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石塚充インタビュー by ジョニ・ウェルズ


ジョニ・ウェルズ氏が、石塚充にインタビューを行いました。英語のブログに掲載されているインタビューを和訳して、皆さまにお届けします。

石塚充インタビュー by ジョニ・ウェルズ

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鼓童村にて(写真:ジョニ・ウェルズ)

石塚充の父親は太鼓界で先駆的存在である助六太鼓の結成メンバー、兄と妹はプロの太鼓奏者、弟は太鼓職人の見習いである。充は5歳の時に舞台デビュー。しかし、鼓童研修所2年生のとき、太鼓についてそれまでに学んできたことを全て忘れ、ゼロからのスタートを切ることを決意した。

Photo: Takashi Okamoto

石塚充は、1979年8月6日に東京で太鼓の世界に生まれた。4歳のとき、両親が子どもを育てるのに良い環境だろうと考え、埼玉の山の中腹に一家で引っ越した。父と兄はプロの長唄のの囃子方の打楽器奏者だ。母は太鼓奏者で、弟は東京で太鼓づくりの修行をしている。そして、妹は横浜で太鼓を教えている。

一番古い記憶は、父の部屋から聞こえてくる鼓の音だ。充が初めて舞台で太鼓を演奏したのは5歳のとき。小学生の時は父親が指導していた地元の太鼓グループに参加していたが、当初は親やまわりの大人のすすめではじめただけで、特別自分がやりたいとか、楽しいという気持ちはなかった。
充が中学生になり、学校の民族芸能クラブに入ってその心境が変わった。そこでは、三宅や屋台囃子、鬼剣舞などを稽古した。これまでと違う環境で太鼓を演奏することで自立心が生まれ、太鼓を心から楽しむようになった。中学、高校時代はほぼ毎日太鼓を打っていた。学校の太鼓部だけではなく、家に帰ってからも兄や友達と一緒に太鼓に興じていた。まさに、太鼓漬けの日々を送っていた。音楽の好みは幅広く、学校でアコースティックギターのライブをすることもあった。

父や兄の姿を見て来た自分にとって、太鼓や舞台の世界へ飛び込むことは自然な選択だった。高校2年か3年の時、他の鼓童メンバーと同様、東京の新宿にあったシアターアプルで鼓童の舞台を初めて観た。

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屋台囃子(石塚充は前列左)

鼓童の舞台やそのグループの背景は、太鼓という人生を選んだ自分にとって、挑むべき道であると感じた。そして、充は鼓童について調べはじめた。鼓童の研修プログラムに応募することを決意したが、その年の応募期限は過ぎてしまっていた。そのため、他の太鼓関係の仕事を探した。父親の知り合いがフリーの太鼓奏者として活動していたので、付いて回り、裏方として、また演奏者として1年間を過ごした。時々報酬も得た。今振り返ってみると、一年間旅をして良かったと思っている。高校を出てすぐ何も知らないまま鼓童に入るよりも、人生についての視野が広がった。

充は研修所に入ったとき、徹底的な鍛錬を求めていた。厳しさと痛みを予想していたし、もしかしたらそれを望んでさえいたかもしれない。しかし、本物のプロとして舞台に立てるようになるための、世界中の人々にメッセージを伝えられるようになるためのトレーニングと稽古は想像以上に厳しかった。一年目は、できる限り一所懸命に取り組んだ。体力とスタミナを付けるためにトレーニングをし、テクニックを磨き、音楽の曲想をよりよく伝え、演奏でニュアンスを付けられるように稽古に励んだ。そして、プロの舞台人として、また、人として何よりも大切なこと、精神的に強くなるために必要な厳しいトレーニングにも堪えて努力しつづけた。その時まで充は、ただ楽しくて、自分の楽しみのために演奏していた。しかし、それまでのやり方を続けていれば、自分の能力に対して本当に成功できるという自信を持てないと感じた。

それを克服して本当に良い演奏者、“プロ”になるために、そのときまでの自分を全て捨ててしまわなければならない。ゼロからのスタート。二年生の一年間は、そのような意気込みで研修に取り組んだ。

その瞬間から、研修所での経験は全く変わった。きついと思っていた稽古は面白く感じるようになり、自分の太鼓が大幅に上達したと感じた。そして、鼓童の準メンバーとして認められ、すぐに交流学校公演ツアーに参加した。佐渡の辺鄙な場所で凍えながらも汗を流した2年半の後、再び観客の前で太鼓を演奏し、聴いてもらうことは、とても気持ちが良かった。

