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Tag ‘永遠’

坂本雅幸@「永遠」ブルーレイ・DVD/鼓童オンラインストア


Photo: Narumi Matsuda

エピソード紹介 その2
4曲目の「青天 Seiten」は坂本雅幸が作曲し、一人で一台の桶太鼓のみで演奏する演目です。

Photo: Takashi Okamoto

豊かな音色を生み出している太鼓は坂本が浅野太鼓社長 浅野恭央氏と試行錯誤しながら共同開発したもので、それぞれの面を独立してチューニングすることができます。「音」にこだわる鼓童と職人の技が産み出した太鼓です。

Photo: Takashi Okamoto

鼓童ディスコグラフィー
http://www.kodo.or.jp/discography/index_ja.html

「鼓童ワン・アース・ツアー~永遠」ライブ収録
ブルーレイ:6,000円(税込)http://www.kodo.or.jp/store/162_1469.html
DVD:5,000円(税込)http://www.kodo.or.jp/store/14_1470.html

kodo2鼓童オンラインストア
http://www.kodo.or.jp/store/index.html

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
http://www.kodo.or.jp/discography/od013014_ja.html


ハイレゾ音源、京都公演会場でお試しください/船橋裕一郎


現在、永遠ツアーにて全国各地を旅しております。今回の作品は太鼓の表現をさらに広げるべく様々な楽器とともに新曲を取り揃えた意欲的なものです。特に音については音量、音圧、音質、音響、革や胴の鳴り、バチの種類など色々なこだわりをもち、音作りをしました。また太鼓にとって心地よい、相性の良い楽器を探しながら作り上げてきたものです。また、日本には擬音がたくさんありますが、言葉を音に変換している太鼓にも沢山の音色があってしかるべきです。

さて、先日配信されたハイレゾ音源、本日の京都公演ロビーで試聴ができます。太鼓がなかなか音響機器泣かせの楽器なのですが伝える側の我々にとっても、生の音に近い音響機器の存在を待ち望んいたところでした。ライブでしか味わえないものはもちろんありますが、このハイレゾ音源の挑戦は我々にとって心強い存在であり、向かう方向性がとても良く似ていてます。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

人間のもつ原始的な楽器と最先端の技術との融合・挑戦に我々もワクワクが止まりません。是非皆様にもこの挑戦の一旦を担って頂きたいのです。すでに素晴らしい音ですが、もっとこうだ!という生の意見を頂けるとさらに世界に発信ができます。是非、会場での試聴をお願いいたします。
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ハイレゾ音源試聴できます!
@7月11、12日「永遠」京都公演

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7月11日、12日の京都・公演会場「京都芸術劇場 春秋座」ロビーにて、ハイレゾ音源の試聴ができることになりました。鼓童メンバーも驚く音質「ハイレゾ音源」をぜひ体感してください。

【ハイレゾ音源とは】
ハイレゾ音源は、CDや通常のダウンロード音源より多くの情報量を持つ音楽データです。演奏者の息づかいやホールの残響など繊細な部分から、ホール全体にあふれる大音量まで、余すこと無く再現することが可能となりました。

ハイレゾ音源をお楽しみ頂くには、ハイレゾ対応の機器が必要となります。対応の機器にスピーカーでお聴き頂くのが理想ですが、携帯型の機器とヘッドホンの組み合わせ、またスマートフォンにソフトウェアをインストールし、ハイレゾ対応の機器およびヘッドホンを繋ぐことでもお楽しみ頂けます。

ハイレゾ音源は、e-onkyo musicより購入頂けます。

[e-onkyo music 「永遠」]http://www.e-onkyo.com/music/album/od015/

【鼓童関連記事】
▼【京都造形芸術大理事長×鼓童】京都芸術劇場春秋座特設サイトに、大学理事長の徳山氏と京都造形芸術大学出身の船橋裕一郎・小見麻梨子・草洋介との対談がアップされました。インタビューと写真の両方お楽しみ頂けますので、是非ご覧ください。
・春秋座WEBサイト:http://www.k-pac.org/performance/20150711d.html

Photo: Wakako Sato

▼「Lmaga.jp」鼓童・船橋裕一郎、坂本雅幸「永遠」インタビュー記事
Lmaga.jpニュース:http://lmaga.jp/blog/news/2015/07/kodo-eien.html
Yahoo!ニュース:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150708-00010002-lmagajp-ent

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【7月】京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
http://www.kodo.or.jp/discography/od013014_ja.html


