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鼓童の夏、祭りの夏/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。
梅雨が明け、本当に厳しい暑さがやってまいりました。各地での猛暑日、高温注意情報、熱中症、そして九州地方での集中豪雨などのニュースを聞くにつけて、お世話になっている皆様の身を案じております。佐渡は30度を超える日もありますが、やはり海に浮かぶ島、朝夕は都会に比べれば過ごしやすく、扇風機だけで過ごせる日も、少なくはありません。日中はそんな厳しい暑さですが、私が指導を行なっております研修所は冷房がないので、熱中症にならないように、こまめに水分を補給し、休憩をとりながら、稽古を進めております。以前はここまで暑くなる事がなかったものですから、体調管理もより一層気をつけなければならないと気を配っております。
さて8月は、アース・セレブレーション、そして小木祭り(小木港祭り)と、鼓童にとって地元佐渡での祭りシーズンがやってまいりました。
アース・セレブレーション開催期には、海のイベント、山のイベントなども同時開催され、夜の城山コンサートはもちろん、日中のフリンジや各ワークショップ、セミナー、この時期でしか見られない小木界隈の賑やかさなど、ここでなければ体験できないイベントが目白押しです。
特に今年は長年続けてきた形態の一区切りとなりますので、来ようか悩んでいらっしゃる方、ぜひ思い切って佐渡まで足を運んで下さい。期間中には佐渡汽船のジェットフォイルの特別運航が決定したとのことです。(http://www.sadokisen.com/info/?cd=231)佐渡の方も小木まで足を伸ばしてみて下さい。独特な雰囲気や時間の流れは、この瞬間しか得られません。
アース・セレブレーションには都合が悪く、でも佐渡で夏を満喫したい! という方に、もう一つのおすすめとしては、地元のお祭り、小木祭り!!
私達鼓童のメンバーやスタッフも、8月29日には「小木祭り太鼓の会」として、太鼓を打ち鳴らしながら町を練り歩き小木祭りを盛り上げるべく、参加させて頂きます。その夜には、都会では見られない3尺玉が2発も上がる花火大会。身体に響く大音量と大きさは一見の価値有りです。
小木祭りが終わると、佐渡は秋へと様変わりして行きます。
9月のシルバーウィークには、宿根木公会堂にて、鼓童佐渡特別公演2015-秋-が行われます。本公演は、本拠地の佐渡で、しかも鼓童と昔から縁の深い宿根木公会堂で鼓童をご覧いただける絶好の機会ということはもちろん、宿根木の皆様と一緒に地域を盛り上げる「地域活性化」の取り組みだとも感じています。
そして、この宿根木公会堂での公演の魅力は、何と言っても客席と舞台の距離がとても近く、迫力ある演奏を間近で感じることができることです。
夏の祭りに秋の公演、皆様のお越しをお待ちしております。
アース・セレブレーション、一時代の節目〜これからの新しいかたち/見留知弘
アース・セレブレーション、一時代の節目
〜これからの新しいかたち
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。新潟県は先月19日頃に梅雨入りしたようですが、佐渡は6月末にやっと雨が降り始め、農家の方も水不足を心配されているようです。
さて、6月10日に発表させていただきましたように、1988年より始まりましたアース・セレブレーションについて、今年をもちまして現在の形を一区切りする事となりました。
http://www.kodo.or.jp/ec/topics/1763/
そもそもは、鼓童の最初の代表であった故・河内敏夫が、鼓童“むら”構想の中で、世界を旅する中で出会ったアーティストを佐渡に招き、佐渡から発信するということを描いたのが始まりです。それ以来、利賀フェスティバル(富山)、「SADO MUSIC FESTIVAL~なぜか突然日本海」(佐渡)、エジンバラ・フェスティバル(イギリス)などでの経験と影響を受けて、回数を重ねるたびに色々なものを取り入れ、現在の形になりました。
例年は8月に開催ですが、5月に開催した年や、テント劇場として約1カ月に渡りイベントを行った年もあり、野外イベントとして色々な形で28年間継続してまいりました。
1988年のアース・セレブレーション/Photo: Masakazu Sakomizu