鼓童メンバーとしての14年間に、充は、手首を使う桶胴太鼓よりも、体全体を使って演奏する平胴太鼓のような大きな太鼓を得意とするようになった。鬼剣舞のような踊りや佐渡の鬼太鼓も好きだし、何曲か作曲もしている。その内最もよく演奏されるのが、「あじゃら」と「また明日」の2曲だ。また、26歳の時から、「鼓童ワン・アース・ツアー」、「鼓童12月公演」、「アース・セレブレーション」等、沢山の舞台の演出を担当してきた。そして、「アマテラス」では坂東玉三郎氏のもと、音楽監督を務めた。

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(写真:宮川舞子(左)、岡本隆史(中央・右))

Photos: Takashi Okamoto

芸術監督・坂東玉三郎氏との作品作りについては、充は、生み出される作品そのものだけではなく、むしろ作品の作り方がこれまでと異なると言う。玉三郎氏は太鼓奏者ではなく、また作曲者でもない立場で、観客としての視点から作品を見ている。そして、決して「こんな音をください」とは言わない。それよりも、「このようにしたら、もっと気持ち良い音になりますよ」という言い方をする。芸術監督は歌舞伎俳優なので、舞台上での感覚や気持ちをどのように表現するかということに関心がある。特別難しい曲を演奏した後に、玉三郎氏は、「こう動きなさい、ああ動きなさい」とは言わず、「今こんな気持ちだったら、その時に自分が自然と気持ちよいと思えるように動きなさい」と言う。それはテクニックの問題ではなく、どのように感情を表現するのか、ということだ。

また、玉三郎氏は鼓童にとって新しいことに挑戦すること、今まで誰も舞台に乗せようと思ったことがないアイディアに対し、抵抗がない。しかし、このように自由がある反面、新しい作品を創造する責任は大きくなっている。玉三郎氏の演出のもと、鼓童は従来の「鼓童ワン・アース・ツアー」を主体とした公演から、「アマテラス」、「伝説」、「神秘」、「永遠」など、作品の幅を広げてきた。そして、これからまだまだ生まれる予定だ。

また、充が何度も出演している「打男」という公演もある。打男のアイデアは、何もない、装飾もない舞台に全くシンプルな衣装、太鼓以外の楽器はほぼ使わないというもので、観客はまるでプライベートな太鼓セッションに聞き耳をたてているような感じがする。ひたすらに太鼓を打って打って打ちまくりその喜びを伝える舞台で、90分の後には観客は演奏者と一緒に走っていたかのような疲労感を感じるに違いない。それは心地よい疲労感だ。充は、「打男」という作品に関わって以来、通常の鼓童公演を難しいと感じなくなった。

演奏者として、充は自分の周りの人々の期待にきちんと応えることを楽しみにしている。そして、演出では、玉三郎氏から学んだことを少しでも舞台上で実践できるようになることを望んでいる。

Photos: Takashi Okamoto


石塚充は、「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜永遠」ツアーに参加中。6月10日(水)から15日(金)まで、浅草公会堂での鼓童「打男DADAN2015」公演にも出演いたしました。

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


ジョニ・ウェルズ(Johnny Wales)

1953年、カナダ・トロント生まれ。トロント大学卒業(学士号取得)。1975年に初めて日本を旅行、その際、鼓童の前身である「佐渡の國 鬼太鼓座」に出会う。また文弥人形の師匠である浜田守太郎氏にも出会う。1976年カナダに帰国、鬼太鼓座の初めてのカナダツアーの制作を担当。1977~78年、佐渡に住み文弥人形を学ぶ。それ以来、鬼太鼓座、そして鼓童の仕事にたびたび関わりながら、文弥人形の指導、通訳、翻訳、また舞台照明の仕事に従事。その後、文弥人形の指導、活動をしながら木彫師として鼓童の舞台で使用する面を作成。1987年には The Kodo Beat(英文ニュースレター、2011年春に終刊)の最初の編集者として活躍。写真家、イラストレーター、そして Kodo eNews(英文電子ニュースレター、2013年12月に終刊)やブログ作成にも関わる。現在、ジョニ・ウェルズはフリーランス・イラストレータ、アニメーター、木彫師、人形遣い、そして作家としての肩書を持つ。カナダでは7冊の児童向け作品の挿絵を描き、その中の一冊『Gruntle Piggle Takes Off』(Viking Childrens Books出版)において、1996年、カナダの文学作品賞であるThe Governor General’s Awardの候補となる。1995年より、読売新聞にて、東京についてのイラストによるコラムを連載。現在、佐渡にて妻・智恵子と秋田犬のKyla (カイラ)とともに暮らす。

