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アース・セレブレーション、一時代の節目〜これからの新しいかたち/見留知弘


アース・セレブレーション、一時代の節目
〜これからの新しいかたち

皆様いかがお過ごしでしょうか。太鼓芸能集団鼓童代表の見留知弘です。新潟県は先月19日頃に梅雨入りしたようですが、佐渡は6月末にやっと雨が降り始め、農家の方も水不足を心配されているようです。

さて、6月10日に発表させていただきましたように、1988年より始まりましたアース・セレブレーションについて、今年をもちまして現在の形を一区切りする事となりました。
http://www.kodo.or.jp/ec/topics/1763/

Photo: Buntaro Tanaka

そもそもは、鼓童の最初の代表であった故・河内敏夫が、鼓童“むら”構想の中で、世界を旅する中で出会ったアーティストを佐渡に招き、佐渡から発信するということを描いたのが始まりです。それ以来、利賀フェスティバル(富山)、「SADO MUSIC FESTIVAL~なぜか突然日本海」(佐渡)、エジンバラ・フェスティバル(イギリス)などでの経験と影響を受けて、回数を重ねるたびに色々なものを取り入れ、現在の形になりました。

例年は8月に開催ですが、5月に開催した年や、テント劇場として約1カ月に渡りイベントを行った年もあり、野外イベントとして色々な形で28年間継続してまいりました。

Photo: Masakazu Sakomizu

1988年のアース・セレブレーション/Photo: Masakazu Sakomizu

私のアース・セレブレーション(EC)を辿ってみますと、1988年に行われた第一回のECは、鼓童村の開村コンサートと城山公園でのコンサート、日中に同時開催で行われた太鼓教室に参加するため、初めて佐渡に渡りました。舞台に立っているメンバーさんから直々に太鼓を教えてもらうなど、人生の舵が変わるイベントとして、振り返れば今の自分の通過点になりました。

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1989年のアース・セレブレーション

1989年は鼓童の研修生として参加しました。最終日は台風に直撃され、コンサート会場になった旧小木町体育館が、臨時の避難所に変わり、大変だった記憶が…。

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1990年のアース・セレブレーション

1990年には、準メンバーとしての舞台。初日は雨に降られ、コンサート会場から旧小木町体育館へ移動。楽器や照明、音響などを早朝から引っ越し、ドロドロとドタバタの状況で休む間もなく公演へ突入でしたが、こういう時こそ、普段でない力が出るものなのですね(笑)。

舞台の設営と撤収作業には、初回から2012年までは、スタッフと一緒になってメンバーたちも汗を流しました。何もかもをゼロから立ち上げ、3日間の公演をし、イベント終了翌日には船でお帰りになるお客様を太鼓でお見送りし、イベント会場の撤収作業。終わってから約3日間の片付けまでが、私達にとってのEC期間でした。体力的にも非常に大変ではありましたが、やはり自分達の祭りとして、あえて1年に一度のしんどさとして楽しみ、佐渡の方々、ボランティア、アルバイトの方々と皆で作り上げた、やりがいのあるイベントでした。

2004年ファンファーレ・チォカリーア(ルーマニア)との共演

2004年ファンファーレ・チォカリーア(ルーマニア)との共演

それから色々なゲストとの出会いと共演や、ワークショップ企画の年、城山コンサート後のECシアターや、色別入場整理券配布前のゲリラライブ、旧羽茂町の能舞台公演、ハーバーマーケットでのダンスナイト、昨年の鼓童大吟醸「五衆」などなど、趣向を変え、場所を変え、前年度の経験をふまえて、より良いものへと創意工夫をしながら、今の形に変化してまいりました。

そして30回の開催を2年先に控えて、この機会に、今一度、フェスティバルのかたちを見直し、私達も楽しめて、お客様にもより一層喜んで頂けるイベントとして、これからも佐渡の方と一緒にECを継続してまいります。

Photo: Maiko MiyagawaPhoto: Satoko Maeda

ECは、鼓童の拠点である佐渡島で、鼓童の野外公演を楽しめる数少ないイベントですが、城山公園での大きなコンサートのある「夏フェス」としては、一区切りとなります。今年の城山コンサートのゲストは、鼓童の一時代を作ってきた偉大な先輩、レナード衛藤さん。そして鼓童の演目にも影響を与えてきました、スアール・アグンの皆様をお迎えします。3日間の会期中は、多国籍な雰囲気漂う旧小木町界隈、各コンサートやワークショップ、佐渡全島での体験型企画をご用意して、皆様にお楽しみ頂けますよう、準備を進めております。

佐渡へは、今年3月に開業したばかりの北陸新幹線での移動も、旅の思い出として、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

また、今年4月より小木—直江津間に就航しました高速カーフェリーあかねも、楽しみの一つかと思います。ただ、今までのカーフェリーと違いまして、全席指定の椅子席ということで、定員以上は乗ることが出来ないとのことです。ご予約はどうぞお早めになさってください。

アース・セレブレーションへ、海外、国内、そして佐渡島内から、たくさんの皆様のご来場をお待ちいたしております。

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