私のアース・セレブレーション(EC)を辿ってみますと、1988年に行われた第一回のECは、鼓童村の開村コンサートと城山公園でのコンサート、日中に同時開催で行われた太鼓教室に参加するため、初めて佐渡に渡りました。舞台に立っているメンバーさんから直々に太鼓を教えてもらうなど、人生の舵が変わるイベントとして、振り返れば今の自分の通過点になりました。
1989年のアース・セレブレーション
1989年は鼓童の研修生として参加しました。最終日は台風に直撃され、コンサート会場になった旧小木町体育館が、臨時の避難所に変わり、大変だった記憶が…。
1990年のアース・セレブレーション
1990年には、準メンバーとしての舞台。初日は雨に降られ、コンサート会場から旧小木町体育館へ移動。楽器や照明、音響などを早朝から引っ越し、ドロドロとドタバタの状況で休む間もなく公演へ突入でしたが、こういう時こそ、普段でない力が出るものなのですね(笑)。
舞台の設営と撤収作業には、初回から2012年までは、スタッフと一緒になってメンバーたちも汗を流しました。何もかもをゼロから立ち上げ、3日間の公演をし、イベント終了翌日には船でお帰りになるお客様を太鼓でお見送りし、イベント会場の撤収作業。終わってから約3日間の片付けまでが、私達にとってのEC期間でした。体力的にも非常に大変ではありましたが、やはり自分達の祭りとして、あえて1年に一度のしんどさとして楽しみ、佐渡の方々、ボランティア、アルバイトの方々と皆で作り上げた、やりがいのあるイベントでした。
2004年ファンファーレ・チォカリーア(ルーマニア)との共演
それから色々なゲストとの出会いと共演や、ワークショップ企画の年、城山コンサート後のECシアターや、色別入場整理券配布前のゲリラライブ、旧羽茂町の能舞台公演、ハーバーマーケットでのダンスナイト、昨年の鼓童大吟醸「五衆」などなど、趣向を変え、場所を変え、前年度の経験をふまえて、より良いものへと創意工夫をしながら、今の形に変化してまいりました。
そして30回の開催を2年先に控えて、この機会に、今一度、フェスティバルのかたちを見直し、私達も楽しめて、お客様にもより一層喜んで頂けるイベントとして、これからも佐渡の方と一緒にECを継続してまいります。
ECは、鼓童の拠点である佐渡島で、鼓童の野外公演を楽しめる数少ないイベントですが、城山公園での大きなコンサートのある「夏フェス」としては、一区切りとなります。今年の城山コンサートのゲストは、鼓童の一時代を作ってきた偉大な先輩、レナード衛藤さん。そして鼓童の演目にも影響を与えてきました、スアール・アグンの皆様をお迎えします。3日間の会期中は、多国籍な雰囲気漂う旧小木町界隈、各コンサートやワークショップ、佐渡全島での体験型企画をご用意して、皆様にお楽しみ頂けますよう、準備を進めております。
佐渡へは、今年3月に開業したばかりの北陸新幹線での移動も、旅の思い出として、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
また、今年4月より小木—直江津間に就航しました高速カーフェリーあかねも、楽しみの一つかと思います。ただ、今までのカーフェリーと違いまして、全席指定の椅子席ということで、定員以上は乗ることが出来ないとのことです。ご予約はどうぞお早めになさってください。
アース・セレブレーションへ、海外、国内、そして佐渡島内から、たくさんの皆様のご来場をお待ちいたしております。
【鼓童コメント掲載】文京シビックホール提携団体・コメントリレー
文京アカデミーWEBサイト「文京シビックホール提携団体・コメントリレー」に鼓童・見留知弘、石塚充、住吉佑太の記事が掲載されています。国内・海外公演についてや、ハプニングエピソードなど内容盛り沢山。是非ご覧ください。
文京シビックホール提携団体・コメントリレー
文京区、公益財団法人文京アカデミーでは、『東京フィルハーモニー交響楽団』、『シエナ・ウインド・オーケストラ』、『鼓童』、『牧阿佐美バレヱ団』との事業提携により地域の芸術文化振興と文化交流の促進を図っています。このコメントリレーでは、提携団体のメンバーが団体の垣根を越えて、他のメンバーへ質問を投げかけ、それぞれの「想い」や「夢」、プライベート等、普段はなかなか知ることのできない“素顔”に迫ります。
(1)シエナ・ウインド・オーケストラ コンサートミストレス中村めぐみさん(クラリネット)から鼓童代表・見留知弘への質問
Q1. 見留さんの夢を、おきかせください。
Q2. 海外でも多くの素晴らしいパフォーマンスをされていることと思います。シエナはまだまだ海外に進出できずにいて、憧れています。海外での、日本では想像もつかなかったハプニングが知りたいです!