Website: www.johnny-wales.com (英語・日本語)


打つから奏でるへ/三浦康暉


浅草での打男連続公演が終わり、休む間もなく永遠ツアーが再開しました。

photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

己を爆発させ、ただひたすら打ち続ける「打男」。己を抑制させ、コントロールし奏でる「永遠」。全く違う表現方法の舞台であり、また自分達の表現の幅の広がりを感じます。

Photo: Takashi Okamoto

この永遠の舞台はただひたすらに美しい。

玉三郎さんは「自然の営みを表現できたら。」とおっしゃってました。私が思うに、自然というものはあるだけで完成され美しいものです。だからそれを表現しようとする舞台はとてつもなく美しいものではないのかと。

Photo: Takashi Okamoto

この空間に居るだけで心地よい、気持ちの良い。そんな舞台にしたいと思います。ぜひこの空間に足を運んでみてください。

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


【作品紹介映像】鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠


鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠|作品紹介映像

鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠|作品紹介映像をYouTubeで公開しました。是非ご覧ください。

▶YouTubeで再生 https://youtu.be/UExUU9LEBmQ

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


【先着50名】鼓童『永遠』ハイレゾ配信記念 ミニライヴ&ハイレゾ試聴会


鼓童『永遠』ハイレゾ配信記念
ミニライヴ&ハイレゾ試聴会のご案内

ー定員に達しました(6/10)ー

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今話題の次世代高品質オーディオの「ハイレゾ音源」。 鼓童の新作映像作品「永遠」のサウンドトラックが、6月26日(金)、いよいよ「e-onkyo」でハイレゾ配信を開始します。
これを記念して鼓童メンバーが出演する試聴イベントを緊急開催! 配信ハイレゾ音源の試聴や、大画面でのブルーレイ試写や、トークなど、鼓童の魅力を存分にご堪能いただきます。ミニライヴも予定。先着50名様となりますので、ご希望の方は今すぐお申し込みを!

◆2015年6月21日(日) 開場13:30、開演14:00 ※約45分のイベントです。
◆会場:Gibson Brands Showroom Tokyo
東京都中央区八重洲2-3-12 オンキヨー八重洲ビル(JR東京駅八重洲口より徒歩2分)
◆出演:鼓童(小田洋介、坂本雅幸、前田剛史、小見麻梨子、三浦康暉)[予定]
◆募集定員:50名(入場無料)ー定員に達しましたー

※応募が定員になりましたので、締め切らせて頂きました。お申し込み有難うございました。(6/10)

詳しくはe-onkyoのウェブサイトへ
http://www.e-onkyo.com/news/310/


「永遠」新潟・上越公演/三浦康暉


昨日7日は、上越市文化会館での公演でした。新潟での公演ということもあり、お客様の拍手がとても温かったのが印象的でした。ご来場いただいた皆様、有難うございました。

そして、こんな差し入れを頂きました。

Photo: Koki Miura

ご主催の方より、上越のソウルフードのサンドパン。何回も上越に足を運んでますが、このようなものがあったとは…

そして、スタッフのお母様より新潟のソウルフードのチマキと笹団子!これ、オール手作りらしいです。

Photo: Koki Miura

小見麻梨子・渡辺健吾とも新潟出身で、麻梨子さんはチマキ、健吾は笹団子が大好物らしく、大喜びでした。皆んなで美味しく頂きました!

そして、これから東京へ移動し、続いては「打男」! 浅草でお待ちしております。

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「打男 DADAN 2015 」まもなく開催!


WEBサイト「DAILY MORE」に鼓童記事掲載!


WEBサイト「DAILY MORE」に鼓童記事掲載!

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女性ファッション誌「MORE」のWEBサイト「DAILY MORE」に鼓童メンバーのインタビューが掲載されました。

<前編>では舞台への想いや稽古のことなどを、坂本雅幸、住吉佑太、漆久保晃佑のMORE世代3名が語っています。写真も盛り沢山、是非ご覧ください。<後編>では鼓童に入ったきっかけや、研修所時代について語っています。ぜひFacebook、Twitter等でシェアをお願いいたします!

