鼓童メンバー投稿
2014年を振り返って/見留知弘
皆様こんにちは。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。
12月に入り、佐渡の最高峰・金北山にも雪化粧を見るようになりましたが、例年よりは暖かい師走の入りを迎えています。
さて、少し気が早くもありますが、今月は今年1年の鼓童を振り返ってみたいと思います。
まず1月末のヨーロッパでの「伝説」公演と、同時進行で実施した国内での小編成公演、春には「神秘」・交流学校公演の2つの国内ツアー、さらに並行して「佐渡特別公演」と各地での小編成の舞台を行いました。
6月には2回目となりました浅草公会堂での「神秘」連続公演も成功を収め、応援してくださる浅草の方々との絆をさらに深めることができました。
7月には交流学校公演ツアーのメンバーで、新しい演目と内容での「打男」のヨーロッパ公演を実施いたしました。2つのツアーを同時に行なうことはすでに定着していますが、今回初めて坂東玉三郎氏演出の異なった作品を世界で同時に上演できたことは、演奏者・スタッフともに大きな自信となりました。
そして夏には、地元佐渡でのアース・セレブレーション。
「城山コンサート」の初日は、名誉団員から準団員まで、鼓童の歴史の中でも最多となる総勢32名が出演いたしました。近年はメンバーの数も増えて、皆で同じ舞台に立つ機会がありませんでしたので、若くパワーみなぎる太鼓や、熟練の演奏など、稽古の時からお互いがとても刺激的で楽しい時間を過ごすことができました。
世代を超えて、同じ太鼓で繋がっている事は、改めてすばらしく、お客様にも30年の層の厚さを感じていただけたことと思います。
また、2日目には、新体操で磨かれ、研ぎすまされた肉体をもつ「BLUE TOKYO」の皆さんを、3日目には、さらにダンスの世界で独自な表現方法を追求する「DAZZLE」の皆さんと元ブルーハーツのドラマーの梶原徹也さんをお迎えし、ジャンルの枠を越えた、表現の融合と発信がされました。
秋には、若干のキャストの交替を行い、「神秘」の国内ツアー・交流学校公演の2つのツアーと、「佐渡特別公演」のベテランメンバーが、小編成、ソロ活動などを各地で精力的に行いました。また、昨年の11月から1年間掛けて展開して参りました「神秘」ツアーは、おかげさまで、国内のすべての日程を終了いたしました。各地の会場へのご来場とご声援をありがとうございました。なお、こちらは引き続き、北米での上演を予定しています。
そして11月には、新作舞台の「鼓童ワン・アース・ツアー~永遠」と、新演出の交流学校公演が、キャストを新たに稽古を始め、「永遠」は、11月20日に地元佐渡で初日を迎える事ができました。
この作品は、全ての楽曲が新たに書き下ろされたもので、演奏者には高い演奏技術と表現力が求められ、鼓童の舞台表現の新たな段階を感じていただける内容になっています。
両ツアーとも、これから1ヶ月にわたって各地で公演を予定しておりますので、お近くに鼓童が参りました際には、ぜひ皆様のご来場をお待ち致しております。
年の瀬の何かと忙しい日々ではありますが、公演のひととき、心を休めていただき、鼓童の音色で、一年を楽しく締めくくって頂けたらと思っております。
いってらっしゃい!交流公演班/蓑輪真弥
ワン・アース・ツアー班より一足先に、交流公演・内田組が出発しました。雨にも負けず、賑やかに送り太鼓で見送りました。
約1ヶ月のツアー、子ども達に本物の音を届けてきてください!