▼回答【コメントリレー#3 見留知弘】
http://bunkyocivichall.jp/special_mail_magazine/1308/004/
(2)シエナ・ウインド・オーケストラパーカッション奏者、パーカッション奏者 東 佳樹(ひがし よしき)さんから鼓童・住吉佑太への質問
Q1. 海外でのコンサートで、日本のお客さんの反応との違いを感じることはありますか?
Q2. 演奏していて『気持ちいい!』と感じる瞬間はどんな時ですか?
▼回答【コメントリレー#6 住吉佑太】
http://bunkyocivichall.jp/special_mail_magazine/1405/004/
(3)シエナ・ウインド・オーケストラ、サクソフォーン奏者 榮村正吾(さかえむら しょうご)さんから鼓童・石塚充への質問
Q1. 「鼓童」は日本のみならず世界中で演奏活動をしていますが、日本と海外では聴衆の受け取り方に違いはありますか?また印象に残った国やエピソードを教えてください。
Q2. 西洋楽器には譜面があってそれをもとにして練習を進めていくのですが、鼓童の方々はどのようにリハーサルを進めていくのでしょうか?古典とオリジナルで違うのでしょうか、動きや演出のすばらしさにも興味があります。
▼回答【コメントリレー#9 石塚充】
http://bunkyocivichall.jp/special_mail_magazine/1505/004/
6月の鼓童/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。6月に入り、日差しもますます強くなり、森の緑が鮮やかで、自然の力を感じます。
数年前までの私は、毎年5月上旬から6月下旬までは、春の国内ツアーに出ており、佐渡に帰ってくると、ツアー前とツアー後の自然の変化に圧倒されたものでした。そして鬱蒼とした木々をくぐりながら、鼓童村に降り立つと、あー帰ってきたなーと言う実感をしておりました。
撮影:岡本隆史、提供:松竹座
さて5月は、大阪松竹座での「アマテラス」公演が、お陰様で盛況のうちに千秋楽を迎えました。ご来場の皆様、誠に有難うございました。2年前の新演出での再演から、鼓童の出演者もさらに若手のメンバーが入り、新たなパートや新たな楽器に挑戦し、玉三郎さんと同じ舞台に立たせていただいたことは、とても貴重な経験になった事と思います。
同時期に、佐渡では4年目の鼓童佐渡特別公演が行われ、ベテランと準団員と、親子以上の年齢差がある出演の顔ぶれで、こちらも若い準団員には貴重な機会となる舞台が、歴史ある宿根木の公会堂で繰り広げられました。
6月からは、例年のように、「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜永遠」、そして交流学校公演と、さまざまな公演活動を予定しています。
そして6月10日〜15日は、浅草公会堂にて、「打男DADAN2015」公演が行われます。6月の浅草公会堂での公演は3年目に入り、お陰様で浅草の鼓童公演が定着してまいりました。
2009年に初演を飾ったこの「打男」は、男性のみで90分間、打って打って打ちまくる舞台です。鼓童の舞台としては初めてヘアメイクを採用し、新しい衣装も取り入れました。
またスクリーンに、打ち手が打ち手を近距離で撮影したものを映写、普段では見えない裏打ちや、踏ん張っている足、飛び散る汗が間近に見える事で迫力が倍増、新しい舞台表現のきっかけとなった作品でした。そしてビジュアル面だけでなく、クンプールやボックスフォンなどの楽器を使い、力強さだけではなく繊細さも表現し、音楽的な表現の幅も広がりました。
「打男」公演は毎年のように再演を重ね、その後2012年のパリ・シャトレ座での4日連続公演、同年日本での凱旋公演、そして昨年のスペイン・フランスでの公演を経て、舞台は大きく進化を遂げています。
提供:www.ESJAPON.com
今年の浅草の「打男」では、昨年のヨーロッパツアーで新しくなった演目とキャストに、さらに新しいキャストが加わりました。時を経て内容が刷新され深化し続けている「打男」の舞台を、どうぞお楽しみ下さい。
【残り7日 !】鼓童の「思い」を、全国の図書館を通じて届けたい/上之山博文