【インタビュー】太鼓芸能集団『鼓童』にハマれ!(前編)
http://more.hpplus.jp/odekake/look/1613

【インタビュー】太鼓芸能集団『鼓童』にハマれ!(後編)
http://more.hpplus.jp/odekake/look/1614


▼▼▼こちらも要チェック!

【鼓童の舞台写真が盛りだくさん!】
芸団協広報誌「SANZUI」

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芸団協広報誌「SANZUI」の「特集 ホレボレ」で俳優・田中要次さんのコメントと合わせて、鼓童の舞台写真が掲載されています。以下のWEBサイトからダウンロードでご覧いただけます。ぜひご覧ください。
http://cpra.jp/sanzui/2015_sanzui/sanzui-vol07-2015-spring.html

 

【チケットぴあ関西WEB版】悠久の自然の営みを和太鼓の調べにのせて『鼓童 ワン・アース・ツアー2015~永遠』船橋裕一郎&前田剛史にインタビュー
http://kansai.pia.co.jp/interview/stage/2015-05/kodo.html

【エンタステージ】太鼓音楽で「永遠」を紡ぐ 鼓童『ワン・アース・ツアー2015〜永遠』公演日程が決定
http://enterstage.jp/news/2015/05/002675.html

【文京アカデミーWEBサイト】「文京シビックホール提携団体・コメントリレー」に石塚充の記事が掲載
http://bunkyocivichall.jp/special_mail_magazine/1505/004/index.html

【Huffington Post】「神秘」アメリカ公演記事掲載
http://www.huffingtonpost.com/steve-mariotti/the-magic-of-taiko-for-am_b_7436620.html

【WEB「GREEN GLOBAL TRAVEL」】鼓童公演紹介、内田依利インタビュー記事掲載
http://greenglobaltravel.com/2015/03/26/kodo-taiko-drummers-japanese-culture


鼓童「永遠」ブルーレイ、DVD 本日発売/鼓童オンラインストア


鼓童「永遠」ブルーレイ、DVD 本日発売

本日、鼓童「永遠」ブルーレイとDVDが発売です。鼓童オンラインストア、公演会場にてお求め下さい。

2014年12月21日、22日、文京シビックホール(東京)にて収録
ブルーレイ 6,000円(税込)、DVD 5,000円(税込)

 

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鼓童オンラインストア

ブルーレイ
http://www.kodo.or.jp/store/162_1469.html

DVD
http://www.kodo.or.jp/store/14_1470.html

鼓童ディスコグラフィー
http://www.kodo.or.jp/discography/index_ja.html


 

kodo2鼓童オンラインストア
http://www.kodo.or.jp/store/index.html


太鼓音楽にいざなわれ、垣間みる「永遠」。/芸術監督・坂東玉三郎


太鼓音楽にいざなわれ、垣間みる「永遠」。
芸術監督・坂東玉三郎

2014年公演パンフレットより
撮影:岡本隆史

太鼓芸能集団「鼓童」の芸術監督に就任してから早くも2年が過ぎ、3年目となりました。第1作目の「伝説」に続き2作目は「神秘」を、そして3作目として、今年は「永遠」をお届けいたします。また2014年の7月には、ヨーロッパツアーの為に「打男 DADAN」を新しく改訂して上演致しました。新しいツアー作品が4作とも考えられるのです。

Photo: Takashi Okamoto

今回の「永遠」では、全てを新曲で演出しました。このテーマを太鼓の公演で感じて頂くのは大変に難しいことですが、そこを楽しく創ることが出来たら、かえって面白い作品が出来るのではないかという感覚もありました。永遠とは、森羅万象の移り変わり、地球の回転、宇宙の広がり、人生の輪廻や、物事が螺旋状に回って行く 〝風〟のようなものを感じられたら永遠を表現出来るのではないかとも考えたのです。

Photo: Takashi Okamoto

稽古中「永遠」について皆で話し合っていたのですが、永遠とは「望み」であったり「夢」であったり「叶わぬ」ことであったり、現実には無いことだということに気が付きました。人間の思考の中だけに存在する観念なのでしょう。それだからこそ、永遠を求めて「ピラミッド」を作ったり「スフィンクス」に思いを込めたりしてきたのです。しかし現実に存在する物質的な物には限りがあります。「魂」だけが永遠なのかも知れませんが、魂は「存在」ではなく、ただ「有」るだけのようにも思うのです。観念的な考えではありますが「永遠」とは「有」と「無」の繰り返しなのではないでしょうか。