鼓童 交流学校公演について
http://www.kodo.or.jp/koryu/index_ja.html
鼓童|交流公演
http://www.kodo.or.jp/news/20141200koryu_ja.html
▼中込健太メッセージつき【鼓童 春秋座交流公演】紹介動画
▼YouTubeでみる
http://www.youtube.com/watch?v=BWtN5r5BQKo&feature=youtu.be
交流学校公演班、獅子躍のささらを作る/中込健太
今度のツアーで使う、獅子躍のささらを皆で手作りしました。約2週間、稽古の合間や夜に作業して完成しました。
このささらをつくります/採ってきた竹を割いて、節をとります。
ヤスリがけをします。これに和紙を貼って完成です。
久しぶりのツアーでの「LION」も楽しみです。交流公演、間もなく出発です。
鼓童|交流公演
http://www.kodo.or.jp/news/20141200koryu_ja.html
竹の切れ端でつくった「竹男」、青竹踏みとして活躍中
「永遠」初日/石塚充
11月20日「永遠」初日
およそ一年かけて創ってきた新作舞台「永遠」が、佐渡でめでたく初日の幕を開けました。
前田剛史作曲、坂東玉三郎構成「カタライ」(写真:岡本隆史)
朝日、光、風、波、動物や植物の気配、雨、雲、夜の闇、星、月、そしてまた朝が‥‥この世界のありとあらゆる現象、自然の営みが延々と螺旋状に続いていく。その中で生かされている「人々」の姿。そんな情景を、全編できたての新曲で描いていきます。
「永遠」と最初に聞いたときは、とんでもなく壮大なテーマを頂いたなと驚いていたのですが、玉三郎さんと一緒に噛み砕いていく中で、結局一番描きたいものは「人間」なんだというところに行き着き、すごくしっくりきて、力まずに曲づくりに取り組めるようになりました。
石塚充作曲・振付「満ちる」(写真:岡本隆史)
すべて新曲ということ、これまでの芸術監督の作品からさらに一歩踏み込んだ、まったく新しい舞台作品に仕上がっていることで、演じる自分たち自身、舞台上でどのようなことが起こるのか、お客さんが入ってみないとまったくわからないという状況での稽古がこの1年続きました。そうして、ようやく迎えた初日当日の楽屋の雰囲気は、いつもと違うじっとりとした緊張感で包まれていました。
いよいよ本番。客席からも、何が起こるのか?!という緊張感と期待感が伝わってきます。さてどうなるのでしょうか?!
ここから先は、皆様が実際に劇場で体感してみてください!
「永遠」ツアー、スタートしますよ!
11月 30日 (日) 【新潟】シティホールプラザ「アオーレ長岡」※
※中越大震災10年復興祈念・東日本大震災復興祈願祭 ハートビート・プロジェクト特別公演
12月 2日 (火) 【神奈川】ミューザ川崎シンフォニーホール
12月 4日 (木) 【愛知】愛知県芸術劇場コンサートホール
12月 6日 (土) 【大阪】NHK大阪ホール
12月 7日 (日) 【大阪】NHK大阪ホール
12月 10日 (水) 【岡山】岡山市民会館
12月 12日 (金) 【広島】上野学園ホール
12月 15日 (月) 【福岡】博多座
12月 16日 (火) 【福岡】博多座
12月 19日 (金) 【東京】文京シビックホール
12月 20日 (土) 【東京】文京シビックホール
12月 21日 (日) 【東京】文京シビックホール
12月 22日 (月) 【東京】文京シビックホール
12月 23日 (火・祝)【東京】文京シビックホール
12月 25日 (木) 【新潟】新潟県民会館
「永遠」魅惑ダンサーズ/地代純
最新作、鼓童ワン・アース・ツアー「永遠」。初日開幕まであと数日に迫り、稽古はすでに佳境に入っております。
撮影:坂本雅幸