【残り7日 !】
鼓童の「思い」を、全国の図書館を通じて届けたい
鼓童結成30周年を記念して発行した書籍「いのちもやして、たたけよ。」を全国の図書館に寄贈するプロジェクトにご支援お願い致します ! READYFOR(レディフォー)というクラウドファンデイング・サイトを通じたご支援を、5月14日まで募集中です。
https://readyfor.jp/projects/inochi_moyashite_tatakeyo
■「いのちもやして、たたけよ。」168〜170ページ(第五章 回帰)より抜粋
見留知弘が鼓童の舞台を初めて観たのは高校1年生の時、場所は今は無き東京の新宿コマ劇場地下の「シアターアプル」だった。5歳から地元の太鼓グループで大人に交じって太鼓を叩いていた少年は、プロの太鼓打ちがいることすら知らなかった。
圧倒された。
アンコールに立つ演奏者を客席の片隅から見つめ、「この人達に混じって太鼓を叩いてみたい」と強烈な思いが沸き上がってきた。
高校卒業と同時に東京を離れ、1989年、佐渡北部の北田野浦にあった研修所の門を叩いた。
誰かを目標とするというのではなく、とにかく高校1年生の時に観たあの舞台に立って太鼓を叩きたかった。そして、舞台の最後を飾る『大太鼓』と『屋台囃子』を任されるのが目標となった。
鼓童を率いる大黒柱になった今、次の大太鼓打ちの台頭を心待ちにしている。
■「いのちもやして、たたけよ。」プロジェクト達成状況(5月7日現在)
388,000円(目標金額 500,000円)[達成率 78%]
プロジェクト終了まで、あと7日。皆様のご支援、お願い致します !
この『いのちもやして、たたけよ。』を全国の図書館に寄贈する活動を、ご支援いただけないでしょうか。全国各地の50の図書館に寄贈したいと目標を立てました。送料や宣伝費、書籍原価を含めた費用として50万円が必要です。
鬼太鼓座や鼓童が、日本や世界、そして地域という私たちの住む社会を、よりよいものへ変えていきたいという思いから生まれ、歩んできたことを伝えるメッセージでもあります。太鼓に関わらない方でも、より良い社会を願う多くの人に届けたい1冊です。
鼓童の演奏が皆様の心に響き、記憶に残ってくれることを祈りますが、舞台表現はその場に留めておくことができません。「書籍」という形で鼓童が皆様の地域にとどまり、公演をご覧になった方も、そうでない方にも多様な鼓童の魅力をお伝えできればと思います。
全国の図書館に本書を寄贈することで、公演会場でお会いする以上に大勢の方と出会い、より多くの皆様と共感できることを強く願っています。
「いのちもやして、たたけよ。」プロジェクト
http://www.kodo.or.jp/news/20150316readyfor_ja.html
芽吹く季節に/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。5月に入り、とても過ごしやすく、清々しい季節となりました。花々が次々と咲き誇り、力がみなぎる春です。
例年鼓童の4月は、11月佐渡初演の「鼓童ワン・アース・ツアー」の新作のための稽古や、初夏から行われる「鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠」、交流学校公演、「鼓童佐渡特別公演」等の稽古と、自然のサイクルと同じに、芽吹く時期でございます。
そして今年の5月は、2006年に初演、2013年に東京・博多・京都と、全ての会場で大盛況となった、「アマテラス」が大阪・松竹座にて行われます。
私達の芸術監督、坂東玉三郎氏と鼓童が共演する貴重な機会、そして前回に引き続きまして、特別出演に愛音羽麗さんをお迎えし、またさらに新たな演出を加え、皆様にお届け致します。神話の物語を、和楽器の音色で紡ぎながら、太鼓の持つ力で、時には荒ぶる神を、そして八百万の神々の宴を表現します。
そして宴はアメノウズメ(愛音さん)の舞いとともにクライマックスに達し、岩戸から光り眩しきアマテラスが登場。その瞬間には、演者である我々も、演奏をしながら感動してしまうほどの物凄い波動があり、まさに格別の時間がそこには存在します。この機会をどうぞお見逃し無く!