【ハイレゾ音源試聴できます】7月11、12日「永遠」京都公演会場


想像を超える音 世界を変える音/坂本雅幸

先日、「オンキヨー&パイオニアイノベーションズ」のスタジオで初めてハイレゾ音源を聴かせて頂きました。

まず耳に飛び込んで来たのは音の立体感。太鼓の音はこんなにもふくよかな物だったのかと改めて感動します。沢山の太鼓のアンサンブルでさえ、今まで聴いたことのないくらい、それぞれの太鼓の響きが色鮮やかに耳に届きます。

Photo: Ryotaro Leo Ikenaga

演奏者の息づかいや会場の空気感はもちろんですが、音の情報量の多さに想像力も刺激されて舞台の景色まで見えてくるようでした。

今までとは全く違う音の体験。

想像を超える音 世界を変える音 新しい音楽の価値を是非、京都公演会場で体験してください。

Photo; Satoko Maeda

ハイレゾ音源試聴できます!
@7月11、12日「永遠」京都公演

7月11日、12日の京都・公演会場「京都芸術劇場 春秋座」ロビーにて、ハイレゾ音源の試聴ができることになりました。鼓童メンバーも驚く音質「ハイレゾ音源」をぜひ体感してください。

【ハイレゾ音源とは】
ハイレゾ音源は、CDや通常のダウンロード音源より多くの情報量を持つ音楽データです。演奏者の息づかいやホールの残響など繊細な部分から、ホール全体にあふれる大音量まで、余すこと無く再現することが可能となりました。

ハイレゾ音源をお楽しみ頂くには、ハイレゾ対応の機器が必要となります。対応の機器にスピーカーでお聴き頂くのが理想ですが、携帯型の機器とヘッドホンの組み合わせ、またスマートフォンにソフトウェアをインストールし、ハイレゾ対応の機器およびヘッドホンを繋ぐことでもお楽しみ頂けます。

ハイレゾ音源は、e-onkyo musicより購入頂けます。

[e-onkyo music 「永遠」]http://www.e-onkyo.com/music/album/od015/

【鼓童関連記事】
▼【京都造形芸術大理事長×鼓童】京都芸術劇場春秋座特設サイトに、大学理事長の徳山氏と京都造形芸術大学出身の船橋裕一郎・小見麻梨子・草洋介との対談がアップされました。インタビューと写真の両方お楽しみ頂けますので、是非ご覧ください。
・春秋座WEBサイト:http://www.k-pac.org/performance/20150711d.html

Photo: Wakako Sato

▼「Lmaga.jp」鼓童・船橋裕一郎、坂本雅幸「永遠」インタビュー記事
Lmaga.jpニュース:http://lmaga.jp/blog/news/2015/07/kodo-eien.html
Yahoo!ニュース:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150708-00010002-lmagajp-ent

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【7月】京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
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竹が音を知るところ/漆久保晃佑


Photo: Kosuke Urushikubo

先日の君津公演を終え次の公演地へ移動する道中、蘭情さんの元を訪ねました。

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蘭情さんは、鼓童も長年お世話になっている笛師さんです。近ごろ篠笛を始める方が増えています。何とその内の九割の方が、蘭情さんの笛を使っているそうです。いまや国内だけではなく、海外でもその名を知られる蘭情さんに、自分に合った笛の選び方・奏で方を教えていただきました。

Photo: Kosuke Urushikubo

一管一管が竹という生き物で造られている篠笛。楽器の太さ、肉厚、歌口の口径や大きさ…一見同じように見えても、その性質は個々に異なります。

Photo: Kosuke Urushikubo

「自分がどのような音を求めるか」その心が笛選びには最も大事なことである、と教えていただきました。

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鼓童で主に篠笛を担当させていただいている私は、どのような音を皆様にお届けしたいのか。つまり、どのような想いを皆様の心にお届けしたいのか。そんなことを考えていました。ほかのメンバーも思い思いに笛を手にしていました。

Photo: Kosuke Urushikubo

さて、次に皆様にお届けできる心はどんな音色でしょうか。「永遠の舞台」でお逢いしましょう。

Photo: Takashi Okamoto

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

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君津のきみぴょん/三浦康暉


梅雨入りかと思いきや、夏の様な暑い日があったり、搬入中にいきなり豪雨になったりと不思議な天候が続いてますが、永遠ツアーは順調に進んでおります。

さて、先日は千葉県君津市での公演だったのですが、そこにいたのは、なんと!