今回、僕たち4人は「魅惑」という演目の中で今までにない新しい踊りを踊ります。幻想的で儀式の様な不思議な舞。是非、劇場でご覧ください。
別次元へと誘なう音の螺旋。
生き物のように絡み合う演出。
そしてそこに映し出される人間たち。
緞帳が開いたら、そこは異世界。
「永遠」お楽しみに。
11月 20日 (木) 【新潟】アミューズメント佐渡
11月 30日 (日) 【新潟】シティホールプラザ「アオーレ長岡」※
※中越大震災10年復興祈念・東日本大震災復興祈願祭 ハートビート・プロジェクト特別公演
12月 2日 (火) 【神奈川】ミューザ川崎シンフォニーホール
12月 4日 (木) 【愛知】愛知県芸術劇場コンサートホール
12月 6日 (土) 【大阪】NHK大阪ホール
12月 7日 (日) 【大阪】NHK大阪ホール
12月 10日 (水) 【岡山】岡山市民会館
12月 12日 (金) 【広島】上野学園ホール
12月 15日 (月) 【福岡】博多座
12月 16日 (火) 【福岡】博多座
12月 19日 (金) 【東京】文京シビックホール
12月 20日 (土) 【東京】文京シビックホール
12月 21日 (日) 【東京】文京シビックホール
12月 22日 (月) 【東京】文京シビックホール
12月 23日 (火・祝)【東京】文京シビックホール
12月 25日 (木) 【新潟】新潟県民会館
銀いろの風に乗って/漆久保晃佑
銀いろの風~唄と篠笛のコンサート~
2014年12月18日(木)東京都国立市 くにたち市民芸術小ホール
みなさんこんにちは。
佐渡もだんだんと寒くなってきて、実りの秋を迎えています。
さて、12月18日に国立市くにたち市民芸術小ホールで「銀いろの風~唄と篠笛のコンサート〜」が行われます。この公演では鼓童の礎を築いてきた容子さんの「やまず めぐるも」、幹文さんの「一管風月」が合体した特別プログラムになっています。
私も2幕の「一管風月」で、わずかですが演奏させて頂きます。学生時代に憧れた大先輩とともにたてる舞台を楽しみにしております。皆様のご来場をお待ちしております。
銀いろの風~唄と篠笛のコンサート~
2014年12月18日(木)19:00開演/【問】くにたち市民芸術小ホール Tel. 042-574-1515
http://www.kodo.or.jp/news/20141218kodo3days_ja.html
神恩感謝 日本太鼓祭に出演/蓑輪真弥
11月8、9日 神恩感謝 日本太鼓祭 出演
第12回目となるこのイベントに鼓童小編成としては初めて出演させていただきました。
会場は、三重県伊勢市、五十鈴川の河川敷とおかげ横丁内にある太鼓櫓の2カ所で、2日間行われました。全国各地で活躍されている太鼓グループが他に11団体参加しており、普段はなかなか見ることのできない他の太鼓グループの演奏をみて勉強させていただく機会にもなりました。
太鼓櫓では、お客さんに手が届くくらい客席が近く、四方すべてが客席で、いつも劇場で演奏している感覚とはまた違うものでした。いつも見えていない後ろ姿や演奏前後の表情など全てを間近で見ていただくことができたと思います。また、奉納演奏ということで、演奏前には必ず神宮に向かって拝礼を行い、感謝と畏敬の想いを音に込めて演奏して参りました。
鼓童「春秋座交流公演」に向けて/中込健太
ツアー中に京都に立ち寄り、京都造形芸術大学にある「京都芸術劇場 春秋座」の方々と宣伝活動をしてきました。
鼓童には、京都造形芸術大学出身のメンバーが多く在籍しております。自分も実際に劇場の方々とお話をして、公演に対する熱い想いを感じることができました。このようなご縁のある場所で演奏できることがとても嬉しいです。
春秋座特別バージョンの交流公演に是非、足をお運びください!