また、大型連休中には、地元佐渡にて、ベテランメンバーを中心に今年入りたての準メンバーも加わって、4年目の鼓童佐渡特別公演が行われております。3月の北陸新幹線の開業、4月は新造船あかねの就航と、佐渡の南玄関、小木―直江津航路が近く、便利になり、午後の公演であれば、島外から日帰りも出来るスケジュールが組めるまでになりました。国の重要伝統的建造物群保存地区の中に在る木造建築の芝居小屋、宿根木公会堂で行われる特別な舞台へぜひご来場下さい。
そして4月より、今までの生活とは別世界での経験を始めた新研修生12名。だんだん生活サイクルに慣れ、稽古はもちろん、色々な習い事、農作業に地元の祭りなど、初めての経験がどんどんやって来ますが、それが2年後、5年後、10年後と、未来の自分の土台を作る事になります。そんな経験を積んだ研修生が、今の舞台を支えてくれています。そしてその道筋を作ってきてくれた先輩方がいます。色々な世代、色々な表現の舞台をお届け致します。
【決定!大太鼓トリプルキャスト】鼓童佐渡特別公演2015-春-/真崎滉大
【決定!大太鼓トリプルキャスト】
鼓童佐渡特別公演の見どころの一つである、大太鼓トリプルキャストが決定しました。それぞれの個性溢れる大太鼓の演奏をどうぞお楽しみください。
4月25日 14:45 見留知弘
4月26日 11:00 齊藤栄一
5月2日 14:45 藤本吉利
5月3日 11:00 齊藤栄一 /14:45 見留知弘
5月4日 11:00 藤本吉利 /14:45 齊藤栄一
5月5日 11:00 見留知弘 /14:45 藤本吉利
※都合により、演奏者を変更することがございます。
新年度を迎えて/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団 鼓童、代表の見留知弘です。4月に入り、佐渡も春めいて来ましたが、だんだんと桜の梢にも蕾が見分けられるようになりました。
新年度の始まりと申しますと、間もなく新しい34期の鼓童文化財団研修所研修生も集合し、研修生活が始まろうとしております。期待と不安と、大きな夢を持って、佐渡に向かってくることでしょう。
アメリカ・ニューヨーク「神秘」公演より「霹靂」 (c) Julieta Cervantes
さて、1月末から始まりました「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜神秘」北米ツアーも、お陰様で盛況に無事終了いたしました。この公演に関わって下さったクルーと関係者の皆様、ご主催の皆様、そしてご来場下さったお客様に、改めてお礼申し上げます。
国内では、3月より小編成やソロの出演など、各地で多様な活動が行われ、3月15日には、福島県福島市飯坂・岡山県倉敷市・新潟県北蒲原郡聖籠町・上越市の4カ所での同時出演もあり、メンバーもスタッフも各地へと飛びまわっておりました。
そして3月19・20日には、神奈川県横浜市の神奈川芸術劇場KAATにて、鼓童特別公演2015「道」が行われました。
平日の公演日ではありましたが、お陰様で2日間とも満席。鼓童を長く観て頂いているお客様には、懐かしい公演プログラム。近年鼓童を見始めて下さっているお客様には、新しい公演プログラムに感じられたのではないでしょうか。
鼓童の礎である演目を新しいメンバーと演奏することで、ただの再演ではなく、一つの新しい作品として取り組むことが出来たと思っております。演奏だけではなく、楽器や台類の転換、舞台での歩き方など、鼓童が何を大切にして来たかを再認識すること、伝えることと受け継ぐこと、そんなことも同時に行われていました。
34年間で積み上げて来た大切な土台を芯に、さらに新しい時代を生き抜く力をつけていくことが、今の鼓童にはとても大切です。そして鼓童が長く継続して行く為に、現在取り組んでいる新しい表現がとても大切だからこそ、この公演の成果がのちに生きてくると思います。これからもさまざまな形で、鼓童の根源を感じていただける機会をお届けできればと思います。
メンバーが佐渡に集う4月は、佐渡で新作やアマテラスなど、しっかり稽古に励んで、舞台の準備を進めてまいります。