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君津のきみぴょん! 私達が来るということで、太鼓を持ってお出迎えしてくれました。

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すぐさま皆んなでパシャり♫

私達は年間の3分の2を旅して回っていますが、まだまだ知らないことばかり、色んなモノ・人・価値観に触れ、出会い、経験して自身がどんどん変わっていく。当たり前のことですが改めて考えさせられました。

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「旅っていいな」今日そんなことを考えさせてくれた、きみぴょんとの出会いに感謝ですね。

さぁ、永遠ツアーも中盤に差し掛かって参りましたが、梅雨をも吹き飛ばす勢いで頑張っていきます!

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
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船橋裕一郎@「永遠」ブルーレイ・DVD/鼓童オンラインストア


Photo: Narumi Matsuda

エピソード紹介 その1
「永遠」3曲目の「午睡 Gosui」でセンターの船橋裕一郎が奏でている楽器は、アース・セレブレーションのゲストに今年もお招きしている「スアール・アグン」の方から、昔にいただいたもの。永遠の稽古が始まるまでは玄関に飾ってあり、「これを鳴らしてみよう」から曲はつくられていきました。

Photo: Erika UedaPhoto: Takashi Okamoto

鼓童ディスコグラフィー
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「鼓童ワン・アース・ツアー~永遠」ライブ収録
ブルーレイ:6,000円(税込)http://www.kodo.or.jp/store/162_1469.html
DVD:5,000円(税込)http://www.kodo.or.jp/store/14_1470.html

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
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「永遠」「神秘」ハイレゾ音源配信スタート


「永遠」「神秘」ハイレゾ音源配信スタート

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本日より「永遠」「神秘」のハイレゾ音源配信がスタートいたしました。
e-onkyo music「永遠」 http://www.e-onkyo.com/music/album/od015/
e-onkyo music「神秘」 http://www.e-onkyo.com/music/album/od016/

ご購入には、e-onkyo musicにて会員登録が必要です。また音楽をお聴き頂くために、コンピュータまたはスマートフォンにソフトウェアをインストールする必要な場合がございます。
メンバー登録について http://www.e-onkyo.com/support/guide.aspx
再生環境について http://www.e-onkyo.com/support/listen.aspx

ハイレゾ配信は、CDや通常のダウンロード音源より多くの情報を持つ音楽データです。演奏の奥行き感、伸びやかなダイナミックレンジがお楽しみ頂けると考えております。是非お楽しみ下さい。

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
http://www.kodo.or.jp/news/20150606oet_ja.html

【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島

ディスコグラフィー | 永遠
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石塚充インタビュー by ジョニ・ウェルズ


ジョニ・ウェルズ氏が、石塚充にインタビューを行いました。英語のブログに掲載されているインタビューを和訳して、皆さまにお届けします。

石塚充インタビュー by ジョニ・ウェルズ

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鼓童村にて(写真:ジョニ・ウェルズ)

石塚充の父親は太鼓界で先駆的存在である助六太鼓の結成メンバー、兄と妹はプロの太鼓奏者、弟は太鼓職人の見習いである。充は5歳の時に舞台デビュー。しかし、鼓童研修所2年生のとき、太鼓についてそれまでに学んできたことを全て忘れ、ゼロからのスタートを切ることを決意した。

Photo: Takashi Okamoto

石塚充は、1979年8月6日に東京で太鼓の世界に生まれた。4歳のとき、両親が子どもを育てるのに良い環境だろうと考え、埼玉の山の中腹に一家で引っ越した。父と兄はプロの長唄のの囃子方の打楽器奏者だ。母は太鼓奏者で、弟は東京で太鼓づくりの修行をしている。そして、妹は横浜で太鼓を教えている。

一番古い記憶は、父の部屋から聞こえてくる鼓の音だ。充が初めて舞台で太鼓を演奏したのは5歳のとき。小学生の時は父親が指導していた地元の太鼓グループに参加していたが、当初は親やまわりの大人のすすめではじめただけで、特別自分がやりたいとか、楽しいという気持ちはなかった。
充が中学生になり、学校の民族芸能クラブに入ってその心境が変わった。そこでは、三宅や屋台囃子、鬼剣舞などを稽古した。これまでと違う環境で太鼓を演奏することで自立心が生まれ、太鼓を心から楽しむようになった。中学、高校時代はほぼ毎日太鼓を打っていた。学校の太鼓部だけではなく、家に帰ってからも兄や友達と一緒に太鼓に興じていた。まさに、太鼓漬けの日々を送っていた。音楽の好みは幅広く、学校でアコースティックギターのライブをすることもあった。

