とメンバーの阿部好江でおもてなしさせて頂きました。(ツアーや特別編成出演でほとんどの鼓童メンバーが佐渡島外でした)

Photo: Erika Ueda

研修生による元気あふれる演奏と、バラエティー豊富な太鼓の体験、最後はみんなで一曲を一緒に演奏し、鼓童の本部も紹介させていただくことが出来ました。

Photo: Erika Ueda

2年に一度はアメリカでツアーさせて頂いている鼓童にとって、この様にアメリカの外交官とお近づきになれることは本当に光栄な事です。

Photo: Erika Ueda

ケネディー大使、素敵なお時間をありがとうございました。来年ツアーでまた米国にお伺いさせていただきます。

Photo: Erika Ueda

2016年6月25日 鼓童村稽古場にて


「若い夏」稽古大詰め/松田菜瑠美


「若い夏」稽古大詰め(6月13日)

IMG_8044

7月の「若い夏」に向けての稽古が大詰めを迎えております。舞台の上で、周りとの関係性を捉えて、息を合わせて音を作っていく。集団で行う大きな魅力の一つであり、並大抵では得られないこの感覚を、若いメンバーが、連日朝から夜遅くまでの稽古の中で掴みつつあります。

IMG_8047

「もっと行ける」「まだまだ大きくなれる」そんな希望と、周囲からの期待に満ちた、若さというものに若い彼らが必死に向き合っています。エネルギーのある舞台に成長してきました。

鼓童村稽古場での稽古も今日が最後、明日からは劇場に入っての稽古です!


▼【残席わずか】鼓童浅草特別公演「若い夏」チケット好評発売中!
news20160701wakainatsu鼓童浅草特別公演「若い夏」
2016年7月1日(金)〜3日(日)東京都台東区 台東区立 浅草公会堂
http://www.kodo.or.jp/news/20160701asakusa_ja.html

【問】チケットスペース Tel. 03-3234-9999
(月〜土、10:00〜12:00、13:00〜18:00)


五月田の輝き/船橋裕一郎


五月田の輝き

この度の熊本地震につきまして、早期の終息と状況の改善を心から願っております。私も度々訪れた地や友人知人の被害状況を聞き、今後少しでもお力添えが出来るような動きをしていきたく、皆様の活力をより増幅できるような、舞台や音を届けていけるよう頑張ってまいります。

Photo: Erika Ueda

佐渡は、田植えの季節となりました。冬の寒さにより固められ、太陽からの養分を得た土に一気に水を張り巡らされ、キラキラと美しい景色が広がります。とはいえ、先月もお伝えしたように、今月は、来月のものから来年のものまで、いくつもの作品を作り上げている過程です。正直に申しますと美しい景色をゆっくりと眺めている余裕はあまりないのですが、通勤や買い物の際に普通にこの景色をみることのできる幸せを感じます。

Photo: Erika Ueda

能楽師・津村禮次郎先生によるお稽古

さて、来年の春に上演予定の「幽玄」という作品は、能を中心に日本の古典から着想を得て、作品作りを始めております。能のシテ方の歩みのようにゆっくり、ゆっくりと作品作りも進行しており、稽古終了時、皆が一斉におおきなため息をつくほど、張りつめておりますが、これまでにない作品になる実感と充実感、また古典から得られる新たな発見と学びを日々感じております。

Photo: Erika Ueda

また、「若い夏」では鼓童の結成当初からの演目を若いメンバーが基礎の基礎から学ぶべく朝早くから夜遅くまで必死の稽古をしております。

Photo: Takashi Okamoto

「35周年記念コンサート」にむけては、ゲストをお迎えしての稽古となりました。

鼓童文化財団Facebookより鼓童文化財団Facebookより

5年目を迎えた「佐渡宿根木公演」では、改装された宿根木公会堂で、見留知弘の構成演出で行われ、沢山のご来場を頂きました。

Photo: Erika Ueda

鼓童の活動は多種多彩ですが、足下を固め、多くのものを吸収しながらグループが進んでいく姿は、美しい田に重なるように思います。日々の取り組みに真摯に向き合いたいと思っております。

太鼓芸能集団 鼓童 代表 船橋裕一郎

yuichirofunabashi_s


【新潟・番組放映】「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」玉三郎氏&メンバーインタビュー


鼓童35周年特別企画 鼓童プレミアムコンサート
「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」

news20160519kodopremiumconcert01

鼓童プレミアムコンサート「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」佐渡初演に向けて、鼓童村での稽古の様子や玉三郎さんインタビュー、鼓童メンバーのインタビューが以下の番組で放映予定です。新潟にお住まいの皆様、ぜひご覧ください。

BSNラジオ「ゆうWAVE」
5月11日15:00〜17:30 ※鼓童・船橋の出演は15:10ごろを予定
電話出演:船橋裕一郎
http://www.ohbsn.com/radio/programs/wave/