北陸新幹線開業イベント出演/見留知弘
2015年3月14、15日北陸新幹線開業イベント出演
北陸新幹線開業のイベントにて出演機会を頂き、14日は高田市内の祝賀会場にて、15日は「上越妙高駅」隣接かまくらドームにて演奏してまいりました。
14日、高田市内の祝賀会場にて
新しいという意味では、準団員3名が初舞台!大きなポジションを任され緊張もあったかと思いますが、たくさんのお客様に囲まれ、この記念すべき舞台を飾れた事と思います。
15日、「上越妙高駅」隣接かまくらドームにて
4月には直江津ー小木間に、新しい高速船「あかね」が就航致します。佐渡への南玄関が、北陸新幹線と高速船就航にて、より近くなります。ゴールデンウィークの鼓童佐渡特別公演、8月のアース・セレブレーションへ、ご来場お待ちしております。
北米の太鼓に学ぶこと/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。3月に入り、暖かい日も少しずつ増えて過ごしやすくなる頃ではありますが、春になる嬉しさと、それに伴うアレルギーとの両方がありますね。
さて、1月末より始まりました「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜神秘」北米ツアーは折り返しを過ぎ、東海岸地域にて公演しております。北米といえば、鼓童の前身の「佐渡の國 鬼太鼓座」時代より大変お世話になっている方々がおられます。
それは、アメリカの太鼓グループの方々です。
2005年アメリカ公演より
私が鼓童に入る以前のお話も先輩からたくさん聞いておりますが、そこについては鼓童結成30周年記念本「いのちもやして、たたけよ」をお読みいただくことにして、ここでは私の体験談として書かせて頂きます。私が北米ツアーに行っていた8年前までは、アメリカの太鼓のスタイルは、古い時代に伝わったものに加えて、新しい北米の太鼓のスタイルが生まれ始めた頃だったと記憶しています。
鼓童の初期には毎年アメリカツアーを行っており、公演先では各地のグループの方々に大変お世話になり、温かく迎え入れて頂ました。そんな数ある太鼓グループの中でも、カリフォルニア州サンノゼを拠点とされているサンノゼ太鼓さんには、稽古場に舞台道具とツアーの備品などを保管頂いていた時期もありました。
ただ、近年はお互いのグループで世代交代が進んでいて、ベテランメンバーがツアーに付かなくなったこともあり、ある年に交流の場を設定して下さり、車座になって話した事がありました(写真上)。それは、お互いのバックボーンの事、太鼓の事、日系社会など、サンノゼの方も、これからの鼓童との繋がりについてコミュニケーションが必要だと感じて下さっての企画でした。
その時に見学させて頂いた稽古では、礼儀作法がしっかりされていて、畳に上がる際に一礼をして稽古を始めた立ち居振舞いが、私はとても印象に残りました。いつでも稽古が出来る環境がある私達には、そのような気持ちを切り替える境界というものがなかったので、それ以降、稽古を始める時には足袋に履き替えるなど、気持ちを切り替える環境を作りました。そして、日本の文化や心が、世代が変わっても引き継がれ、そしてなによりご自分達のアイデンティティを大切にされていると思いました。
2005年アメリカツアーの様子(1枚目の写真、中央が元メンバーの渡辺薫さん)
海外に出る時には、やはり自国の文化を説明出来る知識を持たなければならないと思いますが、なかなか簡単な事ではないですね。海外ツアー先のほうが、日頃気付かない事に気付いたり、文化や生活などの違いから得たりする事もあります。中でも日本人のすばらしい所は、海外の文化や食文化を、日本人に合うようにアレンジしていける所だと思います。
今回「神秘」で北米をツアーしている鼓童メンバーにも、たくさんの発見や収穫があることを期待しています。
鼓童ワン・アース・ツアー2015〜神秘 北米ツアー
http://www.kodo.or.jp/oet/index_ja.html#schedule13a