父や兄の姿を見て来た自分にとって、太鼓や舞台の世界へ飛び込むことは自然な選択だった。高校2年か3年の時、他の鼓童メンバーと同様、東京の新宿にあったシアターアプルで鼓童の舞台を初めて観た。

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屋台囃子(石塚充は前列左)

鼓童の舞台やそのグループの背景は、太鼓という人生を選んだ自分にとって、挑むべき道であると感じた。そして、充は鼓童について調べはじめた。鼓童の研修プログラムに応募することを決意したが、その年の応募期限は過ぎてしまっていた。そのため、他の太鼓関係の仕事を探した。父親の知り合いがフリーの太鼓奏者として活動していたので、付いて回り、裏方として、また演奏者として1年間を過ごした。時々報酬も得た。今振り返ってみると、一年間旅をして良かったと思っている。高校を出てすぐ何も知らないまま鼓童に入るよりも、人生についての視野が広がった。

充は研修所に入ったとき、徹底的な鍛錬を求めていた。厳しさと痛みを予想していたし、もしかしたらそれを望んでさえいたかもしれない。しかし、本物のプロとして舞台に立てるようになるための、世界中の人々にメッセージを伝えられるようになるためのトレーニングと稽古は想像以上に厳しかった。一年目は、できる限り一所懸命に取り組んだ。体力とスタミナを付けるためにトレーニングをし、テクニックを磨き、音楽の曲想をよりよく伝え、演奏でニュアンスを付けられるように稽古に励んだ。そして、プロの舞台人として、また、人として何よりも大切なこと、精神的に強くなるために必要な厳しいトレーニングにも堪えて努力しつづけた。その時まで充は、ただ楽しくて、自分の楽しみのために演奏していた。しかし、それまでのやり方を続けていれば、自分の能力に対して本当に成功できるという自信を持てないと感じた。

それを克服して本当に良い演奏者、“プロ”になるために、そのときまでの自分を全て捨ててしまわなければならない。ゼロからのスタート。二年生の一年間は、そのような意気込みで研修に取り組んだ。

その瞬間から、研修所での経験は全く変わった。きついと思っていた稽古は面白く感じるようになり、自分の太鼓が大幅に上達したと感じた。そして、鼓童の準メンバーとして認められ、すぐに交流学校公演ツアーに参加した。佐渡の辺鄙な場所で凍えながらも汗を流した2年半の後、再び観客の前で太鼓を演奏し、聴いてもらうことは、とても気持ちが良かった。

鼓童メンバーとしての14年間に、充は、手首を使う桶胴太鼓よりも、体全体を使って演奏する平胴太鼓のような大きな太鼓を得意とするようになった。鬼剣舞のような踊りや佐渡の鬼太鼓も好きだし、何曲か作曲もしている。その内最もよく演奏されるのが、「あじゃら」と「また明日」の2曲だ。また、26歳の時から、「鼓童ワン・アース・ツアー」、「鼓童12月公演」、「アース・セレブレーション」等、沢山の舞台の演出を担当してきた。そして、「アマテラス」では坂東玉三郎氏のもと、音楽監督を務めた。

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(写真:宮川舞子(左)、岡本隆史(中央・右))

Photos: Takashi Okamoto

芸術監督・坂東玉三郎氏との作品作りについては、充は、生み出される作品そのものだけではなく、むしろ作品の作り方がこれまでと異なると言う。玉三郎氏は太鼓奏者ではなく、また作曲者でもない立場で、観客としての視点から作品を見ている。そして、決して「こんな音をください」とは言わない。それよりも、「このようにしたら、もっと気持ち良い音になりますよ」という言い方をする。芸術監督は歌舞伎俳優なので、舞台上での感覚や気持ちをどのように表現するかということに関心がある。特別難しい曲を演奏した後に、玉三郎氏は、「こう動きなさい、ああ動きなさい」とは言わず、「今こんな気持ちだったら、その時に自分が自然と気持ちよいと思えるように動きなさい」と言う。それはテクニックの問題ではなく、どのように感情を表現するのか、ということだ。

