鼓童の舞台で『三宅』を打つのが夢でした/米山水木インタビュー

Photo: Takashi Okamoto

聞き手:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)

私は2歳の時から太鼓を始めて、小学生の時に鼓童を知り、中学1年から高校3年までは、三宅太鼓の教室に通い続けていました。『三宅』は、太鼓打ちとしての自分の原点であり、いちばん自分らしさが出せるものでもあって、いつか鼓童に入って『三宅』を打つのが夢でした。ただ、これまでの鼓童の公演作品では、『三宅』を女性の奏者が打つことは無かったので、果たして自分が鼓童の半纏を着て『三宅』を打つということはあり得るのか? ということを、ずっと考え続けていまして、だんだん「夢」から「できたらいいな」くらいに思っていました。

Photo: Erika Ueda

ですから、今回『祭宴』の中で演奏する『三宅』スタイルの打ち手のひとりに指名していただいて、すごくうれしかったです。男性二人と並んで打つということで、どう打てばいいか迷ったんですが、佑太さんは「自由に、水木の中から出てくる音や動きをどんどん活かしていい」と言ってくださいました。

Photo: Erika Ueda

私自身、『三宅』を打っている時は何も余計なことを考えていなくて、本当に魂で打っている実感があるんです。太鼓を演奏する人を見ていると、その人の太鼓人生が見えてくるもの。私も自分のたどってきた道をまっすぐに見せれば、音や動きに、それが自然に出てくると信じて打っています。

Photo: Takashi Okamoto

『巡』は、鼓童が試行錯誤しながら新しい可能性を見出そうとしている作品です。その新しい方向へ発展してゆくきっかけの位置に、いま自分は立っているのかなと感じています。

Photo: Erika Ueda

Photos: Takashi Okamoto, Erika Ueda

 


米山水木

Mizuki Yoneyama

2歳から太鼓を始める。2013年研修所へ入所。2016年より正式メンバー。舞台では主に、太鼓を担当。2015年「道」、「交流公演」「佐渡特別公演」、ロシア「平和友好文化フェスティバル」出演、インドネシア・バリでの公演など国内外の公演に参加。即興性に富んだ舞台経験を積む。2016年「若い夏」「交流公演」など国内で活動。

2017年、「初音ミク×鼓童スペシャルライブ」、「道」、「交流公演」、「KODO × Kids Dance」出演。2018年エジプトでの「Japanese Drums Concert」に出演。安定感とパワフルな演奏に、爽快な笑顔が持ち味の女性奏者。

米山水木プロフィール
https://www.kodo.or.jp/meguru/member/mizukiyoneyama