新曲としては「夜霧」「カタライ」「青天」「午睡」「魅惑」「直線」などが有り、様々な雰囲気を醸し出すことも出来ました。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

「青天」は「神秘」の「霹靂」に続く、坂本雅幸君の新曲です。前田剛史君の作曲も数曲有ります。

Photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

また自分の新曲としては「午睡」と「魅惑」です。「魅惑」は、これまで鼓童に有った様々な金物の演奏で作曲してみました。振付も曲に似合うように振り付けました。「午睡」では木製の楽器を使ったのです。すると午後ののんびりした雰囲気が出て来て「午睡」と名付けたのです。

Photo: Takashi Okamoto

芸術監督として今日に至るまでに、太鼓を打つことと、音楽を奏でることの意味を様々な角度から考えていました。「大太鼓」や「三宅」などは、打ち手が自分の寸時の即興で構成をしながら体力の続く限り打ち続けて最終の盛り上がりまで持って行きます。その神秘的な風情が見る人に感動を与えてきました。その太鼓の打法は、全て太鼓の打ち手に委ねられるのです。しかし私は、将来に向かって音楽性を重視した太鼓というものが何であろうかと考えていたのです。それは打ち手が、作曲家の意図に忠実に、速度や強弱等が十分に制御され、そして抑制されていなければならないということでした。自由な表現というものは、それらの事柄が制覇され、打ち手が客観性を持って初めて成し得ることだと気が付いたのです。そして何よりも、太鼓で奏でる音楽を聴衆が「長い時間聞いていても心地良いと感じてくれること」に最大の目的を持っていかなければならないと考えたのです。

Photo: Takashi Okamoto

考えてみますと、70年代後半から各地に大変多くの太鼓グループが生まれました。これからの太鼓演奏というものを考えた時に、今日までの太鼓の打法と、太鼓の音楽性というものが僅かに別の意味を持っているということを、佐渡に通って十数年経った今になってやっと理解出来るようになったのです。そして今後は、新しく作られたものと、古くから伝わっているものが交互に往復し繰り返され、回転しながら螺旋状に成長して行くことが出来たら素晴らしいことに成るという考えに至ったのです。

Photo: Takashi Okamoto

毎年良い作品創りを…と考えながら、一生懸命演出に明け暮れしているうちに、あっと言う間に月日が経ってしまいました。団員の皆も、稽古の進め方、作品の作り方などを順調に進めていけるようになったのも嬉しいことです。これからも鼓童の皆と最大の力を尽くして未来に向って参ります。

今後ともに皆様の御支援を賜りますようお願い申し上げます。

坂東玉三郎

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


「鼓童 永遠」ブルーレイ、DVD 6月6日発売!/鼓童オンラインストア


芸術監督・坂東玉三郎演出第三作「永遠」
ブルーレイ、DVD 6月6日発売!

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「鼓童ワン・アース・ツアー ~永遠」ライブ収録ブルーレイとDVDの発売日が6月6日に決定いたしました。星空、青天、穏やかな昼下がりから一転して轟く波濤まで、様々な事象が織りなす限りない世界を13の新曲が紡ぎ出します。公演会場、鼓童オンラインストアからお求め頂けます。

2014年12月21日、22日、文京シビックホール(東京)にて収録
ブルーレイ 6,000円(税込)、DVD 5,000円(税込)
各6月6日発売

ディスコグラフィー「永遠」http://www.kodo.or.jp/discography/od013014_ja.html

鼓童オンラインストア
「鼓童 永遠」ブルーレイ、DVD発売記念企画

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「鼓童 永遠」ブルーレイ、DVDの発売(6月6日)を記念して、DVD「鼓童 打男 DADAN」、「鼓童 焔の火」をお求めやすい価格にいたしました。この機会に是非ご一緒にいかがでしょうか。なお、発売前の商品については予約を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
http://www.kodo.or.jp/store/14.html

kodo2鼓童オンラインストア
http://www.kodo.or.jp/store/index.html


「永遠&打男」ツアー班、いってきます!/三浦康暉


いってきます!

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昨日は交流公演班を送り出し、今日は僕達「永遠&打男」班が送り出されました。

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「いってらっしゃーい!」送り太鼓の様子

では、気を付けて行ってきます!

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それでは全国の皆様、劇場でお会いしましょう!

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

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「打男 DADAN 2015 」まもなく開催!


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