芽吹く季節に/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。5月に入り、とても過ごしやすく、清々しい季節となりました。花々が次々と咲き誇り、力がみなぎる春です。
例年鼓童の4月は、11月佐渡初演の「鼓童ワン・アース・ツアー」の新作のための稽古や、初夏から行われる「鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠」、交流学校公演、「鼓童佐渡特別公演」等の稽古と、自然のサイクルと同じに、芽吹く時期でございます。
そして今年の5月は、2006年に初演、2013年に東京・博多・京都と、全ての会場で大盛況となった、「アマテラス」が大阪・松竹座にて行われます。
私達の芸術監督、坂東玉三郎氏と鼓童が共演する貴重な機会、そして前回に引き続きまして、特別出演に愛音羽麗さんをお迎えし、またさらに新たな演出を加え、皆様にお届け致します。神話の物語を、和楽器の音色で紡ぎながら、太鼓の持つ力で、時には荒ぶる神を、そして八百万の神々の宴を表現します。
そして宴はアメノウズメ(愛音さん)の舞いとともにクライマックスに達し、岩戸から光り眩しきアマテラスが登場。その瞬間には、演者である我々も、演奏をしながら感動してしまうほどの物凄い波動があり、まさに格別の時間がそこには存在します。この機会をどうぞお見逃し無く!
また、大型連休中には、地元佐渡にて、ベテランメンバーを中心に今年入りたての準メンバーも加わって、4年目の鼓童佐渡特別公演が行われております。3月の北陸新幹線の開業、4月は新造船あかねの就航と、佐渡の南玄関、小木―直江津航路が近く、便利になり、午後の公演であれば、島外から日帰りも出来るスケジュールが組めるまでになりました。国の重要伝統的建造物群保存地区の中に在る木造建築の芝居小屋、宿根木公会堂で行われる特別な舞台へぜひご来場下さい。
そして4月より、今までの生活とは別世界での経験を始めた新研修生12名。だんだん生活サイクルに慣れ、稽古はもちろん、色々な習い事、農作業に地元の祭りなど、初めての経験がどんどんやって来ますが、それが2年後、5年後、10年後と、未来の自分の土台を作る事になります。そんな経験を積んだ研修生が、今の舞台を支えてくれています。そしてその道筋を作ってきてくれた先輩方がいます。色々な世代、色々な表現の舞台をお届け致します。