6月の鼓童/見留知弘
皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。6月に入り、日差しもますます強くなり、森の緑が鮮やかで、自然の力を感じます。
数年前までの私は、毎年5月上旬から6月下旬までは、春の国内ツアーに出ており、佐渡に帰ってくると、ツアー前とツアー後の自然の変化に圧倒されたものでした。そして鬱蒼とした木々をくぐりながら、鼓童村に降り立つと、あー帰ってきたなーと言う実感をしておりました。
撮影:岡本隆史、提供:松竹座
さて5月は、大阪松竹座での「アマテラス」公演が、お陰様で盛況のうちに千秋楽を迎えました。ご来場の皆様、誠に有難うございました。2年前の新演出での再演から、鼓童の出演者もさらに若手のメンバーが入り、新たなパートや新たな楽器に挑戦し、玉三郎さんと同じ舞台に立たせていただいたことは、とても貴重な経験になった事と思います。
同時期に、佐渡では4年目の鼓童佐渡特別公演が行われ、ベテランと準団員と、親子以上の年齢差がある出演の顔ぶれで、こちらも若い準団員には貴重な機会となる舞台が、歴史ある宿根木の公会堂で繰り広げられました。
6月からは、例年のように、「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜永遠」、そして交流学校公演と、さまざまな公演活動を予定しています。
そして6月10日〜15日は、浅草公会堂にて、「打男DADAN2015」公演が行われます。6月の浅草公会堂での公演は3年目に入り、お陰様で浅草の鼓童公演が定着してまいりました。
2009年に初演を飾ったこの「打男」は、男性のみで90分間、打って打って打ちまくる舞台です。鼓童の舞台としては初めてヘアメイクを採用し、新しい衣装も取り入れました。
またスクリーンに、打ち手が打ち手を近距離で撮影したものを映写、普段では見えない裏打ちや、踏ん張っている足、飛び散る汗が間近に見える事で迫力が倍増、新しい舞台表現のきっかけとなった作品でした。そしてビジュアル面だけでなく、クンプールやボックスフォンなどの楽器を使い、力強さだけではなく繊細さも表現し、音楽的な表現の幅も広がりました。
「打男」公演は毎年のように再演を重ね、その後2012年のパリ・シャトレ座での4日連続公演、同年日本での凱旋公演、そして昨年のスペイン・フランスでの公演を経て、舞台は大きく進化を遂げています。
提供:www.ESJAPON.com
今年の浅草の「打男」では、昨年のヨーロッパツアーで新しくなった演目とキャストに、さらに新しいキャストが加わりました。時を経て内容が刷新され深化し続けている「打男」の舞台を、どうぞお楽しみ下さい。