TeNYテレビ新潟「新潟一番」
5月10日17:00〜19:00の間の数分
http://www.teny.co.jp/1ban/

UX新潟テレビ21「スーパーJにいがた」
5月9日18:15〜19:00の間の数分
http://www.uxtv.jp/super-j/

NST「みんなのニュース」
5月9日18:14〜18:56の間の数分
https://www.nsttv.com/tv/info/minnanonews.php

「坂東玉三郎がいざなう鼓童の世界」佐渡公演

2016年5月19日(木)18:30開演
新潟県佐渡市 アミューズメント佐渡
<チケット>
アミューズメント佐渡 Tel. 0259-52-2001
鼓童チケットサービス Tel. 0259-86-2330
鼓童チケット予約サイト(インターネット予約) https://piagettii.e-get.jp/


「出逢い」リハーサル!/石塚充


鼓童創立35周年記念コンサート
「出逢い」リハーサル

Photo: Erika Ueda

8月に東京・サントリーホールで行う「鼓童創立35周年記念コンサート」に向けてのリハーサルが佐渡にて始まりました。

Photo: Erika UedaPhoto: Erika Ueda

▲猿谷紀郎さんと坂本雅幸/伊左治直さん

この数日間は作曲家の猿谷紀郎さんと伊左治直さん、そして指揮者の下野竜也さんをお迎えして、「第1夜〜出逢い〜」でのオーケストラとの共演作品の稽古です。

Photo: Erika Ueda

自分のリズムや音色にいつも以上に神経を使いつつ、緻密に計算された細かい指示が記載された楽譜を目で追いつつ、目の端で指揮を捉えつつ‥‥普段の舞台での演奏とはまったく違う神経を酷使し、とにかく必死で食らいついていくばかりでした。

Photo: Erika UedaPhoto: Erika Ueda

クラシック音楽の練習方法や表現方法、音の成り立ち等々細かく丁寧に指導をしていただき、音楽の世界の果てしない広大さ、底のない深さ、楽しさを改めて実感しました。

Photo: Erika Ueda

「モノプリズム」の初演から40年、また新たな作品が2曲誕生しました。8月のサントリーホールで、世界初演です。ここでしか聴けませんよ!

Photo: Shingo Kawamura

▲稽古後に作曲家の猿谷さん、伊左治さん、指揮者の下野さん、エレクトーン奏者の清水さん、松田さん、
芸術監督・玉三郎さんと鼓童メンバーでの記念撮影

mitsuruishizuka_s


 

news20160818kodo35th鼓童創立35周年記念コンサート
http://www.kodo.or.jp/news/20150917kodo35th_ja.html

2016年8月18日(木)、19日(金)、20日(土)サントリーホール
8月18日(木) 第一夜 〜出逢い〜
出演:鼓童、新日本フィルハーモニー交響楽団/指揮:下野竜也
8月19日(金) 第二夜 〜螺旋〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童
8月20日(土) 第三夜 〜飛翔〜
演出:坂東玉三郎/出演:鼓童、ゲスト:BLUE TOKYO、DAZZLE

プレイガイド
・チケットスペース Tel. 03-3234-9999(オペレーター) WEB「チケットスペースオンライン」検索
・サントリーホールチケットセンター Tel. 0570-55-0017
・チケットぴあ Tel. 0570-02-9999 [Pコード:286-898] http://pia.jp/
・イープラスhttp://eplus.jp/
・ローソンチケット Tel. 0570-000-407(オペレーター 10:00~20:00)Tel. 0570-084-003 [Lコード:30118] http://l-tike.com/
・セブンチケット http://7ticket.jp/ 全国のセブン-イレブン店頭マルチコピー機
・東京文化会館チケットサービス Tel.03-5685-0650

<鼓童創立35周年記念コンサートは以下の企業のご協賛をいただいています>


鼓童村 村民行事/前田順康


4月6日 鼓童村 村民行事

4月6日、春はまだまだ青い中、鼓童村村民行事が行われました。

Photo: Erika Ueda

▲まずは準備体操から

毎年、メンバー・スタッフと新研修生との初顔合わせにもなっているこの村民行事。

Photo: Erika Ueda

2日前に全国各地から佐渡へ渡ってきた研修所1年生。期待と不安に満ちた表情は2年前の自分と重なり、非常に刺激をもらえます。

Photo: Erika Ueda

村民行事では鼓童村の森から切り出した木を、次の冬を越すための薪用に割り、運びます。

Photo: Erika UedaPhoto: Erika Ueda

ヨーロッパから、ブラジルから戻ったメンバー、長い佐渡の冬を過ごしたメンバー、研修生。みんなで山に入ったこの日。木々に囲まれた鼓童村。花の芽や蕾に季節の移ろいを感じました。

Photo: Erika Ueda

なんとも言葉にし難い、形容し難いのですが、生活している感・生きている感に満ちた共同体だと思います。そんな佐渡の風・鼓童の風が世界の風と混ざり合っていくんだな、などと考えながら、運んでは積んで、また運んで積んで、運んで…夕方にはなんとも芸術的な薪の壁が…。

Photo: Erika Ueda

鼓童村での生活がスタートして2ヶ月が経った私たち準団員。充実した日も、うまくいかない日も自分たちなりに精一杯送っています。

Photo: Erika Ueda

ぐんぐん伸びゆく草花。
とたんに色づきだした緑。

研修生から数えて3年目の佐渡ですが、この環境、この生活からはまだまだたくさん学ぶことがあるようです。

Photo: Erika Ueda
前田順康(準団員)


アーカイブ

カテゴリー

Top