また、玉三郎氏は鼓童にとって新しいことに挑戦すること、今まで誰も舞台に乗せようと思ったことがないアイディアに対し、抵抗がない。しかし、このように自由がある反面、新しい作品を創造する責任は大きくなっている。玉三郎氏の演出のもと、鼓童は従来の「鼓童ワン・アース・ツアー」を主体とした公演から、「アマテラス」、「伝説」、「神秘」、「永遠」など、作品の幅を広げてきた。そして、これからまだまだ生まれる予定だ。

また、充が何度も出演している「打男」という公演もある。打男のアイデアは、何もない、装飾もない舞台に全くシンプルな衣装、太鼓以外の楽器はほぼ使わないというもので、観客はまるでプライベートな太鼓セッションに聞き耳をたてているような感じがする。ひたすらに太鼓を打って打って打ちまくりその喜びを伝える舞台で、90分の後には観客は演奏者と一緒に走っていたかのような疲労感を感じるに違いない。それは心地よい疲労感だ。充は、「打男」という作品に関わって以来、通常の鼓童公演を難しいと感じなくなった。

演奏者として、充は自分の周りの人々の期待にきちんと応えることを楽しみにしている。そして、演出では、玉三郎氏から学んだことを少しでも舞台上で実践できるようになることを望んでいる。

Photos: Takashi Okamoto


石塚充は、「鼓童ワン・アース・ツアー2015〜永遠」ツアーに参加中。6月10日(水)から15日(金)まで、浅草公会堂での鼓童「打男DADAN2015」公演にも出演いたしました。

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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【6〜7月】新潟・神奈川・埼玉・群馬・千葉・大阪・長野・京都・愛媛・広島
【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


ジョニ・ウェルズ(Johnny Wales)

1953年、カナダ・トロント生まれ。トロント大学卒業(学士号取得)。1975年に初めて日本を旅行、その際、鼓童の前身である「佐渡の國 鬼太鼓座」に出会う。また文弥人形の師匠である浜田守太郎氏にも出会う。1976年カナダに帰国、鬼太鼓座の初めてのカナダツアーの制作を担当。1977~78年、佐渡に住み文弥人形を学ぶ。それ以来、鬼太鼓座、そして鼓童の仕事にたびたび関わりながら、文弥人形の指導、通訳、翻訳、また舞台照明の仕事に従事。その後、文弥人形の指導、活動をしながら木彫師として鼓童の舞台で使用する面を作成。1987年には The Kodo Beat(英文ニュースレター、2011年春に終刊)の最初の編集者として活躍。写真家、イラストレーター、そして Kodo eNews(英文電子ニュースレター、2013年12月に終刊)やブログ作成にも関わる。現在、ジョニ・ウェルズはフリーランス・イラストレータ、アニメーター、木彫師、人形遣い、そして作家としての肩書を持つ。カナダでは7冊の児童向け作品の挿絵を描き、その中の一冊『Gruntle Piggle Takes Off』(Viking Childrens Books出版)において、1996年、カナダの文学作品賞であるThe Governor General’s Awardの候補となる。1995年より、読売新聞にて、東京についてのイラストによるコラムを連載。現在、佐渡にて妻・智恵子と秋田犬のKyla (カイラ)とともに暮らす。

Website: www.johnny-wales.com (英語・日本語)


打つから奏でるへ/三浦康暉


浅草での打男連続公演が終わり、休む間もなく永遠ツアーが再開しました。

photo: Takashi OkamotoPhoto: Takashi Okamoto

己を爆発させ、ただひたすら打ち続ける「打男」。己を抑制させ、コントロールし奏でる「永遠」。全く違う表現方法の舞台であり、また自分達の表現の幅の広がりを感じます。

Photo: Takashi Okamoto

この永遠の舞台はただひたすらに美しい。

玉三郎さんは「自然の営みを表現できたら。」とおっしゃってました。私が思うに、自然というものはあるだけで完成され美しいものです。だからそれを表現しようとする舞台はとてつもなく美しいものではないのかと。

Photo: Takashi Okamoto

この空間に居るだけで心地よい、気持ちの良い。そんな舞台にしたいと思います。ぜひこの空間に足を運んでみてください。

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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【9〜10月】千葉・茨城・宮城・山形・岩手・秋田・静岡・愛知・兵庫・鳥取・山口・福岡・鹿児島


【作品紹介映像】鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠


鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠|作品紹介映像

鼓童ワン・アース・ツアー〜永遠|作品紹介映像をYouTubeで公開しました。是非ご覧ください。

▶YouTubeで再生 https://youtu.be/UExUU9LEBmQ

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「永遠」6〜7月、9〜10月国内ツアー
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