2014年12月7日(日)京都府京都市 京都芸術劇場 春秋座
【公演情報】http://www.kodo.or.jp/news/20141207koryu_ja.html
京都芸術劇場 春秋座サイト http://www.k-pac.org/performance/20141207.html
交流公演内田組始動!/中込健太
11月末よりツアーが始まる、内田依利演出の「交流公演」稽古がスタートしました。メンバーも一新し、雰囲気もがらりと変わりました。
私は大太鼓を担当することになり、今から気持ちを高ぶらせています。
自分も舞台や演奏の経験を積んできて、色々なことができるようになってきた気がしますが、大太鼓に向かっていく時にはそういうものも全て忘れて、まっさらな気持ちでいたいです。表現するというよりは、その日大太鼓を目の前にした時の気持ちのままに、打ち込んでいます。
吉利さんに「どうしたらフレーズを決めないで即興的に叩けるのですか」と訊いたら、「自分の出した音に入っていくんや」と言われました。その言葉がとても心に残っていて、私も自分の出した音に触発されながら、その時の気分で叩いています。それ以来、叩けば叩く程、音の中、太鼓の中に入っていくような感覚を覚えました。
太鼓の響きを浴びて湧いてきた自分の感情に、正直に向き合っていきたいです。
忘れないために〜鼓童ハートビート・プロジェクト/見留知弘
みなさまこんにちは。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。
11月に入り、鼓童村の木々の緑にも黄色、赤と彩りが加わり、いよいよ秋の深まりを感じています。昨年の11月から始まった「鼓童ワン・アース・ツアー神秘」と、同時進行で行われて来ました「学校交流公演」が、おかげさまで無事に一区切りとなり、メンバーが長旅から帰って来ました。これからは新作の「鼓童ワン・アース・ツアー永遠」と、新演出の「交流学校公演」の最終仕上げの稽古期間を過ごしてまいります。
さて今月は、その両ツアーの中で11月30日にアオーレ長岡(新潟県長岡市)にて行われる「鼓童ハートビート・プロジェクト」公演について、お話しさせて頂きます。
新潟県中越地震が起きて今年で10年目を迎えます。地域の更なる復興と東日本大震災被災地の復興を祈願して、「鼓童ワン・アース・ツアー永遠」、「交流学校公演ワークショップ」、東北の芸能団体を招聘しての「芸能ステージ」公演を行うになりました。
その中の1つに、昨年の12月、岩手県大槌町で行われた「奈奈子祭~冬の陣~」で競演させて頂いたご縁で、大槌町の城山虎舞さんをお招きします。「芸能ステージ」公演では各芸能団体と鼓童のメンバーが共演する企画があるのですが、それに向けて手解きをして頂くために、先日現地へと行ってまいりました。
【釜石まつり】立派な山車を曳きながら、各地区の芸能が神輿の先導役となる/尾崎神社の元禄12年作の神輿を拝観する
ちょうど隣町の釜石では祭りの時期で、実際のお祭りで行われる虎舞を見る事もできました。
そして被災地の状況も見てまいりました。
私が見た所は、釜石と大槌と陸前高田の一部だけですが、まだまだ復興と言うにはほど遠い現状にあるという事、また時間が経つにつれて忘れ去られて来てしまっているなと思いました。新しい建物が次々と建てられ、道路も土地も整備されて、少しずつ復興していると思われる所もありますが、その横には、3月11日のままの状況が残っており、どの地域にもたくさんの仮設住宅がありました。
陸前高田 奇跡の一本松
岩手だけでなく、沿岸の多くの芸能団体が被災され、大切な仲間を失くされ、祭りの道具一式も流されてしまったと聞きます。芸能の存続が出来なくなっている所が多くある中に、復活しつつある所もあり、今回の岩手訪問は祭りと芸能がいかに生きる力になっているかを思い知る機会となりました。
大槌虎舞さんの定期練習にて稽古をつけて頂く。小中高校生の若者も沢山参加していた。
城山虎舞さんは、2013年の9月に復活宣言をされたそうで、多くの公演に出向いて、見ている人に元気や勇気や感動を与えるような、とても勢いのあるすばらしい虎舞と演奏を披露しておられます。今月30日の公演では、私もその一員となる気概を持って、演奏に参加させて頂きます。
そして東北の芸能からはあと二団体、長年の私達の師匠であります、岩手県北上市の岩崎鬼剣舞の皆さん、福島県いわき市の菅波じゃんがら念仏踊りの皆さんも駆けつけてくださいます。どちらも震災以来、慰霊・鎮魂の芸能として広く活動し、東北の方々を鼓舞し、また全国の方々に東北の心を伝えて来られました。
長岡でのこの「鼓童ハートビート・プロジェクト」公演は、鼓童の新作、そして東北の芸能団体との共演をご覧いただける大変貴重な1日です。
どうぞ皆様のご来場と、ご支援をお願い申し上げます。
11月30日 中越大震災10年復興祈念・東日本大震災復興祈願祭~たくましく前へ、長岡~
「鼓童ハートビート・プロジェクト」
http://www.kodo.or.jp/oet/20141130a_ja.html